海運用語集

本用語集は、当社が主としているケミカル・タンカー船でよく使われる用語を中心にまとめており、また、当社の社内研修用としても使えるようにも考えています。今後、徐々に項目数も増やし、加筆・訂正をしながら、より充実したものにしていきたいと思っています。また、記載内容について、疑問や修正すべきものがありましたら、ご指摘いただければ幸いです。

海運用語集」を追加更新しました。
1)AF塗料[英記:Anti-Fouling paint]
2)国際信号旗(こくさいしんごうき)
3)双方向無線電話装置(そうほうこうむせんでんわそうち)
4)操練(そうれん)
5)バラスト状態(ばらすとじょうたい)

インデックス

アイウォール(eyewall) 眼の壁雲。台風の眼を円形に囲い込む背の高い積乱雲群。雲頂は圏界面に達し、かなとこ状(頂上部分が拡がって平らになること)となる。眼の中は弱い下降気流のため、雲は少ない。
アイドル・シップ(Idle Ship) 老朽のため使用出来ない、あるいは採算上不利となったため、一時的に運航を休止して係船する船をいう。
IMOナンバー(あいえむおーなんばー IMO number) 個々の船舶、船舶所有者、船舶管理会社に与えられる7桁の番号
合いドック(あいどっく) 定期検査(通常5年に1回に国の船舶検査官が行う)と中間検査(2.5年に1回)の間に行う入渠(にゅうきょ)であって、任意に船舶所有者が行うもの(船舶安全法に基づかないもの)。合入渠(あいにゅうきょ)とも言う。
アクセスハッチ 一般貨物船、バラ積貨物船、鉱石船などの貨物倉への交通用として設けられるハッチで、倉内梯子と組み合わせて使用される。
アイスプライス ロープやワイヤーで、環の形にストランド(紐や縄など太さのある糸状のものを指す)を編み込んだもの。
アイレット(Eyelet) 鳩目(ハトメ)ともいう。キャンパスカバーなどに装着する金属環のこと。
亜鉛板(あえんばん Zink Plate) 保護亜鉛板。ジンクプレートともいわれる。電食防止の役目で、船体(鋼)とプロペラ(真鍮)のように異種金属が海水に入ると、船体側にイオン分離による腐食が発生する。これを亜鉛板に身代わりさせるもので、プロペラ付近に多く設置される
青波(あおなみ) 荒天時などに、船内に打ち込む波(海水)。しぶき(飛沫)とは区別する。
揚げ積み(あげつみ) 揚げ荷役後に積み荷役を実施すること。ケミカル船の揚げ積みは、揚げ荷役後のタンク洗浄に時間がかかり同日では間に合わない場合がある。
上げ潮(あげしお Flood tide) 海面が上昇しつつある状態
揚げ荷役(あげにやく) 船体に積載したケミカル製品をカーゴポンプを使用し陸上側タンク内へ移送すること。
揚げ荷役(あげにやく) 船体に積載したケミカル製品をカーゴポンプを使用し陸上側タンク内へ移送すること。
朝凪(あさなぎ) 海陸風において、海側の気圧と陸側の気圧が等しくなり、風が一時的にやむことを凪といい、1日に2度生じる。朝凪は日出後の2~3時間発生する。
脚(あし) 喫水のこと。または船速のことをいう。
葦船(あしぶね) 葦(あし)とは、イネ科の植物のことをいい、葦を縄で束ねただけの船をいう。日本では、伊耶那岐命(イザナギノミコト)と伊耶那美命(イザナミノミコト)との間に生まれた最初の神様である蛭子命(ヒルコノミコト)が、葦舟に乗せられて海に流されたと「古事記」に記されている。
アースバー(除電棒) 人体は、化学繊維製の衣服を脱ぐとき、ビニールカバーの椅子などから立ち上がる時、化学繊維のカーペット上を歩行するとき、それら摩擦によって人体帯電する。人体が1,000ボルト以上に帯電していると、その放電によって可燃性ガスに着火できる。タンカー船では、この静電気を少なくしスパークを防止するために船内各所に人体静電気をアースさせるためのアースバー(除電棒)を設置している。
当舵(あてかじ Steady) 当舵とは、目標針路を超えて回頭しそうなときにそれを防ぐための操船をいう。当舵の大きさは、その船の舵効きや、喫水の状態によって変わるので、その状況に応じて調整する。
アップライト(Upright) 船が傾斜していない状態。船体中央部両舷の喫水が同じであること。
アッペンダウンアンカー 「UP AND DOWN(アップ アンド ダウン)」が短縮されて「アッペンダウン」となった。錨が立って錨鎖がホースパイプ直下に垂直となっている状態で、船の航行状態と停泊状態の境界となる。
アドバンス(Advance) 舵を切ってから船体が 90 度回頭するまでに前方向に進んだ距離。操縦性能の1つ。
後船(あとぶね) 着岸バースに、後に着く予定の船。(反)先船(さきぶね)
亜熱帯高圧帯(あねったいこうあつたい) 南北緯度30度付近で、偏西風帯と貿易風帯の間にある。気圧が高く下降気流となり、下層では発散している。
アネロイド気圧計(あねろいどきあつけい Aneroid barometer) 一般に使用されている液体を使わない気圧計。アネロイドはギリシャ語で液体ではないの意。測器内部に真空盒(しんくうごう:真空タンク)を備え、気圧変化によるひずみを測定針に伝えている。
アバンダン宣言(あばんだんせんげん) 貨物が全損になった可能性が高いにもかかわらず、全損が確定するまでに時間を要する場合に、確定まで保険求償が行えないとすると、迅速な損害回収という貨物保険本来の機能を被保険者が十分に享受できないことになる。このような場合に、被保険者が貨物の所有権を保険者に譲渡し、保険者に全損金の保険金請求を行うこと。
あびき 春先に、気圧の微妙な変動や地形などの影響で起きる、海面の異常な昇降現象を「あびき(副振動)」と言う。数分から数十分の周期で急激に潮位が変動することが多く、数メートル近い潮位変化を伴う場合がある。
アフターピークタンク(After-peak Tank) 船尾隔壁より船尾の方へ設けられた水槽で、バラストタンクまたは清水タンクに使用され、船尾喫水トリムの調整を必要とする時にも利用できる。船尾水槽(せんびすいそう)ともいう。⇔(反)フォアピークタンク(Fore-peak Tank)、船首水槽(せんしゅすいそう)
油(あぶら) 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律で定められている油とは原油、重油、潤滑油、軽油、灯油、揮発油、アスファルト及びこれら油以外の炭化水素油(石炭から抽出されるものを除く)であって、科学的に単一の有機化合物及び2以上の当該有機化合物を調合して得られる混合物以外のもの並びにこれらの油を含む油性混合物をいう。
油記録簿(あぶらきろくぼ) ビルジ、油性残留物等の処理については作業後のその方法、処理量、処理海域の記録。また燃料補給については、その量を記録する記録簿のこと。なお、この記録簿は海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律で記録を義務付けられている。
油処理剤(あぶらしょりざい) 船舶から油が海上流出した際に使用する。いずれも油を乳化、乳化分散させるもので油の量の20~30%を散布し海面を十分に撹拌して処理する。また、油を凝固させるゲル化剤も開発されており、回収後は焼却することが出来る。処理剤の使用に際しては、海洋環境や漁業への影響もありうるので、会社関係者、海上保安庁、漁業関係者と事前打合せが必要となる。
アブログ(Abstract log) 船舶の運航上発生した記録したものが航海日誌と呼ばれ、特にその中で重要な諸点(航行距離、燃料消費量、入港地名、入出港時間、積載貨物名及び数量)を、一航海ごとに分けて記録した日誌のこと。
海人族(あまぞく) 古代の日本においては、海人族と呼ばれる人々が各地の海で釣り漁や網漁、潜水漁、タコ壺漁などをして暮らしていた。彼らは得た魚介類を朝廷に献上するだけでなく天皇家を支える海上交通の担い手でもあった。古事記、日本書紀には274年に伊豆の国命じて作らせた船を使い、淡路島で湧く清水を天皇の御料水とするために海人たちに都まで運ばせたという記述がある。
アーミングホール(arming hole) 手用測鉛の底にある穴。グリスを詰めて底質を調べる。小型内航船では手用測鉛はによる底質を調べることはほぼない。錨泊時は海図記載の底質を基に行っている。
アーム(あーむ Arm) 腕のように伸び、海底の土をつかむ。
アメダス(Automated Meteorological Data Acquisition System) 「Automated Meteorological Data Acquisition System」の和略。地域気象自動観測システム。全国約 1300 箇所で雨量を、840 箇所で風向風速、気温、日照時間も観測している。
歩み板(あゆみいた) 船と桟橋の間を、人が行き来するために渡す板。干満の関係などによっては、船陸間でかなりの高低差が発生する場合があり、そのような場合は、板を渡し、板の上を人が歩行する。
アライアンス 船社間協定の一形態で、世界規模での最適配船、コスト合理化を図るための戦略的船社間協定。1992年後半から1993年にかけて欧州航路や北米航路でアライアンスを模索する動きが始まった。
アルパー(自動衝突予防援助装置 Automatic Redar Plotting Aids(ARPA)) ARPA」(えーあーるぴーえー)参照
アレージホール アレージとは、タンク上面から貨物油面(液面)までの距離の事で、タンカーでは油量計測時、アレージ・ホールから巻尺に似たアレージ・テープを入れて計測する。
泡消火装置(あわしょうかそうち) 一定の水量を給水できるポンプ、泡原液とその貯蔵タンク、泡原液と水を規定の容量濃度に混合させる混合装置、泡原液水溶液と空気を撹拌混合して泡を生成放出する泡放出口、および送液のための一連の配管ならびに関連制御装置から構成される。
アンカーアウェイ アッペンダウンアンカーから更に少し錨鎖が巻き込まれ錨が起き、アンカークラウンが海底を 完全に離れようとする時をいう。
アンカーベッド(Anchor Bed) ホースパイプのない船で錨を甲板上に固定するための台座。
暗礁(あんしょう) 暗礁は、常に水面下にある岩礁のことを指す。岩石や珊瑚礁などでできており、船舶にとっては座礁の恐れがある危険な場所となっている。
安全荷重(あんぜんかじゅう) 安全使用荷重または制限荷重。装置または構造物等を安全に使用できる最大荷重または制限荷重。
安全管理規定(あんぜんかんりきてい) 平成18年9月に「運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律」により、運輸事業者に対して、絶えず輸送の安全性の向上に向けた取組を求めるとともに、安全最優先の方針の下、経営トップ主導による経営トップから現場まで一丸となった安全管理体制の適切な構築を図るため、運輸事業者に対して、安全管理規程の作成等が義務付けられたもので、海運会社も船舶の安全運航及び海洋環境保護に関し、有効かつ適切な安全管理システムを確立するため、当規定を定めている。
安全担当(あんぜんたんとうしゃ) 作業⽤具や作業設備の点検整備。安全装置、検知器具、消⽕器具、保護具の点検整備。安全に関する教育と訓練。記録(安全担当者記録簿)の作成を担当する。
暗車(あんしゃ) 船舶の船尾部にあるスクリュープロペラ(プロペラ)のことをいう。常に水面より下 (喫水線下)にあり見えないことから、暗車といわれる。
安全工具(あんぜんこうぐ) タンカーでは、可燃性ガスに対する引火の危険防止のため衝撃や摩擦によって火花を発するおそれのない非鉄金属製(ニッケルアルミ銅合金等)の安全工具の使用が義務付けられている。
安全水域標識(あんぜんすいいきひょうしき) 可航域や航路の中央に設置される。赤と白の縦縞。頭標は球形。
安全な速力(あんぜんなそくりょく) 他の船舶との衝突を避けるための適切かつ有効な動作をとること又はその時の状況に適した距離で停止することができるように航行することをいう。

硫黄酸化物(いおうさんかぶつ SOx、Sulfur Oxides) SOx」参照
錨(いかり) 1節25m×8節=200m(全長)、降ろすのは、通常5節程度。停泊できるのは、錨の爪によるものではなく、チェーン自体の重さ(はちゅう力)であり、抵抗力。
行会い船の航法(いきあいせんのこうほう) 二隻の動力船が真向かい又はほとんど真向かいに行き会う場合において衝突するおそれがあるとき、これを「行会い船」といい、各動力船は、互いに他の動力船の左舷側を通過することができるようにそれぞれ針路を右に転じなければならないと定められている。(海上衝突予防法 第14条の行会い船)
行き脚(いきあし) 船舶等の前進速力に対し、それまでの勢いで走り続けること。
行き脚をなくす(いきあしをなくす) 行き脚を無くすとは、前進速力が一定以下になることをいい、舵による操船が不能となることをいう。(ケミカルタンカー499G/Tでは2knot以下で操船不能となる)。
行先信号(いきさきしんごう) 海上交通安全法に規定されており、航路付近の他船に対し、自船の動向を知らせる信号で、国際信号旗、汽笛、発光を用いる。
遺棄船(いきせん Derelict) 損傷が大きいため見捨てられた船をいう。
委託船(いたくせん) 貸渡業者(オーナー)が運送業者(オペレーター)に対し船舶の運航を全面的に委託すること。この契約は、定期用船とは異なり、貸渡業者の収入は一定ではなく、好況時など運賃が高く、稼働率が高いときは利益が上がるが、不況時には収入が下がり安定しないという面がある。
1日1回潮(いちにちいっかいちょう Single day tide) 1日に通常2回ある満潮と干潮が、日潮不等のはなはだしいときに1日に1回の満潮と干潮しか起こらないこと
位置の線(いちのせん) 灯台からの方位線など、自船のいる場所を含んだ直線や曲線。この線を複数集め、交差させた点を船位とする。
一番船(いちばんせん) 同じ桟橋で、一日に複数の荷役が予定されている場合、その中で最初に荷役を行う船のこと。二番目に荷役を行う船は「二番船」。
一体型建造法(いったいがたけんぞうほう) 船台に、まず船体の最下部となるキール(竜骨)部分を据え、そこから下から上に順々に骨組みを作り、骨組みができたら外板を貼るという具合に船体を組み上げてゆく方法である。下部ができるまで上部の製作に取り掛かれないため進水までの建造期間は長く、生産性を高める為に第二次世界大戦以降の造船はブロック式建造法が主流となる。
一点係留(いってんけいりゅう SPM: Single point Mooring) タンカーを沖合のブイに係留したまま荷役できるようにしたシステムの名称。このブイをSPMターミナルまたはターミナル・ブイという。このブイにはタンカーを係留する係船装置のほかに荷役のためのフローティング・ホースが装備されている。このホースは常時浮かばせておくパーマネント・フロート方式と使用時以外は海中に沈めておく浮沈ホース式とがある。
一般配置図(いっぱんはいちず) 広く一般に適用される法規で、都合の悪い箇所には特別法が設けられる。海上衝突 予防法と海上交通安全法及び港則法はこの関係
一般風(いっぱんふう) 等圧線に沿って吹く風。地衡風や傾度風を指す場合が多い。
一般法(いっぱんほう) 貨物倉(貨物槽)、荷役装置、機関室、各タンク、ハッチカバー(貨物船のみ)、居住区の諸室、係船装置、扉等の配置を示した図面のこと。
緯度(いど) 地球上のある地点の南北の位置を表す座標の一。赤道を零度として、それと平行に南北に地球を横に切る線の目盛り。南北おのおの90度まで測り、北へ測るのを北緯、南へ測るのを南緯という。
移動性高気圧(いどうせいこうきあつ) 春・秋に出現する。中国大陸から高気圧が偏西風に流され、日本を通過する。高気圧の前面では北よりの風が吹き天気はよいが気温は低い。後面では南よりの風となり気温は上がるが天気は崩れやすい。
イーブン・キール(平脚(ひらあし)Even Keel) イーブンキール(ヒラアシ)とは、船首と船尾の喫水が同じ状態をいう。利点、欠点ともにバイザヘッドとバイザスタンの中間である。水深の浅い港、河川、運河を航行する場合にイーブンキールとする場合がある。
イナートガス(Inert Gas) イナートガスとは、N2(窒素)やCO2(二酸化炭素)などの不活性ガスのこと。危険物を積載する原油タンカー、LPGタンカー、LNGタンカーのタンク内に、イナートガスを注入することにより、タンク内の酸素量を抑制し引火爆発を未然に防ぐ役割をもっている。
居眠り防止装置(いねむりぼうしそうち) 船橋での当直航海士の不在や居眠り・急病で生じる事故を未然に防ぐことを目的とした装置で、3分〜12分の任意の時間で設定されたタイマーが当直航海士によりリセットされなければ、船橋内で可視・可聴警報を発する装置。更に船員居住区に警報を転送する。
井上式三角定規(いのうえしきさんかくじょうぎ) 三角定規の表面に方位目盛を入れたもので、コンパスローズがなくても方位線が引ける
命綱(いのちづな) 高所作業や舷外作業を行う者が転落を防止するために着用する。装着しやすいように加工したものが安全ベルト。
イマーションスーツ 寒冷時の救助艇作業員の風浪暴露からの人体防護や、海中転落時の体温低下を防止するために着用する防護服。
イイモドコブイ 大型タンカー用に送油管を備えた船首一点係留用の浮標。
入浜権(いりはまけん) 海浜や海岸に自由に立ち入り,魚介類の採取や海水浴など自然の恩恵を享受できる権利。
入船(いりふね) 入船とは、港の入口(港口)に船尾方向を向けた状態で着桟(岸)する方法である。出船と全くの逆を指す。実際の入港は長らく出船で行われてきたが、エンジンの騒音問題等を踏まえ、近年は入り船での入港が増えつつある。⇔(反)出船(でふね)
移流霧(いりゅうぎり) 海霧の多くがこれ。南からの暖湿気流が低温の海面に移流し、下層が飽和し、結露、これが霧となる。初夏、三陸沖のやませが有名。
引火点(いんかてん) 液体の表面近くで引火(物が他の火・熱で発火すること)するのに十分な濃度の可燃性ガスが生じる最低の液温のこと。ガソリンでは-40℃、軽油は50~60℃。
インコタームズ(Incoterms) 国際商業会議所 (International Chamber of Commerce: ICC) が策定した貿易条件の定義である。1936年以降策定されているが、改正を重ね、最新版 (Incoterms2010) は2011年1月1日から発効した。名称はInternationalの’In’、フランス語のCommerce(Trade)の’co’、それに’Terms’を組み合わせた略称。貿易取引における運賃、保険料、リスク(損失責任)負担等の条件に関する売主と買主の合意内容について、国によって用語の解釈に不一致があると貿易が円滑に行われないため、国際的に統一的な定義を取り決めたもの。 任意規則であるため、強制力はなく、貿易取引の契約書に「本契約で使用されている貿易条件は、インコタームズ2000によって解釈する」というような約款を入れることが一般的である。また、両当事者が合意すれば、例えば1990年度版に準拠することも自由にできる。インコタームズの本文(和英対訳)は、国際商業会議所日本委員会で入手することができる。
インジケータコック 内燃機関でシリンダー内の圧力を測定するための指圧器を取り付けるコックのこと。
インシデント(Incident) 船舶または人が危険にさらされ、又は結果として船舶や構造物、環境への重大な危害が生じたかもしれない船舶の運用に起因・関連するできごと、又は事象をいう。
インデックスエラー(Index Error) 六分儀の器差。遠くの水平線や太陽の直径を測定し、天測暦データと比較することで得られる。
インテグレイテッド・ブリッジ・システム (Integrated Navigation System=INS) ECDIS、ARPAレーダー、AIS、オートパイロットなどを組み合わせ、航路監視、衝突予防、航路計画および自動操船など航海機能を統合したシステム。
インマルサット(INMARSAT) 「International Maritime Satellite Organization」の略。国際海事衛星機構の略称。1979年に発効した〈国際海事衛星機構に関する条約〉によって設立された国際機関のこと。海上における遭難・安全通信,海事公衆通信業務,無線測位などの海事通信を行うための衛星を打ち上げ、提供することを目的とし、総会、理事会および事務局により構成されている。
飲料水(いんりょうすい) 「船内で飲める淡水。清水は真水のことで、保存タンクの状態により、飲用に適さない場合もある。清水の積込みには「専用のホース」を使う。

ウィーク・リンク(Weak link) 船舶が沈没した場合に膨張式救命いかだを船体から離脱させるための索。一端は常時いかだの積付け架台に固縛されており、他端はいかだのもやい綱に結び付けられている。
ウイング(Wing) 船橋から左右に張り出した場所。操船や見張りに使用。船舶によってレピーターコンパスがある。
ウィンドラス(Windlass) 揚錨機。船舶の投揚錨並びに係船装置を言う。アンカーチェーンあるいはロープの巻き取り、繰出装置、ブレーキ装置からなり、主として油圧あるいは電動モーターにより駆動される。
ウエザーサイド(Weather side) 風上側のこという。(対義語=リーサイド)
ウェブフレーム(Webframe) 特設フレーム。通常のフレームだけでは強度に問題がある場合に大型のものが設置される。
ウェス(Waste) ぼろ、ぼろきれ。機関・機械等油汚れの手入れに使用する古い布。油分で汚れたウェスは自然発火しやすいので、早期に陸揚げ、焼却等の処分が必要。
ウエルディングポンプ(Wilden pump) 防爆、危険エリア等電気の使用が厳しいエリアでの使用に最適な圧縮エアーを駆動源としたダイアフラムポンプのこと。ケミカルタンカーではタンククリーニング終了後の残水処理等に使用している。
ウォークバック(Walk back) 引火性危険物を積揚げする際、万一の危険防止のため本船と工場を仕切るため一列の噴水を出す装置のこと。
ウォーターカーテン ウインドラス(揚錨機)を逆回転させ、錨を降ろすこと。
ウォームコア(Warm core) 温暖核。台風の中心にある暖気核。これがなくなると温帯低気圧に変化する。
浮ドック(うきどっく) フローティングドック」参照
右舷(うげん Starboard) 船尾から見て、右側を指す。⇔(反)左舷(さげん)
うず巻きポンプ(うずまきぽんぷ) ポンプケーシング内に装備される羽根車の回転によって発生する水の遠心作用を利用して送水するポンプのこと。うず巻きポンプは構造が容易で小型であり一度に大容量のものが得られるが、ケーシング内に空気が混入する場合は揚水が困難であり、始動の際は呼び水装置が必要である。
うねり(Swell) 観測場所からかなり離れた所で起きた波が伝わってきたもの。波長は大。例えば、南方洋上で発達した台風から「うねり」が風に先駆けて日本の太平洋岸に到達したものを土用波と言う。台風の襲来を告げる自然が放った伝令のようなもの。
うねり階級(うねりかいきゅう) 波が進むスピードより風が強いと、波は風に押されて次第に三角波を形成する。このように、その海域で吹いている風によって生じる波を風浪と言うが、その風浪が発生域を離れるなどして、風の直接の影響を受けなくなった状態の波を言う。
そのうねりの大きさを階級別に合わせて説明した物をうねり階級と言う。
0 うねりがない
1 短くまたは中位の弱いうねり(波高2m未満)
2 長く弱いうねり(波高2m未満)
3 短くやや高いうねり(波高2m ~ 4m)
4 中位のやや高いうねり(波高2m ~ 4m)
5 長くやや高いうねり(波高2m ~ 4m)
6 短く高いうねり(波高4m以上)
7 中位の高いうねり(波高4m以上)
8 長く高いうねり(波高4m以上)
9 2方向以上からうねりがきて海上が混乱している場合
海風(うみかぜ) 海は温まりにくく冷めにくい性質を持ち、昼夜、日射によって温められると、海面より地面の方が加熱しやすいので、陸上側で(気圧が低くなる)上昇気流が起こり、それを補うために海上から風が吹く。これを海風という。
運転不自由船(うんてん‐ふじゆうせん) 船舶の操縦性能を制限する故障や異常な事態が生じているため、他の船舶の進路を避けることができない
船舶のことをいう。
なお当該船の灯火及び形象物は、次のとおりです。(全長12m以下の船舶は適用外)
①灯火
夜間:最も見えやすい場所に紅色の全周灯2個を垂直線上に掲げること。
対水速力を有する場合:舷灯1対(長さ20メートル未満の運転不自由船にあっては、舷灯1対又は両色灯1個)を掲げ、かつ、できる限り船尾近くに船尾灯1個を掲げる。
②形象物
昼間:最も見えやすい場所(例:船首マスト等)に球形の形象物 2個又はこれに類似した形象物2個を垂直線上に掲げる。
運賃・保険料込み条件(うんちんほけんりょうはらいこみじょうけん CIF) CIF」参照
雲量(うんりょう) 全天を占める雲の割合。日本では10分量を用い、国際的には8分量を用いている。霧で見えない場合は、雲とみなし10とする。

エア押し(えあおし) 積込終了時に陸上配管内に残っている液状貨物を本船に押し込む。逆に、荷揚する場合、本船の配管内に残っている貨物を陸上側に押し上げる。この時エアで押すことを「エア押し」、窒素を使う場合「N2押し」と言う。
エアードラフト 水面から船体構造物最先端までの高さをいう。
エアーハッチ デッキ上にある円筒形のベント管立ち上がり接続部分。オイルタイトハッチより小径。
エアーラン 機関起動前及び機関停止後に圧縮空気を使用して機関を回転させることであり、機関起動前にはシリンダー内に燃料・潤滑油・冷却清水の漏れがないことを確認し、機関停止後にはシリンダー内の燃焼ガス・煤の排出を目的とする。
AF塗料(えーえふとりょう Anti-Fouling paint) 船体喫水線下の外板に塗装され、海洋生物付着を防止する塗料のことをいう。
曳航(えいこう) 船舶が物件や他の船舶を引きながら航行すること。操縦性能が制限されると船長が判断すれば、操縦性能制限船となる。
A種船(えいしゅせん) 船の長さが60m以下のタンカーで積み荷が引火点60℃以下の引火性液体類を積載できるタンカーをいう。主にガソリンや灯油を積載する小型油タンカー。特別な安全構造(船の長さが60mを超えるタンカーと同程度)を必要としている。
衛星画像(えいせいがぞう) 気象衛星により定時的に送られてくる画像。可視画像、赤外画像、水蒸気画像がある。雲の広がりや高さ、水蒸気の多寡などが判別できる。
衛星航法(えいせいこうほう) 電波航法の一種であり、人工衛星に搭載された電波送信機までの距離を測定して船位を求める方法。
曳船(えいせん Tug Boat) 他船を曳いたり押したりするための船舶。外洋で故障を起こし航行不能になった船舶を曳航したり、港内に出入港する船舶の操船の補助として使用される。「引船」、「ひきふね」とも呼ぶ。
液体化学薬品 (えきたいかがくやくひん) ばら積液体危険物の一種類で、摂氏37.8度で0.28メガパスカル以下のガス圧を持つ液体であって腐しょく性、人体に対する毒性、引火性、自然発火性及び危険な反応性を持つ物質をいう。液体化学薬品ばら積船での主要運送品目はベンゼン、トルエン、キシレン等である。また、当該物質を運送する液体化学薬品ばら積船は、安全運送を確保するために、危規則に運送基準、運送船舶の貨物格納設備及び構造等が規定されているほか、海洋汚染防止の観点から、海防法に排出等の規制が規定されている。これらの規定は「海上における人命の安全のための国際条約」(SOLAS条約)及び「海洋汚染防止条約」(MALPOL条約)の両条約を根拠とする強制コード「液体化学薬品ばら積船の構造及び設備に関する国際規則」(IBCコード)を取り入れたものであり、当該コードに満足しない限り当該物質を運送することができないこととなっている。
液面計 (えきめんけい Liquid-Level Gauge) 閉鎖・密閉状態のカーゴタンク内の油面高を測定し表示する装置。ガイドパイプ内にセンサーを一定間隔で配列し、そのガイドパイプに沿ってフロートが上下する。フロート内部には磁石が内蔵されており、この磁石によりセンサーのON・OFFを検知して液位を計測する。(電磁フロート式液面計)
エコーサウンダー (Echo Sounder) 音響測深儀」(おんきょうそくしんぎ)参照
A重油(えーじゅうゆ) 動粘度が低く、常温でも使用可能。硫黄含有率の低い重油。
エスケープトランク 非常時、軸路又は機関室から開放甲板上に直接脱出できるように形成された通路。
SWL(えすだぶるえる) 「Safe Working Lord」の略。設備の安全な使用制限荷重のことをいう。船首尾のフェアリーダー、ボラード、油圧クレーン、機関室チェーンブロック等の荷重のかかる箇所にSWL〇〇KN(ton)などど標示される。
エダクター エダクターは船倉内のビルジ吸引用や、貨物油、海水バラストなどのストリッピング吸引用に常用される。
NK船(えぬけーせん) 一般財団法人日本海事協会の検査を受け船級の登録をした船舶の一般的呼称。8条船舶あるいは船級船ともいう。
FOC船(えふおーしーせん Flag of Convenience Ship) 運航コストを下げるため、⽇本の船社が所有する⼜は⽤船する海外船籍(パナマ、リベリア)の船舶。便宜置籍船。
エプロン コンテナ荷役をおこなうためのバースにあり、コンテナの積み卸しを行なうガントリークレーンが設置されている箇所をいう。
エマルジョン化(えまるじょんか) 「乳化」ともいう。互いに混ざり合わない液体の一方を微粒子にして他方に分散させること。撹伴(かくはん)などの方法を用い、保存するためにふつう乳化剤を加える。
エムゼロ 機関室の当直無しで、主機を24時間運転できる設備を備えた船をMゼロ(えむぜろ)船と呼ぶ。「Mゼロ」とは(財)日本海事協会が定めた船級を示す符号で「Machinery Space Zero Person」の略。船橋からの主機遠隔コントロールが可能でかつ機関室の異常を知らせる警報装置、異常時に自動的に主機を減速する装置など、無人運転のための多くの規定を満たした船を意味する。
エルニーニョ(El Niño) ペルー沖の海面温度が異常に高くなった場合に世界各地で生じる異常な気象現象の総称。地元の漁師が現地の言葉(スペイン語)でこう呼んでいたのが、世界中に広まった。日本では冷夏・少雨梅雨などの異常気象をもたらす。
LPG船(えるぴーじーせん) Liquefied Petroleum Gasの略。液化石油ガスのこと。具体的には、液化プロパンや液化ブタンのこと。常温・常圧では気体だが、加圧又は低温にすることにより、液化された貨物を運ぶ船。
エロージョン(Erosion) エロージョンとは、キャビテーションによって生じた気泡が急激に潰れることで非常に高い圧力が発生し、プロペラの表面を浸食してぼろぼろにしてしまう腐食作用のことをいう。
沿海区域(えんかいくいき Coasting Area) 船舶安全法施行規則で定められた沿岸から20海里以内の区域。
沿海資格(えんかいしかく Coasting Qualification) 船舶の航行区域により与えられる資格のひとつ。この資格は北海道、本州、四国、九州およびこれらに附属する特定の島から20海里以内を航行できる資格をいう。
遠隔制御(えんかくせいぎょ) 原動機、補機(ポンプ・空気圧縮機)等をその設置されている場所から離れた場所で運転・制御を行うことをいう。
沿岸航法(えんがんこうほう) 岬、山頂、灯台など地上の物標あるいは測深を利用する方法。
沿岸波浪図(えんがんはろうず) 日本周辺の海上模様を表す。等波高線、卓越波向、風向風速などが記載。
縁切(えんぎり) 同一船で二品目の積み合わせ荷役を行う際、貨物同士のコンタミネーションを防ぐため 船の配管を、それぞれの品目毎に完全に独立させること。一般的なケミカル船は、二系列に独立している配管を一か所でつないで一系列運用して おり、このつなぎ部分の短管ごと取り外し切り離してしまう。
縁材(えんざい) コーミング」参照
エンジンテレグラフ(Engine telegraph) エンジンテレグラフは、船橋からエンジンの指示を行う指示器のこと。近代化船では装置の電子化により、船橋から離れていてもエンジンを遠隔操作することが出来るようになった。
煙霧(えんむ) 大気中に微粒子が視程障害を引き起こすくらい多量に漂う気象現象のこと。
遠洋区域(えんようくいき) 平水区域・沿海区域・近海区域を除く一切の海面を含む航行区域。

追い越し船の航法(おいこしぶねのこうほう) 海上衝突予防法第 13 条。あらゆる船舶に適用し、追越す側に避航義務を課す。追越しと横切りの境目は正横後2点。どちらかを判断できない場合は、追越し船と判断する。
オイルタイトハッチ デッキ上にある円筒形のカーゴタンクへの出入り口。カーゴタンク内へ降りるためのはしごが設置してある。
オイルフェンス 海上で、タンカー などから油漏れが生じたとき、広がらないようにするため一時的に設置する柵のこと。オイルフェンスは、①波高2mで有効であること。②風速10~15m、潮流1ノットで使用できること。③取扱簡便で格納に場所を取らないこと。④結合が容易であること。等の条件を満たさなければならない。
沖修理(おきしゅうり) 船舶関係の修理を沖で行うこと。船舶関係の修理は、可能な限り着岸中(仮バース若しくは造船所)に行うが、航海の途中で修理することもある。沖修理の場合、修理業者は通船ボートで移動し本船に乗船し修理する。
沖荷役(おきにやく) 沖に停泊している外航船と内航船間で、海上でカーゴの受渡しを行うこと。日本港湾施設(バース)が小さい場合、大きな外航船等が桟橋等に着桟することが物理的に無理の場合のみ許可される。国内で許可されるのは横浜港と神戸港のみ。
オゾン(Ozone) 気体の一種。成層圏に多く存在し、紫外線を吸収する作用を持つ。酸素分子が紫外線により光解離し、他の酸素分子と結合してできる。
乙仲(おつなか) 海運貨物取扱業者。船会社と荷主の間に立って海運カーゴの港湾における運搬、受け渡し、それらに伴う業務を代行する業者。戦時中に、船舶の売買などを仲立をする甲種海運仲立業に対して、乙種海運仲立業と称したことばの残ったもの。
オートテンションウインチ(Constant tension winch) 係留索の張り具合を自動的に調節してくれる甲板機械。日々の潮汐や積荷の上げ下しに自動で対応できる。
オーバーフロー管(おーばーふろーかん) ディ―プタンク内に過圧が生じるおそれがある場合に、タンク内の過圧を防止するために設けるパイプ。 オーバーフロー菅の合計断面積は、注入管の合計面積の1.25倍以上であること。十分な容器のオーバーフロータンク又はあふれ出た液体を十分に処理できる容量を有する他のタンクに導かれたものであることなどの規則の要求に適合するものでなければならない。
オーバーリッチ オーバーリッチとは、カーゴタンク内のガス濃度を爆発上限界以上の濃度に保つことをいう。爆発を防止するためには、可燃性ガス又は空気のいずれか一方をなくすか、少なくする必要があり、可燃性ガスを無くすことが最も安全であるがタンカーでは特別な場合を除いて不可能であるため、上記方法により、爆発範囲から外す方法が取られる。
オーバル型流量計(おーばるけいりゅうりょうけい) 配管内を流れる液体の流量(流速)を計って液量を算出する。流体がメーターを通過する時、オーバルと呼ばれる2個の楕円形をした歯車状の回転子が噛み合って回転する。このとき1回転で送り出されるケーシング内の容積と回転数によって流量を積算し、指示する装置。
帯状高気圧(おびじょうこうきあつ) 春秋の代表的な形。いくつかの移動性高気圧が東西(南北もある)に並んで帯状に連なる。低気圧が発達せず、晴天が長続きする。
オフセットベント 管系の一部に曲がりを設け変形を吸収できるようにした配管のことをいう。
オフ・ハイヤー(Off Hire) 賃借料の対象とならない部分(船が使用できない日数分(例えばドック入り等)荷主側が払わない賃借料のこと、本来、船主側が負担すべきもの)⇔(反)オン・ハイヤー(On Hire)
オペレーションマニュアル(Operation Manuals) 油等の可燃性液体、危険物船舶運送及び貯蔵規則並びにIMOケミカルコードに定める液体化学薬品のばら積輸送に従事する船舶に対して、航行中及び入港中の作業の安全性を向上させる上で、船舶及び対象貨物に関する、最善の実務に関する情報を記載した冊子。全ての積載予定貨物の積載計画に必要な情報、貨物移送、タンク洗浄、ガスフリー及びバラスト作業に関する注意事項が記載されている。
オペレーター(Operator) 所有船又は傭船(借り船)をもって、種々の積荷のオーダーを適切に配船する運航業者。
オホーツク海気団(おほーつくかいきだん) オホーツク海上にできる寒冷・湿潤な気団。春・秋に小笠原気団との間に停滞前線を作り、東日本に持続した降雨をもたらす。また、やませの原因ともなる。
面舵(おもかじ Starboard) 右に舵をとり、船を右旋回させること。⇔(反)取り舵(とりかじ Port)
艏(おもて Bow) 船首」参照。⇔(反)艫(とも)
艏脚(おもてあし By the Head バイザヘッド) バイザヘッド(オモテアシ)とは、船首のほうが船尾より喫水が大きくなっている状態をいう。船首部の見張りがよくできる利点が上げられるが、速力低下、舵効不良、波浪が浸入しやすい等の欠点がある。⇔(反)艫脚(ともあし By the Stem)
親潮(おやしお) 千島列島の東側から三陸沖を南西方に流れる寒流。流速は 0.3~1ノット。正式名は千島海流。
音響測深儀(おんきょうそくしんぎ Echo Sounder) 船の位置の水深を測定する航海計器。「エコーサウンダー」ともいう。船底に音波の送受波器を設けて音波を受信し、その所用時間を計り、その2分の1に音波が水中を伝わる速さ、(毎秒約1,500m)を乗じて水深を求めて連続的に表示する。
温暖核(おんだんかく Warm core) ウォームコア」参照
温度換算係数(おんどかんざんけいすう) 積み荷の数量は15℃を基準とした数量でオーダーされ、液体類は温度の変化により体積も変わってくる。実際に出荷される温度により、体積が微増するので補正するために使用する係数。15℃で払い出される貨物に対しては、温度換算係数は1となる。
温度傾度(おんどけいど) 単位距離あたりの温度差。前線部分ではこれが大きく、天気図上では等温線が密集している。
温度風(おんどふう) 中緯度において高度とともに地衡風は風速を増すが、その理由は上層ほど南北の温度傾度が大きいためで、これを温度風の関係という。北半球では高温部を右に見て吹く。温度風という風があるわけではない。
音波(おんぱ) 空気中よりも水中で良く伝わる。周波数を高くすると、反射性と指向性が増す。エコーサウンダーやドップラーログに使用。速度は、空気中 340m/s、水中 1500m/s。
オン・ハイヤー(On Hire) 用船開始。または用船契約算入期間。⇔(反)オフ・ハイヤー(Off Hire)

インデックス

海員(かいいん) 船舶内で使用される船長以外の乗組員で,労働の対価として給料その他の報酬を受ける者をいう。
海岸線(かいがんせん) 海と陸地との境界となる線。
海技免状(かいぎめんじょう) 船舶職員法第4条第1項に基づき、船舶職員になろうとする者は海技士の免許を受けなければならない。これらの資格は航海・機関・通信・電子通信に分けられ、それぞれ同一系統の間には上級、下級を設け上級の資格は下級の資格を包括することができる。なお、海技免状の有効期限は5年とされており、その機関の満了の際、申請により更新することが出来る。
外航船(がいこうせん) 内航船に対する言葉。日本国内の港から海外の港へ運ぶ船のこと、または逆の場合を指す。⇔(反)内航船(ないこうせん)
海事クラスター(かいじくらすたー) 海事産業は、業種としては海運、船員、造船、舶用工業、港湾運送、海運仲立業、船級、船舶金融、海上保険、海事法律事務など様々な分野からなり、主体としても、産、学、官及びその連携からなる複合体、総合体である。英国、オランダ等の海運先進国では、この総合体を「海事クラスター」と呼んでいる。海事クラスターは、その個々の構成員による付加価値、雇用の創造に止まらず、構成員相互の外部効果、つながり、溢出効果により総体としてより大きな付加価値を創造し、全体として競争力を発揮するものである。これら海運国では、こうした施策の総合体或いは目標を、マリタイムロンドン、オランダ海事国と呼んでおり、これに倣えば、日本の場合「マリタイムジャパン(海事国日本)」と呼ぶことができる
海事生産性革命(かいじせいさんせいかくめい i-Shipping) 激しい国際競争の中で戦う日本の造船業の国際競争力を飛躍的に高めるための新たな政策として、国土交通省により平成28年6月に発表された。IoTやビッグデータ、AIなどの最新テクノロジーを活用し、船舶の開発・建造から運航に至る全ての段階にICT(Information,Communication,Technology)を取り入れ、船舶の開発・建造のコスト競争力強化や品質・サービスの向上などを目指している。
海上警報(かいじょうけいほう) 沿岸から300海里までの範囲に発する警報。海上風警報:最大風速14~17m/s、海上強風警報:最大風速18m/s~24m/s、海上暴風警報:最大風速25m/s以上、海上台風警 報:台風による最大風速が33m/s以上、海上濃霧警報・・視程500m未満
海上交通安全法(かいじょうこうつうあんぜんほう) 船舶の往来が激しい海域で、海上衝突予防法のみでは対処しきれず、しかも港則法ではカバーされない。東京湾、伊勢湾、瀬戸内海などの広い海域に適用される法律。ただし、この海域内にある港の中については港則法があくまで優先される。内容は、航法に関するものが中心。
海上試運転(かいじょうしうんてん Sea Trial) 新造や修繕船に船舶の諸性能(速力、操縦性能等)をチェックするため、海上に出て行う試運転。新造の時は公試という。
海上衝突予防法(かいじょうしょうとつよぼうほう) 船舶の海上における衝突事故を予防する為に制定された法律。IMO(国際海事機関)による国際条約に基づいて制定された国内法で、世界共通の海上交通のルールを定めたもの。船舶は世界の海を航行し各国の港に出入りする為、この法律は世界共通でなければならない。そのためまず各国間で協議を行い、国際的な規則を制定した上で、これと同じ内容のものを自国の国内法としている。
海上保険(かいじょうほけん) 当事者の一方が航過に関する事故によって生じる損害をてん補することを約し、相手方がこれに報酬(保険料)を与えることを約する保険契約である。
海上労働条約(かいじょうろうどうじょうやく MLC(Maritime Labour Convention) 2006年海上労働条約(MLC2006)は、国際労働機関(ILO)により2006年2月に採択された船員の海事上の労働に関する包括的な国際労働条約。これは正当な労働条件に対する船員の権利を規定し、船主の公正な競争を促している。
海事六法(かいじろっぽう)) 海事関係法令を一冊にまとめたもの。六つ以上の法規(船員・航海・海運・漁船・関係法令・船舶)が記載されている。
海図(かいず Chart) 海洋に港湾などの形状、底質、海流、水深、暗礁その他の障害物、島沿岸の地形、地物、航路標識などを表示した地図で、航海に用いる。
海水の比重(かいすいのひじゅう) 海水の比重は大体1.025前後である。従って海水に浮かんでいる船では、排水容積に1.025を掛けた値が排水量ということになる。
海図の改補(かいずのかいほ) 海図はつねに最近の実情を示していることが必要で、水路通報等で得られた資料により海図を改正増補することとなっている。
回頭惰力(かいとう) 舵を切って船首の向きを変えること。
回頭(かいとうだりょく) 直進中、舵を切ってからその舵に見合う回頭変化に達するまでの惰力(時間と距離)
海難救助(かいなんきゅうじょ) 船舶又は積荷の前部又は一部が海難に遭遇した場合に義務無くしてこれを救助すること。
海難審判法(かいなんしんぱんほう) 海難の原因を調査し、再発防止を目的とする法律。これによる懲戒は、免許取消、業務停止、戒告の3つ。
海難報告書(かいなんほうこくしょ) 海難報告書とは、船舶が衝突、乗揚げ等発生した場合、①航海の概要 ②海難の事実 ③結果④取った処置 ⑤航海の成就(航海が無事終了したかどうか)等の詳細を記載し、管海官庁(国内では地方運輸局、市町村役場 海外では、大使館、領事館)の認証を受ける。この報告書は後日の重要な証拠となるため記載にあたっては簡潔に注意深く記入し間違いのないようしなければならない。
外方傾斜(がいほうけいしゃ) 排水型の船舶が回頭する際、遠心力と船体側面の水圧の関係で、回頭方向の外側へ横傾斜すること。排水型の船舶とは、船体の一部は水面下、他が水面上にあるものをいい、その他では半 潜水型、潜水型、滑走型、水中翼型、ACV型(ホバークラフト)がある。
外板(がいはん Shell plate) 外板の役割は船体の水密を保つ船体の重要な縦強力部材の一つ。外板はそれぞれの部位で受ける力が異なるので、鋼材の板厚が異なっている。
外板展開図(がいはんてんかいず) 外板展開図とは、曲面で作られた船の外板を平面に展開した図面。外板の開口部の補強、船楼端部の補強の指示が本図の重要な事項となる。
海霧(かいむ) 海に発生する霧。移流霧が多い。
海面更生(かいめんこうせい) 気圧計の測定値を海面上(高度0m)の値に修正すること。各観測地点の高度がバラバラの状態では正確な大気状態が把握できないため、この作業が必要になる。
海洋汚染防止条約(かいようおせんぼうしじょうやく MARPOL条約) この条約は、Ⅰ~Ⅵの付属書で構成されており各種の規制対象物質について、船舶の構造、設備、排出および投棄の条件等について規定している。
付属書Ⅰ  油による汚染の防止についてタンカーの構造、設備の規制、二重船殻構造の義務化、油の排出量の規制等の記載。
付属書Ⅱ  バラ積の有害液体物質による汚染の規制について記載。
付属書Ⅲ  容器への収納の状態で海上において運送される有害液体物質による汚染の防止について記載。
付属書Ⅳ  船舶からの汚水による汚染の防止について記載。
付属書Ⅴ  船舶からの廃物による汚染の防止について記載。
付属書Ⅵ  船舶からの大気汚染防止について記載。
海洋性気団(かいようせいきだん) 長期間海面上に滞留していたため、充分に水蒸気を含んだ気団。例)寒気団としてオホーツク海気団、暖気団として小笠原気団。
海洋生物付着防止剤(かいようせいぶつふちゃくぼうしざい) 船舶ではシーチェストや海水系統の配管内にムラサキガイ、フジツボ等の海洋生物が付着して、通路を閉塞し、海水の流量が不足して放っておくと冷却海水系統に致命傷を与えることから、海洋生物の付着を防止するために使用する薬剤のことをいう。
外洋波浪図(がいようはろうず) 沿岸波浪図と同様に太平洋全域を表示。等波高線、卓越波向、風向風速などを記載。実況図と予想図がある。
海里(かいり Mile) 海上の距離単位。1マイル=約1,852m。時速1ノット=1マイル。
海流(かいりゅう) 海流とは、主として風によって引き起こされる、ほぼ一定の方向の流れのこと。日本の太平洋側を流れる黒潮は流速3~5ノットに達する。この黒潮にのって航行すればそれだけ対地速力は増すことになり、昔から航海に利用されている。
ガウジング 溶接個所に発見された欠陥等を、通電させた炭素棒で電弧(気体中の放電で生じる弧状の発光部分)を発生させながら高圧酸素を吹付けて溶解した金属を吹き飛ばし除去することをいう。
過給機(かきゅうき) 燃料油が燃焼するためには一定量の空気が必要である。したがって小さなシリンダでは吸入する空気量も少ないため燃焼できる燃料油の量も少なく出力も小さい。大気圧以上に加圧した空気をシリンダ内に送り込めば、同容積のシリンダでも多量の空気を押しこむことになり、多くの燃料油を燃焼させて出力を高めることができる。これを目的として機関に装備されているのが過給機である。
各種船舶間の航法(かくしゅせんぱくかんのこうほう) 海上衝突予防法第18条。異種の船舶が衝突しそうな場合の規定。船の大きさに関係なく、操縦性能の良い船が、悪い船の進路を避ける。避けるべき船種の優先順位は、①運転不自由船、②操縦性能制限船、③喫水制限船、④漁ろうに従事している船舶、⑤帆船(帆のみを用いて推進する船舶)、動力船の順。①~⑤に掲げる船舶は海上衝突予防法に定めのある灯火・形象物を掲げなければ、他船に認知されない。
隔壁(かくへき Bulkhead) 船体を縦方向または横方向に仕切っている鋼板を隔壁という。「バルクヘッド」ともいう。防火、防水、タンクの仕切りなどのために設けられている。衝突などにより損傷を被りやすい船首尾部船の心臓部である、機関室の前後には必ず水密隔壁を設けることになっている。
掛矢(かけや) 大型の木槌。甲板上に貼りついた着氷を落とす場合に用いることが多い。
可航半円(かこうはんえん) 台風の通る進行軸に対して左半円を可航半円という。台風の進行方向(反時計回り)に対し左半円は台風に吹き込む風の向きと台風自身の風が逆になり、風が幾分弱められること、さらに船が左半円にいる場合は、台風の外側に押される風を受けることになり早く台風のうしろ側に脱出できるため、台風襲来時は左半円に入るよう錨泊する。
カーゴ(Cargo) 貨物、船荷。
かご差し(かごさし) かごを編むようにストランド(係船索の子縄)を差していく。難しいが抜けにくい利点がある。
過去天気(かこてんき) 地上図に記載される国際式天気記号のうち、過去 3 時間以内にあった現象を表示する。
暈(かさ) 太陽や月の周囲に見える光のリング。巻層雲のような氷晶でできた雲に光が屈折・反射してできる。これが見えると雨が近いといわれる。
火災(かさい) 燃焼物により次のように分類される。 A 火災・・紙、木材、布など。 B 火災・・石油その他の可燃性液体。 C 火災・・発電機・変電気。 D 火災・・特殊金属。これら火災に対応した消火器は以下のとおり。
A火災・・水消火器、強化液消火器、泡消火器、粉末消火器
B火災・・強化液消火器、泡消火器、二酸化炭素消火器、粉末消火器、ハロゲン化物消火器
C火災・・強化液消火器、二酸化炭素消火器、粉末消火器、ハロゲン化物消火器
火災安全設備のための国際コード(かさいあんぜんせつびのためのこくさいこーど FSS CODE) FSS CODE」参照
火災試験法の適用に関する国際コード(かさいしけんほうのてききょうにかんするこくさいこーど FTP CODE) FTP CODE」参照
火災制御図(かさいせいぎょず) 防火に対する設備、装置等を明示した図面。「船舶防火構造規則」で船内に掲示することが定められている。①制御場所 ②消火器の設置場所 ③自動スプリンクラー装置その他の消防設備及び各区画室、甲板室等への出入設備の詳細 ④火災探知装置 ⑤通風装置の詳細
華氏(かし Degree Fahrenheit) 温度目盛りの一つで、水の氷点を32℃、沸点を212℃としてその間を180等分したもの。 単位記号は「°F」で表され、アメリカ、イギリスなどの英語圏で使用されている。 摂氏から華氏への大まかな温度換算方法は、°F=(1.8×℃)+32で表すことが出来る。
ガスケット 防火に対する設備、装置等を明示した図面。「船舶防火構造規則」で船内に掲示することが定められている。①制御場所 ②消火器の設置場所 ③自動スプリンクラー装置その他の消防設備及び各区画室、甲板室等への出入設備の詳細 ④火災探知装置 ⑤通風装置の詳細
カスケードタンク(Feed water filter tank) カスケードタンクとは、ボイラーに給水するための水分に含まれている油分・鉄分を除くためのタンクのこと。このタンクは、給水ポンプの前に取付けられている。 給水の中に油分・鉄分が含まれたまま使用し続けると、水管内に不純物がスケールとして付着し電熱不良となり、ボイラー故障の原因となる。
カスケード利用(かすけーどりよう) 環境用語で多段階でひとつの素材を利用すること。バイオマスやエネルギーは、使用することによってその形状や性質のレベルが下がる。このレベルが下がったバイオマスやエネルギーをすぐに廃棄してしまうのではなく、多段的(カスケード的)に利用することによって資源として最大限有効に利用することがカスケード利用だ。例えば、火力発電の熱の場合、まず高温の熱源を発電に使い、次に動力、次に冷暖房、最後に給湯に使うなど、エネルギーの質に応じて順々に有効活用する。このような多段的利用方法を滝(cascade)になぞらえて、カスケード利用と呼ぶ。
ガス検知器(がすけんちき) ガス漏洩の際、また雰囲気ガスの濃度が上昇した際に、センサーでガス濃度を検知し警報を発する設備。
ガスタービン(がすたーびん) ガスタービンは、燃料となる軽油、灯油、天然ガスを燃焼し動力を得る内燃機関。ピストンを有する内燃機関と違う点は、圧縮、燃焼、膨張の各工程をそれぞれ独立した機器で行うことが出来る。最初に圧縮機で空気を圧縮し、その後燃焼器で高圧の空気に燃料を噴射し燃焼させ、最後に高温高圧となった気体が『タービン』を回転させ、動力を回転力として取り出す。
ガスト(Gust) 突風。最大瞬間風速。
ガスフリー(Gas Free) タンク内に残留している引火性ガスを除去し、空気と置換する作業又は、その空気と置換された状態。やり方としては、タンク外のターボファンから強く送風し、ガスをタンク外に逃がし、ベント管(空気管)通じ、外気に逃がす。その後ガス検知器で、ガスが除去されたかどうか確認する。
風の息(かぜのいき) 風が比較的短時間に強くなったり弱くなったり、息をしているように不規則に変動する現象をいう。
片締め(かたじめ) 片締めとは、フランジ等を締付ける場合において使用されるボルト等の不均一な締付け状態を指す。ボルト等が均一に閉まっていない場合、フランジとフランジの間に隙間が出来、漏油発生の原因となる。これを解消するためには、ボルトを対角線上に締付け、隙間を無くすことで解消される。
カップリング 継手。機械、構造物の中の締結された部分または締結するための部品。
かなとこ雲(かなとこぐも) 高く成長した積乱雲のうち、頂上部分が広がって平らになっているもの。雲の分類において部分的に特徴のある雲(副変種)の1つ。 金属加工などで用いる「金床(かなとこ)」に形状が似ていることからこう呼ばれている。金床 (異字:鉄床 、鉄砧 )とは、鍛造や板金で、加工しようとする加熱した金属を載せる鋳鉄製または鋳鋼製の作業台。
加熱管(かねつかん Heating Pipe) 原油・重油・潤滑油など粘度の高い油は、航海中・揚荷のとき必ず加熱する。この目的のため、タンク底に設置される配管をいう。これに高温の蒸気、熱水または高温のオイルを通して加熱する。
可変ピッチ・プロペラ(かへんぴっちぷろぺら Controllable Pitch Propeller) 翼のひねリの方向と角度を変えることで、回転数や回転方向を変えずに前進、中立、後進が可能なプロペラ。運転中に、主機関の回転数を一定にしたままでプロペラの翼の傾きを変化させて船の前後進、増減速を行う方式のプロペラのこと。従来の固定ピッチプロペラに比べ、操船が楽。 略称CPP。 ⇔(反)固定ピッチ・プロペラ(こていぴっちぷろぺら)
カボタージュ制度(かぼたーじゅせいど) 国の安全保障、国内における生活物資の安定輸送確保の観点から、国内海上輸送を自国船籍に限定するもの・欧米はじめ全世界で広く採られている制度(参考・・・船舶法第3条 日本船舶ニ非サレハ不開港場ニ寄港シ又ハ日本各港ノ間ニ於テ物品又ハ旅客ノ運送ヲ為スコトヲ得ス)
加盟国政府(かめいこくせいふ) IMO(国際海事機関)に加盟している外国の政府をいう。
貨物海上保険(かもつかいじょうほけん) 船舶等により海上輸送される貨物が、輸送中に損傷した場合に、その損害を填補する保険。
貨物油管装置(かもつゆかんそうち) タンカーの貨物油荷役用パイプを貨油管という。貨油管装置は、上甲板、貨油槽内、ポンプ室のそれぞれを互いに結合して配管を構成している。
カラーチェック (Color check) カラーチェックとは、赤色や蛍光の浸透性のよい検査液を用いて、表面の割れ、ブローホールなどを検出する非破壊検査方法。 金属、非金属を問わず、表面に開口したクラック(きず)であれば、検出できるため広く利用されている方法。
仮船舶国籍証書(かりせんぱくこくせきしょうしょ) 船舶が日本国籍を有することおよび当該船舶の同一性を一時的に証明する公文書である。これは、船舶国籍証書の交付、船舶国籍証書の書き換え、船舶国籍証書の再交付をうけることができる船舶に対して特定の場合に交付されるもので、一時的に証明され有効期間がある。
仮バース(かりばーす) 不荷役の船が、着桟するための桟橋。メーカー敷地内の荷役用桟橋ではなく、別の桟橋(各地の公共バース)に着桟する。タンクが空の船のみ、着桟可。
カンカン 錆打ち(落とし)作業。ハンマーで鉄板を叩く音からこう呼ばれる。
管系表示(かんけいひょうじ) パイプラインの色分け。海水:緑、清水:青、燃料:赤、潤滑油:黄、蒸気:銀、ビルジ:黒など。海運豆知識「 第21回 配管のマーキングについて」参照
乾舷(かんげん Freeboard) 船の最上層の全通甲板(通常は上甲板)を乾舷甲板といい、船体中央における乾舷甲板下のビームの上面から、満載喫水線までの直線距離を乾舷という。乾舷は貨物を満載しても、常に水中に沈まない部分である。
完成図書(かんせいとしょ) 本船の設計図等一式をまとめた図書。船が完成し引き渡される時に、本船及び船主に渡される。
観天望気(かんてんぼうき) 気象観測機器を用いないで、自分自身の五体で感じ取り天気予報をおこなうもの。観天が主として雲の状態(雲形、雲の種類、雲の進行方向、速度)のことをさし、望気が大気の透明度を観察する言葉である。
乾ドック(かんどっく) ドライドック」参照
岸壁(がんぺき) 岸壁とは、港湾の埠頭における係留施設の一種。係船岸壁、あるいは係船岸ともいう。水域に対して壁状の構造をなしており、船舶が係留して人や貨物の積み卸しができるようになっている。岸壁と同構造で水深が4.5m以下のものを日本では物揚場といって区別するが、岸壁と物揚場との間に本質的な差異はない。
乾湿温度計(かんしつどけい) 乾球計と湿球計の二つを備えた温度計で、大気の湿り具合を簡単に計測できる。大気が飽和状態に達したとき両温度計が同値を指す。

気圧配置(きあつはいち) 日本付近における高気圧、低気圧の配置をいう。季節ごとに典型的な例があり、それによって特徴的な気候が生まれている。例)西高東低型=冬型、南高北低型=夏型など。
キール 船底の船体中心線位置において船首から船尾まで縦通し、船首材、船尾材と結合される部材で和名では竜骨と呼ばれる。
気化熱(きかねつ) 液体を気体に変化させるために必要な熱をいう。
機関(きかん) 船を推進させるため必要な装置のこと、主機関(メインエンジン)や発電装置及び各種ポンプ類を指す。
機関室前後端隔壁(きかんしつぜんごたんかくへき) 機関室は船の心臓部であるから、浸水や火災から守らなければならない。この目的から機関室の前後端に設けられる水密隔壁のこと。中央部機関の船では後端の隔壁に軸路への交通孔があけられ、水密のすべり戸が設けられて上甲板から開閉操作が出来るようにしてある。
機関当直(きかんとうちょく) 機関当直とは、つねに機関室あるいは機関制御室にあって運転中の主機関及び関連補機類等の状態を監視し、船橋からの指令に即応する等その他の必要な業務をおこなうことをいう。
機関制御(きかんせいぎょ) 機関の始動及び停止その他機関の作動のために必要な操作ができることをいう。
機関日誌(きかんにっし) 機関の運転状態、使用状態の変更、発生した事故とそれに対する処置、燃料油等の消費量を記入し署名する。Mゼロ資格を取得している船舶の大半および自動化船資格を取得している近代化船は、機関の運転状態を自動的に記録する装置を備えておりこれらでは打ち出される記録を機関日誌として使用している。
危急停止(ききゅうていし) 機関の保護装置が作動したことによる自動停止をいう。ディ―ゼル機関にあっては、過回転速度停止、潤滑油圧力低下、冷却清水温度停止などがある。
危険作業(きけんさぎょう) 船員労働安全衛生規則に規定する高所作業や舷外作業など。
危険半円(きけんはんえん) 台風の通る進行軸に対して右半円を危険半円という。台風の進行方向(反時計回り)に対し右半円は台風に吹き込む風の向きと台風自身の風が加わり、風の勢いが強くなるためである。
船が危険半円に入ると、台風の中心に流される風を受けることになり、暴風雨の中に時間が長引き、なかなか抜け出すことができず危険とされている。
危険物(きけんぶつ) 危険物船舶運送及び貯蔵規則で定められた危険物は以下のとおり。
①火薬類 ②高圧ガス ③腐しょく性物質 ④毒物類 ⑤放射性物質等 ⑥引火性液体類
⑦可燃性物質類 ⑧酸化性物質類 ⑨有害性物質
なお、危険物の具体的な判定基準は「物質の危険性評価の試験方法及び判定基準に定められている」
危険物ばら積船(きけんぶつばらづみせん) 危険物船舶運送及び貯蔵規則第2条1号に規定されている危険物のうち、ばら積液体物質(液化高圧ガス類、引火性液体類有害性液体類、液体化学薬品類など)を運送するための構造を有する船舶のことをいう。
危険物船舶運送及び貯蔵規則(きけんぶつせんぱくうんそうおよびちょぞうきそく) 略称では危規則。引火性や放射性など危険物の種類を細分化し、それぞれに対応した貯蔵設備を規定。
危険予知トレーニング(きけんよちとれーにんぐ KYT) 危険の(K)、予知の(Y)、訓練(トレーニング)の(T)をとって、KYTといい、危険に関する情報をお互いに寄せ集め、話し合って共有化し、それを解決していくなかで、危険のポイントを定める手法。
起工(きこう) 船舶の建造に着手した時。
旗国(きこく) 船舶が船籍を置く国を指す。船舶の国際条約では、自国船舶の検査を行い、条約の基準を遵守させる責任は旗国政府にあるとする旗国主義が採用されている。
気象警報(きしょうけいほう) 暴風、大雨、大雪、暴風雪。(注意報なら強風、大雨、大雪、風雪)。その他の警報・注意報として、高潮、波浪、洪水、浸水、地面現象、津波。
気象注意報(きしょうちゅういほう) 大雨、大雪、強風、風雪、雷、濃霧、霜、雪崩、融雪、着氷、着雪、乾燥、低温の 13種。
輝線符号(きせんふごう) レーダースコープ上に点線、太幅、白色で表示され標識などの位置をレーダー画面上に示す特殊な信号。レーダービーコンではモールス符号を表示する場合が多いが、サートでは直列した13点が現れる。
艤装(ぎそう) 進水後にされる各種機器類の設置・整備、配管の取付、船員の部屋の中の装備のこと。これらが完成した時が「竣工」。
偽像(ぎぞう) レーダー偽像を指す場合が多い。電波の異常反射などの原因で、あるはずのない物標が映る、1 つの物標が複数現れる、違った方向に違った形で映るなど。
起潮力(きちょうりょく) 潮汐を引き越す力。月と太陽の引力の合成で、この二つの相対位置により変化。満月と新月で最大。半月で最小。詳細は海運豆知識「第16回 潮の満ち引き」参照。
キック(Kick) 転舵によって旋回する際、その船尾が原針路線より外側に偏出する現象をいう。
喫水(きっすい) 水上に浮かんでいる船の船底から水線までの垂直距離のこと。喫水の基準(ゼロ)は、船の最下面の船底。満載喫水線とは、載貨による船体の海中沈下が許される最大限度を示す線をいう。(参考・・・船舶安全法第3条「・・・船舶は国土交通省令の定むる所により満載喫水線を標示することを要す」)
喫水制限船(きっすい‐せいげんせん) 喫水と水深の関係で進路が制限された船舶をいう。
なお、当該船の灯火及び形象物は次のとおりです。
①灯火
最も見えやすい場所に紅色の全周灯を垂直に3個掲げる。
②形象物
最も見えやすい場所に黒色の円筒形の形象物 1個を掲げる。
喫水調整(きっすいちょうせい) エコーサウンダーの調整の1つ。機械では、音波の発射される船底から海底までの距離が測定される。これを水深の値にするために必要な調整。
汽艇等(きていとう) 総トン数20トン未満の汽船のこと。はしけ、端舟、その他櫓(ろ)、櫂(かい)のみをもって運転し、又は主として櫓・櫂をもって運転する船舶。以前は雑種船と呼ばれていた。港内においては汽艇等が汽艇等以外の船舶の進路を避けなければならない。
汽笛(きてき) 短音(継続時間約1秒)及び長音(継続時間4~6秒)の組み合わせにより航行中必要な信号をおこなうことができる装置をいう。「海運豆知識 第84回 狭視界航法(視界制限航行)について」(音響信号一覧(霧中信号))参照
起動弁(きどうべん) 起動弁とは、主機シリンダーの上部に設けられる。主機起動時、起動用の空気槽に溜められた圧縮空気をシリンダー内へ入れる時に開かれる。
機能寿命(きのうじゅみょう) 輸送効率の変革等により、船体の設備・構造が荷主要求に当てはまらなくなった場合を機能寿命という。例えば従来貨物船で輸送していたコンテナがコンテナ船を建造することによりコストを1/2~1/3に削減したこと、また原油価格上昇により主機関がタービン船からディ―ゼル船に換装された場合等をいう。
基本水準面(きほんすいじゅんめん) 海図を描く際に基準とする海面の高さ。最低水面に同じ。海岸線や水深はこの面からの長さ(深さ)をいう。
逆転機(ぎゃくてんき) 主機関の回転数を減速してプロペラ軸に伝えたり切ったりすると共にプロペラ軸を任意の方向(右又は左)に回転させる装置で、通常船舶の推進装置として用いられるもの。
逆転装置(ぎゃくてんそうち) 入力軸の回転方向を変えずに出力軸の回転方向の切替えができる装置をいう。クラッチや歯車から構成されている。
キャビテーション(Cavitation ポンプ等の中を通る液体の圧力がその液体の蒸気圧にまで下がった時、その蒸気が発生するために泡状の空洞を生じる現象をいう。空洞現象が発生すると振動や異音を伴い、効率が低下し腐食の原因となる。
キャンバー(camber) 甲板上の水はけと横強度のための反りをいう。
キャプスタン 係留索の巻き取り機で縦型のもので船舶において錨鎖やロープを巻き上げる水平に回転する装置。
協定運賃(きょうていうんちん) 海上運送法に基づき運送業者があらかじめ運輸大臣に届出し、設定できる運賃制度。内航タンカーと内航ケミカルタンカーで実施していたが、平成10年をもって廃止され現在は運賃の指標として用いられている。
撓鉄(ぎょうてつ) ガスバーナー等で高熱に熱せられた厚鋼板を水で冷却し曲げていく技術のこと。どの部分をどの程度熱し、または冷却すれば理想の形となるかは熟練された職人の経験と勘が必要となる。
共同海損(きょうどうかいそん General Average(G/A)) 船舶及び積荷が共同の危険にさらされた場合、危険を免れるために船長が行った処置によって生じた損害。共同海損犠牲損害と共同海損費用に分類される。⇔(反)単独海損(たんどくかいそん)
共同海損犠牲損害(きょうどうかいそんぎせいそんがい General Average(G/A) Sacrifice) 船舶と積荷が共同の危険にさらされた時、この危険を避けるために、船長が故意、かつ合理的に船舶または積荷の一部を犠牲にすること。例えば、座礁し船舶も積荷も大損害を被るおそれがあるような状況において、船舶を軽くするために積荷の一部を海に投げ棄てた場合、海に棄てられた積荷が共同海損犠牲損害であり、その犠牲によって利益を受けた関係者(船舶所有者と積荷の所有者等)が到着地における価格に応じて按分負担する。
共同海損費用(きょうどうかいそんひよう General Average(G/A) Expenditure) 例えば座礁した場合、離礁するためにはしけを使って積荷を瀬取りする費用や、避難港への入港費用、水先案内料などが共同海損費用であり、その費用によって利益を受けた関係者(船舶所有者と積荷の所有者等)が到着地における価格に応じて按分負担する。
救命浮環(きゅうめいふかん) 浮体は固型コルクまたはこれと同等の効力をもつ材料で作られ、外径80㎝以下、内径40㎝以上のドーナツ型で、質量は2.5㎏以上、30mの高さからの投下試験に耐え、14.5㎏の鉄片を淡水中で24時間支えることが出来る。原則として、定員は1個につき1名とし船種、航行区域および船の長さによって、船舶への備付け数が規程される。
救命胴衣(きゅうめいどうい) 24時間淡水中に沈めた後の浮力減少が初期浮力の5%以下のもので、膨張式ではこの浮力をもった独立気室が2個必要である。型状と浮力配分は、無意識の状態にある人が頭部を空中で支え、淡水中で口を水面上に12㎝の高さになるまで持ちあげる浮力を24時間以上持続することができ、誤った方法で装着することがないように作られていなければならない。
救命胴衣灯(きゅうめいどういとう) 救命胴衣を着装している遭難者に、夜間の不安感を与えず、救助船に対して遭難者の発見を用意にするためのもの。性能としては0.75カンデラ以上の光を8時間以上連続して発光するもので、できるだけ上方から視認できるように救命胴衣に連結されていることが必要である。
鏡面効果(きょうめんこうか) レーダー偽像の一つ。発射されたレーダービームが至近の構造物に鏡のように反射し、別方向の物標をとらえ画面に映し出す。
共有建造制度(きょうゆうけんぞうせいど) 内航船舶を建造する際、船主と運輸施設整備事業団がその費用を分担し、竣工後も両者の共有として船主が船舶を使用管理する方式である。同事業団は、老朽不経済船の代替建造を促進し船舶の近代化を図るため、政府資金により企業規模が小さく資金力に乏しい船主を共有方式で資金、技術両面から支援している。
居住区(きょじゅうく) 船員室や食堂、厨房など、船員が生活するための設備が設けられている区画をいう。
巨大船(きょだいせん) 巨大船とは、全長200メートル以上の船舶のことをいう。巨大船と定義し、法が特別の取扱いをしているのは、巨大船の操縦性能が他の船舶に比べて悪く、機敏な避航動作が容易にできないため、巨大船自身の安全確保だけではなく、万一事故が起きた場合、周辺の船舶交通全般に与える影響を防止するためである。
漁ろうに従事している船舶 船舶の操縦性能を制限する漁具を用いて漁ろうしている船舶をいい、引き縄漁船や遊漁船は漁ろうに従事する船舶に該当しない。
なお、当該船の灯火及び形象物は次のとおりです。
①灯火
夜間:紅色と白色の全周灯を垂直に掲げる。白色の全周灯の位置は、これら2個の全周灯の間の距離の2倍以上舷灯よりも上方であること。
対水速力を有する場合:舷灯1対及び船尾灯1個をできる限り船尾近くに掲げる。なお、漁具が水平距離150mを超える場合は、漁具を出している方向に白色の全周灯1個を掲げなければならない。
②形象物(昼間)
トロールに従事している漁船:
最も見えやすい場所に鼓形の形象物を掲げる。
トロール以外の漁船:
鼓形の形象物 1個、漁具の水平距離が150mを超える場合は漁具を出している方向に
頂点を上にした円すい形の形象物 1個を掲げる。
霧信号所(きりしんごう) 霧、雨、雪などにより視界不良のため、陸影や灯光が見えないときに音響を発して、付近を航行中の船舶に危険を促すものをいい、灯台などに併設されていることが多く霧信号所と呼ばれている。しかし、近年、舶用レーダーやGPSなどの航海計器の普及により、視界不良時においても容易に測位が可能となったことから、2007年8月、海上保安庁は2009年度末までの3ヶ年で全国の霧信号所を順次廃止してゆくことを発表。 2010年3月31日をもって海上保安庁所管の霧信号所はすべて廃止となったが、漁協などが代替機を設置して稼働しているものが存在する。
近海船(きんかいせん) 近海区域(東は東経175度、西は東経94度、北は北緯63度、南は南緯11度の線に限られた海域までの航行資格を持つ船舶。中国・韓国、台湾・ベトナム・フィリピン(一部)等が入る。
緊急船舶(きんきゅうせんぱく) 消防や人命救助など緊急を要する船舶で灯火は紅色閃光・紅色円錐と決められている。
緊急送油停止ボタン(きんきゅうゆそうていしぼたん) 漏油やオーバーフロー等の危険性がある場合、送油を停止させる非常用のボタン(スイッチ)。設置場所と操作方法は予め荷役関係者へ周知しておく。
キンク(Kink) 主に細長い物を巻き上げているとき、解いているとき、または引き延ばすときに、折れ、よれ、潰れが発生することにより元の形状に戻りにくくなることをいう。
キングストンバルブ(きんぐすとんばるぶ) 船の主海水取入口に設けられる弁。ディーゼル船ではディーゼルエンジンの冷却水を冷却するための海水を、またタービン船ではボイラーの復水器を冷却するための海水を取り入れる。
近錨(きんびょう Short Stay) 投錨後、錨鎖の伸出量がショートステイ(水深の11/2)になった頃、錨の爪を海底にくい込ませるために一度錨鎖の伸出を止め、また直ぐにゆるめることをいう。

空気圧縮機(くうきあっしゅくき) 空気圧縮機は、主機を起動するための圧縮空気を作り出す機械。圧縮された空気は、起動用空気槽に溜められる。
空気管装置(くうきかんそうち) 液体を注排水するタンク、空所などガス発生のおそれのある個所、軸路、パイプダクトなど特に通風装置は設けないが、ときどき人が出入りする箇所には、ガスや空気の流通をよくするための管装置を設ける。これを空気抜き管または空気管という。
空気抵抗(くうきていこう) 喫水線より上方にある船体は水のかわりに空気の抵抗をうけるが、水の抵抗にくらべると小さく、だいたい水抵抗の1~3%くらいと言われている。
空転(くうてん) 船は動揺し波の進行に伴って起伏し、スクリュープロペラが水面上に露出することを言う。空転すると推進効率が減少し、主機関、シャフトなどを破損することがある。
クエンチング水(くえんちんぐすい) カーゴポンプ内で循環させポンプ内部品を冷却する清水のこと。
区画塗装(くかくとそう) ブロック搭載後の塗装を区画塗装という。溶接によってブロック同士をつなぎ合わせた後に、溶接部分の塗装を行なう。
クラッシュアスターン 全速前進中の船舶を急停止するために全速後進させることをいう。
クラッチ(Clutch) 動力部と作用部をつなぐ制御装置で主に2つの動力伝達軸の間で回転を伝達したり遮断したりする用途で用いられる。船舶構造で言えば①主機とプロペラ②主機とカーゴポンプ、③ウインドラス(揚錨機)とジプシーホイール ④ウインチ(係船機)と係船ドラムが挙げられる。
クリアアンカー 錨鎖が錨にからまないで水面に揚がってきた状態を言う。
クリアハイト(Clear Height) Clear Height」(くりあはいと)参照
グリスニップル(grease nipple) 機械の可動部分にグリースをグリースガンで注入するための部品である。グリスは潤滑剤の一種で、油よりも粘度が高く流動性が無いため常温では半固体または半流動性を呈する。基本的には液状潤滑油にカルシウム・ナトリウム・リチウム・アルミニウムの石鹸(脂肪酸の塩)等の増ちょう剤(増稠度)を均一に拡散させ、ゼリー状にしたもの。グリースガン (Grease gun) とは、各種機械のグリースニップルにグリースを注入するための工具である。
クリート(くりーと) ロープを結び付けて固定する金属製の留め具をいう。
クリーンバラスト クリーンバラストとは、バラスト(海水)に油分が含まれていないもので、航行中または港内でも排出出来る。
グリーンフラッシュ(Green Flash) 太陽が水平線に沈む瞬間、残光が緑に輝いて見える現象のこと
グレア(Glare) 遠方の光が大気に反射してぼんやり見えること。地理学的光達距離を超えて見える灯台の光を指す場合が多い。
黒潮(くろしお) 北赤道海流がフィリピン付近で北に向きを変え北上、九州東岸から四国南岸、本州南岸沿いに東北東へ流れる暖流。流速 1.5~4ノット。
グロス・トン(Gross Tonnage) 総トン数。船の大きさを指す。船内の総容積から、操舵室、賄い室、機関室、舵機室及び二重底の容積を除いたもの。100立方フィート(1000/353立方メートル)を1トンとする。
クロス方位法(くろすほういほう Cross Bearing) クロス方位法(クロスベアリング)とは、2つ以上の地上物標(灯台等)の方位をコンパスで測定し、海図上それぞれの物標より位置の線を求め、これらの交点をもって船位とする方法。
クロノメーター(Chronometer) 元々は精密なゼンマイ時計を言ったが、現在は世界時を示す船内時計を指す。

軽荷重量(けいかじゅうりょう Light Weight) 船体・期間・諸設備に法定備品のみを加えた船の自重。
警告信号(けいこくしんごう) 海上衝突予防法。汽笛信号の一つ。相手船の避航動作に疑問を感じた際に使用。短音5回以上を急速に吹鳴。
経済寿命(けいざいじゅみょう) 船体部品,部材の軽度の損傷による修繕費の増大や稼働率の低下により経済的採算が取れなくなった時点を経済寿命という。
経済的寿命(けいざいてきじゅみょう) 船の寿命は、商船の場合10数年から20年程度。しかし、修繕を行えば物理的には長く使うことが出来る。しかし、古くなって修繕費用が高くなったり、新造船と比較して競争力が劣るようになると、採算が合わず経済的に成り立たないので、ある程度の船齢(内航船では概ね23~25年)で新造船に切り換えられる。このことを経済的寿命という。
傾斜試験(けいしゃしけん) 船の軽荷状態における重心位置を求めるためにおこなわれる試験。
係船索のアイ(けいせんさくのあい) 係船索先端の輪(わ)の部分をいう。船体を桟橋や岸壁に係留する際、また船体同士を繋ぐ際に輪の部分をボラードまたはビットに掛ける場合に使用する。輪の形状が人間の眼に似ていることからアイと呼ばれている。
係船中の船舶(けいせんちゅうのせんぱく) 船舶を単に物理的に岸壁や浮標に係留した状態でなく、船舶検査証書を返納して、船舶を航行の用に供しない状態で係留している船舶をいう。
係船索(けいせんさく Hawser) 係船索。岸壁と船舶を結ぶ(船舶を繋ぎ止める)太いロープ。素材はナイロンや ポリエステル等、化学繊維が使用されることが多い。
係船浮標(けいせんぶい Mooring Buoy) 港湾の水域において船舶が停泊するために設けられる係留施設。船舶が港湾内の泊地に停泊する際、錨だけでは風や波浪などの外力から船舶を固定することが困難であるため、係留用に設けられた浮標(ブイ)に鎖やロープなどをかけて船舶を固定させる。
経度(けいど) イギリスのグリニッチ天文台跡を通る子午線(赤道を直交する地球上の南北の線)を基準に東西にそれぞれ180度まで表したもの。東回りを東経、西回りを西経と呼んでいる。
ケッジアンカー(Kedge Anchor) 船尾側にあり、船から離れた場所に落とし,アンカーチェーンをたぐって船を移動させるのに用いる錨。
月齢(げつれい) 月の満ち欠け度合いを測る尺度。太陽と月の相対位置により変化し、30 をサイクルとして、新月を 0、満月は 15 とする。潮汐に影響する。日々の月齢は天測暦に記載。
ケープサイズ(Cape size) ケープサイズとは、大きすぎてスエズ運河(エジプトのスエズ地峡)を通航できないようなばら積の貨物船を指す言葉である。こうした船はアフリカ大陸の最南端にある喜望峰を周回しなければならない。ただし、現在では喫水制限(18.91m以下)を満たしていればスエズ運河を航行することができる。
ケーブルホルダー(Cable holder) ウインドラスのジプシーホイールに設けられたチェーンの収まる型穴。
ケミカル船(けみかるせん Chemical Tanker) 危険化学品又は有害液体物質を貨物の対象とするタンカーを言う。IMO(国際海事機関)のMARPOL条約により、輸送する品目の有害度に応じ船体構造やタンク洗浄水の排出方法に規制がある。腐食性の回避及び品質管理の向上のためステンレス製のタンクを備えた船にするのが主流。
ケレン ケレンとは、塗装工程において、サビや旧塗膜の除去を行い塗料が密着し易いように下地処理する事を言う。※英語のcleanがなまったものと言われている。この作業の有無によって、塗装の仕上がりの良さや塗膜の寿命に大きな違いが出てくる。また、ケレンには下記の種類に分かれている。
・1種ケレン:サビ・旧塗膜を完全に除去し金属面とする。工具・工法は、サンドブラスト・ショットブラスト等のブラスト法により行う。
・2種ケレン:サビ・旧塗膜を除去し、金属肌を現す。活膜が存在する場合は残す。
  工具・工法は、電動工具・ワイヤーブラシ等の工具と併用する。
・3種ケレン:サビ・旧塗膜を主に手工具で除去し金属肌を現す。活膜が存在する場合は残す。
  電動工具・トンカチ、スクレーパー、ワイヤーブラシ等の工具と併用する。
・4種ケレン:サビや浮き上がった塗膜をワイヤーブラシ等の手工具で落とし清掃する。
  ワイヤーブラシ等を併用する。
険悪地(けんあくち) 航行には支障はないが、海底に異物が存在し、投錨及び底引きなどに支障がある地点。
減圧作業(げんあつさぎょう) LPG船において油種を変える際、揚げ終わり後にタンク内にある残ガスを放出する作業。
検疫法(けんえきほう) コレラ、ペスト、痘(とう)そう、黄熱を主として、検疫対象としている。これらを検疫伝染病という。検疫港でない港に入港するときは、あらかじめ、検疫港で検疫を受けてから、その港に入ることになる。なお、検疫を行なう港は検疫法施行令別表第1を参照のこと。
舷外作業(げんがいさぎょう) 船員労働安全衛生規則52条に規定する危険の作業一つ。外板塗装など体の重心を舷外に移して行う作業のため、作業員は作業用救命衣の着用義務がある。
検査基準日(けんさきじゅんび) 船舶検査証書の有効期間が満了する日に相当する毎年の日をいう。
検査成績表(けんさせいせきひょう) 「スペック表」ともいう。重油等の購入時、成分・外観検査・密度等製品規格の結果が問題なかったことを顧客に証明する書類。
舷墻(げんしょう Bulwark) 甲板上の「牆」(かこい)のことで、両舷側に設けた鋼板の柵のこと。波浪が甲板上に上がりづらくするとともに、海中転落を防止する役目もあります。
原子力機関(げんしりょくきかん) 船内の原子炉で発生した熱で水を蒸気に変え、蒸気タービンを回転させて推進力を得る機関のこと。
検水(けんすい) タンカーでは、貨物製品の水分混入を計測するために、スケールテープの先端にウォーターリボンを塗り、その変色具合により水分の有無と推定量を計測すること。
減速装置(げんそくそうち) 主機の回転速度をプロペラの最適な回転速度に減速する装置をいう。
検錨(けんびょう) 泥土が多く、潮流のある場所で長時間停泊していると、錨および錨鎖が埋没して揚錨困難になるか、あるいは船の振れ回りにより錨鎖によりが入って揚錨不能か、切断の危険がある。このような場合に数日ごとに錨を引揚げ、錨の状態を確認することをいう。
ケンペラーホース 荷役時にマニホールドに接続して使用し、積・揚荷役時に使用するので、耐油性があり内圧にも外圧にも耐えることが条件となっている。
原油洗浄(げんゆせんじょう) 原油タンク内の洗浄方法の1つ。粘性の高いタンク内の原油の一部を高圧高温で噴射することにより壁面の洗浄を効率的に行う。

コイルダウン(Coil down) アンカーロープやもやいロープを、すぐに繰り出して使えるように、デッキ上へ輪状に整理すること。
高位液面警報(こういえきめんけいほう High level alarm) カーゴタンク積み荷の液位が一定以上に達した場合にセンサーの感知により警報を発する装置。高位液面警報でタンク容量に対して95~96%・オーバーフロー警報(ハイ・ハイアラーム)で容量98%にて警報が発報する。二種類の警報装置を装備している。
降雨強度(こううきょうど) 雨の降る強さ。気象庁ではその強度により表現が決められている。1時間に1mm未満は小雨。3mm未満は弱い雨。10mm以上はやや強い雨。20mm 以上は強い雨。30mm以上は激しい雨。50mm以上は非常に激しい雨。80mm以上は猛烈な雨。
航海距離表(こうかいきょりひょう) 日本国内の港湾、あるいは世界の港湾間の距離の算定の参考とした冊子。
航海計画(こうかいけいかく) 航海計画とは、航路の選定、出・入港日時や要注意場所の通過日時の決定などの航海計画を立案することである。電子技術の発達により航海用情報の入手が簡易になったが、情報を入手して判断し意思決定して実行命令を下さすのは操船者であり、その部分が最も重要である。航海計画においても、航路を電子海図上に描くことはいとも簡単な作業になったが、人間が行う航路船底の重要性は今も変わらない。
航海筋(こうかいすじ) 船が通り過ぎたあとの水面に残る波や泡の筋のことで航跡とも言う。
航海速力(こうかいそくりょく) 計画満載喫水で主機関を常用出力で運転した時に出しうる速力のこと。
航海灯(こうかいとう) マスト灯、げん灯及び船尾灯をいう。電気式の航海灯は、常用の電源の他に予備の独立の電源からも給電することができるものでなければならない。遠洋区域又は近海区域を航行区域とする船舶の場合
は二重式のものでなければならない。
航海灯の詳細は第20回 船の灯の種類参照
航海当直(こうかいとうちょく) 航海当直とは、次の港へ向かいため各甲板職員が交代で当直をおこなうことをいう。一般的な航海当直の時間割は以下のとおり
①0~4時(12~16時)「ゼロヨン」2等航海士
②4~8時(16~20時)「ヨンパー」1等航海士
③8~12時(20~24時)「パーゼロ」船長
航海日誌(こうかいにっし Ship’s log) 航海中の状況について、定められた様式で記録する船舶用の日誌。機関の操作、針路・航走距離・気象・海象・船位その他を当直航海士が記入する。
航海日誌を意味する 英語: logbook は、もともとは測程儀 (chip log) によって読み取った船の速度の記録帳簿を意味していた。これを用いれば、一定の時間の中で船がどれ程の距離を進んだかを算出することができた。また、一定の時間にこの記録を取り続けることによって、出港地からの航行距離を知ることもできた。今日、英語で「ship’s log (船のログ)」と呼ばれている航海日誌には、この他にも様々な種類の情報が盛り込まれており、船舶や潜水艦に関する運行データの記録として、天候、日常業務が行なわれたり突発的な出来事が発生した時刻、乗組員の交代や寄港場所の日時などが記される。航海日誌への書き込みは、伝統的航海術には必須であり、少なくとも毎日1回以上、記入しなければならない。
航海用海図(こうかいようかいず) 安全航海に必要な情報(水深、浅瀬、灯台などの航路標識、陸上物標)を記載した海図縮尺は1/30万~1/100万となっている。
航海用船(こうかいようせん) 長期契約によらず、スポットで発生した航海を1単位とした運送契約による用船形態。⇔(反)定期用船(ていきようせん)
航海用電子海図(こうかいようでんしかいず ENC:Electronic Navigational Chart) 従来の紙による航海用海図に記載されている情報を電子化したものを指す。平成6年度より海上保安庁海洋情報部によって、国際水路機関(IHO)で規定されたデータ形式で作成されている。航海目的によって分類された6種類の大きさの矩形の海域で分割されており、それらは「セル」と呼ばれており、その情報は特殊な暗号化がかけられたのち、一枚のCDに収録され提供される。
航海暦(こうかいれき) 航海士が海上にいるときに、天文航法に必要な太陽・月・惑星・恒星の毎日の位置などを列記した刊行物。
航行区域(こうこうくいき) 航行区域は次の4種類で区分されている。
1.平水区域:湖・川・港内などの他、入江、湾、内海など
2.沿海区域:原則として、日本の陸地や特定の島から20海里以内の水域
3.近海区域:東は東経175度、南は南緯11度、西は東経94度、北は北緯63度の線によって囲まれた水域
4.遠洋区域:世界中のすべての海域
黄砂(こうさ) 中国大陸黄河流域の土壌にある黄色の細かい砂。強風に乗って舞い上がると偏西風に乗って、日本にも視程障害などの影響を及ぼす。
号鐘(ごうしょう) 遭難時や視界制限状態において自船の位置を周囲に知らせるための音響設備で、汽笛等の機械設備が故障した場合の代替として使用する。法的根拠として海上衝突予防法第三十三条1項に規定されている。
高所作業(こうしょさぎょう) 船員労働安全衛生規則 第51条に規定する危険作業。床面から 2m以上で墜落の危険がある場所での作業。作業員は保護帽と命綱(安全ベルト)の着用義務。下方は通行制限を設ける。
コーシンベーン(KoshinVane) 飛行機型風向風速計の計測部。機器製造会社名がそのまま呼称して一般化した。
降水ナウキャスト(こうすいなうきゃすと) 現在から 10 分おきに1時間先までの降水域を映像表示するシステム。予報の即効性を高めるため、短時間予報と違い計算を簡略化。地形効果は考慮されていない。
鋼船構造規程(こうせんこうぞうきてい) 鋼船の船体材料などの材質、強度、工作法や船体部材などの構造、材料、寸法あるいは船体と密生に関係するような設備などの技術的な基準を定めている。
航続距離(こうぞくきょり) 燃料の補給を行なわないで連続して航海のできる最長距離を航続距離という。
港則法(こうそくほう) 大型船や外国船が出入りする全国の主要港湾ごとに定められた法律。港内での船舶交通の安全確保、及び港内整理を目的として制定された。適用は港内にのみ限られ、航路内での右側通行、追い越し禁止、出入港船舶の優先権、入出港の届出義務、夜間入港や危険物積載船についての制限などをきめ細かく規定している。
港長(こうちょう) 海上保安庁法第21条より、海上保安庁長官が任命し、担当港において船舶の航行安全、荷役の安全等のため適切な指示・指導を行う最高責任者。船舶の入出港、錨地の決定・停泊・危険物荷役の取締り等を行う。
高潮(こうちょう High Water) 海面が最も高くなった状態
高張力鋼(こうちょうりょくこう) 合金成分 の添加、組織の制御などを行って、一般構造用鋼材よりも強度を向上させた鋼材のことをいう。 高張力鋼は、上甲板の中央部や船底中央部の外板など、特に強い負担のかかる縦強度材に使用される。
紅灯(こうとう) 海上衝突予防法におけるげん灯とは、それぞれ112度30分にわたる水平の弧を照らす紅灯及び緑灯の1対であり、紅灯にあってはその射光が正船首方向から左げん正横後22度30分までの間を照らすように左げん側に設置される灯火をいう。
港内水域(こうないくいき) 港則法に掲げる港の区域及び社会通念上、港として認められる区域をいう。 海図上では港として認められる区域をハーバーリミットと表現されている。
港泊図(こうはくず) 港湾に入港、出港、停泊するときに使用するもので、港湾の水深、地形、施設などの状況を詳しく記載した海図。
甲板(こうはん) デッキ。船の上部にあって、木又は鉄板を張り詰めた広く平らな床。かんぱん。
甲板上の指揮(こうはんじょうのしき) 船員法第 10 条。出入港や狭水道通過時など船長が甲板上にいて指揮することを義務付けている。
甲板長倉庫(こうはんちょうそうこ Boatswain’s store) ボースンストア」参照
港費(こうひ) 船舶の入出港に係わる費用。綱取り・綱放し料、曳船料、岸壁使用料、入港料、船舶代理店手数料等。
工務監督(こうむかんとく) 船舶の建造、修繕、検査等に際し造船所の担当者、乗組員等を指揮し、工事が円滑に行われるよう監督する者。
閘門(こうもん) 閘門とは、水路の途中に設けた、前後を扉で仕切られた閘室(こうしつ)に水を出し入れ する事により、船を昇降させて水位の異なる場所で船が通航できるようにする扉のこと。
航路誌(こうろし) 航路選定の参考として使われるもので、大洋航海誌と近海航海誌とがあり、それぞれ世界の主要航路や我国近海航路について述べられている。
航路標識(こうろひょうしき) 船舶に位置を知らせたり、安全に導くための施設。灯光、形象、色彩、音響、電波等を使用して、海岸や浅瀬や防波堤などに設けられたもので、灯台、立標、浮標などがある。
コーティング船(こーてぃんぐせん) 貨物積載タンクの表面をステンレス材質で表面処理したもの。元々の材質は鉄であるため表面処理部分に傷がつくとタンク内部に錆が発生することから現在ではステンレス船が主流となっている。⇔(反)ステンレス船(すてんれすせん)
小型船(こがたせん) 「総トン数が500トンを超えない範囲において命令の定めるトン数以下である船舶であって雑種船以外のもの」と港則法第18条に定められている。
国際安全管理コード(ISMコード)(こくさいあんぜんかんりこーど ISM CODE) 人的ミスによる事故を未然に防ぐため、ソフト面での安全対策を充実・強化することを目的として、1993年11月にSOLAS条約(海上人命安全条約)第IX章として採択された。船主または船舶の安全に関して責任を有する者(「会社」=船舶管理会社等)に対し、安全管理システム(SMS)の確立、陸上安全管理担当者の選定、安全運航マニュアルの作成、緊急時の対応措置、船舶および装置の維持・管理などを義務づけ、これを船舶の旗国政府が審査し、審査に合格した会社および船舶には適合証書が発給される。1998年7月以降、順次この証書の備え付けが義務付けられ、2002年7月1日より国際航海に従事する総トン数500トン以上の全ての船舶に適用された。
国際海事機関(こくさいかいじきかん IMO) 国際間で海運問題を協議する国連の専門機関。海上航行の安全性、海運技術の向上、海洋汚染の防止等国際的な海事ルールの統一を図る目的で設置されている。1982年設立。2006年時点で166国が加盟。本部はロンドン。
国際ガス燃料船安全コード(こくさいがすねんりょうせんあんぜんこーど IGF Code) 国際海事機関(IMO)において採択された「ガスまたは他の低引火点燃料を使用する船舶の安全に関する国際規則」をいい、SOLAS条約附属書II-1章G部において、低引火点燃料を使用する船舶はIGFコードの要件に適合しなければならないこと等が規程されている。MARPOL条約第VI附属書の改正によって2020年1月以降、燃料油中の硫⻩分に係わる規制が大幅に強化されることに伴い、硫⻩分を含まないLNGの使用が対応策の一つとして注文されていることも、このコード策定の背景となっている。
国際救命設備コード(こくさいきゅうめいせつびこーど LSA CODE) LSA CODE」参照
国際拠点港湾(こくさいきょてんこうわん) 平成23年4月1日施行の改正港湾法により新たな港格として定義された。国際戦略港湾以外の港湾であつて、国際海上貨物輸送網の拠点となる港湾として政令で定めるもので、従来の特定重要港湾23港から18港を選定。
国際航海(こくさいこうかい) 一国と他国との間の航海をいう。この場合、植民地など一国が国際関係で責任を有する地域や国連が施政権者である地域はそれぞれ別の国とみなされる。また、国際航海は、短国際航海(航行中の船舶が常に乗船者の安全を期しうる港から200海里以内にあり、かつ、その航海を開始した国の最後の港から最終到達港までの距離が600海里をこえない航海)と長国際航海(短国際航海以外の国際航海)の2種がある。
国際信号旗(こくさいしんごうき) 海上において船舶間の通信をするために使用する世界共通の旗のことをいう。アルファベット文字旗26枚、数字旗10枚、代表旗3枚、回答旗1枚の計40枚で構成される。
国際信号書(こくさいしんごうしょ) 総トン数100トン以上で、沿海区域以上を航行区域とする船舶及び第2種・第3種漁船は、国際信号書を所持しなければならないと船舶安全法に定められている。
国際船舶制度(こくさいせんぱくせいど) 国際海上輸送力の確保上重要な一定の日本籍船を国際船舶と位置づけ、税制上の支援措置を講じるとともに、外国人船員(職員)の配乗も可能にする制度。1998年5月に船舶職員法など関連法規の改正が行われたことにより、国際船舶にはSTCW条約(船員の資格などに関する国際的な統一基準を定めた条約)締約国が発給した資格証明書を持ち、試験によって国土交通大臣の承認を受けた者は、日本の海技資格がなくても乗船することが可能となった。これを受けて、2000年1月にマニラで第1回目の承認試験が実施され、初の外国人承認船員48名が誕生、同年3月には、船・機長2名配乗船(船長・機関長の2名のみ日本人)2隻を含む3隻の承認船員を配乗した国際船舶が実現した。
国際戦略港湾(こくさいせんりゃくこうわん) 平成23年4月1日施行の改正港湾法により新たな港格として定義された。長距離の国際海上コンテナ運送に係る国際海上貨物輸送網の拠点となり、かつ、当該国際海上貨物輸送網と国内海上貨物輸送網とを結節する機能が高い港湾であつて、その国際競争力の強化を重点的に図ることが必要な港湾として政令で定めるもので、従来の特定重要港湾23港から5港(東京、川崎、横浜、大阪、神戸)を選定。
国際総トン数(こくさいそうとんすう) 1969年の船舶のトン数の測度に関する国際条約により、国際航海に従事する船舶は総トン数が統一されている。国際総トン数は、船の全容積に係数(条約の算定方式に変わっても同型船であれば従来と同じ数値になるようにした調整係数)を乗じて算出される。
国際標準化機構(こくさいひょうじゅんかきこう ISO) 製品やサービスに関する国際的規格を認証する機関。ISO 9001 は品質マネージメントシステム。ISO 14001 は環境マネージメントシステム。船会社がこの認証を受けると「いい輸送サービスを提供している」「環境に配慮した船を使用している」となり、顧客の信頼度が増す。
国際VHF(こくさいぶいえいちえふ marine VHF band) 国際VHFは、国際航海に従事する300トン以上の船舶、国内においては総トン数100トン以上の船舶に搭載義務がある。呼出周波数はch16であり、このチャンネルで相手局を呼び出し、種別に従ったチャンネルに移動する。入出港の連絡、船位通報、航行の安全、遭難通信、船舶相互間通信に使用する時は、ch16を使用する。また、使用するChも決められており船舶相互であれば、ch06、ch08、ch10、港務通信及び船舶通航であればch20、ch22、ch18、公衆であればch26、ch27、ch25等、通信する相手によりチャンネルが決められている。
国際労働機関(こくさいろうどうきかん ILO(International Labour Organization) ILOの目的は、全世界の働く人々のために社会正義を促進することである。そのために労働条件を改善するための国際的な政策や計画を立案、これらの政策を実施する上で各国政府にとって指針となる国際労働基準を作成し、これらの政策が実際に効果を発揮するよう各国に対して広範な技術援助計画を実施するほか、こうした努力の推進を助けるための訓練、教育および調査も実施している。
国際油濁補償基金(こくさいゆだくほしょうききん) 本部をロンドンに置く。タンカーからの油による汚染損害の責任と補償に関しては、「油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約」(CLC)および「油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約」(FC)という2つの条約で規定されている。油汚染に対してタンカー船主が過失の有無に関係なく義務を負う一定限度の補償責任を超えた部分を補填する仕組みで、油受取人がその受取量に基づき拠出する基金によって賄われており、IOPCFはこの基金を管理し、補償業務を執行するための組織である。
黒油(こくゆ Dirty Oil) 原油、重油等、通常黒色をしている石油の総称。⇔(反)白油(はくゆ)
誤差測定(ごさそくてい) 真方位とジャイロ方位の差で、例えば適当な重視線(重なって見える、距離の異なった一方向の2物標の方位線)の方位をジャイロコンパスで測り、海図上の重視線の方位との差を測れば誤差(ジャイロエラー)が求められる。この誤差を適宜測定し、ジャイロ方位やジャイロ針路に加減して真方位、真針路を求めることができる。
コックビル 錨をホースパイプの下方近くまでおろした位置から投錨することを言う。
コース・アゲーン(course again) 他船、障害物などを避航するため、一時的に変針したのをいままで取っていたもとの進路に戻そうとするときに使用する。
コースレコーダー 針路記録機。針振れの軌跡を見て、自動操舵の調整を考える。錨泊時は 振れ回りの変化を確認することができる。
固定ピッチプロペラ(こていぴっちぷろぺら Fixed Pitch Propeller) 羽根が固定され、ピッチ(羽根角)が自由に変えられないプロペラ。前進の時と後進の時とで回転方向を変え、機関の逆転機構(ぎゃくてんきこう)を使ってプロペラを逆回転させています。この場合、前後進の切り替えの度に機関を逆転させなければなりません。略称FPP。⇔(反)可変ピッチプロペラ(かへんぴっちぷろぺら)
コファダム 燃料、潤滑油タンクと清水タンクが隣接する区画にある場合に衝突等の要因で燃料、潤滑油がタンクから油が漏洩した際に、清水タンクへの混入を防止するための空間を言う。
コーミング 「縁材」ともいう。水が入るのを防ぐための甲板上の開口部(ハッチ等)の縁の囲い。
コムサール(Comsal) IMOの小委員会のひとつ。無線通信・捜索救助小委員会のこと。航行安全,無線通信及び捜索救助に関する対策と各国政府の義務に関する技術面及び運用面の問題を取り扱っている。
コリジョオンマット 防止マットのこと。水線下に生じた破孔を外側から覆い、応急的に浸水を防ぐ マットのことをいう。
混乗船(こんじょうせん) 2か国以上の国籍を持つ乗組員が乗船している船舶を指す。外航船では混乗船で編成された船舶がほとんどで、人件費の問題でこのような形態となっている。
コンスタント コンスタントとは、船内にある不明な重量物のこと。 不明重量の正体は、バラストタンク内の泥、燃料タンク内のスラッジ、清水タンク内の水垢、また船舶内に積載した機材、部品等も含まれる。コンスタントが増えると通常よりも早く満載状態となり、結果載貨重量トン数に影響を与えることとなる。コンスタントが増えた場合、ドック入渠時に、これらを除去する等の対策を取る。
コンタミ(Contamination) コンタミネーションの略。直訳すると、汚染のことだが、ケミカル・タンカーの汎用船の場合、色々な荷物を運ぶため、前の荷物(液体)の一部と現在運んでいる荷物が混ざってしまい、現荷物の品質が劣化する現象(混入・着色・着臭)を指す。
コンパスローズ コンパスローズとは、海図上のところどころに書かれている方位を示すもので、船上から 見える物標に対し方位を測定して、自船の位置を決定するときに使用するものである。
コンパニオン 暴露甲板と下方区画とを結ぶ昇降口に,その開鎖のために設ける風雨密戸付きの小甲板室。
コンビネーションラダー(Conbination Ladder) タラップ とジャコブスラダーを組み合わせて使用すること。乾舷が9m以上ある場合、水先人が本船とボート間の乗下船の際に使用。

インデックス

載貨重量トン数(さいかじゅうりょうとんすう) 船舶に積むことの出来る最大積載量を表す重量トン数。安全な海上輸送確保のための、重要な指標として使われる。満載排水量と軽荷重量との差。
再帰反射材(さいきはんしゃざい) 再帰反射材に向けられた光線を光源の方向に効果的に反射する材料をいう。救命艇、救命いかだ、救命浮器、救命浮環、救命胴衣、イマ―ションスーツ、救命いかだ支援艇に取り付けられ、夜間の捜索をより効果的にするものである。
最高水面(さいこうすいめん) 年間を通して、これ以上高くなることがない水面。台風などの要素でさらに高潮になることはあっても、通常の潮汐によって起きる海面の上昇の最高点。海図上では、橋の高さや電線など、船舶がその下を通るような障害物に関しては安全をとって、その距離がもっとも短くなる最高水面を基準として高さを表している。
在船義務(ぜいせんぎむ) 船員法 11 条。船長の義務の一つ。自己に代り、適当な誰かに職務を委任した後でなければ、船を離れることはできない。
サイクロン(Cyclone) 台風の別称。インド洋で発生する熱帯低気圧。広い意味では低気圧全体を指す場合もある。(アメリカではハリケーンという)
最大喫水(さいだいきっすい) 船の長さの中央におけるキール上面より計画満載喫水線までの垂直距離をいう。
材料試験(ざいりょうしけん) 再帰反射材に向けられた光線を光源の方向に効果的に反射する材料をいう。救命艇、救命いかだ、救命浮器、救命浮環、救命胴衣、イマ―ションスーツ(0℃の水中でも6時間の保温が可能)、救命いかだ支援艇に取り付けられ、夜間の捜索をより効果的にするものである。
最大瞬間風速(さいだいしゅんかんふうそく) 瞬間風速の最大値を最大瞬間風速と呼ぶ。風の強さや向きは常に変動しており、瞬間的には最大風速よりさらに強い風が吹くことがある。最大瞬間風速は最大風速の1.5~2倍ぐらいの値になるといわれている。
最大風速(さいだいふうそく) 10分間平均風速の最大値を最大風速という。
最大とう載人員(さいだいとうさいじんいん) その船舶に乗船させることの出来る最大人員のこと。ただし「1歳未満の者は算入しないものとし、国際航海に従事しない船舶に限り1歳以上12歳未満の者2人をもって1人に換算することが出来る」としている。
最短停止距離(さいたんていしきょり) 全速前進中、機関を全速後進にかけて船を停止させるまでの進出距離で、これを最短停止距離といい、衝突回避などに重要な運動性能の一つである。
サイドキールソン 中心線キールソンとビルジ下部(湾曲部)との間が幅9m以下の船舶では各舷に1個、9mを超える船舶では各舷に2個配置され、構造は中心線キールソンに準ずることとしている。
サイドストリンガー(Side stringer) 船側の縦強度部材。単にストリンガーと呼ぶこともある。船首のパンチングストリンガーに繋がる。
SIRE検船(さいやーけんせん) Ship Inspection Report Programmeの各単語からそれぞれ一文字をとり、SIREといわれている。
石油会社によるタンカーの検船は、従来各社が自社用船タンカーの安全性をチェックするため各々独自の方法で実施していたが、多数の石油会社と関係を持つ船社は各々の石油会社毎に繰返し検船を受ける必要があり、チェック方法や対応も各々異なることから長年その一元化が要請されていた。OCIMFは各社各様の検船手法の標準化を図る為、SIREプログラムという統一化された検船制度を構築したものをSIRE検船という。
サウンディングパイプ(Sounding pipe) 測深管」参照
先船(さきぶね) 着岸予定バースに、すでに着岸している船。又は先に着く予定の船。前船(まえぶね)ともいう。(反)後船(あとぶね)
サギング(Sagging) 水面に浮かんでいる船体は、波の浮力又は満船・空船の状態などによって変化し、長さ方向に対しやや凹又は凸の状態となる。凹の状態すなわち中央が船首部・船尾部より沈下している状態(又は現象)をサギングという。(対語 ホギング
サクションライン 吸い込み側のラインをサクションラインと言う。また反対にポンプの吐出ラインをデリバリーラインと言う。
下げ潮(さげしお Ebb tide) 海面が下降しつつある状態
左舷(さげん Port) 船を船尾から左側を指す。着岸の基本が港側なことからPortと言う。⇔(反)右舷(うげん)
差合船(さしあいせん) 本船の入港予定時間がほぼ同時刻の船をいう。接岸・荷役は、基本的には入港順であることから、入港・バース指定をめぐってお互いに相手をこう呼ぶ。
サテライトコンパス(Satellite Compass) GPS 機能を利用したコンパス。起動後すぐに静定するが、橋のような障害物があると受信できない。
錆止めペイント(さびどめぺいんと) 錆ついた鉄鋼材をサンダー等で研磨し、無垢の鉄鋼材の錆の進行を遅らせるために塗布するペイントをいう。色彩はオレンジ色である。
サプライチェーン(Suplly chain) 供給連鎖ともいう。原材料の調達から生産・販売・物流を経て最終需要者に至る、製品・サービス提供のために行われるビジネス諸活動の一連の流れのこと。業種によって詳細は異なるが、製造業であれば設計開発、資材調達、生産、物流、販売などのビジネス機能(事業者)が実施する供給・提供活動の連鎖構造をいう。基本思想はロジスティクス概念に似ているが、ロジスティクスが適時到着を強調するのに対して、サプライチェーンという言葉を使う場合は在庫適正化のニュアンスが強くなる。また、単一組織が行う活動というよりも、むしろ物流/流通チャネルの全体最適のために行われる複数企業の連携の仕組みを指すことが多い。サプライチェーンの全体最適を図る活動ないし手法をSCMという。
サブスタンダード船(さぶすたんだーどせん) 安全面において国際的な基準に適合していない船。
サブリフラクション(Subrefraction) 標準大気ではない、例えば大気の密度構造が逆転状態(高さに対する温度低下が急激であったり相対湿度が高さと共に増加する場合)となる場合は、サブ・リフラク ションといって電波が上方に曲げられるためレーダー水平線までの距離は短縮される。(レーダー電波が通常より遠くまで届かない)
サーチ・アンド・レスキュー条約(ささーちあんどれすきゅーじょうやく SAR条約) SAR条約」参照
サーベヤー(Surveyor) 鑑定人。貨物の積付検査、タンク(積込前)の状態検査、喫水検査等検査証明行為を行うもの。日本では、日本海事検定協会と新日本検定協会などがある。
酸洗い(さんあらい) タンクや配管内の金属表面に付着した汚れ(錆、油脂分、機械加工時に発生した酸化皮膜、溶接時に発生した酸化分など)を酸(硫酸や塩酸等)により科学的に除去し、清浄な表面を得る作業。
三角波(さんかくなみ) 突然起きる巨大波の一種で、強風や潮流の影響で複数方向からの波(うねりと風浪、防波堤の反射波など)がぶつかってできる峯の尖った波。荒天時に発生し、高さが他の波の3倍以上になることもあり、非常に危険である。前線や低気圧の通過に伴い、気圧が不安定で風向きが頻繁に変わると、風と波も向きが逆になって発生しやすい。
酸処理(さんしょり) 酸処理とは、船舶建造中の下地処理の際に行なう工程で酸の水溶液により錆を化学的に溶解し、除去する方法。酸の溶液としてはリン酸が用いられ、主として薄板、管材、小物の艤装品などの防錆に用いられる。
酸素濃度(さんそのうど) 空気中の酸素の濃度を表したもの。通常大気中には、窒素(N2)が77%、酸素(O2)が21%その他、アルゴン・ヘリウム・二酸化炭素(CO2)が含まれている。船内において、換気の不十分な場所に入って作業を行う際は、作業前に通風機で換気を行い十分注意するとともに、ボイドスペースや、普段使用しないタンク内へ入るのは危険が伴うので、避けた方が良いとされている。また、入槽する際は、酸素濃度を事前に測定する必要がある。下記に酸素濃度により人体に与える影響を示す。
※正常な酸素濃度は21%
・酸素濃度:18% … 安全限界と言われており引き続き連続換気が必要
・酸素濃度:16% … 呼吸、脈拍の増加、頭痛、悪心、はきけ
・酸素濃度:12% … めまい、はきけ、筋力低下、体重支持不能、墜落(死につながる)
・酸素濃度:10% … 顔面蒼白、意識不明、嘔吐(吐物が気閉塞で窒息死)
・酸素濃度:8% … 失神昏倒、7~8分以内に死亡
・酸素濃度:6% … 時に昏倒、呼吸停止、けいれん、6分で死亡
サンダー(Disc Sander) ディスクサンダーともいう。回転するサンドペーパーで錆を削り取る。
サンドブラスト(Sandlead) コンプレッサーで高圧に圧縮された砂等を吹き付けて船舶外板等の施行処理を行うこと。
サンドレッド(Sandlead) 船舶の太い係留索を陸上に渡すために、 heaving line (引き綱)という細いロープを結ぶ。しかし、そのままでは line を陸上に放り投げることはできないので、先端におもりを取りつけて遠心力で陸上側目掛けて遠投する。そのおもりのことを通称サンドレッドという。「砂か鉛、または砂に代わる鉛」という意味で サンドレッドということばが使われるようになったという説がある。サンドレッドは和製英語で、レッドとは鉛(LEADと綴るが発音はレッド)の事。現在は砂袋や鉛は使われておらず、ゴムが使われている。
桟橋(さんばし) 桟橋とは、船舶を接岸けい留する施設で、岸壁と同様に貨物の積み卸しや船客の乗下船に利用される。岸壁と異なり杭をある間隔で打ち込み、その上に梁と桁を渡し、これに床をはったもの。
残留塩素(ざんりゅうえんそ) 遊離残留塩素とも。船内に積み込まれた飲料水の衛生管理の1つ。この含有率の検査を少なくとも1月に1回衛生担当者が実施しなければならない。

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シーアンカー(Sea anchor) 船舶が荒天で航行が困難なとき、横波を受けないように船首から海に投入する布製の船具。海水の抵抗を受けて錨のような役をさせる。
潮待ち(しおまち) 潮流が激しい場合、航行をストップし、潮流が変わるまで、近くの湾内に退避すること。例えば紀伊水道から瀬戸内に行く場合、鳴門海峡を通るが、潮の干満の関係で瀬戸内の海水が高く、潮流が10ノットを超える場合、499グロストンの内航船の速力は10ノット程度の速力なので、鳴門海峡を渡れず、近くの波の静かな湾に退避し、潮の変わる目(6時間置きに変わる)のを待っている状態を指す。
指揮命令権(しきめいれいけん) 船員法第7条。船長がその職務を遂行するためには、海員以外の「乗客など船内にある者」に対しても命じることができる。
C重油(しーじゅうゆ) 動粘度が高く、常温では使用不可。使用時に加熱が必要となる。硫黄含有率の高い重油。
シージング(Seizing) シャックルピンのようなネジ部分が自然に回って外れないよう針金などを使って防止すること。
シーチェスト 船舶の航行に際し、必要な海水を取水するために船舶に設けられるもので、船底に形成された開口部と、開口部を包囲する箱体(船体内部に侵入した窪みに相当する)と、箱体に浸入して海水を汲み上げる取水手段(取水管、取水用ポンプ等)を有している。また、開口部にはゴミの流入を排除するためのパンチングメタル等が設置されている。
シーバース(Sea berth) 喫水の深い大型タンカーなどを沖合に停泊させる場合は、海底に杭を打ち込んでつくった柱状のドルフィンや、海底に固定し、船からチェーンを渡して係船ブイなどを利用する。これら沖合に設けた係留施設をドルフィンという。
シーマージン(しーまーじん) 気象・海象、船体の汚損等による航海速力の低下をあらかじめ見込んだ、機関常用出力に対する余裕度をいう。
シール 「静止シール」ともいい、フランジ部分・カバー部分など静止部分の密封に用いられるシールの総称。
磁気コンパス(じきこんぱす) マグネティック・コンパス」参照
支綱切断(しこうせつだん) 進水式の際におこなわれる儀式で、船から式場まで引いてある支綱を銀色の斧で切断する。このとき使われる斧は、造船所が船ごとに新しくつくる。
自己研磨塗料(じこけんまとりょう) 自己研磨塗料とは、船底塗料の一種でふじつぼなどの生物の付着を防止するために塗膜が少しずつ溶け出して常に表面を滑らかに保つもの。
自己点火灯(じこてんかとう) 船舶救命設備の一つで、救命浮環に連結して落水者などに救命浮環の位置を知らせる夜間の位置標示信号のことをいう。
自己発煙信号(じこはつえんしんごう) 本船の遭難信号または海中転落者に救命浮環の位置を表示するために救命浮環に連結して使用する。使用に際して海中に投下すると自動的に点火し、15分以上連続発煙する。
指差呼称(しさこしょう) 安全を確認するとき、何もしないよりも、声を出したとき、更に指を差して呼称をしたときの方が、格段に間違いが少なくなることから、動作が変わるときや判断基準が変わるときに、意識して指差し呼称を行ない、危険を未然に防ぐ取組み。
自差(じさDeviation) 自差とは、船舶の鋼鉄や船内にある鉄が磁気を帯びてコンパスの磁針の向きを変えてしまうことをいう。
視界制限状態(しかいせいげんじょうたい) 霧、もや、降雪、暴風雨、砂あらしその他これらに類する事由により視界が制限されている状態をいう。
視水平(しすいへい) 実際に見える水平線。空気による屈折のない真水平と区別される。
シップリサイクル条約(しっぷりさいくるじょうやく) 2009年5月に採択された、「2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約」の通称。船舶のリサイクルにおける労働災害や環境汚染を最小限にするため、(1)船舶、(2)船舶リサイクル施設、(3)リサイクルの手順について要件を規定している。船舶に関する要件は、アスベスト、PCBs、オゾン層破壊物質などを含む設備等の新規搭載の禁止、国際総トン数500トン以上の商用船(国内で解体される内航船を除く)にインベントリ(船舶内の有害物質一覧表)の作成と備置きの義務付け旗国の主管庁または承認機関による定期的な検査等がある。
視程(してい) 大気のにごり具合を表す尺度。通常の視力を持った人が日中の明るさの中で水平にある物体が何であるかを確認できる最大の距離。船舶(船舶気象符号視程コード)では10段階に分け、50m未満が最少で、50km以上が最大の階級となっている。
自動火災探知装置(じどうかさいたんちそうち) 火災探知装置は、異常な空気温度や煙の濃度、その他の初期火災要因を探知して自動的に、各探知区域ごとに可視可聴の警報を発する装置のこと。本装置は、乗組員が通常近づくことができない船倉や倉庫、旅客船の居住区域その他の場所に必要に応じ装備される。
自動化設備(じどうかせつび) 船内における作業を軽減するために船舶に施設される設備をいう。ある一定の自動化設備を有する船舶のことを自動化船若しくは近代化船という。本設備を施設することにより、船舶職員及び小型船舶操縦者法による船舶職員の配乗を軽減することが出来る。機関集中監視装置等20の設備が規程されている。
自動衝突予防援助装置(じどうしょうとつよぼうえんじょそうち アルパー Automatic Radar Plotting Aids(ARPA)) ARPA」(えいあーるぴーえー)参照
自動制御(じどうせいぎょ) 原動機、補機(ポンプ・空気圧縮機)等が自動的に負荷、圧力、温度などの状態の変化を感知し、必要作動又は停止を行うことをいう。
自動操舵装置(じどうそうだそうち Autopilot) 自動操舵装置とは、船の船首方位を航海士が設定した方位に自動的に保持する装置。
ジプシーホイール(Gypsy Wheel) 錨車と呼ばれ、錨鎖の繰り出し、巻込みを行なうもの。小型船内航船のジプシーホイールは同軸上に配置され、1組の油圧式原動機で駆動するタイプが広く用いられている。
仕向地/仕向港(しむけち/しむけこう) 船が荷物を運ぶ目的地/目的港。
シヤ―(sheer) 航行中、波が甲板上に打ち込むことを減じて凌波性を高めるとともに、船首尾に船体の上部に容積を持たせて船に予備浮力を与えるために設けられる。凌波性の向上には船首側のシア(船首舷弧)の方が船尾側のシア(船尾舷弧)よりも貢献するので、一般的に船首側の方が反りが大きく、船首舷弧の方が大きくなっている。
ジャイロ・コンパス(Jyro compass) 船舶の位置、または方向の測定器の一種。高速回転するコマの回転軸が常に天空の一点を指す原理(ジャイロ効果)を応用している。磁気コンパスに代わるもの。高速回転するコマ(ジャイロ駒)の回転軸を用いて方位を知るための装置。(類)マグネティック・コンパス
社船(しゃせん) 自社で所有する船舶のこと。⇔(反)用船(ようせん)
シャックルピン(Shackle Pin) ボルトやナットの抜け止めや回り止め、ゆるみ防止や脱落防止などに使うピンのことをいう。/a>
シャックルマーク(Shackle Mark) 投下された錨鎖の長さの目安となる印。ジョイニングシャックル前後のリンクのスタッドに白色塗装する。
シャドーゾーン 障害物のためレーダー電波が充分に届かない範囲。例えばレーダーマストの後方。
シャンク(shank) 錨の胴体部分。ストックレスアンカーはこの部分がホースパイプに収まる。
重合防止剤(じゅうごうぼうしざい) 光や熱の影響によって重合反応を起こしやすい物質に添加して、それを阻害する試薬である。単に禁止剤とも呼ばれる。
修繕費(しゅうぜんひ) 定期検査・中間検査の検査費用、入渠費、保守整備、修繕費などをいう。
シューピース(しゅーぴーす Shoe piece) 船尾材の一部で舵の下端を支えるための部分。後端はキール線より若干上方に反らせてあり、できるだけ入渠や座礁の際に損傷を受けないようにしてある。
収錨(しゅうびょう Housing) 錨泊等で使用した錨及び錨鎖を船体に収めることをいう。
収容予定人員(しゅうようよていじんいん) ある区画された部屋に収容することができる人員をいう。内部の椅子の配置、使用条件等により収容することができる人員が決められる。
修理(しゅうり) 船舶安全法において修理とは、船舶等の機能、性能が損なわれた場合に、これを修復するための工事を意味する用語として取り扱われ、大修理と小修理に分けられる。大修理は、船舶の堪航性又は人命の安全に影響を及ぼすおそれのある工事で例えば船体外板の切替え、損傷した機関の修理等が該当し、関連する基準の適合性を確認するために臨時検査の対象となる。小修理は、軽微な補修で、臨時検査の対象とはならず、整備の範疇に属する。なお、検査の合理化を図るために、改造修理認定事業場の制度がある。
主機(しゅき) プロペラを直接推進させる機関で、燃料油は重油を使用する。⇔(反)補機(ほき)
シュートガン(Shoot Gun) 大型船において係留索を岸壁作業員に送るための設備。圧縮空気で細索につながった錘(おもり)を飛ばす。
手動火災警報装置(しゅどうかさいけいほうそうち) 船内巡視、その他によって火災の存在または徴候を発見した者が船橋その他の制御室へ迅速、容易に通報するための音響警報装置で、通路の各所に設けられた押しボタンにより発信する。警報ベルは人為的に停止しない限り鳴り続ける。
シュラウド(しゅらうど) マスト等を支えるワイヤーロープをいう。
瞬間風速(しゅんかんふうそく) 0.25秒ごとに更新される風速の3秒(12サンプル)平均を瞬間風速という。
巡視制度(じゅんしせいど) 船舶の火災の予防のために、船内の各区画を点検すること。点検は前直者がおこない、異常の有無について、航海日誌に記載することとしている。
浚渫(しゅんせつ) 専用の機械を使用して港湾・河川・運河などの底面をさらって土砂などを取り去る土木工事のこと。浚渫作業用の船舶を浚渫船(しゅんせつせん)という。
順走(じゅんそう Scudding) 風浪を船尾方向より受けて、舵効を失わない程度の低速で航走することをいう。
純トン数(じゅんとんすう Net Tonnage) 船舶の総積量をトン数で表したもの。船の稼動能力を示すのに用いる。総トン数からの船員室、海図室、バラスト水槽、機関室、操舵機室、チェーン・ロッカー、その他航海に必要な場所の容積を除外したもの。記号はN/T
省エネ船(しょうえねせん) 燃料消費量を少なくするよう工夫された船舶。スリムな船型、長期防汚船底塗料、高粘度油専焼機関、排ガスボイラー、大直径プロペラ等の組み合わせで、従来型船に比較し、大幅な省エネルギー効果がある。最近は、省エネ船が新造船の際に一般的になっている。
上架(じょうか) 船舶が合入渠、中間検査及び定期検査等で入渠する際船体を海面から揚げることをいう。
蒸気タービン(じょうきたーびん) 蒸気タービンは、舶用主機関の一つで、ボイラーから発生した蒸気が保有する熱エネルギーを推進力へ伝動し船舶の前後進を行う。ボイラーで発生した蒸気は、前後進操縦レバーの動きに合わせ操縦弁が開閉し前進時には高圧タービン、低圧タービンに、また、後進時には、通常低圧タービンと同軸上に装備される後進タービンに蒸気が供給され各々の方向にプロペラを回転させる。この蒸気タービンは、熱エネルギーが外部で造られることから内燃機関と対照的に外燃機関と言われる。また、蒸気タービンは比較的簡単な構造で、高い出力が得られる点が特長で、出力の割にはサイズもコンパクトである。そのため高速が要求される駆逐艦などの軍用艦や、大きな馬力を必要とする超大型タンカーなどで利用されている。欠点はディーゼル機関(内燃機関)と比較して燃料消費量が多い。
蒸気蒸し(じょうきむし) タンククリーニングの一種で、凝固性・高粘性・着臭性等の物質を除去するために行う。やり方としては、ボイラーの蒸気をカーゴタンク内に噴出し、タンク表面を蒸気で蒸して洗浄する。(類)部員
償却費(しょうきゃくひ) 新造船も年月が経過するとともにその価値は減少し、耐用年数が過ぎればスクラップまたは海外へ売船される。この価値の減少分を一定の方法で計算し年度ごとに損失として計上することをいう。
仕様書(しようしょ) 仕様書は、船という大きなシステムを構成する個々の機器からシステム全般に至るまで、その材質、機能、設置場所から施工方法までを規定したものであり、船体部、機関部、電気部から構成されている。
衝突の予防のための国際規則に関する条約(1972年)(しょうとつよぼうのためのこくさいきそくにかんするじょうやく(1972ねん)) 船舶の衝突事故防止を目的として1972年に採択され、1977年7月に発効した国際条約で船舶が守るべき航法、表示すべき灯火および形象物、音響信号および発光信号等について規定している。
常用出力(じょうようしゅつりょく) 航海時に常用される出力で、主機関の効率や、保守の点から最も経済的な出力のこと。ディ―ゼルエンジンは、概ね80%~85%程度が最も良い出力とされている。
職員(しょくいん) 下記の海技士の免許を受けた者であって、船舶において、船長の職務を行う者(小型船舶操縦者を除く)並びに航海士、機関長、機関士、通信長及び通信士の職務を行う者をいう。
海技士(航海)一級~六級
海技士(機関)一級~六級
海技士(通信)一級~六級
処女航海(しょじょこうかい) 新造された船にとっての最初の航海
ショットブラスト処理(しょっとぶらすとしょり) ショットブラスト処理とは、1~2mm径の細かい鉄球を鋼板に打ちつけて、表面の錆を落とす処理のこと。
除染シャワー(じょせんしゃわー) 液体化学薬品ばら積船において、貨物ポンプ室等に入り貨物を取り扱った場合、作業服及び乗組員に付着した貨物を洗い流すため、暴露甲板上に除染シャワー及び洗眼器を備えなければならないと定められている。当該設備は、あらゆる気象条件でも使用できるよう義務付けられており、具体的には凍結防止措置を施すことが要求される。
招集信号(しょうしゅうきごう) 緊急時、乗組員や乗客を一箇所に集める信号。短音7回に続いて長音1回。本船から脱出する際にも使用される。
シリングラダー 魚の形の断面形状の舵板とその上下に取付けた整流板によりプロペラ排出流のほとんどが舵板に当たり、排出流が舵効として有効に利用できるようになっている。
深海投錨法(しんかいとうびょうほう) 水深が錨鎖1節(25m)を超える水深で投錨する方法。
信号紅炎(しんごうこうえん) 船舶救命設備規則。遭難時に使用する救命設備の1つ。火薬により赤く明るい炎が出る。遭難者が手にもって使用。
シングルボットム(Single bottom) 単底。船体構造で、船底を1枚の外板で支えるもの。座礁時、浸水の危険が高い。
シングル・ハル(Single Hull) 船の外壁(船底や外板)が1枚の鋼板になっている構造の船。船の外壁をハルといい、このタイプの船だと、タンクの外はすぐ海洋と面する構造となり、タンクに穴が開くと油が海に漏れてしまう危険性がある。(類)ダブル・ハル
進水(しんすい) 新造船を海水に浮かべること。自らの力で航行できる状況になった時に行う。つまり、主機関(エンジン等)、プロペラ等が装備された時点で海に浮かべる。細かな艤装(各種機器の設置・調整、船員室の中の装備)の前段階。
真方位(しんほうい) 真北を基準とする方位をいう。

吸い上げ効果(すいあげこうか) 台風や低気圧の持つ低い気圧によって、海水面が持ち上げられること。1hPa低下で1cmの海面上昇がある。
垂線間長(すいせんかんちょう Length between perpendicular(LPP)) 船の満載喫水線上の船首材の前端から舵頭材までの水平距離を言う。
水槽試験(すいそうしけん) 巨大で複雑な形状をした船は、設計段階で基本的な性能を正確に知ることは難しい。また自動車のように量産できず実機による試験が難しいことから、船型の開発には特殊な水槽を使っての模型実験が行われる。これを水槽実験という。
水線ペイント(すいへいぺいんと) 三号船底塗料ともいい水線付近に帯状に塗装する。水線付近の防錆防汚の両作用を有する塗料。
スイベル(Swivel 錨と錨鎖をつなぐ部分にあり、ねじれを解消する。
水密隔壁(すいみつかくへき) 主として浸水に対処するために、おもに横方向に設けられる隔壁のことをいう。
水密扉(すいみつとびら) 水密隔壁あるいは船首楼隔壁(ボースンストア)などの開口部に設けられる水密の戸。開口の周囲にはパッキンが取り付けられ非常の際には水密に閉鎖でき、また防火も可能。
水路誌(すいろし) 海上保安庁航海情報課・水路通報室の刊行する水路書誌の一つ。海上の諸現象、航路の状況、沿岸および港湾の地形、航路標識、航路および港湾に関する法規などを記載した海上交通のガイドブック。北海道・本州北西・本州南東・瀬戸内海・九州五つのエリアに分かれている。
水路図誌(すいろずし) 船の航海停泊に必要な種々の事柄を網羅したもので、海図、水路誌、潮汐表、灯台表等の水路に関する図誌を言う。
水路通報(すいろつうほう) 水路図誌を最新のものに維持するための情報並びに船舶交通の安全に必要な航路標識の変更、海上における工事・作業、自衛隊あるいは米軍等が実施する射爆撃訓練等及び環境保全に影響を与える可能性のある情報が記載された印刷物。ホームページでも確認できる。
スーパーエコシップ プロペラを駆動する動力も含め発電機で電気を起こし、その動力を使って電動機を回しプロペラを回転させる船舶のこと。
スーパーリフラクション(Super Refraction) 大気の密度構造つまり高さに対する屈折率の低下の割合が急激な状態(温度の低下率が標準状態よりも少ない場合、または高さと共に温度が上昇するような温度逆転層 がある場合、もしくは相対湿度が高さと共に減少する場合)となる場合は、スーパー・リフラクションといって電波が下方に曲げられレーダー水平線までの距離が延長 される。(レーダー電波が通常より遠くまで達する)
隙尺(すきじゃく) 積荷役を行う際に、タンク内の天井(Tank Top)から積載貨物との空間に隙間を設けることを指す。これは、積荷の過積載、漏油防止を目的としたものであり、荷役をする際は、この隙尺を50㎝以上設けることとなっている。
スカッパー(Scupper) 甲板の排水孔。デッキ上の水を排水する為の排水口。
スクラバー 「洗浄塔システム」ともいう。排ガスを洗浄し、排ガス中の硫黄酸化物や粒子状物質を除去する装置。2020年1月より施行されるSOx規制で従来のC重油(硫黄分3.5%以下)を使用する場合、船上で排ガスを脱硫する装置。
スクレイパー(Scrapers) 凹凸のある部分を削る鉄のヘラ。
スケーリングマシーン(Scaling Machine) 回転する歯車で広範囲を錆打ちする大型の装置。
スケールテープ(Scale Tape) 巻き尺の先端に錘が取り付けて有りサウンディングパイプを通じて沈下させ、液の付着位置の目盛りを読み取り油面高を測定する計測道具。
スタビライザー(Stabilizer) 減揺装置。航海中に波浪の影響により船体が動揺する(ローリング)のを減少させる装置。
スチフナ 補剛材の意で、ウェブ材の座屈を防ぐため、はりせい方向に取り付ける材のこと。 座屈とは、軸方向力がある限度に達すると、急に変形が生じて、曲げ応力が生じ、この曲げ応力自体に耐えられなくなって破壊すること。 はりせいとは、梁の上面から下面からまでの高さの寸法のこと。「水平構造部材」ともいう。
ステンレス船(すてんれすせん) タンク・パイプ類がステンレス製の船。コーティング船より金属の腐食の進み具合が少なく、近時はこのステンレス製の船がほとんどである。略して、すてん、と呼ぶこともある。⇔(反)コーティング船(こーてぃんぐせん)
ストック(Stock) シャンクに取り付けられた横棒。
ストックレスアンカー(Stockless Anchor) ストックのないアンカー。アームが可動。
ストリッピング・ポンプ(Stripping Pump) 貨物タンク内及び関係管系内に残留する物質の量を一定量以下になるよう陸揚げするための機器。Strip…取り去る
スタン・スラスター(Stern Thruster) 船尾水没部に左右舷に通じる通風孔を設け、この中央に推進機を取り付けたもの。⇔(反)バウ・スラスター(Bow Thruster)。バウ・スラスター、スタン、スラスターとも船側にあることから、サイド・スラスターともいう。
ストレーナー(Strainer) 液体から固形成分を取り除くために用いる網状の器具。船舶では、海水ストレーナー、オイルストレーナー等がある。
スピルタンク(Spill tank) 積荷の積み込み、積み下ろしの際に漏れ出す積荷を受けるタンク。上甲板床板上に直接載置することができるので、マニホールドの上甲板床板からの高さを最適なものとすることができる。このため、積荷の積み込み積み下ろしの際のマニホールドとローディングアームとの接続作業やマニホールドの洗浄作業等における作業労力の軽減を図ることができる。
スペック表 検査成績表」参照
スライム スライムとは、微生物、バクテリア、藻類およびその死骸に空気中から混入した土砂およびさびなどが混合した粘性のある泥状塊のものを言う。海水下の船体表面には、海洋バクテリアや珪藻類が短時間でスライム層を形成し、やがて、アオノリなどの海藻類やフジツボ類、ムラサキイガイ類、ヒドロ虫類が付着する。このような汚損生物と呼ばれる生物群が船底に付着することで、航走行時の抵抗が増すため、ドック入渠時に清掃が行われる。
スラグ 溶接時に発生する非金属物質のことであり、空気中の酸素や窒素などが溶接金属中の元素や溶接材料の成分と化合して残留し、機械的性能に悪影響を及ぼす場合がある。
スラック(Slack) 張力のかかった索類を伸ばし緩めること。スライキ、スライともいう。
スラッジ 残渣。重質分の多い積荷を運んだ場合、タンク内に残るへどろの類。Sludge…どろどろの泥、へどろ
スラミング(Slamming) うねりの中を航走するとき、船首が大きく空中に持ち上げられた後、次の瞬間、船首部船底が波面に激しく打ち付けられる現象をいう。波に向かって進むときに起こりやすく船底に作用する強大な水圧力によって船体損傷を引き起こす。
スリップチューブ(Slip Tube) 加圧式LPGタンク内のLPGの液面の高さを測定するとき用いる。目盛りの付いた細長い金属製のチューブをタンク頂部の小孔からタンク内に垂直に下していくと、その下端が液面に達した瞬間チューブ上端からガスが噴出し、この時の目盛りから液面の高さを知ることができる。
スリング(Sling) 貨物等を吊上げフックに掛ける吊り具をいう。
スルーカーゴ ケミカル船の場合、荷役する貨物以外の異種貨物を積載した状態で入出港する場合があり、異種貨物によっては着桟拒否される場合もある。
スロッシング衝撃圧(すろっしんぐしょうげきあつ) 流体貨物が半載され自由表面があるような場合には、スロッシングという現象が発生 する。これは、船体の動揺周期が槽内の液体の固有周期を同調すると液体が激しく振動を始める現象で、これによってタンクの角などに衝撃的な圧力が生じる場合がある。これをスロッシング衝撃圧という。
スロップタンク 洗浄廃液を溜めるタンク。

制限気圧(せいげんきあつ) 蒸気ボイラを船内に持つ船舶は、過圧による爆発を防止するために、その使用圧力の最大限度を定める。これを制限気圧という。制限気圧はボイラの用途、構造、現状に応じ、船舶機関規則の基準に従って決定される。
制鎖器(せいさき) 錨泊をしているときに錨や錨鎖の力が直接ウインドラスにかかると、壊れてしまうおそれがある。制鎖器はウインドラスとホースパイプの間に設けて、これらの力を受け止めウインドラスを保護するために設けられている。また、揚錨時に錨鎖の姿勢を正す 役割もしている。
静索(せいさく) 静索とは、静止している索、荷重が加わっていない索のことをいい、作業員が安全に取扱いできる索。
制鎖止(せいさどめ) 制鎖止は制鎖器に取り付けられ、ウインドラスのブレーキが壊れても鎖や錨鎖が出て行かないようにするためのストッパーである。
清浄機(せいじょうき) 循環使用する機関用の潤滑油は摺動部を潤滑し汚損、異物を混入するので、潤滑油を再生させる遠心分離の原理を応用した潤滑油清浄機を使用する。また、本船に積み込んだ燃料重油(主にC重油)には、水分や異物、スラッジが混入しているので、燃料油を清浄化する必要があり、燃料油清浄機が使用される。
静振(せいしん) 気圧や風などの変化により湖沼や湾内でみられる水の振動のことでセイシともいう。 湖以外でも,湾,陸棚,島の周辺などの海水固有運動が静振と呼ばれることもある。 水面に普通見られる進行波とは異なり,深層までの水が運動するが,波形は進行しない。
清水(せいすい Fresh Water) フレッシュウォーター」参照
整備(せいび) 船舶安全法において整備とは、船舶等の機能、性能を維持することを目的として行われる作業を意味する用語として取り扱われ、例えば小修理、保守等が該当する。
世界気象機関(World Meteorological Organization=WMO) 国際連合の専門機関の一つで、気象事業の国際的な標準化と改善および調整、並びに各加盟国・地域間における気象情報・資料の効率的な交換の奨励を主な業務としている。
載貨容積トン数(せきさいようせきとんすう) 船舶に積載できる貨物の容積であって、1.133㎥を1トンとして算出したトン数。船倉の全容積を表す。これを載貨容積トン数という。
責任トン数(せきにんとんすう) 船舶の所有者等の責任の制限に関する法律において、衝突等の事故から生じた損害賠償責任を船主は一定限度に制限できるとされており、その責任限度額の算定根拠となるトン数である。また、船舶油濁損害賠償保障法において、油濁損害の賠償責任を負う船舶所有者はその責任限度額を定めることができるとされており、その責任限度額算定の根拠となるトン数でもある。
絶縁抵抗(ぜつえんていこう) 電気機械・電気器具の充電部と大地の間または充電相互間の絶縁を、通常の使用状態の温度において直流500ボルト絶縁抵抗測定器で測定した抵抗。電路・電気機器などで絶縁物の劣化や損傷などをきたすと、洩れ電流が流れ火災事故や人畜に対して感電事故を引き起こす。よって常にこれらの絶縁状態を知り、その良否の判定を行ない災害・事故を未然に防止する必要がある。
接岸(せつがん) 荷役などのため、船舶を岸壁に着けること。着岸ともいう。
摂氏(せっし Degree Celsius) 温度目盛りの一つで、水の氷点を0℃、沸点を100℃として100等分したもの。単位記号は「℃」で表され、日本や多くの諸外国で使用されている。華氏から摂氏への大まかな温度換算方法は、℃=(°F-30)÷2で表すことが出来る。
切迫した危険のある特殊な状況(せっぱくしたきけんのあるとくしゅなじょうきょう) 予防法第 38 条。3船間の異常接近やこれまでの規定にない見合い関係が発生し、その危険が間近に迫っている状況。規定では、衝突回避のためには、あらゆる方法を取っていいとされる。
瀬取り・瀬渡し(せとり・せわたし Ship to Ship) 沖荷役のうち、瀬取りは外航船から内航船に積込むケース、瀬渡しは内航船から外航船に荷渡しするケースのこと。 英米では、Ship to shipという。
船員手帳(せんいんてちょう) 船員の身分を証明する手帳のこと。本人の氏名・生年月日・本籍地・有給休暇の付与・健康保険・乗船履歴及び健康証明などが記載されている。
船員の災害保険制度(せんいんのさいがいほけんせいど) 船員の職務上の負傷・疾病などについては、その完治まで、また職務外のそれについても一定期間(3ケ月)は船舶所有者にその療養補償の負担を船員法第89条で義務付けている。そして、この義務の履行を担保とする制度として船員保険制度がある。この船員保健制度は、船員保険法によって制定され、以後改正を繰り返しながら公的船員災害補償制度して確たる地位を占めている。船員保険制度の特徴は次の通り。
①船員という特定の労働者のみを対象としている。
②補償の範囲が広く、職務上の事故ばかりでなく職務外の事故も含んでいる。
③災害給付だけでなく、失業給付や年金給付もカバーした唯一の総合的な社会保険である。
船員費(せんいんひ) 本船の乗組員・予備船員の給与、退職金、乗下船のための旅費、船内食費、福利厚生費、船員保険料の会社負担などをいう。
船員法(せんいんほう) 船員法は、船員の給料・労働時間その他の労働条件の基準、船長の職務権限、船内紀律などに関する法律。その構成は総則、船長の職務及び権限、紀律、雇入契約など、給料その他の報酬、労働時間、休日及び定員、有給休暇・食料並びに安全及び衛生、年少船員、女子船員、災害補償、就業規則、監督などとなっている。
船員保険制度(せんいんほけんせいど) 船員保険制度は、船員保険法によって制定され、以後改正を繰り返しながら公的船員災害補償制度として確たる地位を占めている。船員保険制度の特徴は次のとおり。
①船員という特定の労働者のみを対象としている。
②補償の範囲が広く、職務上の事故ばかりではなく職務外の事故も含んでいる。
③災害給付だけでなく、失業給付や年金給付もカバーした唯一の総合的な社会保険である。
船員労務官(せんいんろうむかん) 船員法および船員災害防止活動の促進 に関する法律に基づき、船員の労働環境改善と労働災害防止業務をおこなう。船員に適用される法律が遵守されているかを船舶などに立入り監視・監督をおこなう。
洗眼器(せんがんき) 除染シャワー」参照
船級(せんきゅう) 船の安全性を客観的に評価するために作られた制度。保険料は、危険度に応じて料率は変わる。その要素として、船の安全性がテーマとなる古くはロイドが有名である。各船級それぞれに基準があり、国際的に甘いと評価される船級は、取得しやすい代わりに、保険料評価に悪影響を及ぼしたり、航行、寄港を制限される場合もある。わが国では、日本海事協会が、NKの略称またはClass NKの通称で知られる国際船級協会である。
船橋(せんきょう Bridge) 船橋以下航海士が、操船の指揮をとる操舵室のことをいい、見通しのよい船内最上階に設けられている。
船級証書(せんきゅうしょうしょ) 船舶の構造や設備を検査し,その性能を保証する業務を行う団体を船級協会という。船舶の売買,チャーター,積荷を長期にわたって保証する場合などのために第三者機関である船級協会がその船の性能を保証した船級証書を発行し,またその登録名簿を刊行する。船級の有無は船舶や積荷の保険料にも関係する。
船橋当直(せんきょうとうちょく) 船橋当直とは、航海中、常時船橋にあって、周囲の状況に注意を払うとともに、航海計器類等の作動状態を監視し(Mゼロにて航行中は主機関及び関連機器類の状態を含む)同時に機関部と密接な連絡をとり、船舶の安全航行に必要な業務をいう。
先行艤装(せんこうぎそう) 船体に取り付けられるパイプ(管)や係船用の金物などの艤装品をブロック製作の時点で 予めブロックに取付けておくことをいう。
専航船(せんこうせん) 一定の航路または貨物を決めて運航し、通常1カ月単位で航海数に拘わらず一定の運賃で運航する仕組み。⇔(反)汎用船(はんようせん)
船殻(せんこく) 船殻とは、上甲板下の船体のことをいう。船殻は、必要な強度を備え、かつたくさんの荷物を積むためにできるだけ軽くなくてはならない。
船主(せんしゅ Owner) 船舶の所有者。
船首(せんしゅ Stem) 船が航行するに当り前方部分。「濶潤iおもて)」ともいう。英語では、Stem の他、Bow、Fore、Headとも言う。⇔(反)船尾(せんび)
船首隔壁(せんしゅかくへき) 船首垂線から0.05m以上0.08m以下の範囲に設けられる隔壁で、船首は衝突など危険度の高いところであるからふつうの水密隔壁より強くする。一般にこの隔壁の前部は船首倉(Forepeak tank)になっているので、ディープタンク隔壁の構造とする。
船首水槽(せんしゅすいそう Forepeak Tank) フォアピークタンク」参照
船主責任相互保険(せんしゅせきにんそうごほけん) PI保険」参照
洗浄塔システム(せんじょうとうしすてむ) スクラバー」参照
船籍港(せんせきこう) 船舶所有者が船舶の登記及び登録をし、船舶国籍証書の交付を受ける地のこと。船籍港は船舶所有者が定めるものであり、その国の船舶として新たに登録する船舶についてはもちろんのこと、既に登録されている船舶であっても、所有者が変更した場合、新所有者が新たにこれを決定する必要がある。日本においては船籍港とする地は、日本国内の地であって、船舶の航行できる水面に接した市町村及び東京特別区における区に限られ、原則としてはその船舶所有者の住所に定めることとなっている。
船籍国(せんせきこく) その船が登録された港に属する国が、その船の船籍国となる。船に船籍登録が必要なのは、課税と安全を確保するためである。船は登録された国の法律に従って定期的な検査を受け、定められた資格を持った船員を乗せ、定められた税金を払う。
船艙(せんそう) 貨物を積み込む場所。ケミカルタンカーの場合は、タンクのこと。
船体の経済的寿命(せんたいのけいざいてきじゅみょう) 船舶が古くなって修繕費用が高くなったり、新造船と比較して競争力が劣るようになると、採算が合わず経済的に成り立たないので、その状態となったら新造船に切り替えられる。このことを船体の経済的寿命という。
船長(せんちょう) 船長とは、特定船舶の乗組員であって、その船舶の指揮者として、また船主の代理人として、種々の公法上、私法上の職務権限を有する者である。
船体抵抗(せんたいていこう) 船体が受ける4種類の抵抗から構成されたもの。つまり、ミスの粘性摩擦による摩擦抵抗、渦の発生による造渦抵抗、波の発生による造波抵抗および船体水上部分の空気抵抗。
船台進水(せんだいしんすい) 海に向かって傾斜した船台の上で船を建造し、船体の完成後、そのまま滑らせて海に浮かべる方法のこと。この場合、盛大な進水式が行われることが多い。
剪断力(せんだんりょく) 船艙に貨物を積むと、貨物の重量で重くなった部分が下にたわむ。水に浮かぶ船は、全体的には重力と浮力が均衡しているが、部分的に見ると、どちらか一方が大きく勝る箇所が存在する。上向きの浮力と下向きの重力の差が生じる場所で、船体を上下方向に切断するように働く力を剪断力という。
全長(ぜんちょう Length Over All(LOA)) 船首最前端から船尾最後端までの水平距離で操船する際に必要な値となる。
船底塗料(せんていとりょう) 船底塗料には2種類があり、防錆(anti-corrosive paint ; A/C)と防汚(anti-fouling paint ; A/F)。A/Cで船体鋼板の腐食防止をし、その上にA/Fを塗装することで海洋生物の付着を防止する。日本は、1992年から国内造船所でのTBT塗料の完全使用自粛、1997年から国内塗料工場での製造中止等の自主規制を推進してきた。2001年10月5日には、TBT(トリブチルスズ)等を含む有機スズ系船底防汚塗料の新たな塗布を禁止する新条約が採択され、25ヶ国以上の批准、かつ合計船腹量が世界の25%を超えてから12ヶ月後に発効する。
船底弁(せんていべん キングストンバルブ) キングストンバルブ」参照
セントラルクーリングシステム(Central Cooling Systems) セントラルåシステムとは,従来の海水冷却方式とは違い,機器内部を通る冷却水をすべて清水(淡水)とする方式で,清水は各機器の温度に応じて,高温冷却清水と低温冷却清水の2系統に分けられる。(※高温冷却水は高温となった後、低温冷却清水の一部と混合され冷却清水温度が一定となるよう設計されている。) セントラルクーラーと呼ばれる冷却器内で低温冷却清水との熱交換のみに海水を用いることにより、海水管を限りなく少なくすること可能。セントラルクーリングシステムでは、海水冷却方式で海水が用いられていた機器や配管に低温冷却清水を用いることにより,海水による腐食の心配が無い。また,海水が用いられる機器が限定されることにより、腐食対策が容易となり、なおかつ部品交換等の補修作業が減ることで維持費削減が期待できる。また,セントラルクーリングシステムの中で唯一海水による冷却が行われるセントラルクーラーには耐食性に優れたチタンプレートで構成されるプレート式熱交換器(写真)が採用され,海水や添加剤等の化学物質による腐食の心配もない。
船内巡視制度(せんないじゅんしせいど) 船内火災の早期発見、また船内全般の異常の有無を確認するために有効な制度で、沿海区域またはそれ以遠の水域を航行区域とする旅客船、および近海区域または遠洋区域を航行区域とする一般船舶は、船内巡視制度を設けることとなっている。
船内諸室(せんないしょしつ) 船員室、船員の利用に供される食堂、調理室、休憩室等の居住諸室、事務室及び浴室、便所、洗濯室、病室等の衛生諸室並びに無線電信室をいう。
船内秩序(せんないちつじょ) 船員法第 21 条。
「上長の職務上の命令に従う」「船内の食料や淡水を濫費しない」「船長の許可なく船舶を去らない」など船内秩序を維持するため、海員が守らなければならない事項を規定。
潜熱(せんねつ) 潜熱とは、物質の相が変化するときに必要とされる熱エネルギーの総量をいう。
船舶(商船)(せんぱく) 船舶とは、「商行為をなす目的を以て航海の用に供するものをいう」と商法第684条に定められている。法律上の分類は動産であるが、その性質上一定規模以上の船舶については、登記制度、抵当権などが認められ、強制執行及び競売などの手続きについて不動産的な取扱いを受けている。
船舶貸渡業(せんぱくかしわたしぎょう) 自動車のナンバーと同様、船舶原簿に登録される船舶番号が付されている。船舶及び船舶原簿の最も端的な表示で、全管海官庁を通じて1個の船舶番号に対しては1隻の船舶しか存在しないように定められている。汽船、帆船の別を問わず、船舶ごとにその新規登録の順序にしたがって附し、当該船舶が登録されている限り、所有者その他の事項の変更登録がなされても変更することはない。
船舶管理会社(せんぱくかんりがいしゃ) 船主が船舶を運航するためには、船体を維持・修繕し、船員を配乗し、消耗品(船用品等)を供給するなどの管理業務が必要となる。これらの業務を船主から請け負う専門の業者のことをいう。
船舶管理人(せんぱくかんりにん) 船舶共有者の代理人として活動する者であり、船舶共有者は、必ず船舶管理人を選任しなければならない。
船舶機関規則(せんぱくきかんきそく) 船舶の主機や補機、ボイラー動力伝達装置、プロペラ、圧力容器、管装置など、いわゆる機関全般にわたって、その要件、構造、施設、設備、備品などの基準を定めている。
船舶救命設備規則(せんぱくきゅうめいせつびきそく) 船舶を旅客船であるかどうか、国際航海するかどうかといった視点から4種類のタイプに区分し、それらの船舶に装備すべき救命設備の要件、数量、積付方法などについての技術基準を規定している。
船舶救命設備規則で区分されている船舶の種類は以下のとおり。
①第1種船:国際航海に従事する旅客船
②第2種船:国際航海に従事しない旅客船
➂第3種船:国際航海に従事する総トン数500トン以上の非旅客船
④第4種船:国際航海に従事する総トン数500トン未満の非旅客船並びに国際航海に従事しない船舶
船舶共有者(せんぱくきょうゆうしゃ) 船舶を共有し、共同して、海上企業に利用する者をいう。船舶の利用に関する事項については、頭数によらず、持ち分の価格に従い、その過半数をもって決する。船舶の利用に関する費用の分担及び損益の分配も、持ち分の価格に応じて行われる。
船舶区画規程(せんぱくくかくきそく) 船内に浸水した場合でも、局所に止めて、安全を確保するこのできるように、水密区画、水密隔壁、二重底、排水装置などについて、その構造、寸法、要件、設備などの技術基準を規定している。
船舶検査官(せんぱくけんさかん) 日本船舶が安全に航海し、乗組員や旅客の安全を確保するのに十分な施設および能力を有しているか、また、海洋汚染を防止し、テロリストの侵入防止などの国際条約基準を満たしているかを検査する必要があります。これらの検査をおこなう者を船舶検査官という
船舶検査証書(せんぱくけんさしょうしょ) 定期検査に合格した船舶に対して、管海官庁が航行上の条件を記載した上で交付するもので、当該船舶の構造施設・設備が船舶安全法に規定された堪航性・安全性基準を満足しているという合格証明書である。(「船舶検査手帳」参照)
船舶検査手帳(せんぱくけんさてちょう) 管海官庁が最初の定期検査に合格した船舶に対して交付される。所定の船舶検査に関する事項を船舶検査官や船舶所有者が記載する公的な検査記録で、検査に際して検査来歴や過去の損傷、補修の程度などの記録は重要な参考になる場合が多い。
船舶交通が著しく混雑する特定港(せんぱくこうつうがいちじるしくこんざ
つするとくていこう)
港則法。京浜、千葉、名古屋、四日市、阪神、関門の6箇所。小型船(500総トン未満。関門港は300)に避航義務を課した。目印のため大型船は数字旗1を掲げる。
船舶国籍証書(せんぱくこくせきしょうしょ) 日本の国籍を有すること及び当該船舶の個性や同一性を証明する公文書であり、船舶の新規登録が完了した際に、船籍港を管轄する管海官庁から船舶所有者に交付される。
船舶自動化設備特殊規則(せんぱくじどうかせつびとくしゅきそく) 自動化船に装備されるべき自動化設備(船内における作業を軽減するため、当該船舶に装備される設備)の要件などの技術基準を規定している。
船舶自動識別装置(せんぱくじどうしきべつそうち Automatic Identification System) AIS」参照
船舶消防設備規則(せんぱくしょうぼうせつびきそく) 船舶に装備すべき消防設備の要件、数量、備付け方法についての技術基準を定めている。
船舶職員(せんぱくしょくいん) 船舶職員及び小型船舶操縦者法において、船舶において船長の職務を行う者(小型船舶操縦者を除く)並びに 航海士、機関長、機関士、通信長及び通信士並びに運航士の職務を行う者をいう。
船舶職員法(せんぱくしょくいんほう) 船舶職員として船舶に乗組ませるべき者の資格並びに小型船舶操縦者として小型船舶に乗船させるべき者の資格及び遵守事項などを定め、もって船舶の航行の安全を図ることを目的とした法律。
船舶設備規程(せんぱくせつびきてい) 船舶に装備されるべき装備についての技術基準を定めるとともに、航行区域や総トン数、船の長さなどの基準に基づいて、それぞれ増備すべき設備の内容、数量などを規定している。
船舶賃借人(せんぱくちんしゃくにん) 他人の船舶を賃借し、商行為をなす目的をもって、航行の用に供するものをいう。賃借人と船主との関係には、賃借に関する民法の一般原則が適用される。船舶賃借人は、その船舶の利用に関する事項については、第三者に対して船主と同一の権利義務を有する。
船舶のトン数測度に関する国際条約(1969年)(せんぱくのとんすうそくどにかんするこくさいじょうやく(1969ねん)) 船舶の総トン数および純トン数は海事諸法規の適用上の基準であり、また船舶に賦課(ふか)される諸手数料や税金の基準として、船舶の大きさや稼働能力を表す指標である。そのためトン数産出の国際的統一を目的としてIMOにおいて検討が行われ、1969年6月に採択された。
船舶番号(商船)(せんぱくばんごう) 船舶の貸渡又は、運航委託をする事業。
船尾(せんび Stern) 船が航行するに当り、後方部分。「艫(とも)」とも言う。⇔(反)船首(せんしゅ)
船尾隔壁(せんびかくへき) 船尾も船首について危険なところで、船尾管があったり、プロペラ軸が出て回転しているところで、浸水に対し船尾の適当なところに設けられる水密隔壁である。船首の場合と同じく後ろが船尾倉(Afterpeak tank)になっているのでこれもディープタンク隔壁の構造とする。
船尾管(せんびかん) プロペラを駆動する軸が船体を貫通し、船外に出る箇所に装備する筒状の構造物をいう。
船尾水槽(せんびすいそう After-peak Tank) アフターピークタンク」参照
船腹(せんぷく) 船艙(タンク)に積める量を指す。また、広義には、航行している船のタンク総量を指し、例えば積荷需要に対し、船の供給が多い場合、船腹過剰と言う。
船舶法(せんぱくほう) 日本船舶に対する行政的保護と取締り を目的として、日本船舶の国籍要件とその法的効果、船舶登記、船舶登録、船舶国籍証書などについて定めた法律。
船舶防火構造規則(せんぱくぼうかこうぞうきそく) 船舶における火災の発生とその拡大を防止するために必要な船舶の構造、設備、防火措置などについて技術基準を規定している。
船舶保険(せんぱくほけん) 船体、機関、属具自体の損失、損害を填補することを目的とした、損害保険会社による保険。貨物保険とともに、海上保険の一つとして船舶の沈没、座礁、火災、衝突などの海上危険のほか、特約がある場合には、建造、修繕、検査のために入渠中の船舶がさらされる陸上危険、さらには戦争やストライキの危険などを引き受けている。
船舶保険料(せんぱくほけんりょう) 各種の保険に対する料金で、料率は船の大きさ、種類、船価、船齢、航路、船会社の保険の実績で決められる。
船名符字(せんめいふじ Call Sign) 総トン数100トン以上の船舶に付することが船舶法によって義務付けられている。
船用品(せんようひん) 船用品は備品と消耗品に分かれる。備品は比較的耐用年数の長い機械・器具類を指す。消耗品は塗料やロープ類など順次消耗していく物品を指す。
船用品費(せんようひんひ) 船内で使用する備品、消耗品、清水等の費用をいう。
船齢(せんれい) 船舶の進水の年月から経過した期間。進水の年月は船舶国籍証書に記載された日とする。

争議行為の制限(そうぎこういのせいげん) 労働者の争議権は、憲法により保障されているが、船員法は、海上労働の特殊性にかんがみ、労働関係に関する争議行為は船舶が外国の港にあるとき、又はその争議行為により人命若しくは船舶危険が及ぶようなときはしてはならない旨を規定して、船員の争議行為を一定の場合に禁止している。
操縦性能制限船(そうじゅうせいのう‐せいげんせん) 船舶の操縦性能を制限する作業に従事いるため、他の船舶の進路を避けることができない船舶をいう。
航路標識の敷設、浚渫、測量その他の水中作業をしている船舶等をいう。
なお、当該船の灯火及び形象物は、次のとおりです。
①灯火
夜間:最も見えやすい場所に白色の全周灯一個とその垂直線上の上方及び下方にそれぞれ紅色の全周灯一個を掲げる。
対水速力を有する場合:マスト灯二個(長さ五十メートル未満の操縦性能制限船にあっては、マスト灯一個)及び舷灯一対(長さ二十メートル未満の操縦性能制限船にあっては、舷灯一対又は両色灯一個)を掲げ、できる限り船尾近くに船尾灯一個を掲げる。
②形象物
工事や作業のため、他船の進路を避けることができない操縦性能制限船は、垂直線上に球形
ひし形 、球形 の3個を掲げる。
増速機(ぞうそくき) 船用主機前側駆動増速機をいう。主機より伝達された入力を歯車により増速し、発電機や荷役ポンプを駆動する装置
相対方位(そうたいほう) 船首方向を基準とする方位をいう。
総トン数(そうとんすう  Gross Tonnage) グロス・トン」参照
双胴船(そうどうせん) 効率のよい高速航行のためには、船体を極力細くして造波抵抗を軽減させるのがよい。しかし、船体が細いと復元力が落ち、安全栓が確保できない。そこで、細長い船体をふたつ並べて水面上のデッキでその胴をつなぎ、安定を図りつつ高速化を実現した船型のこと。
造波抵抗(ぞうはていこう) 造波抵抗とは、船が航行する時船首と船尾より斜め後方に広がる八字波と正横に平行に並ぶ横波が生じ、この波が造波抵抗として推進馬力の損失をもたらすこと。
双方向無線電話装置(そうほうこうむせんでんわそうち) 遭難時に救命いかだ等に持ち込み、救助船等の船舶との間で通信を行うための小型携帯無線機のことをいう。
走錨(そうびょう) 船舶が(アンカー)をおろして停泊しているときに、強い風や波など外力の影響を受けて、船体が錨を引きずったまま流され、操縦の自由がきかなくなること。
操練(そうれん) 非常時のために必要な海員に対する訓練のことをいう。防火操練、救命艇等操練、救助艇操練、防水操練、非常操舵操練、密閉区画における救助操練、損傷制御操練がある。
測深管(そくしんかん Sounding pipe) カーゴタンク甲板上に2~2.5インチのパイプを貫通させて設置してある小孔。パイプは積込液の液面を正しく測れるよう、スケールテープの錘が飛び出さない大きさの穴が千鳥状に空けてあり、底部に固定されている。
測深儀(そくしんぎ Sounder) 船底に設置された送受波器から音波を海底に向け発信し、海底に反射した音波を受信してその時間差から水深を測定する航海計器のこと。海底の泥や砂など地質によっては、反射の仕方が変わるため、受信状態は海底の断面図のようなグラフに記録して確認する。英語ではエコーサウンダーという。
速力(そくりょく Speed) Knot」参照
粗度抵抗 船体表面の細かい凹凸によって生じる抵抗のことをいう。
外方傾斜(そっぽけいしゃ) 船舶が回頭する際、遠心力と船体側面の水圧の関係で、回頭方向の外側へ横傾斜すること。
その他乗船者(そのたじょうせんしゃ) 船員に準ずるものであって、船内において継続的に業務に従事する次の者をいう。
①当該船舶の管理のために乗船する船舶所有者(船舶管理人及び船舶借入人を含む)
②貨物付添人
③警備、保安試験、研究等に係る業務を遂行するために使用する船舶に当該業務を遂行するために乗船する者。
④税関職員、検疫官、その他船員以外のものであって、船内において業務に従事する者。なお、危険物を積載している自動車等を自動車渡船により運送する場合、当該船舶が運送する自動車等の運転者その他の乗務員及び貨物の看守のためその荷台に乗車する者は、その他の乗船者として取り扱われる。

インデックス

ダーティーバラスト ダーティーバラストとは、油分を多く含んだバラスト(海水)のことをいう。大型船などは荷役終了後、洗浄が終了していないカーゴタンクにバラストを漲水することがある。ただし、船体及び人命に危機的な状況が発生した場合のみ海上投棄が認められている。ダーティバラストは、油分を多く含んでいるため海洋汚染防止の観点から海上投棄は認められない。
ターニング(たーにんぐ) 機関使用開始前・終了後、機関をゆっくり回転させ、潤滑油の機関各部に循環させて機関にかかる熱応力を分散し、また、回転異常がないことの確認を行う作業をいう。
ダイアフラム(Diaphragm) 圧力や流量、液面などの自動制御用に使われている空気圧で作動する調整弁のこと。
対水速力(たいすいそくりょく) 海水に対する船の速力(機関の推力に応じた速力)で、船が海面を進む速力を言う。海流、潮流などに左右されずに一定となる。動く歩道の速さを潮流とすると、その横の通路を歩くのが対水速力、その上を歩くのが対地速力
滞船料(たいせんりょう Demurrage) デマレッジ」参照
代替建造(だいたいけんぞう) 旧船を処分し、その代船を新造すること。船齢が概ね20~25年以内を目安に代替建造は、おこなわれる。
対地速力(たいちそくりょく) 陸地に対する船の速力を言う。海流、潮流などに左右されて、変動することがある。対地速力=対水速力±海流・潮流の影響。
大潮(だいちょう Spring tide) 新月または満月から1~2日後に起こる潮差の大きい潮汐
大潮昇(だいちょうしょう Spring rise) 大潮のときの高潮の潮高
代理店(だいりてん) 本船が入出港できるように、バ-スの確保、航路管制時間の取得、水先案内人(パイロット)、曳船(タグボート)の手配や、監督官庁への手続き及び荷役作業の手配等、様々な手配や手続きを行う。船舶への新聞の手配等なども行ってくれる。
滞留水(たいりゅうすい) 荒天・悪天の影響により甲板上に溜まった海水及び雨水が構造物などに邪魔されてうまく船外に排出されないまま甲板上に溜まる水のこと。
ダウンバースト(Downburst) ダウンバーストは、積乱雲からの下降気流が途中で弱まることなく地表付近まで降下し、放射状に広がって、強く吹き出す風を起こす現象です。一般的にダウンバーストは、風向・風速の広がりから「マイクロバースト(広がりが4km未満)」と「マクロバースト(広がりが4km以上)」に分類され、マイクロバーストの方が強い風を伴うことが多いと言われている。
舵角指示器(だかくしじき) 船の状態を操船場所等に表示するための装置。操舵装置の制御系統から独立した方法で信号を取り出し、舵中央を0(ゼロ)とし、左右に最大舵角まで指示するようになっている。総トン数500トン以上の船舶及び国際航海に従事する総トン数500トン未満の旅客船に装備しなければならない。
舵角調整(だかくちょうせい) 自動操舵の調整の1つ。針路からのずれ(偏角)に対し、舵角を何度取って戻すかを決定する。
タグ・ボート(Tug Boat) 曳船(えいせん)」参照
立錨(たちいかり) 揚錨中に錨が水底に立った状態のこと。
タッキング ヨットで使用する海運用語で、艇を風上に向けながら風を受ける舷を変えること。
ダッチマンログ(Dutchman’s log) 流木測定法。船上に設けられた指定区間を流木が何秒で通過するかを測定し、船速とする方法。機械的部分が少なく、信頼性が高い。公式試運転の際に、搭載したログに異常がないかチェックできる。
ダブリング・プレート(Doubling Plate 船体損傷の修理、または強度を増すために二重に鉄板を取り付ける板。
ダブルシャット タンカーの荷役中に異種油が混液しないようにカーゴラインの中間に流通・閉止の両用に使用できる閉止板または二重弁を設備している場合がある。
ダブル・ハル(Double Hull) 衝突や座礁など万一事故に遭遇しても、荷油を蓄えている内殻が破れない限り油流出が起こらない「二重船殻船」のこと。船の外壁をハルといい、以前のタンカーはこのハルが1枚しかなく(シングルハル)、タンクの外はすぐ海洋に面し、タンクに穴が開いてしまったときに石油が海に漏れてしまう構造だった。そこで外壁を二重にしたダブルハルタンカーが設計された。1992年3月の国際海事機関(IMO)の海洋環境保護委員会(MEPC)において、新造タンカーに対して、このダブルハルタンカー、または「ミッドデッキタンカー」と呼ばれる構造が義務付けられている。(類)シングル・ハル
タリフ 運賃は通常、単位当たりの賃率をもって定めており、これを表示したものをタリフという。一般的に航路別、品目別または船型別に表示されている。多種多様の貨物について、ここに運賃を協定する繁雑さを回避し、かつ不当な差別扱いを防止するためにある。
舵輪(だりん) 舵を操作するハンドルを舵輪といい、昔は人力で舵を動かしていたため、舵輪も大きくする必要があった。現在は、油圧等の動力方式のものがほとんどで、なかでも電動油圧舵取機が大部分となっている。
堪荷性(たんかせい) 船舶が輸送する貨物を受け入れる時、船倉(タンク)や荷役設備が十分整備されていて、目的地まで安全に輸送できる状態をいう。
タンク・クリーニング(Tank Cleaning) 貨物タンク内を洗浄すること。ケミカル汎用船の場合、種々の荷物を運ぶため、前航海の積荷と異なった荷物を積み込む前に水洗いを行う。また、修理や検査のため造船所に入る前に油分等を除去するためにも行う。
タンク・クリーニング・サーベイ(Tank Cleaning Survey) 国交省登録検査機関による「清掃検査」と呼ばれるもので、タンカーのタンクなど、貨物を積載(収納)する容器に対して積載(収納)適合性を検査・証明し、貨物の汚染防止に寄与するもの。但し、コンタミネーション・クレイムに対し、金銭的責任を負うものではない。
短航海(たんこうかい) 航海を開始する港から最終の到着港までの距離が1,000海里を超えない航海に従事する船舶をいう。
堪航性(たんこうせい) 船舶の安全航海に堪え得る能力。航海の長短、季節、積荷の種類によっても異なり、船体・機関・属具等の設備が通常予想される航海上の危険に堪え、適当な乗組員を有し、食料・燃料・飲料水等も完備している状態を指す。運送人は船舶について、この堪航性を保持する義務がある。
単独海損(たんどくかいそん) 座礁、火災、衝突などの偶発事故によって船舶や貨物に生じた滅失または損傷のうち、損害を被ったものが単独で負担するもの。⇔(反)共同海損(きょうどうかいそん)
ターンバックル(turnbuckle) ワイヤやロッド等の中間にあり、中央のO型金具を回転されて長さを調整するための金具。両端のボルト部分が逆ネジ構造になっている。貨物を固縛するワイヤの締め付けを行う。また、振動により船のマストが折損しないよう固定するためにワイヤの一部に取り付けられている。

チェーンストッパー(Chain stopper) 船首両舷の揚錨機に備えられており、錨鎖が意図せず繰り出されるのを防止するために設けられたストッパーのこと。別名制鎖器とも呼ばれる。
チェーンパイプ(Chain Pipe) ウインドラスとチェーンロッカーの間にある。チェーンの通り道。荒天時はここから水が入るので、カバーが必要。
チェーンロッカー(ちぇーんろっかー) アンカーチェーン(錨鎖)を格納する倉庫のこと。船首隔壁の前側に設けるので、衝撃荷重に対して十分な強さが保たれるように構造されている。
踟躊(ちちゅう Heave to) 荒天に遭遇した時、続航が困難か航行に危険を感じた時、保安処置として風浪を船首から2~3点(1点=11.25°)付近に受けながら自力により操舵可能な速力でその場に停留し風浪に対しその姿勢を保つ方法のことをいう。
窒素酸化物(ちっそさんかぶつ Nox、Nitrogen Oxides) NOx」参照
窒素酸化物に関する技術規則(ちっそかんさぶつにかんするぎじゅつきそく NOx Technical Code) 国際海事機関(IMO)において採択された「船舶用ディ―ゼル機関からの窒素酸化物の排出規制に関する技術規則」をいい、海洋汚染防止条約第VI附属書に基づく船舶からの窒素酸化物 の放出規制のために適用されるコード。

バルクケミカルコード
BCH Code
窒素パージ(ちっそぱーじ) 積荷の爆発を防ぐために、積荷前に船倉内を窒素ガスで置換すること。可燃物の燃焼には「着火源、可燃物、酸素」の三つの要素が必要であり、三要素中の酸素を除去する事により、爆発事故を防止している。
チッピングハンマー(Chipping Hammer) 平たく尖った金槌。
着桟(ちゃくさん) 荷役等のため、船舶を桟橋につけること。接岸。⇔(反)離岸
着桟3原則(ちゃくさんさんげんそく) 桟橋に船を横付けする場合の基本のことで、減速・停止・平行にして、桟橋から30m離して、船を止めること。
チャーターベース(Charter Base) 1航海の運賃収入から船舶の運航に要する燃料費,港費などの諸経費(運航費)を差し引いた純収入額(運航収益)を,1ヵ月(30日)・1重量トン当たりに換算表示したものをいい,次のような式で計算される。(運賃収入-運航費)÷1航海所要日数×30÷重量トン数=C/B
中間検査(ちゅうかんけんさ) 船舶検査証書の有効期限の起算日から21ヶ月を経過する日から39ヶ月を経過する日までの間に受験する検査。
懲戒権(ちょうかいけん) 船員法第23条の規定により、全ての船の船長には、自船内で特別司法警察職員として犯罪を捜査する権限が与えられている。ただし、船員法によって船員を懲戒しようとするときは、3人以上の船員を立ち会わせて本人及び関係人を取り調べた上、立会人の意見を聴かなければならないことが同法内で規定されている。なお、船長の権限によって科すことができる懲戒の範囲は次のとおり。
10日間以内の上陸禁止(停泊日数のみを算入)
戒告
蝶形弁(ちょうけいべん Butterfly valve) バタフライ弁(ばたふらいべん)」参照
潮高 (ちょうこう Rise of tide) 基本水準面から海面までの高さ
潮差(ちょうさ Range of tide) 高潮と低潮の海面の高さの差
潮汐表(ちょうせきひょう) 海上保安庁が毎年刊行するもので、主要な港(標準港)の毎日の潮高潮低(干満)及び、各地の海峡・水道・瀬戸の流速・流向・転流時の予測値が記載されている。1巻と2巻に別れていて、1巻が日本及びその付近、2巻が太平洋及びインド洋となっている。
長大物件曳航船(ちょうだいぶっけんえいこうせん) 海交法。曳船の先端から曳航物の後端までの長さが200m以上の船舶。巨大船や危険物積載船と同様に航路航行のためには事前通報が必要。昼はひし形の形象物。夜はマスト灯を2個追加し、船尾等の上に引き船灯を点灯させる。操縦性能制限船となるかは船長の判断による。
潮流(ちょうりゅう) 海の干満によっておこる海水の 流れ。一日に二回ずつ、その流れの方向が逆になる。
直線基線(ちょくせんきせん) 領海の範囲を測定するために設定する基線の一つ。海岸線が複雑に入り組んでいる場所や、沿岸に群島がある場合などに用いられるもので、岬・半島や島嶼の突端など適当な地点を直線で結ぶ
直航着桟(ちょっこうちゃくさん) 船の入港時間に合わせて、着桟すること。通常は、船が沖で待機しており、陸上側から指定された時間にあわせて船を桟橋へとシフトさせる。荒天の影響で船が遅れたりした場合などに、直航着桟となるケースが多い。
チョッサー(Chief Officer) 「チーフオフィサー」(一等航海士)のこと。これが訛ったもの。
地理学的光達距離(ちりがくてきこうたつきょり) 「光の届く限界距離を地球の形状から限定したもの。D=2.083×(√H+√h)。対象灯火の高さと観測者の眼高に関係する。どんなに光が強くても、これを超えると見えない。
沈船(ちんせん) 航行危険物の1つ。沈没した船の残骸をいい、海図図式では船体図の後ろにWk(*Wreck)で表記している。
*Wreckは難破船、難破物、残骸等の意味を持つ

追跡流(ついせきりゅう) 船が前進または後進すれば、船体と水との間の摩擦のため、船体移動後の水の空積を埋めようとするために船体に追従する水の流れを生ずる。この流れを追跡流という。
通過通航権(つうかつうこうけん) 国際航行に使用されている海峡が公海域にない場合,その海峡を継続的かつ迅速に通過することを目的とするかぎり,自由に航行および上空飛行ができる権利のこと。
通船(つうせん Sampan) 岸壁に接岸せずに沖の錨地に停泊している船舶に人や物資を運ぶ、数トン~十数トン程度、定員が数名~十数名程度の小型船(ボート)のことをいう。交通船が訛って通船となった、サンパン(Sampan)ともいう。
綱取り(つなとり) 船舶が入港した際に、岸壁等に係留するために係船索を係留施設のビットにかけること。
綱放し(つなはなし) 船舶がする際に、岸壁等から離岸させるため、ビットにかけられた係船索を取って、放すこと。
積み荷役(つみにえやく Loading) 陸上側設備のローディングアームを介して船体カーゴタンクへ移送すること。

出会い角(であいかく) 船が進むことによって発生する波の頭頂部の角度と風浪により発生した波の頭頂部がなす角度をいう。
船の進行方向と波の進行方向が合わさったとき、船体に非常に大きな力が加わり危険な状況に陥る恐れがあることから、この角度を避け航行することが求められる。
低気圧家族(ていきあつかぞく) 梅雨前線のように、長い停滞前線上に低気圧が時期をずらしながら次々に発生することがある。末期のものから初期のものまであり、子供から老人まで同居する人間の家族に擬えて、こう呼ばれる。サイクロンファミリーとも呼ばれる。
定期検査(ていきけんさ) 船舶検査証書の有効期間の起算日から57ヶ月を経過する日から60ヶ月を経過する日までの間に受験する検査。
定期船(ていきせん) あらかじめ、寄港地や発着時間等が決められている船。一般にコンテナ船を指し、主に外航船で使われる。⇔(反)不定期船(ふていきせん)
定期用船(ていきようせん) 定期用船契約は、運航業者(オペレーター)と船主(オーナー)間で、航海数に拘わらず月単位で一定の用船料を支払う契約。長期間の用船契約となり通常1年契約。⇔(反)航海用船(こうかいようせん)
ディスクサンダー(Disc Sander) サンダー」参照
ディスポーザー 25ミリ以下の開口の配管を通過する大きさに粉砕するもので、一般に厨房室に装備するもの。(型式承認を取得したもの)
低潮(ていちょう Low Water) 海面が最も低くなった状態
停潮(ていちょう Stand of tide) 海面の昇降がほとんどない状態で、高潮時、低潮時およびその前後を含む
ディーゼル機関(でぃーぜるきかん) 内燃機関」(ないねんきかん)参照
ディープタンク 水、油などの液体を積載するために倉内または甲板間に構造された比較的深いタンクのこと。
ディープタンク隔壁(でぃーぷたんくかくへき) 水・油など液体を搭載するタンクの仕切壁で、常時液圧を受けているので、同じ位置の水密隔壁より強固な構造にする。
デッキスタンド 船内で開閉作業が難しい位置にあるバルブに対して、中間軸等を用いて甲板上で開閉作業を行うためのもの。
手仕舞(てじまい) 本船における積荷、揚荷が終了したとき、カーゴ関係書類の整理を行ない、結末をつけることをいう。荷役業者、本船乗組員等で慣用している用語である。
手摺(てすり hand rail) 乾舷甲板及び船楼甲板の暴露部には、乗組員の保護のため全周にわたって手摺を設ける。手摺はトップレール1条と中間棒2条、それらを支持する手摺柱およびステーによって構成されている。
デッド・ウェイト(Dead Weight Tonnage) 船舶に積むことの出来る最大積載量を表す重量トン数。安全な海上輸送確保のための、重要な指標として使われる。満載排水量と軽荷重量との差。
デッドシップ状態(Dead Ship) 動力(空気タンク内の圧縮空気及び蓄電池の電力を含む)がないことにより主機、推進軸系、ボイラ及び補機が作動していない状態をいう。
デッドスペース(Dead Space) 使用できない空間。貨物の入らない隙間。
手旗信号(てばたしんごう) 遠くからでも見えるように両手に持った手旗を上げたり下げたりして、その左右の組み合わせでアルファベットやカタカナを表現するもの。現状では他の通信手段の発達などにより、商船や漁船の通信として使われることはないが、海上自衛隊ではもっとも基本的な特技であり、入隊時に全員が訓練を受けるほか、海上保安庁でも訓練を受ける。
出船(でふね) 出船とは、港の入口(港口)に船首方向を向けた状態で着桟(岸)する方法である。駐車する際にたとえると、前進で車の先頭を奥にして停めるのが「入船」、後進で車の後尾を奥にして停めるのが「出船」である。「出船」のほうが「入船」より確実、迅速に発進できる。このことから、以後の動きをスムーズにするべく事前に用意し、いつでも使用可能な状態にすることを指す。⇔(反)入船(いりふね)
デボトル 生産工程の改善。「デボトルネック」、「デボトルネッキング」ともいう。
デマレッジ(Demurrage) 用船契約において用船者(荷主)と船主との間で一定停泊期間に貨物の揚積みを行うことを取り決めたが、荷役がその期間に終了しない場合、超過期間について用船者が船主に対して支払わなければならない滞船損害賠償金のこと。Demur…異議を唱える。抗弁。
デリバリー・オーダー(Delivery Order) カーゴの引渡しを指図する証書。D/Oと表記する場合もある。
デリバリー・ライン サクションライン」参照
テレグラフ(Telegraph) 船橋から機関制御室へ速力信号(回転数やピッチ)を伝える装置。
デレリクト(Derelict) 委棄船(いきせん)」参照
天気俚諺(てんきりげん) 天気・天候・気候などに関する古くからの言い伝え。 伝承による天気の変化についての経験則。 「夕焼けは晴れ、朝焼けは雨」「月や日に暈かさがかぶると天気が悪くなる」などの類。 天候・気候の前兆をいうものが多い。
天候調整(てんこうちょうせい) 自動操舵の調整の1つ。外力の大きい荒天時に、針路を安定させるとともに、操舵装置への過負荷を防ぐ。小さな偏角に応じない不感帯(偏角がある一定を超えない限り舵が自動で制御しない領域のこと)の範囲を設定する。
天測暦(てんそくれき) 天文航法を使用した船位決定に必要な天体の位置情報が掲載されている。
点食(てんしょく) 鉄鋼材製造の際、金属表面の絶縁皮膜が局部的に破壊されて生じる点状の腐食を点食という。
天文航法(てんもんこうほう) 陸地の見えない外洋で天体を観測して船位を求める方法。GPSが主流となった今でも自船位置の確認用、非常用として使用されている。
電磁推進(でんじすいしん) 電磁推進は、船内に超電導磁石を搭載し、海水中に磁場をつくった状態で磁力と直交する電力を流すと、フレミング左手の法則により海水中に電磁力が生まれ、この力によって船を推進させようとするしくみである。1992年に実験船が建造されたが、プロペラの推進効率に遠く及ばないため実用化に向けた研究が期待されている。
電波航法(でんぱこうほう) 無線方位測定機、レーダーなどにより、電波を利用して船位を求める方法
天窓(てんまど) 船舶構造規則において、通風又は採光のために上甲板よりも上方の構造物の頂部に設置する開口をいう。

動索(どうざく) 動索とは、荷重が加わっている索、動いている索のことをいい、作業員が取り扱い時に注意を要する。
等深線(とうしんせん) 水底の地形を表すため、 水深の等しい地点を結んだ曲線のことをいう。
灯台(とうだい) 灯台は、岬の先端や港内に設置された、船舶の航行目標「航路標識」の一種で、その外観や灯光によって位置を示す「光波標識」の中の夜標として位置づけられている。 塔状の建造物で、最上部には遠方からでも識別可能な強力な光源を有する。灯台は設置場所により、主要変針点又は船の位置を確認する時の目標となる「沿岸灯台」、又は港湾の所在、港口などを示す「防波堤灯台」の二種類にも区分される。
灯台表(とうだいひょう) 灯台の名称、位置、灯質、周期、灯高、光達距離、構造などが編述された本。
導灯(どうとう) 狭水道、狭い湾口等の航路を示すために航路の延長線上の陸地に設置した高低差のある2個以上の構造物で投光するもの。これを目標にすれば、浅瀬や暗礁を避けて航行できる。
灯浮標(とうふひょう) 定められた航路の入口、左右の航路限界、分岐点などを示したり、或いは航路近くの障害物の所在を示したりするために、海上に浮かべられた標識のことで灯光を発するものをいう。
特殊図(とくしゅず) 航海の参考用に使用される図を特殊図という。具体的には大圏航法図・パイロットチャート・海流図・潮流図・位置記入用図・漁具定置箇所一覧図・磁気図・海図図式・ろかい船等灯火表示海域一覧図等を指す。
特殊場所(とくしゅばしょ) 蓄電池室、塗料庫その他の引火性ガスの蓄積するおそれのある場所をいう。照明設備は防爆型のものでなければならない。
特タン船(とくたんせん) 高圧液化ガス、アスファルト、硫酸など、一般油送船では輸送できない液体を運ぶ特殊タンク構造の船のこと。高圧液化ガス船、高温液体船、耐腐食船など。
特定港(とくていこう) 特定港とは、外国船舶が常時出入し、あるいは、喫水の深い船舶が出入できる港であり約80港強が指定されている。特定港は、その規模も大きく、大小船舶が輻輳するので各港ごとに港長が配置され、港内の交通安全について監督している。
特別検査(とくべつけんさ) 一定の範囲の船舶について、材料、構造、設備または性能が劣化して堪航性が欠如し、人命財産の安全保持に不安があると認められる場合に、これらの船舶に対して行なわれる検査のこと。
ドック(Dock) 船の建造・修理・荷役作業などのために築造された設備の総称である。船渠(せんきょ)ともいう。乾ドック(ドライドック)と浮きドック(フローティング・ドック)の二種類がある。乾ドックの場合、まず、タグボートの助けをかりて入渠する。ドックの入り口を密閉し、ドック内は海から完全に隔離される。そして、盤木と呼ばれる支えに船を乗せ、その後、巨大なポンプを用いてドック内の海水を排水する。それから、種々の作業に入る。浮きドックは、凹型のタンク式構造物で海水の注排水により海上で浮沈するドック。
ドック・レシート(Dock Receipt) 貨物受取証。D/Rと表記する場合もある。船会社が、船荷証券(B/L)の発行前にカーゴを受け取る際、発行する。
トップ・ヘビー(Top Heavy) 船の上部に重みがかかって重心が上がり安定を欠く状態。
トップマーク(Top Mark) 海上標識の頭標(ずひょう)のこと。ブイなどの航路標識の頂点にある球形●、円錐形▼のマーク。二つ組み合わせる場合もある。
ドップラーログ ドップラー効果を利用した速力測定機。船底から超音波を斜め前方に発射し、海底からの反射波と比較。その変化量から船の速力を算出する。利点は、対地速力が測定できる。正確。測定桿が突出していないため、港内でも使用できる。
艫(とも) 船尾」参照
艫脚(ともあし By the Stem バイザスタン) バイザスタン(トモアシ)とは、船尾のほうが船首より喫水が大きくなっている状態をいう。速力増加、舵効き良好、波浪の浸入少なく排水も良好等の利点が上げられるが、船首部の見張りが不便になるという欠点もある。⇔(反)艏脚(おもてあし)
共洗い(ともあらい) 本船の積荷前のタンクの仕上がりに問題がないか(前荷が完全に除去できているか等)確認するためのサンプルの試し積作業のこと。積荷役の本開始前に、少量の積荷を本船のタンクに流しこみ、そのまますぐに陸上へ回収。回収サンプルを分析のうえ、サンプルに問題ない事が確認されてから、本荷役の開始となる。品質管理が特に厳しいエチレングリコールなどの荷役前に行われることがある。
ドライ・カーゴ(Dry Cargo) 乾貨物・固形貨物。(非液体、非気体)。鋼材やセメント、砂利や食料品等を運ぶ。⇔(反)リキッド・カーゴ(Liquid Cargo)
ドライドック 水ぎわの陸地部分を溝状に掘削して船を引き入れ、入口に扉を、その内部には給排水できるようにした、船舶の建造あるいは修理を行う施設。作業時は、内部を空にし、船舶の出入時は海面と同一高さに注水して使用する。普通、ドックといえばドライドックを意味する。
ドライバルク船 ドライバルク船とは、梱包されていない穀物・鉱石・セメント等のばら積み貨物を船倉に入れ
て輸送するために設計された貨物船のこと。
ドラフトマーク 喫水線のことで船首・中央・船尾の各3ヶ所にあり、20cm間隔で目盛が表示されている。喫水線を読むことにより船体が水面下どの程度沈んでいるか確認することが出来る。
トラマーク 危険と思われる作業区域に黄色と黒色を斜めに塗り分けし標示することで注意喚起を促している。
トランシップ(Tranship) 旅客や貨物の船間の積み替え。
トランスファー(Transfer) 転舵した船が、90°回頭するまでに進んだ横方向の距離。
取り舵(とりかじ Port) 左に舵をとり、船を左旋回させること。⇔(反)面舵(おもかじ Starboard)
トリチェリーの真空(とりちぇりーのしんくう) 水銀を満たした長さ 1mのガラス管の開いている方を水銀の入った容器の中に立てたとき、その水銀の重さによって管の上部にできる真空の空間をいう。標準気圧では水銀柱は760mmとな り、大気圧を目に見える状態にした。詳細は「物理学解体新書 トリチェリの実験」参照
トリップ運賃(とりっぷうんちん) 1航海(片道)毎に海運業者間で船舶を賃借する際の運賃。
トリップ船(とりっぷせん Trip Chater) 臨時投入船(りんじとうにゅうせん)」参照
トリム 船首喫水と船尾喫水との差。
ドルフィンバース 水中に多数の杭を打ち込み、その上を桟橋、コンクリートなどで接続してプラットフォームを造り、タンカーを接岸し荷役を行う係留施設のこと。
ドレン(Drain) タンクやポンプやストレーナー等の下に溜まった残液のことを指す。英語の発音はドレインだが、内航船では、通常、ドレンと呼んでいる。Drain(排水)。
ドロップライン(Drop Line) 荷役配管を通じて、荷役タンクへ落し込むラインのこと。
ドンゴロス 語源は「dungarees=ダンガリース(麻袋)」が訛ったものと考えられている。目が粗く厚手の布のため、船舶では工具入れ、擦れ止め、オイルパンの敷物に使用されている。

インデックス

内航船(ないこうせん) 内航運送(漁船等以外の船舶による海上における物品の運送であって、船積港及び陸揚港のいずれもが本邦内にあるものをいう。内航運送業法第2条)を行う船舶。⇔(反)外航船
内航船舶貸渡業(ないこうせんぱくかしわたしぎょう) 内航運送に使用する船舶の貸渡しをする事業。
内燃機関(ないねんきかん) ディーゼル機関。内燃機関は、シリンダーの内部で燃料を爆発燃焼させ、ピストンの往復運動を行わせこれを円運動に変える機関で、燃料消費量が少ないので多くの商戦に使用されている。
凪(なぎ) 朝夕の2回、海と陸の温度差が少なく風がやむことを凪という。
ナフサ(Naphtha) 石油化学の出発原料。無色透明な液体。原油を常圧蒸留した際、沸点範囲が30℃から170℃位の温度範囲で得られる軽質留分がこれに該当する。蒸留範囲の違いによって軽質ナフサ、重質ナフサに分かれる。
ナブテックス受信機(なぐてっくすじゅしんき NAVTEX:Navigation Telex) ナブテックス受信機は、海岸局から狭帯域直接印刷電信によって300海里以内を航行する船舶に向けて放送されている海上安全情報を自動的に受信し、内蔵のプリンタで印字するもの。

二重底(にじゅうてい) 船底が一重ではなく、二重になっている構造のこと。座礁などにより船底外板が破損した場合でも二重底にまで損害が及びなければ浸水を免れることができる。近年、海難発生時の流出油の防止という環境保護の面から、ほとんどの船舶で二重底が採用されている。
二重反転プロペラ(にじゅうはんてんぷろぺら) 前方プロペラと後方プロペラと両方付いているプロペラ。プロペラが回転する際に発生する回転流(かいてんりゅう)、これまで利用することのできなかったこの回転流を反転する後方のプロペラで回収し、推進(すいしん)エネルギーに変えるのが二重反転プロペラで、省エネと環境汚染につながる排ガスの量をへらすことが可能となっている。
二重弁(にじゅうべん) ダブルシャット」参照
日光信号鏡(にっこうしんごうきょう) 救命艇及び救助艇の艤装品として備えつけられているもので、太陽光の反射を利用して信号を送るものである。平滑な平面鏡であって、有効反射面積は、おおむね110㎠の大きさのものであることその他規則の定める要件に適合するものをいう。
日本海事協会(にほんかいじきょうかい) 独自の検査によって、船級(船のグレード)を認定する機関。大型貨物船に多い。NK船は、NK の(厳しい)検査に合格した船として顧客の信頼を得る。
日本船舶(にほんせんぱく) 日本船舶とは日本の国籍を有する船舶のことをいい、次の者が所有する船舶をいう
① 日本の官庁又は公署
②日本国民
③日本の法令に基づいて設立された会社であって、その代表者の全員及び業務を執行する役員の3分の2以上が日本国民である会社
④ ③以外の法人であって、日本の法令に基づいて設立され、かつ、その代表者の全員が日本国民である法人
なお、日本船舶である場合には次の法的効果が認められている。
・日本の国旗を掲揚する権利
・日本の不開港場に寄港する権利
・日本の各港の間で物品又は旅客の運送を行う権利
・日本の船舶登記・船舶登録を受ける義務
日本標準時(にほんひょうじゅんじ) 略号 JST。東経 135 度(明石)を基準とした地方時。
荷役管理室(にやくかんりしつ COC(Cargo Oil Control)) タンカー船の積揚荷役中、各種ポンプの発停、荷役バルブの開閉操作、タンク内の油量及びガス(べーパー)の状態を一括して監視する制御室のこと。
荷役管理表(板)(にやくかんりひょう) 荷物の品名、密度、温度換算係数、見掛数量、タンクの止尺、各タンクの積・揚順序等の荷役情報を記載し、乗組員並びに陸上係員に周知するための掲示物。荷役前までに必要事項を記載し、荷役甲板上の陸側から見やすい場所に掲出し荷役事故防止に役立たせている。
荷役協定(にやくきょうてい) 荷送人と船長の間で運送品の種類、重量もしくは容積、個数などを確認することをいう。
荷役協定書(にやくきょうていしょ) 出荷主から受荷主へ宛てたもので貨物の品名・数量・荷送人・出荷日等を記載した書類。 本船への積込みの際、貨物の数量・状態を確認し海上輸送された事実を裏付ける書類。 揚荷役協定書は本船より揚げ荷の際、貨物の数量・状態を確認し海上輸送された事実を裏付ける書類。
荷役作業(にやくさぎょう) 陸上で貨物の輸送機器への積み込みや荷下ろし、または倉庫やヤード等への入庫・出庫を総称した作業のこと。
乳化(にゅうか) エマルジョン化」参照
入港料(にゅうこうりょう Harbor Due) 港湾法の規定に基づき、港湾管理者が徴収できる港湾使用料の一種。船舶は入港すると岸壁、ブイ、上屋などの使用料が徴収されるが、入港料金は防波堤、航路などの利用料金と解釈とされている。
任意ISM(にんい あいえすえむ) 外航海運において、人的ミス(見張り不十分、飲酒、会話力不十分による要因)による大型海難事故多発を受け、1993年IMOにおいて、ISMコードが(International Safety Management (ISM)Code(国際安全管理規則))策定された。 一方、同コードが強制されない内航船舶についても、海運業者任意の自主的な安全管理体制の構築(国交省への申請・受検・被認定「船舶安全管理認定書(SMC)」等の交付)により、航行・荷役の安全確保及び海洋汚染防止及び企業の競争力向上に寄与するスキームとなっている。
任意擱座(にんいかくざ) 船体に破口が生じ浸水した場合、沈没を免れるために付近の浅所に座洲させる行為。

熱可塑性樹脂(ねつかそせいじゅしThermoplastic resin) 熱可塑性樹脂とは、樹脂を融点まで加熱することによって軟らかくなり、目的の形に成形できる樹脂のこと。一般的に、熱可塑性樹脂は切削・研削等の機械加工がしにくい事が多く、加温し軟化したところで金型に押し込み、冷し固化させて最終製品とする射出成形加工等が広く用いられている。
熱硬化性樹脂(ねつこうかせいじゅしThermosetting resin) 熱硬化性樹脂とは、加熱すると重合を起こして高分子の網目構造を形成し、硬化して元に戻らなくなる樹脂のこと。熱硬化性樹脂は硬くて熱や溶剤に強いので、電気部品やテーブルといった家具の表面処理、灰皿、焼き付け塗料などに使用される。
熱交換器(ねつこうかんき) 温度の高い物体から低い物体へ効率的に熱を移動させる機器である。液体・気体などの流体を扱うものが多い。熱の段階的利用や回収による省エネルギーのため、積極的な導入が求められている。
粘性抵抗 船体表面を流れる水の粘性によって生じる抵抗のことをいう。
燃料油(ねんりょうゆ Fuel Oil) 船舶の機関に使用される燃料用重油。品質は、動粘度の低い順にA重油、C重油となる。略称FO。

ノースアップ(north up) レーダー画面で、北を上にする表示法。海図との比較がし易く、変針中も映像がブレない。通常はこの表示が多い。真方位表示。
ノット(Knot) Knot」(のっと)参照
野積(のづみ) 屋外でカーゴを保管すること。
乗揚げドック(のりあげどっく) 潮の干満の差を利用したもので高潮時に乗揚げさせ、干潮と共に船台に上架させ支柱を設置するもの。
乗組員(のりくみいん) 船舶の推進と安全な航行に必須の船舶、期間、装置及び設備の運航と保守を行い、又は船上の他の人にサービスするすべての人をいう。
ノンフォロアップ 手動操舵が故障した際に使用するもので、船橋コンソール付属の操舵輪の近くに設けられているのが一般的である。操舵はレバー操作によりおこなう。

インデックス

ハーネス タンカーの航タンク内等担いで上がる時が困難な場合、人の体をしっかり支え吊上(下)げることが出来る救助用の物。
ハイアラーム(High level alarm) 高位液面警報」参照
排ガスエコノマイザー(はいがすえこのまいざー) タンカーの航海中には、燃料(C重油)の加熱用や、電気を発生させるタービン発電機の動力源として、蒸気が必要です。航海中に必要な蒸気は、主エンジンから出る排気ガスの熱を利用した『排ガスエコノマイザー』にて発生させています。『排ガスエコノマイザー』は主エンジンのターボチャージャーから出た排気ガス(約310℃)を、大気に排出する煙路に配置されたチューブ(内側にはボイラー水を通している)のことで、このチューブで蒸気を発生させます。チューブを通り抜け熱交換した排気ガスの温度は、150℃程度となっています。
バイ・ザ・スタン(By the Stem) 艫脚(ともあし)」参照
バイ・ザ・ヘッド(By the Head) 艏脚(おもてあし)」参照。(類)バウ・ダウン・トリム(Bow Down Trim)
バイスバロットの法則(ばいすばろっとのほうそく) 高気圧から低気圧に風が流れる原理を利用して、風を背に受けて立つと高気圧を背にすることになり、その状態で左手を斜め前方(真横+30度)の方向に延ばした方向に低気圧があることから、風に対する経験則として、古くから航海者の間で用いられた法則のことをバイスバロットの法則という。
排他的経済水域(はいたてきけいざいすいいき) 領海の基線からその外側200海里(約370km)の線までの海域(領海を除く。)並びにその海底及びその下です。
配船(はいせん) 荷主の意向、積荷の内容、船舶の能力、桟橋の構造、船の現在地、天候の状況等総合的に勘案し、適当な船を手配すること。
ハイヤーベース(Hire Base) 船舶を常に運航し得る状態に保持するための必要諸経費(船費~減価償却+修繕費+保険料+金利)を,1ヵ月(30日)・1重量トン当たりに換算表示したものをいい,次のような式で計算される。 年間船費÷(重量トン数×年間稼働日数×1/30)=H/B したがって,C/B(チャーター・ベース)がH/Bを超えるときは採算は黒字であり,C/BがH/Bを下回るときは赤字となる。
バウ・スラスター(Bow Thruster) 船首水没部に左右舷に通じる通風孔を設け、この中央に推進機を取り付けて船首を左右に移動させる推進装置。狭水路の離着桟や方向転換に便利な装置。⇔(反)スタン・スラスター(Stern Thruster)。バウ・スラスター、スタン・スラスターとも船側にあることから、サイド・スラスター(Side Thruster)ともいう。
バウ・ダウン・トリム(Bow Down Trim) バイ・ザ・ヘッド」参照
泊地(はくち Anchorage) 港湾内で船舶が比較的安全に停泊することのできる水面をいい、一般に防波堤、護岸等の外郭施設や、岸壁等の係留施設によって囲まれている。
爆発限界(ばくはつげんかい) 油面から蒸発する引火性ガスと空気が混合した時、何らかの原因で点火した場合、引火爆発する濃度(空気中の当該ガスの濃度(混合割合)範囲を指す。上限をUEL (Upper Explosive Limit)、下限をLEL(Lower Explosive Limit)と呼んでいる。例えば、アセトンの場合、UELが12.8%でLELが2.5%で、逆に言えばその範囲外であれば、爆発しないということになる。
暴露甲板(ばくろこうはん exposed deck) 主に風雨に曝される甲板のこと。最上部にあることから露天甲板とも言う。多くの船舶などでは上甲板は通常、露天甲板であるが、自動車運搬船や大型客船などは上甲板の露天部分はほとんどない。
白油はくゆ(Clean Oil) ガソリン、灯油、軽油等透明な軽質石油類の総称。⇔(反)黒油(こくゆ)
はしけ(艀) バージ。洋上荷役に使用される台船。動力を持たず、タグボートが曳航(押航)する。港則法では汽艇等(雑種船)になる。
バース(Berth) 埠頭・桟橋の中で、船を係留する場所。
パーセルタンカー(Parcel Tanker) 多品種・多目的の液体貨物バラ積み船。小区画のタンク構造となっており、通常、外航ケミカルタンカーのことをさす。
裸用船(はだかようせん Bare Boat Charter) 船主が船員を配乗せずに、船舶を一定期間用船者に貸し渡す契約。
バタフライ弁(ばたふらいべん Butterfly valve) ボールバルブと同様に弁軸を90度回転する事により開閉を行う。またゲートバルブと同様に開閉バルブとして使用される。「蝶形弁(ちょうけいべん)」ともいう。
バタワース・マシン(Butterworth Machine) タンク内を洗浄するために清水を噴射する装置のこと。360℃回転し、タンクの内壁を隈なく、洗浄する。今は、固定式(タンク)になっている。
破断係数(はだんけいすう) 破断係数とは、曲げ試験またはねじり試験で測定される極限強度のこと。
八十八夜の別れ霜(はちじゅうはちやのわかれじも) 八十八夜(立春から88日目。陽暦の5月2日頃)の頃に降りる霜。この季節の最後の霜で、これ以後は降りないとされる。
鉢巻船(はちまきせん) 一代限りの船。解撤権を購入していないので、この船を代替しようとしても次の新造が認められない船。一代限り船専用のマーキングとして白と赤の線を船体を巻くように左右の舷にペイントしていたので、このように呼ばれるようになったもの。現在はマーキング表記方法が若干変更となり、左右のそれぞれの舷の中央部に白・赤・白の長方形のマークが付けられている。
把駐力(はちゅうりょく) アンカーが海底に船を繋ぐための力。底質が砂の時は小さく、岩等は大きくなる。
発火点(はっかてん) ある物質において、他の火源がなくても、自ら継続的に燃焼を起こす温度のこと。ガソリンで246℃、水素は580~600℃程度。
パッキン 回転や往復運動などのような運動部分の密封に用いられるもの。
発航前の検査(はっこうまえのけんさ) 発航前に、船舶が航海に支障がないかどうか堪航能力の検査をするほか、航海に必要な準備が整っているかどうかについて検査すること。
ハッチ 船の甲板にある艙口(そうこう)、船倉口、昇降口。昇降口の蓋、艙口の覆い。
鳩目(はとめ Eyelet) アイレット」参照
端切り(はなぎり ライン・フラッシング Line Flushing) タンカーから化成品などを荷揚げする際、配管の中に残存している前航の貨物あるいはタンク洗浄水などを事前に洗い流す作業を端切りという。ふつう本揚げに入る前、少量の貨物を別の小タンクに流して行う。使われた少量の貨物は、汚損貨物(Slop Cargo)としてスロップ・タンクやドラム缶などに収納される。
バラスト(Ballast) 空船時、または、積荷が少ない時船体のバランスを取るため、船底に入れる水のこと。Ballast…船の底荷
バラスト状態(ばらすとじょうたい) 貨物を搭載せずに喫水・トリムを調整するためにバラスト水を搭載し、船体重心を安定させた状態のことをいう。
バラスト水管理条約 船内のバラストタンクへの海水の注排水を行なう管をバラスト管という。バラスト水に含まれる海洋有害生物の移動を防止することを目的とした条約のこと。2004年2月IMO(国際海事機関)で採択されたが、批准国30以上かつ商船船腹量35%以上が発効要件対し、2012年10月現在の批准国は36で船腹量は29.07%と未発効のままである。
バラストの効果(ばらすとのこうか) 船舶は、空船航海では海水をバラストタンクに漲水し喫水を深くして安全な航海を図らなければならないが、海水をバラストタンクに漲る目的は以下のとおりである。
①風圧を少なくし、水圧抵抗の増加で圧流を防ぎ操縦性をよくする。
②風浪による動揺を緩和する。
③軽喫水または縦動による空転を防ぐ。
④舵効をよくする。。
バラ積み(ばらづみ) 荷物を梱包したり、コンテナ化せずに、直接船倉(タンク)に入れる積荷のこと。
馬力(ばりき) 船のエンジンの出力は、馬力を単位にしている。1馬力とは、75Kgの重さを1秒間に1m持ち上げる仕事量のこと。
バルクケミカルコード(BCH Code) 国際海事機関(IMO)において採択された「危険化学薬品のばら積みの運送のための船舶の構造及び設備に関する規則」をいい、1986年7月1日以前に建造された化学薬品タンカーに適用 されるコード。
バルクヘッド(Bulkhead) 隔壁」(かくへき)参照
バルバス・バウ(Bulbous Bow) 球状船首。水面下でふくらんでおり、形が球根状で、波の抵抗によるエネルギーのロスを少しでも軽減する為に考案されたもの。実際の波とバルバス・バウの波と干渉し合って、波の発生を少なくすることが目的。魚雷形、円筒形、楕円形、水滴形、ラム(衝角)形等がある
バンカー(Bunkering) 船舶が燃料を補給すること。
バンカー・サーチャージ(Bunker Surcharge) 割増料金。危険負担や燃料油などの急激な値上りのため、既に定められた通常の料金の適用が困難な場合に定める付加料金。燃料費の値上りに伴い運賃にその分算する場合、バンカーサーチャージという。Bunker…石炭船の時代の船の石炭庫。今は、船の燃料油。Surcharge…追加料金、(荷)の積み過ぎ、過重、不足税
盤木(ばんぎ) 入渠及び建造中の船体を船底で支える固定台のことをいう。
パンチング(Panting) 波に向かって進むとき、船首側面に波頭がぶつかって衝撃を与える現象をいう。小型軽量の船ではこの衝撃によって船体が波に運ばれることも起こる。
パンチング構造(ばんちんぐこうぞう) 船が航行中、波浪の衝撃を受けて外板やフレームなどに損傷を生じるのを防ぐために船首部及び船尾部に特別の補強を行なうこと。
パンチングストリンガー(Panting stringer) ブレストフックから左右に伸びて外板を支える骨材。
ハンドレッド 鉛のおもりをつけ、1m間隔の目盛りのついたロープを海底に沈め、すばやく引き上げることにより水深を計測することが出来る。また、底部にワックスを塗ることにより、海底質を調べることも出来る。水深の深い場合や船の速力が大きい場合は、その使用に限界があった。現在は、音響測深儀(※音響測深儀にリンク貼)の普及により使用することはほとんどない。
汎用船(はんようせん) 航路や貨物は一定ではなく、それぞれの航路・貨物により1航海毎に運賃が決定する仕組み。月毎の繁閑により、月間の合計運賃も変動する。⇔(反)専航船

PI保険(ぴーあいほけん PI:Protection and Indemnity) 船舶を所有・運航することによって生じる、船主又は運航者が負担すべき経済的損失を填補する保険。従来の船舶保険や貨物保険では、主に船体と貨物のみが付保の対象でしたが、P&I保険では、人(船員や旅客)や海洋汚染、港湾設備等への損傷等も填補され、また、荷主(又はその保険会社)から求償された貨物の損害も補填する仕組みとなっています。船主同士の互助組合(Protection Club)が発端で、その後積荷に対する損害を含めた補償(Indemnity)を取り入れたProtection & Indemnity Club(船主相互保険組合)が誕生しました。日本では、一部民間損害保険会社も、取り扱うようになりました。Protection…保護。他からの賠償請求をプロテクト(防御)するという意。Indemnity…補償…損害賠償の保証。
ヒービングライン 投げ綱。ヒーブライン、もやい索ともいう。着桟時に係船索を送るために使用する直径5㎜程度の細索。係船索の先端に取付けて、着桟の際に船上から岸壁に投げる。遠距離まで投げ易い用にその先端は重くなっている。
ピープホール(Peep hole) カーゴタンクのハッチ上部に取り付けられている覗き窓のこと。カーゴタンク内のガス流出防止のため水密が施され、更に手動開閉式の蓋が取り付けられている。荷役中は、固定式液面計とピープホール双方による液面監視が行われる。
ビーム ビームはフレーム(肋骨)を上部甲板で連結し横強力を保つ部材のこと。(関連語句:フレーム
引揚げ船台(ひきあげせんだい) 傾斜した台車を水面上の船体下に卸し船体を機械力で引揚げ上架させて、船台車と共に所定の場所に引揚げ支柱で完全に定着させるもの。
ピグ押し(ぴぐおし) 配管内にPIG(ピグ)と呼ばれる管内移動体(主にゴムや発泡ポリウレタン製)を入れて、窒素や水で押すことで配管内に残る残液をタンクに押し戻す、また配管内のクリーニングに用いること。
避険線(ひけんせん) 海図上で水域を区画し航路上の安全の限界を示すような位置の線のこと。入出港時や狭水道航行時は、変針や他船・障害物等の避航の機会が多く、海図上で都度船位を確かめながら航行する余裕のないことも多い。そこで、1本の線で水域を危険域と安全域に区画できる避険線があれば、船位を測定しなくとも避険線を測定するだけで安全域であるか確かめられ、水域を有効に活用して弾力的な操船ができる
避航船(ひこうせん) 2隻の船の針路が交差し衝突の恐れがある場合を「横切り関係」といい、横切り関係になった場合は、「他船を右に見る船」に避航の義務があり、もう一方の船は速力を保持して航行しなければならない。この時に他船を右に見て避航しなければならない船を「避航船」という。
避航動作(ひこうどうさ) 衝突の恐れがある相手船の針路を避けるために自船が取る動作をいう。避航動作は「十分余裕のある時期にためらわずに」、「相手船が容易に認めることができるように大幅に」、「安全な距離を保って通過できるように」行うこととされている。また「速力を減じ、または停止する」ことも避航動作である。
比重(ひじゅう) その物質の質量とそれと同体積の水の質量との比(ある物質の質量÷水の質量)、通常、水の比重は1(摂氏4℃時)とされています。ケミカルタンカーの場合デッドウェイト(積める重さ)とタンクの容積との関係があり、例えば、パラキシレンの比重は約0.86なので、最高に積んでタンク容量(容積)×0.86分の重さしか運べません。(実際には安全のため、タンク容量の95%。逆に言うと、荷物の重量を0.86で割ったもの(=容積)が運べる計算(1/0.86=1.16倍積める計算)となりますが、タンク容積があるので、その制限を受けます。
B種船(びーしゅせん) 船の長さが60m以下のタンカーで積み荷が引火点60℃を超える重油、潤滑油などの液体類しか積載できないタンカー。A種船に比べ構造設備は軽減されている。船舶検査証書には「ただし引火点60℃を超える油」と制限条項が記載されている。
非常用位置指示無線標識装置(ひじょうよう いちしじ むせんひょうしきそうち E-PIRB) 船舶の遭難時に無線信号(遭難信号)を発信する装置のこと。 沈没など遭難時に 406MHzの電波を発射し、人工衛星(コンパス・サーキット)を 介して各国主管庁(日本では海上保安庁)に船名及び国籍を送信、連絡が届き次第、 捜査が行われることとなる。手動でスイッチを操作して救難電波を発射する方法と 沈没時におおむね4m以上に該当する水圧が加わると動作する水圧センサーにより 取り付け架台から自動離脱、浮上し電波を発射する方法がある。
非常脱出呼吸具(ひじょうだっしゅつこきゅうぐ) 液体化学薬品ばら積船において、船体等を放棄する際、乗船者が貨物の蒸気を吸うことなく退避するために使用され、乗船者の数以上備えなければならない。この呼吸具は、消火及び荷役の目的に使用することは禁じられている。
非常停止(ひじょうていし) 非常の際に、機関を手動でおこなう停止のことをいう。主機関及び補助機関は機関保護のために、また送風機及び燃料ポンプは火災の延焼の防止のために非常停止ボタンをそれらの機器に設置されている区画以外の場所(主に船橋、荷役監視場所)に設置する。
ピッチポーリング(Pitch Poling) 小型軽量の船が高速で急峻な波の中を航走中、波の傾斜面を加速して降下するときに船首が次の波の背面に突っ込み、弾みでとんぼ返りする現象をいう。
ピッチング(Pitching) 船舶が垂直方向前後に揺れること。波が通過するときに起こる縦揺れ。
ビット(Bitt) 岸壁にある頭の丸い杭。係船ロープをひっかける為に使用される。この杭に船側から出た複数のロープを巻きつけ、船を繋ぎ止める。
避難港(ひなんこう) 悪天候時に小型船が一時的に避難する港のこと。
非破壊検査(ひはかいけんさ) 検査対象物を傷つけず、分離せず、破壊せずに材料・製品の性質、状態、内部構造などを知るための検査。
ヒヤリハット 船舶または人が危険にさらされ、又は結果として船舶や構造物、環境への重大な危害が生じたかも知れない船舶の運用に起因、関連するできごと又は事象をいう。
118番 海上保安庁への緊急通報用の電話番号。海上における事件・事故が発生した場合は、この番号へ通報する。陸上の110番の海上版。
漂躊(ひょうちゅう Lie to) 機関を停止して船を風浪下にそのまま漂流させ、風浪にさからわないようにする方法のことをいう。踟躊(ちちゅう)による船体姿勢が危険な場合にとられることがある。
平脚(ひらあし イーブンキール Even Keel) イーブンキール」参照
ビルジ(びるじ Bilge) ポンプ室及び機関室の底に溜まる油(荷物、潤滑油)や水等。
ビルジ管装置(びるじかんそうち) 船内で自然発生的に溜まる汚水をビルジといい、ビルジを排出する管をビルジ管という。
ビルジ・ウエル 船底の両舷の湾曲部にあり、船体でビルジが発生するとビルジ溜まりにいくよう設計されている。
ビルジ量の測定は、船体が正常な状態にあるかどうかを判定する最も有効な手段であり、ビルジウエルには必ず測深管を設けてあり、甲板上から測深管を通して測深棒を降し、その量を計測出来るようにしている。
ビルジキール 船体の横揺れを減揺する設備の一つで、船首から船尾の船底湾曲部に沿って取付ける板のこと。「湾曲部竜骨」ともいう。
疲労強度(ひろうきょうど) 船殻構造が時間とともに変化するいわゆる変動荷重を受けると、その最大応力が静的な破壊応力より小さい場合でも、ある繰返し数だけ続けると破壊する。このような破壊を疲労破壊と呼んでいる。

ファイヤーワイヤー(Fire Wire) 非常用曳船ワイヤーロープのことで、自船又は周辺に火災発生等の場合、緊急引き出し用に使用するもの。使用方法は、ワイヤーを自船のボラードに結止し船首部、船尾部の沖側に水面上から約1m離した上で吊り下げておく。
ファウルアンカー 錨鎖が錨にからんで水面に揚がってきた状態をいう。
ファッションプレート 満載喫水線上の鋼板に丸みをつけた船首材。船首材の上端部付近の広がった板。
ファンネルマーク(Funnel Mark Funnel) 船舶の煙突の外側に描かれた社章。入港時の目印となる。明和海運株式会社 社章明和海運株式会社の場合。
浮標(ぶい Buoy) 船をつなぐために水上に浮かべたもので、チェーンなどで水底に固定してある。航路標識にも用いる。
部員(ぶいん) 総トン数20トン以上の船舶に乗船する乗組員のうち、船舶の運航に関する国家資格を有していない乗組員(甲板員、操舵手、機関員等)を「部員」と呼ぶ。国家資格を有する乗組員(船長、機関長、航海士等)は「職員」。
封印(ふういん) 積港から揚港まで船の貨物艙の艙口を開放厳禁にするために施す封緘。
風速(ふうそく) 単位時間に空気の移動した距離。普通、地上10メートルにおけるある時刻の前10分間の平均風速をその時間の風速という。m/s やノットなどの単位で表すことが多い。
プープダウン(Pooping Down) 追い波の状態で航走中、波が覆いかぶさるように船尾に海水が打ち込むことがある。船尾部は凌波性(船が波に乗り切り航海することが出来る能力)に劣るので、船尾の構造物や舵などの装備が破壊されるといった危険を伴う。
フェアリーダー 本船の係船索出し入れ時に係船索の保護を目的として設置されるもの。
フォアピークタンク(Forepeak Tank) 船首部の上甲板より下に位置する空間のタンクで、一般的に船内で使用する清水を備蓄するタンクとして使用されている。船首水槽ともいう。⇔(反)アフターピークタンク、船尾水槽(せんびすいそう)
フォース・マジュール条項(ふぉーすまじゅーるじょうこう Force Majeure Clause) 不可抗力条項のこと。当事者の一切の注意や防止努力にもかかわらず、外部から発生して当事者の義務遂行を阻害する事実により、義務が遂行できなかった場合は、義務不履行の責任を免れると解される。運送契約には一般にこのことを明示した不可抗力条項が書き込まれる。一般には次のような事態が含まれる。
1.地震、洪水、火災、嵐その他の天災、自然の災害
2.戦争、侵略、封鎖、その他の敵による武力行為
3.革命、反乱、騒乱
4.ストライキ
5.接収、徴発、禁止、規制などの政府の行為
6.伝染病
7.その他いずれの当事者も制御できない第三者の過失または不法行為
不稼動損失保険(ふかどうそんしつほけん) 船舶が一定の海難事故等によって稼動不能の状態となった場合に得ることができなかった収入や支出せざるを得なかった費用等を填補することを目的とした損害保険会社による保険。
吹流し(ふきながし) 吹流しとは、布などでできた筒を高所からぶら下げ、風向や風速を目視で確認するための設備。
復元性/復元力(ふくげんせい/ふくげんりょく) 船は普通、真直ぐに安定して浮いているが、波や風など影響により船体が傾くと真直ぐな状態に戻ろうとする力が起こる性質がある。この性質を復元性といい、その復元する力を復元力という。 船がさらに傾いて、ある角度まで傾くと復元力がなくなり、引っくり返ってしまう。この状態の角度を復元力の限度といい、この限度の大きい船ほど転覆しにくいということになる。復元力の限度を大きくするには、船の重心を低くすることが必要だが、復元力の限度をあまり大きくすると、船はすこし傾いただけですぐ戻ろうとする力が働くことになり、乗り心地が悪くなるとともに、積荷の荷くずれの原因になる。
プッシュライン 船舶に表示されるプッシュラインは、離着桟(岸)時にタグボートが押して もよい部分を表す。船の外板は非常に薄いため、押す位置を誤ると船体がへこんでしまう。プッシュラインの内側には、頑丈なフレームが通っているため、ここならば押しても変形しない。
藤田スケール(ふじたすけーる) 竜巻の強さを測る指標でF0~F6までの7段階ある。当時シカゴ大学教授の藤田哲也が、アメリカの暴風雨予測センターの前身である国立暴風雨予報センターの局長だったアレン・ピアソンと共に提唱した指標で、藤田・ピアソン・スケールとも呼ばれる。
藤原効果(ふじわらこうか) 戦前、当時の中央気象台長だった藤原咲平氏が提唱した効果で接近した2つの台風が本来の進路(上層の一般流)とは無関係に互いに干渉し、予期しない方向に進むこと。2つが反時計回りに動くこともある。
物理寿命(ぶつりじゅみょう) 船体に疲労クラックが多発するとか腐食衰耗する等により使用に耐えなくなるまでの期間を指す。
不定期船(ふていきせん) 荷主と運航業者間で長期の輸送契約を結ぶものの、必要な時に必要な場所に運ぶため、運賃は荷動きの増減を反映する。一般にバラ積船(鉄鉱石、石炭、穀物等)やタンカー(原油、石油製品、LNG等)、自動車運搬船など。⇔(反)定期船(ていきせん)
船尺(ふなじゃく) 船側のタンクを測定する方法のこと。積荷の時、荷主側で数量を測定し、船側でも確認のため、数量を測定する。船は海上にあり揺れるため、正確な数量を特定するのが難しいが、測定深度を液体で濡れている部分で測定する。近時は、甲板上にある液面計で測定する。
船荷証券(ふなにしょうけん) 運送品の受け取りを証明するとともに、陸揚港で、その所持人に、これと引換にその運送品の引き渡しをすることを約する証書であり、同時に運送契約書の役割を果たすものである。
プラカード 船舶で発生した廃棄物の海洋への排出に関して、船員などが遵守すべき事項等を記載した掲示板。船舶発生廃棄物汚染防止規程では、全長12m以上の船舶の船舶所有者は、船員等が船舶発生廃棄物の排出に関し遵守すべき事項等を船内の船員等に見やすいように掲示しなければならないとされている。
ブラックアウト 船舶における船内電源の喪失するこという。ブラックアウトは、突発的に発生し、操舵装置等の重要機器が一瞬のうちに停止して操縦不能に陥る危険な状態となり、次いで衝突、座礁等を引き起こしかねないため、ブラックアウトした際は慌てず、冷静に判断して船舶の危険回避に努めなければならない。
フラッキング アウト(Flagging Out) 船籍を変えること。結果、便宜置籍船となることが多い。
フラップラダー 舵板の後端にフラップを付け、プロペラ排水流れを利用し通常の2倍の舵角(70度)を取ることができ、出入港の頻度が高い船の操縦性能を高めている。
フランジ(Flange) 流体の配管でパイプや弁などの部品をつなぐ際に使われる、円盤部分同士をボルトなどで締結することで、パイプ同士を繋ぎ合わせる。配管の基本的接続部品のひとつ。
ブリザー弁(ぶりざーべん) タンク内の圧力を一定範囲内に保つため、常に大気との間で自動的に呼吸作用を行う機能を持ったバルブ。この作用により、タンク内のベーパーによる膨張または収縮によるタンクの損傷を防止する。可燃性の液体に対しては、フレームアレスターと組み合わせて使用する場合が多い。
ブルワーク(Bulwark) 舷牆(げんしょう)」参照
ブレーキハンドル ブレーキハンドルとは、甲板上にある、揚錨機又は係船機のドラムを固定するために使用するもの。
ブレストフック(Breasthook) ファッションプレートを後部から支える三日月形の部材。
フレーム フレームとは船体の前後方向に適当な間隔で設置され、外板が張られて縦方向の強度を確保するもの。人間の肋骨に相当する。(関連語句:ビーム
フレームアレスター(Flame arrestor) 貨物タンクに取り付けてあるベント管などの開口部に設ける火炎侵入の防止装置。船舶の内外で起こった爆発の際に発生して伝ぱんすようとする火炎を消炎する。炎は平らな面はそのまま走るが、窪みの部分には集中的に侵入する。ベント管の開口部は炎の侵入口になりやすいので、これを防ぐため、円筒形に枠の中に金網とディスタンス・リングを数枚交互に入れたもの。
フレームナンバー(ふれーむなんばー Frame number) 船舶の船尾垂線から船首垂線に至るまで各フレームに番号が振られる。このことをフレームナンバーという。フレームナンバーは船尾側をNO.0として船首方に行くに従って数字が大きくなる。499G/TのフレームナンバーはNO.0~NO.100が一般的である。
フレストバルブ フレストバルブとは、シート面にテフロンパッキンを使用し弁体を2つ割りとした仕切弁のことで、タンカー等の多数の仕切りのある船倉にそれぞれ積載されているオイル等の流体を船外に搬送するためのバルブ
フレッシュウォーター(Fresh Water) 清水。洗浄用、洗濯・炊事・風呂用に用いられる。
振れ止め錨(ふれとめびょう) 単錨泊時に船首の振れ回りを抑制するため投錨舷とは違う反対舷の錨を使用すること。
フレンドフィン 船尾水面下のボス部周辺に取り付けられており、羽根に似た形状をしている。フレンドフィンを取り付けることにより、船尾の水流を制御し、出来るだけ少ない主機出力で プロペラがより大きな推力を出せる。現在、船舶の省エネ対策として注目されている。
ブローチング(Broaching) うねりを船尾から受けて進むとき、船が波の傾斜前面に位置し、突然方向不安定な状態となってヨーイング(第29回海運豆知識:船体の動揺について参照)を起こし、一気に回頭し、船体が波の谷間に横たわる現象をいう。これは波速と船速がほぼ等しいときに起こりやすい。ブローチングを起こしたときに船体が傾斜しこれに横波を受けたりすると転覆の危険が生じる。
ブロック式建造法(ぶろっくけんぞうほう) 船体をいくつかの塊(ブロック)に分けて船台以外の場所で作っておき、それぞれが完成してから船台に運んでつなぎ合わせて全体を作る方法である。  ブロックはどのような順番で作っても良く、ブロックを作る場所も船台以外のどこでも良いので、同時に数多くのブロックを作ることが可能となり、全体の工事期間を短縮することができる。さらに、この建造法では船台を占有する機関がブロックの繋ぎ合わせ作業の時間だけで済むので、船台期間が短くなり一つの船台でより多くの船を建造することができる。
フローティングドック(ふろーてぃんぐどっく) 凹字型 をしていて、多数に仕切られた内部のタンクに注排水する事により、沈下、浮上出来る、浮きドックの事です。主に、ケーソン(コンクリート防波堤)製作等に使われることが多く、ケーソンドックとも言われます。その他、造船用に用いられたり、荷を載せ運搬等に使うことも出来ます。
フローティングルーフ・タンク(ふろーてぃんぐるーふたんく Floating-roof Tank) 屋根が貯蔵物液面に浮いており、液面とともに上下するタンクのこと。和名では浮き屋根式タンクとも呼ばれる。原油・ガソリン等の蒸気による損失、また、蒸気相を無くし安全性が保たれることから揮発性石油類の貯蔵に用いられる。
プロペラ(Propeller) 推進翼。エンジンの出力をプロペラ軸を通じての回転により推進力へと変換するための装置。
プロペラ・キャビテーション(Propeller cavitation) 回転するプロペラの翼の先端付近で流速が速く、流速が速い分だけ圧力は低くなる。その圧力が蒸気圧に達すると水中で気泡が発生する。これがプロペラ・キャビテーションであり、いわば速い水流の中での沸騰現象とも言える。プロペラの翼の背面にキャビテーションが広がると推進力の減少、騒音・振動の発生、さらにキャビテーションで発生した気泡がプロペラ表面の近くで崩壊するとプロペラ表面を腐食することがある。
分解(ぶんかい) ナフサを分解炉の中に水蒸気を送りこみ、800℃以上の温度にすると分解し、分子が細かく切れて(分解し)、もっと小さな分子(炭化水素~エチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)にさせること。 分解時は、高温のため気体で、混ざり合った状態だが、蒸留して分けて取り出す方法を取る。(分留(ぶんりゅう))

平均風速(へいきんふうそく) 単位時間内に吹いた風の平均的な風速。気象庁では10分間の平均値を用いている。瞬間風速は平均風速の倍程度になることがある。通常、平均風速が毎秒10~15メートル以上の風を「強風」、毎秒20メートル以上の風を「暴風」と呼び、強風注意報、暴風警報などが発表される。
閉止板(へいしばん) 配管、ホース末端のフランジに取り付け、開口部を閉止する蓋。取付け不十分な状態で配管内に液を流すと漏液が発生するのでパッキンを挿入しボルトナットでしっかり取り付ける。
平水区域(へいすいくいき) 港湾内、湖沼、河川等波の穏やかな水域。
ヘッドアップ(head up) レーダー画面で、船首方向を上にして表示する方法。船橋から見える他船の状況と画面映像とが比較し易く、狭い港内や輻輳海域で使用する。変針中は周囲の映像がブレる。
べーパー配管(べーぱーはいかん Vapour Pipe) タンカーにおける貨物油の気化ガス(Vapour)を外部に導く配管。
ペリカンフック ペリカンの口ばしのように曲がった可動フック。救命艇のラッシングなどに使用し、緊急時、止め金具(リング)を叩いて外すと、簡単に口が開く。
ベルブック 船長の主機関(テレグラフ)のオーダー、タグボート及びパイロットの名前等を記載しておくメモ帳のこと。
ベルマウス ベルマウスとは、油(ケミカル)吸入管の先端についている吸入口のこと。放流量を増加させるため、吸入口の形状をラッパ状にしており、その形がベルに似ていることから、ベルマウスと呼ばれている。液体タンクに積む込み時にタンク底部5cm程度の位置に設け、空気の吸入を押さえて低液面まで吸引する役割を持っている。タンカーにおいて積荷時は、陸上配管から本船荷役配管を通り、ベルマウスよりタンクへ流し込まれる。揚荷時は、ベルマウスから貨物を吸引し甲板上の荷役配管を通って、陸上のタンクへと送油される。
便宜置籍船(べんぎちせきせん) 会社が所在する国ではない外国に便宜上船籍をおいている船のこと。理由として日本は船籍にかかる税金が高く、外国に船籍をおいたほうがコストを軽減できるからである。
変針(へんしん) 船の針路を変えること。
変針点(へんしんてん) 船の針路を変える場所の事を変針点という。変針点目標は顕著な物標(灯台、山頂、岩、島)でなければならない。
偏差(へんさ Variation) 地球自体が大きな磁気体であり、地理上の北極・南極の近くに磁北・磁南があるので、コンパスの磁針は、地理上の北極・南極を指すのではなく、磁北を指しズレが生じる。このズレを偏差と言う。
ベンチレーター(ventilator) 船内に外気を取り込むための通風口。自然の風によるものと、機械で強制的に取り込むものがある。
ベント管(べんとかん Vent Line) 空気管とも言う。ガス排出管。カーゴタンク内に発生したガスは、この管を使って、引火する恐れのない場所まで導いて排出させるパイプ。

防火構造(ぼうかこうぞう) 居住区の防火構造については、SOLASによって火災発生時の延焼防止、脱出路の確保等の目的で、隔壁および甲板が保持すべき保全防熱性が規程され、使用する材料の防火性能についても詳細に規定されている。
防舷材(ぼうげんざい) 桟橋と船体が直接接触しないように、桟橋に取り付けられているゴム製のクッション材。
芳香族(ほうこうぞく Aromatic Compound) ベンゼン環を含む化合物。主にベンゼン・トルエン・キシレンの総称。芳香をもつ化合物の共通構造であったことから「芳香族」とよばれるようになった。アロマ。BTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)。
防食亜鉛板(ぼうしょくあえんばん) 船体周囲や配管は海水で満たされているので、鉄よりも先に亜鉛を腐食させることで、鉄の腐食を防ぐために取り付ける亜鉛板や亜鉛棒などを『防食亜鉛』という。
ボースンチェア(Boatswain’s chair) ボースンチェアとは、マスト登りなどの海洋作業で用いられる吊るし型腰掛けのこと。
法定備品(ほうていびひん) 日本船舶が船舶安全法、海上衝突予防法、船員法などによって設備を義務付けられる一定の備品または属具をいう。船舶設備規程による主要な法定属具には次のものがある。
号鐘・時計・双眼鏡・気圧計・手用測定具、手用測鉛・六分儀・コンパス・船灯・黒級・落下傘付き信号、火せん・国際信号旗・国際信号書等
ポートステートコントロール(Port State Control 入港国が行う船舶と乗組員の監督。旗国による監督(フラッグ・ステート・コントロール)だけでは国際的規則の遵守を確保することが不十分であるため、入港国による監督も行なわれること。日本国においては、本邦の港または沿岸係留施設にある外国船舶に対する立入検査や、それに基づく国際的規則の遵守命令が出され、一定の場合には航行の停止を命じることもある。
膨張式救命筏(ぼうちょうしききゅうめいいかだ Life Raft) 膨張式救命筏の歴史は古く1913年第1時世界大戦において英空軍が膨張式救命筏を採用したのがはじまりと言われている。その後、1960年SOLAS条約で正式に採用となった。通常はカプセルに格納されており、船体放棄(総員退船)する際、海面へ投下すると自動で膨張し筏の形となる。筏の中には生き延びるために飲料水、乾パン、信号灯、海面着色剤、日光信号鏡(いわゆる鏡)、生存指導書、レーダー反射板、釣り針、釣り糸等が備えられている。
膨張トランク(ぼうちょうとらんく Expansion Trunk 膨張トランクとは、温度が上昇することによって高圧になる等の危険を防ぐために貨物タンクに設けられた場所のことをいう。
補機(ほき) 主機以外の機関を指す。代表的な機関として発電機、各種ポンプ、通風装置、ボイラー、空気圧縮機、給水機、潤滑油ポンプ等。⇔(反)主機(しゅき)
ホギング(Hogging) 船体が長さ方向に対してやや凸の状態、すなわち中央が船首部・船尾部より上昇している状態(又は現象)のこと。(対語 サギング
保持船(ほじせん) 2隻の船の針路が交差し衝突の恐れがある場合を「横切り関係」といい、横切り関係になった場合は、「他船を右に見る船」に避航の義務があり、もう一方の船は速力を保持して航行しなければならない。この時に針路速力を保持して航行しなければならない船を「保持船(針路速力保持船)」という。
保針(ほしん) 風や波を受けないように船の針路を安定に保つこと。
ボースンストア(Boatswain’s store) 甲板長倉庫。航海関係の索具、修理用工具、予備品等を格納するために使用する倉庫で船首揚錨機の下部に設けられている。
保税(ほぜい) 輸入貨物が関税(輸入税)未納の状態にあること。輸入貨物は全て一旦保税地域、保税倉庫、保税タンクに納入され、関税を納めてから内貨品となる。
ボートダビット 船舶に積載されている救命艇を水面に降下させる装置のこと。電力がなくてもボートの自重で自動的に降下する、重力型が一般的に採用されている。
ボラード(Bollard) 係船柱。船を係留する際に係船ロープを巻きつけ、係止するため、甲板上または岸壁に設置した柱。2本1組のものがボラード。(1本のものがビット)
本初子午線(ほんしょしごせん) 本初子午線とは、経度0度0分0秒と定義された基準の子午線(経線)を指す。IERS基準子午線が策定される以前(1960〜70年代まで)の国際的な本初子午線としては、グリニッジ天文台を基準としたグリニッジ子午線が長く使われた。これはIERS基準子午線から西に5.3101秒、距離にして102.478 mの位置を通過している。二つの子午線は、全地球的には極めて近いことから、現在でも通俗的な説明としては「グリニッジ子午線」が「本初子午線」の意味で用いられることがある。なお、日本では、東経135度(明石市を通る子午線)の時刻を標準時にしている。
本船甲板渡し条件(ほんせんかんぱんわたしじょうけん FOB) FOB」参照
ボンディング(Bonding) 船体と桟橋間の電位差をなくして、各通信機器や電気機器や電気設備を火災や破壊やノイズの防止や動作の安定の為に行うもの。

インデックス

マイアニュースレター(Marine Accident Inquiry Agency) 海難審判庁が、再発防止に役立つことを目的に、2ヶ月に1度のペースで発刊するニュースレター。狭水道や濃霧時トラブルの具体的なデータも多く、再発防止効果の高いレターとなっている。
マイル(Mile) 海里」参照
前荷規制(まえにきせい) 多品種の石油化学製品を輸送するため、各荷主が輸送する貨物に対し、品質管理を目的とし、前航海貨物を限定する事。前々荷規制、前々々荷規制もある。
マグネトロン 発振用真空管の一種で、磁電管とも呼ばれる。強力なマイクロ波を発生させレーダーの主要部品の一つ。レーダーの使用時間により交換が推奨される。
前船(まえぶね) 先船(さきぶね)」参照
マグネティック・コンパス(Magnetic Compass) 磁気コンパス。羅針儀、羅針盤とも呼ばれる。磁石が南北を指す性質を利用したもので、方位を知るための計器。
マーチス(MARTIS) 海上交通センターの略称。多数の船舶が航行する海域において、海上交通に関する航行情報提供及び航行管制業務を行う海上保安庁の機関。 MARINE TRAFFIC INFORMATION SERVICE の頭文字をとり、MARTIS(マーチス)と呼がれる。レーダー、テレビカメラ、気象観測装置、AISなど装備し、情報信号板や無線などにより、航行船舶に対し航行管制を行う。現在、日本国内には、東京湾、伊勢湾、名古屋港、大阪湾、備讃瀬戸、来島海峡及び関門海峡の7箇所のマーチスが設置されている。
マニホールド(Manifold) 船のタンクの底から伸びたパイプ(油管)の接続部又は陸上のタンクの接続部。貨物を積む時には陸上のポンプを使い、陸上に荷揚げする時には、船のポンプを使用。Manifold…多岐管の意。
マリーンクレーン 船舶専用油圧式クレーンのこと。簡単な操作で荷の積み込み、積みおろしが1人の作業者で容易に、しかもスピーディにおこなえ、作業時間の短縮と省力の両面で役に立つ。このクレーンは、ケミカルタンカーの荷役時にケンペラーホースを吊る時に使用する。小型内航船用のケンペラーホースは、4インチ6~9mが主流で、1mあたり約6kgあることから、1本あたりの重量は約36kg~54kgとなる。近年、乗組員の労働負担軽減のためマリーンクレーンを採用する船舶が増えている。
丸木船(まるきぶね) 一本の木をくりぬいて 作った船で代表的な物はカヌーを指す。
丸艫(まるとも) 艫(船尾)の形状が、丸い型の船。追い風に強い。
丸ボイラー(まるぼいらー Cylindrical Boiler) 丸ボイラーは、大量の水をボイラ道内に保有し、水中に没する煙管内に高温の燃焼ガスを通して管の周囲の水を加熱、蒸発させるもの。ケミカルタンカーでは、このボイラから発生する蒸気を利用し、1.貨物槽内の加熱管に蒸気を通し液体化学薬品の温度を一定に保つ、2.粘度の高い物質を運送し終えた後、貨物槽内に蒸気を通し洗浄効果を上げる、3.清水と蒸気をミキシングすることにより、貨物槽内設置のバタワースマシンから温水を噴射し洗浄効果を上げる。等、様々な用途に使用されている。
丸窓(まるまど) 古くから採光装置として用いられていたもので、JISによりA級からC級に区分されている。一般にA級及びB級は乾舷甲板下、C級は乾舷甲板上第一層目の水密上重要な場所に取り付けられ窓で、C級の一部を除いて鋼製の内蓋付になる。
満載喫水線(まんさいきっすいせん) 満載喫水線とは、載貨による船体の海中沈下が許される最大限度を示す線のこと。その標示を要する船舶は、遠洋区域又は近海区域を航行区域をする船舶、沿海区域を航行区域とする長さ24メートル以上の船舶となっている。
満載喫水線規則(まんさいきっすいしんきそく) 満載喫水線を標示を要する船舶は、遠洋区域又は近海区域を航行区域とする船舶、沿海区域を航行区域とする長さ24メートル以上の船舶となっており、満載喫水線の種類、表示方法などの技術基準を規定している。
満載喫水線に関する国際条約(まんさいきっすいせんにかんするこくさいじょうやく) 船舶の安全を確保するため満載喫水線の制限を設け、船の種類、船体寸法に応じて、「ある一定の乾舷を保持することを目的として締結された国際条約で国際満載喫水線条約1966と呼ばれる。
満船飾(まんせんかざり) 船舶が祝意を表わすために、国際信号旗を船首から船尾へ連ねて飾ること。(軍艦の場合は「満艦飾」とも言う)

見掛数量(生数量)(みかけすうりょう) 15℃でオーダーされる数量に対して、実際に払い出される温度に対しての貨物の体積。
ミジップ いままで取っていた舵をもどす場合に使用する。またこの時舵角を指示して戻させることもある。

水切り(みずきり) 船のおもな材料となる鋼板を製鉄所から小型船やバージ(はしけ)で造船所に運搬され、鋼材桟橋に陸揚げされる。これを一般に水切りをいう。
水先区(みずさきく) 港湾や狭水道など、水先人による操船が適当と考えられる海域を水先区という。水先区は、水先人による水先を強制した強制水先区と任意水先区域とに分けられる。強制水先区では、特定の船舶を運航するときは、その船長は水先人を乗り組ませなければならない。
水先人(みずさきにん Pilot) 船の入出港や狭い海峡の通行に際し、本船の船長に代わって、操船に従事する。水先人が乗船していた場合の事故率はいなかった場合の1/6と言われている。
密度(みつど) 単位体積当りの質量のこと。単位はg/cm3。
密閉荷役(みっぺいにやく) 荷役作業中に排除される貨物ガスをベーパー配管を通じて陸上施設へ戻す荷役。オイルタイトハッチ等は全て閉鎖し液面計とピープホールにて液面監視を行う。引火爆発防止と有毒ガス中毒の防止に効果的。

ムアリングウインチ 係船索の巻出し、巻込みを行うための装置。小型内航船では、船首、船尾各2台設置されており、大型船では船首に1~3台、船尾に2~4台設置されている。
ムアリングホール 係留索を船内に取り込む穴。フェアリーダーと違って、干潮満潮の差が大きくても外れる心配がない。
無害通航権(むがいつうこうけん) 沿岸国の平和・安全・秩序を害さない限度において、船舶が他国の領海を航行できる権利。潜水艦の場合は浮上して航行しなければならない。
無線電話(むせんでんわ) 電波を利用して、音声その他の音響を送り又は受けるための通信設備をいう。
霧中信号(むちゅうしんごう) 霧で視界が悪いとき、事故防止のために船舶や灯台から発する音響信号のこと。

面取り(めんとり) 面取りは、工業製品(鋼材、木工など)において、角部を削り角面や丸面などの形状に加工する工法のこと。

モーダルシフト(Modal shift) 環境問題から、貨物の輸送手段の転換を図ること。具体的には、トラックや航空機による輸送を鉄道や船舶による輸送で代替することが考えられている。国土交通省が1991年4月から推進しており、省エネ効果、交通渋滞の緩和、窒素酸化物などの大気汚染の削減、二酸化炭素(CO2)排出削減による地球温暖化防止を目指している。
もやい索発射器(もやいさくはっしゃき) もやい索発射器とは、大型船がターミナル若しくはタンカー船においては沖合に設置のCバースへ着岸(桟)作業を行う際、タグボートによる綱取り作業が無く、船首尾配置員がヒービングラインを遠投しても届かない距離にある場合に使用される。この発射器は、空気呼吸器用ボンベの高圧空気を利用して、ロープ弾を発射するもの。

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雇入契約(やといいれけいやく) 船舶所有者と船員との間で結ばれる乗船契約。契約の内容として、船員は船舶所有者に対して乗船して労働に従事することを約束し、船舶所有者は船員に対して給料その他の報酬を支払うこと等を約束する。
やまじ風 愛媛県東部にある法皇山脈から瀬戸内海に面した平野部に吹き下ろす南よりの強風を「やまじ風」という。

有害液体汚染防止緊急措置手引書(ゆうがいえきたいおせんぼうしきんきゅうそちてびきしょ SMPEP) 有害液体汚染防止緊急措置手引書とは、保管施設や係留施設において海域への有害液体物質の流出事故が発生、又はそのおそれがある場合に、当局との調整等について記載された緊急措置マニュアルのこと。有害液体物質をばら積み輸送する150GT以上の船舶に設置が義務付けられている。
有害液体物質記録簿(ゆうがいえきたいぶっしつきろくぼ) 貨物の積み込み・船内における貨物の移送・貨物の取卸し・予備洗浄・洗浄水の排出・貨物タンクへのバラストの漲排水を行ったときに記載しなければならない記録簿。行った作業はアルファベット符号で記す。
有限責任事業組合(ゆうげんせきにんじぎょうくみあい LLP(Limited Liability Partnership)) LLP」参照
有害防汚方法規制条約(ゆうがいぼうおほうほうきせいじょうやく AFS条約) AFS条約」参照
油水分離器(ゆすいぶんりき) 船底に溜まったビルジ(油水)を水と油に分離させ、分離させた水を船外へ排出する装置。なお、分離した水は、15ppm以下と国際ルールで定められている。
油槽船/油送船(ゆそうせん) 所謂「タンカー」を指す。石油類(原油・重油・軽油)を輸送する船のこと。ケミカル・タンカーも含まれる。
油濁防止緊急措置手引書(ゆだくぼうしきんきゅうそちてびきしょ SOPEP) 油濁防止緊急措置手引書(SOPEP)とは、船舶からの油の不適正な排出があり、又は排出のおそれがある場合におい非常時の通報手続や油排出時の対応方法、当局との調整等について記載された緊急措置マニュアルのこと。150GT以上の油タンカーおよび400GT以上の油タンカー以外の船舶に設置が義務づけられている。

ヨーイング(Yawing) 船首が水平方向左右に首を振るように揺れること。船首に加わる水圧が左右で異なる時、あるいは操舵の拙劣な時に生じる船首左右の振れ。
用船(ようせん Chareter Hire) 運送業者が貸渡業者から船を借りること。またその船舶。⇔(反)社船(しゃせん)
傭船契約(ようせんけいやく) 傭船契約とは、物品運送に使用する船腹の全部又は一部を貸切って、物品の運送をすることを引き受ける契約のこと。傭船契約には航海傭船と定期傭船があり、前者は1航海又は数航海の運送を約するものであり、後者は一定期間の運送を契約するものをいう。
ようそろ ようそろは、航海用語で船を直進させることを意味する操舵号令である。転舵(または転舵命令)のあと、今向いている方向でよしというときに発することが多い。幕府海軍からの名残であり、日本海軍および海上自衛隊では、転じて「了解」「問題なし」の意味で復唱される。漢字では「宜候」または稀に「好候」とも書き、「よーそろー」と発声する。これは「宜しく候(よろしくそうろう)」が変化したものである。
揚錨機(ようびょうき Windlass) ウィンドラス」参照
横持ち(よこもち) 保管・輸送の関係上、カーゴを別の場所に移動させること。
予備船員(よびせんいん) 船員法における予備船員とは、船舶に乗り組むために雇ようされている者で船内で使用されていないものをいう。予備船員制度は現在でも、日本海運固有の制度で、これは明治のなかごろ、日本郵船、大阪商船、三井物産船舶部など、限られた会社の上級船員など限られた船員に、下船中にも手当を支給して、自社船につなぎ止めるために導入した起源をもつ。
余裕水深(よゆうすいしん Under Keel Clearance(UKC)) 水深の浅い水域では、航行中の船体沈下源正、船体動揺による喫水の増加、海図水深の誤差、海水比重による喫水の変化等を考慮し、安全運航のため船底と海底の間に水深の余裕を持たせなければならない。この水深の余裕量を余裕水深(UKC)と呼んでいる。
499船(よんきゅっきゅっう) 499総トン数の船舶。内航では代表的な型。船員の資格は500総トン数以上の場合、上位資格取得が課されている。(参考・・・船舶職員及び小型船舶操縦者法第18条、同施行令第5条)例えば、499トン(沿海区域)であれば、船長の海技資格は5級海技士(航海)で良いが、500トン以上だと、4級海技士以上でならねばならない等

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ライン・フラッシング(Line Flushing) 端切り」(はなぎり)参照
落下傘付信号(らっかさんつきしんごう) 遭難時に周囲の船舶や航空機に救助を求めるため発する信号であり、発射上昇後、高さ300メートル以上の箇所において開傘し、かつ、点火して落下しながら赤色星火を発するものをいう。
ラットガード 係留中にねずみなどの生物が侵入するのを防止するために係留用ロープに取り付けるつば状のもの。
ラニーニャ(La Niña) エルニーニョの逆で、日本には猛暑の夏・梅雨期の豪雨などをもたらす。
ランプサム契約(らんぷさむけいやく Lump-sum) 通常の輸送数量×単価による運賃精算とは異なり、輸送数量に拘わらず、船1隻を賃借した場合の固定運賃を支払う運送契約。

リークテスト ローディングアームまたはケンペラーホースを本船のマニホールドに接続した後、海洋汚染防止また海洋環境保護の観点から荷役開始前にエアー(窒素)を配管内に通気しフランジ部等に石けん水をかけ同箇所から漏れがないかを確認する作業のこと。
リーサイド (Lee side) 気象・海象観測の仕事をリーサイドと呼ぶが本来の意味は風下側のこと指す。これは航海中に安全な気象観測を行うには、風下側が良いことに由来している。チェックする項目は、気温と湿度、気圧、水温、雲、波浪などの計8項目。             (対義語=ウェザーサイド)
離岸距離(りがんきょり) 船舶の離岸距離は、自船の大小、速力、喫水。、外力の影響、視界や他船の状況によって決められ、船舶交通量や操業中の漁船を避航する余裕水域や、舵・機関など不慮の故障に即応できる安全距離を第一要件として決定しなければならない。一般的には、内海航路では1海里、外洋航路では5海里、夜間の航路標識のない外洋航路では、10海里以上離岸するのがよいとされている。
離岸流(りがんりゅう) 海岸の波打ち際から沖合に向かってできる潮の流れのこと。幅10m前後で生じる局所的に強い引き潮。一般に、比較的一様な流れである沿岸流が存在する海域よりも海岸に近い海域で、沖合から海岸に向かう向岸流、海岸に沿って流れる並岸流、海岸から離れ沖合に向かう離岸流として、一つの循環系を形成している海浜流系のひとつである。 離岸流の発生は、その海岸の地形に依存する以外にも、風向及び風速などの気象並びに潮流及び潮汐などの海象により様々に変化して発生する。
リキッド・カーゴ(Liquid Cargo) 液体貨物の総称。輸送には石油缶、ドラム・液体コンテナ等詰品とばら積みの荷姿があるが、ばら積み輸送をする船をタンカーという。⇔(反)ドライ・カーゴ(Dry Cargo)
陸風(りくかぜ) 夜間になると、陸上は熱の放射によって海上の空気よりも低温となる。このため海上側で(気圧が低くなる)上昇気流が起こり、それを補うため陸上から風が吹く。これを陸風という。
リグナムバイタ 世界で最も重い木材であり、比重が1.20~1.35あることから水に沈む。また100℃以上に熱すると中から樹脂が出るので、この性質を利用し船舶では船尾管軸受として採用されていた。
リベット 鋲(びょう)の事。重ね合わせた鋼材を締結するのに用いる金属製の機械部品。丸形・平形・皿形などの頭部をもち軸部を接合する穴に下から差し込んで、余りの軸端をつぶして締結して使用する。
RIM価格(リム価格)(りむかかく RIM Fare) リム情報開発株式会社が配信しているサービスで、内外原油から石油製品を対象として、各油種のスポット市場に焦点を当て、需給状況、取引詳細および成約情報などを配信している。一例として、京浜および西日本の海上スポット月間平均値を毎日配信している。これは、石油関連業者が海上市場で取引する際の指標価格として、広く活用されている。リム情報開発株式会社は1984年2月、環太平洋、いわゆる「パシフィック・リム」の石油マーケット情報を発信するために設立された。「RIM=リム=環」が社名の由来となっている。
竜骨(りゅうこつ) キール」参照
流速(りゅうそく) 陸上と船舶間の積荷・卸荷作業における荷物(液体)の移動速度。時間当たり○○Klで表される。積荷トン数を流速で除すれ(割れ)ば、作業・卸荷作業時間が出る。
流電陽極防食法(りゅうでんようきょくぼうしょくほう) 被防食体(船体)より卑な電位を持つ金属アノード(亜鉛板)を直接被防食体に取り付けることで連続的に防食電流を発生させ、その金属自ら消耗する防食法のこと。犠牲陽極法とも呼ばれる。
両罰規定(りょうばつきてい) 船舶安全法第18条において、船舶検査証書の不所持、航行区域又は従業制限の違反、最大搭載人員の超過、満載喫水線の超過その他の違反等について、船長以外の乗組員が違反した場合、違反行為者である船員及び監督責任者である船長を、船長が違反した場合は、違反行為者である船長及び業務主体の監督責任者である船舶所有者を、船舶所有者の代表者、代理人、使用人、その他の従業員(船舶乗組員を除く)が船舶所有者の業務に関し違反した場合は違反行為者及び船舶所有者の両者を罰する規定を定めている。
緑灯(りょくとう) 海上衝突予防法におけるげん灯とは、それぞれ112度30分にわたる水平の弧を照らす紅灯及び緑灯の1対であり、緑灯にあってはその射光が正船首方向から右げん正横後22度30分までの間を照らすように右げん側に設置される灯火をいう。
臨時航行許可証(りんじこうこうきょかしょう) 臨時航行検査に合格した船舶には、臨時航行許可証が交付される。これには許可された航行水域とその期間、および航行上の条件が記載されており、船舶検査証書と同様に船内の見やすい場所に掲示することが義務付けられている。
臨時航行検査(りんじこうこうけんさ) 臨時航行検査とは、いまだ船舶検査証書の交付を受けていない船舶、中間検査などを受検中のために船舶検査証書の効力が停止されている船舶などを検査地へ回航するなど、臨時に航行させる必要が生じた場合に、当該航行に必要な事項について行う検査のこと。
臨時投入船(りんじとうにゅうせん Trip Chater) 積地から揚地までの1航海だけを借りる短期間の傭船契約のことを指す。なお、定期傭船契約と違い運航に関わる全ての費用(船費(船員費、修繕費、船用品費、減価償却費、保険料)運航費(燃料費、港費))は、船主が負担する。

ルックアウト(look out) 見張り。航海当直中の周囲への監視。予防法では、肉眼だけでなく、レーダーによるもの、聴覚によるものも含まれる。
ループ掃気(るーぷそうき) 2サイクル機関における掃気方法で、シリンダー内でループ(環)を描いて掃気すること。

レスポンシブルケア(Responsible Care) 化学物質を扱う企業が化学製品の開発から製造、使用、廃棄に至る全ての過程において、自主的に環境・安全・健康を確保し、社会からの信頼性向上とコミュニケーションを行う活動のこと。
レッコー 語源は「Let go~=レットゴー」。何かを捨てるときや、降ろすとき等に使用される。例えば錨を投錨する際は、「レッコ―アンカー(Let go anchor)」と言う。
レット(サンドレッド) 船舶側の係船索を陸上側に渡す際に必要となるもの。係船索の先端に取付け遠心力により陸上側目掛けて遠投する。かつては、レットの中に砂が入っていたことによりサンドレッドと呼ばれていたが、現代はゴムを使用しているため、レットと呼ばれることが多い。
レデューサー 船側と陸側の接続部の口径が異なる場合に使用する、口径調整のための取り外し式の短管。
レーシング プロペラの一部が、水面上に露出している状態をいう。プロペラが露出すると、推進効率が落ちる他プロペラ翼、軸系統及び主機関に損傷を招くおそれがある。
レーダー レーダーとは、船舶のマストの上に設置されたアンテナから周囲に電波を発射し、その反射波によって障害物の存在と、そこまでの距離・方位を探知する装置のこと。
レーダートランスポンダ(SART:Search and Rescue Radar Transponder) 船舶や航空機が海上で遭難あるいはこれに類する人命の安全に係る重大な事故に遭遇した場合に使用する救命設備。
レピーターコンパス ジャイロ若しくはGPSコンパス(親器)からの信号を受取り、離れた場所においてもコンパスの示度を確認することのできるコンパス(子器)のことをいう。通常レピーターコンパスは、船橋前面中央に配置されている。船舶の大きさによって、船橋ウイングに配置されている場合もある。
レベルゲージ(Liquid-Level Gauge) 液面計」参照
連続最大出力(れんぞくさいだいしゅつりょく Maximum continuous rating or output) 機関が安全に連続使用出来る最大の出力で、この出力で機関の強度を計算する。〇〇KWの主機といった場合には連続最大出力を意味する。
連トリ 連続トリップの略。連続して複数の航海用船をすること。航海用船では航海数を明示する。内航海運業法では再用船を禁止しており、専属的下請運送業者は元請運送業者に対する船腹提供を連続トリップ形式としていることが多い。

ローリング(Rolling) 船舶が垂直方向左右に揺れること。波を横方向から受けたときに起こる横揺れ。
ローズボックス(ローズボックス Rose box) ゴミの混入を防ぐために、ビルジ吸引管に備えつけられるもの。
ローディングアーム ローディングアーム。タンカー側のマニホールドと陸上の配管を接続するための可動式の荷役配管。
ローディングマニュアル(Loading Manual) ローディングマニュアルは、復原性要件を満たす積み付け案において静水中の縦曲げ モーメント、剪断力が許容値以下になっているかを確認するための手順を述べたもの。造船所が作成し、船舶就航前に船舶に渡される。
六分儀(ろくぶんぎ) 天体や物標の高度、水平方向の角度を測るための道具で天文航法を行う際に使用する。

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わい潮(わいちょう) 反流のこと。「わい潮」などとも呼ばれ、地形や岸壁などの形により、主流(本流) の内側で、主流の潮の流向とは逆向きとなっている部分の流れをいう。
ワーピングエンド キャプスタンの上部や ウインドラスの両端にある係留索巻き取りドラム。
ワッチ(Watch) 当直(watch)のこと。Watch(見守る)が訛ったもの。見張り、見張り人。3直制では4時間当直、8時間休憩を繰り返す。
わん曲部信号(わんきょくぶしんごう) 海上衝突予防法第三十四条6項に規定されており、わん曲部で相手船が視認できない場合に行う汽笛信号。長音1回。聞いた相手は同じく長音1回で答える。
湾曲部竜骨(わんきょくぶりゅうこつ) ビルジキール」参照

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A

Abstract log(あぶろぐ) アブログ」参照
Advance(あどばんす アドバンス) アドバンス」参照
AFS条約(えーえふえすじょうやく 有害防汚方法規制条約) 2001年の船舶の有害な防汚方法の規制に関する国際条約。別名、有害防汚方法規制条約ともいう。船体の喫水線の外板に付着する貝や海藻などの生物により推進抵抗が増加して、燃費消費が悪化する。この防汚方法として外板の塗装に有機スズ化合物を含む塗料が使われていたが、有機スズ化合物による海洋生物及び人の健康に対する悪影響が懸念され、国際的規制の必要性から締結された条約のこと。
Air Run エアーラン」参照
AIS(えーあいえす 船舶自動識別装置) Automatic Identification Systemの略。船舶に搭載し、識別符号、船名、位置、針路、船速、行き先などの船舶固有のデータを自動的にVHF無線で送受信する装置。レーダーでも識別できない島影の船舶も識別できる。船舶相互間、船舶・陸上間で通信を行う。SOLAS条約(海上人命安全条約)の改正により、平成20年(2008年)7月までに、内航船舶でも500総トン数以上の船舶に対し順次搭載が義務化される。観音埼のほか、7箇所にAIS陸上局を設置し、AIS搭載船舶と自動的にデータ通信を行っている。
Anchorage(あんかれっじ 泊地(はくち)) 泊地(はくち)」参照
Anchor Bed(あんかーべっど アンカーベッド) アンカーベッド」参照
Aneroid barometer(あねろいど ばろめーたー アネロイド気圧計) アネロイド気圧計」参照
Anti-Fouling paint (あんちふぁうりんぐぺいんと) AF塗料」参照
APT(After-peak Tank あふたーぴーくたんく 船尾水槽(せんびすいそう)) After-peak Tankの略。「アフターピークタンク」参照
Arming hole(あーみんぐほーる) アーミングホール」参照
Aromatic Compound(あろまてぃっくこんぱうんど 芳香族) 芳香族(ほうこうぞく)」参照
ARPA(えーあーるぴーえー 自動衝突予防援助装置 アルパー) Automatic Radar Plotting Aidsの略。自動衝突予防援助装置。レーダーに映る他船などの物標の位置をプロッティングする事により、その物標の将来位置を予測し、危険がどうかを判定する作業をコンピューターで自動処理する。
Arm(あーむ アーム) アーム」参照
Automated Meteorological Data Acquisition System(おーとめいてっど めとろろじかる でーた あくいじしょん しすてむ アメダス) アメダス」参照
Autopilot(おーとぱいろっと 自動操舵装置) 自動操舵装置(じどうそうだそうち)」参照

B

Ballast(ばらすと バラスト) バラスト」参照
Bare Boat Charter(べあぼーとちゃーたー 裸用船) 裸用船(はだかようせん)」参照
Barrel(ばーれる バーレル) 1バーレルとは 原油や石油類を計量する容積の単位で、単位記号はbbl.と表記する。1バーレルは約158.9L。バーレルの語源は、14世紀頃の仏国barilで、英語で「樽」(たる)のこと
BCH Code(びーしーえいち こーど バルクケミカルコード) バルクケミカルコード」参照
Berth(ばーす バース) バース」参照
BHP(びーえいちぴー) 船舶に搭載している主機の馬力を表したのもの。過去にPS、HPで表していたこともあった。1999年9月30日を境にSI単位の導入によりPS、HPは廃止されKWに統一された。(1PS=0.735.5kw)
Bilge(びるじ ビルジ) ビルジ」参照
Bitt(びっと ビット) ビット」参照
Boatswain’s chair(ぼうすんちぇあ ボースンチェア) ボースンチェア」参照
Boatswain’s store(ぼーすんずすとあ ボースンストア、甲板長倉庫) ボースンストア」参照
Bollard(ぼらーど ボラード) ボラード」参照
Bonding(ぼんでぃんぐ ボンディング) ボンディング」参照
Bow(ばう 濶潤iおもて)) 濶潤iおもて)」参照
Bow Down Trim(ばうだうんとりむ バウ・ダウン・トリム) バイ・ザ・ヘッド」参照
Bow Thruster(ばうすらすたー バウスラスター) バウスラスター」参照
Broaching(ぶろーちんぐ ブローチング) ブローチング」参照
BTX(びーてぃーえっくす) ベンゼン(Benzene)、トルエン(Toluene)、キシレン(Xylene)のこと。
Breasthook(ぶれすとふっく ブレストフック) ブレストフック」参照
Bridge(ぶりっじ 船橋) 船橋」(せんきょう)参照
BRM(びーあーるえむ) Bridge Resource Managementの略。船舶の安全運航のため、乗務員、設備、情報など船橋(ブリッジ)において利用可能 なあらゆる資源(リソース)を有効に活用すること。航空の分野で提唱されたCRM (Cockpit resource management)の概念を船舶に応用したもの。
Bulkhead(ばるくへっど、隔壁) 隔壁(かくへき)」参照
Bulbous Bow(ばるばすばう バルバス・バウ) バルバス・バウ」参照
Bulwark(ぶるわーく) 舷墻」(げんしょう)」参照
Bunkering(ばんかりんぐ バンカー) バンカー」参照
Bunker Surcharge(ばんかーさーちゃーじ バンカー・サーチャージ) バンカー・サーチャージ」参照
Buoy(ぶい 浮標) 浮標(ぶい)」参照
Butterfly valve(ばたふらいばるぶ バタフライ弁、左舷) バタフライ弁(ばたふらいべん)」参照
Butterworth Machine(ばたわーすましーん バタワース・マシン) バタワース・マシン」参照
By the Head(ばいざへっど 濶暑r) 濶暑r(おもてあし)」参照
By the Stem(ばいざすたん 艫脚) 艫脚(ともあし)」参照

C

Cable holder(けーぶるほるだー ケーブルホルダー) ケーブルホルダー」参照
Call Sign(こーるさいん 信号符字) 信号符字(しんごうふじ)」参照
Cargo(かーご カーゴ) カーゴ」参照
Cavitation(キャビテーション) キャビテーション」参照
CDI(しーでぃーあい) 主に化学製品を扱う港湾施設や石油製品タンカーに関する安全基準の設定を目的とした非営利組織のこと。Chemical Distribution Institute:ケミカル ディストリビューション インスティチュートの頭文字を取り、CDIと言われている。なお、OCIMFではSIRE若しくはCDIいずれかの検船を必須としている。
Central Cooling Systems(せんとらるくーりんぐしすてむず セントラルクーリングシステム) セントラルクーリングシステム」参照
Chain Pipe(ちぇーんぱいぷ チェーンパイプ) チェーンパイプ」参照
Chain stopper(ちぇーんすとっぱー チェーンストッパー、制鎖器) チェーンストッパー」参照
Chemical Tanker(けみかるたんかー ケミカル船) ケミカル船(けみかるせん)」参照
Chart(ちゃーと 海図) 海図(かいず)」参照
Charter Base(ちゃーたーべーす チャーターベース) チャーターベース」参照
Chareter Hire(ちゃーたーはいやー 用船) 用船(ようせん)」参照
Chief Officer(ちーふおふぃさー チョッサー) チョッサー」参照
Chipping Hammer(ちっぴんぐはんまー チッピングハンマー) チッピングハンマー」参照
Chronometer(くろのめーたー クロノメーター) クロノメーター」参照
CIF(しふ 運賃・保険料込み条件) 貿易における取引条件のひとつ。CIFによる契約では、売主(輸出者)は、貨物を荷揚げ地の港で荷揚げするまでの費用(運賃、海上保険料等)を負担し、荷揚げ以降の費用(輸入関税、通関手数料を含む)は買主(輸入者)の負担となる。危険負担(リスク)は貨物が積み地の港で本船に積み込まれた時点で移転する。(海上保険は売主(輸出者)が手配しているが、運送中に事故が起きて貨物が損壊した場合、買主(輸入者)の代金支払い義務は依然としてあることに注意が必要)。【参考】FOB
Clean Oil(くりーんおいる 白油) 白油(はくゆ)」参照
Clear Height(くりあはいと クリアハイト) 船倉内、または、居室内の高さを通常よりも高く取ることを言う。クリアハイトを取ることにより、船倉内の積載可能な高さを確保することが出来、また、居室も広く取ることが出来る。
Cleat(くりーと クリート) クリート」参照
Clutch(くらっち クラッチ) クラッチ」参照
COA(Contract of affreightment) 数量輸送契約のこと。特定の貨物(石炭、原油など)を大量かつ長期間輸送する場合、数量、期間、航路、運賃について変動せず一定の条件で輸送する契約。なお、船主は使用する船舶を任意に決定できる。
Coasting Area(こーすてぃんぐえりあ 沿海区域) 沿海区域(えんかいくいき)」参照
Coasting Qualification(こーすてぃんぐくおりふぃけーしょん 沿海資格) 沿海資格(えんかいしかく)」参照
COC(しーおーしー 荷役管理室) Cargo Oil Controlの略語。「荷役管理室(にやくかんりしつ)」参照
Coil down(こいるだうん コイルダウン) コイルダウン」参照
Conbination Ladder(こんびねーしょんらだー コンビネーションラダー) コンビネーションラダー」参照
Constant tension winch(こんすたんとてんしょんうぃんち オートテンションウィンチ) オートテンションウィンチ」参照
Contamination(こんたみねーしょん コンタミ) コンタミ」参照
Color check(からーちぇっく カラーチェック) カラーチェック」参照
COLREG条約(こるれぐじょうやく) 1972年にIMOで採択された海上における衝突の予防のための国際規則。わが国では昭和52年7月に海上衝突予防法として施行されるとともに、船舶設備規程の改正として取り入れられた。船舶の航行安全のための基本的な航海ルール。
Comsal(こむさーる コムサール) コムサール」参照
Controllable Pitch Propeller(こんとろーらぶるぴっちぷろぺらー 可変ピッチ・プロペラ) 可変ピッチ・プロペラ(かへんぴっちぷろぺら)」参照
Course again(こーすあげいん コース・アゲーン) コース・アゲーン」参照
Crash Astern クラッシュアスターン」参照
Cross Bearing(くろすべありんぐ クロス方位法) クロス方位法(くろすほういほう)」参照
Cyclone(さいくろん サイクロン) サイクロン」参照
Cylindrical Boiler(しりんだーぼいらー) 丸ボイラー」参照

D

Dead Ship(でっどしっぷ デッドシップ状態) デッドシップ状態」参照
Dead Space(でっどすぺーす デッドスペース) デッドスペース」参照
Dead Weight Tonnage(でっどうぇいと デット・ウェイト) デット・ウェイト」参照
Degree Celsius(でぃぐりーせるしうす 摂氏) 摂氏(せっし)」参照
Degree Fahrenheit(でぃぐりーふぁーれんはいと 華氏) 華氏(かし)」参照
Delivery Order(でりばりーおーだー デリバリー・オーダー) デリバリー・オーダー」参照
Demurrage(でまれっじ デマレッジ) デマレッジ」参照
Derelict(でれりくと 委棄船) 「委棄船(いきせん)」参照
Deviation(でびえーしょん 自差) 自差(じさ)」参照
Diaphragm(でびえーしょん 自差) 自差(じさ)」参照
Discharge(だいあふらむ ダイアフラム) ダイヤフラム」参照
Dirty Oil(だーてぃーおいる 黒油) 黒油(こくゆ)」参照
Disc Sander(でぃすくさんだー サンダー) サンダー」参照
DOC(でぃーおーしー) Document of Complianceの略。任意ISMにおける「適合認定書」のこと。SMCが船に対する審査であり、DOCは当該企業に対する審査である。5年毎の更新審査と1年毎の年次審査がある。
Dock(どっく ドック) ドック」参照
Dock Receipt(どっくれしーと ドック・レシート) ドック・レシート」参照
Double Hull(だぶるはる ダブル・ハル) ダブル・ハル」参照
Doubling Plate(だぶりんぐぷれーと ダブリングプレート) ダブリング・プレート」参照
Downburst(ダウンバースト ダウンバースト) ダウンバースト」参照
Drain(どれん ドレン) ドレン」参照
Drop Line(どろっぷらいん ドロップライン) ドロップライン」参照
Dry Cargo(どらいかーご ドライ・カーゴ) ドライ・カーゴ」参照
Dutchman’s log(だっちまんずろぐ ダッチマンログ) ダッチマンログ」参照

E

ECDIS(えくでぃす) Electronic Chart Display and information Systemの略。電子海図表示・情報システム。ECDISは、航海用センサー(GPS等)により得られる船位情報と航海用電子海図から選定された情報を表示する事ができる。この表示画面上には航海士により入力される航路計画と航行監視、必要に応じ付加的な航海関連情報(レーダー映像、航路上の危険海域に対する警報)を重畳表示する事もできる。
Echo Sounder(えこさうんだー、音響測深儀、エコサウンダー) 音響測深儀」(おんきょうそくしんぎ)参照
El Niño(えるにーにょ エルニーニョ) エルニーニョ」参照
ENC(いーえぬしー 航海用電子海図) Electronic Navigational Chartの略。「航海用電子海図」(こうかいようでんしかいず)参照
Engine telegraph(えんじんてれぐらふ エンジンテレグラフ) エンジンテレグラフ」参照
E-PIRB(いーぱぶ 非常用位置指示無線標識装置) Emergency position indicate radio systemの略。「非常用位置指示無線標識装置(ひじょうよう いちしじ むせんひょうしきそうち)」参照
Ebb tide(えぶたいど 下げ潮) 「下げ潮(さげしお)」参照
Erosion(いろうじょん エロージョン) 「エロージョン」参照
ETA(いーてぃーえー) Estimate Time of Arrivalの略。到着予定時刻のこと。Estimate…見積り、概算
ETD(いーてぃーでぃー) Estimate Time of Departureの略。出航予定時刻のこと。
Even Keel(いーぶんきーる イーブンキール 平脚(ひらあし)) イーブンキール」参照
Expansion Trunk(えくすぱっしょんとらんく 膨張トランク) 膨張トランク」参照
Exposed Deck(えくすぽーずどでっき 暴露甲板) 暴露甲板」参照
Eyelet(あいれっと アイレット) アイレット」参照
Eyewall(あいうぉーる アイウォール) アイウォール」参照

F

Fashion Plate(ふぁっしょんぷれーと ファッションプレート) ファッションプレート」参照
Feed water filter tank(ふぃーどうぉーたーふぃるたーたんく カスケードタンク) カスケードタンク」参照
Fair leader(ふぇありーだー) 船体が波などで前後に動いた時に、ホーサーの損傷を防ぐために設けられた ローラー(Roller)。ホーサーの巻き込み、巻き戻しの時に抵抗なく動作させる機能も持つ。
Flame arrestor(ふれーむあれすたー フレームアレスター) フレームアレスター」参照
Flange(ふらんじ フランジ) フランジ」参照
Floating-roof Tank(ふろーてぃんぐるーふたんく フローティングルーフ・タンク) フローティングルーフ・タンク」参照
Fixed Pitch Propeller(ふぃっくすどぴっちぷろぺらー 固定ピッチ・プロペラ) 固定ピッチ・プロペラ(こていぴっちぷろぺら)」参照
Fixed Pitch Propeller(ふぃっくすどぴっちぷろぺらー 固定ピッチ・プロペラ) 固定ピッチ・プロペラ(こていぴっちぷろぺら)」参照
Flagging Out(ふらっぎんぐあうと フラッキング アウト) フラッキング アウト」参照
Flag of Convenience Ship(ふらっぐおぶこんびにえんすしっぷ FOC船) FOC船」参照
Flood tide(ふらっどたいど 上げ潮) 上げ潮(あげしお)」参照
FRP(えふあーるぴー) 「Fiber Reinforced Plastics」の略。ガラス繊維や炭素繊維などで混ぜた強化プラスチックで、軽く、強度が高い。さらに、腐食しない(防錆塗装の必要がない)、非磁性(磁気に作用しない)で複雑な成型が可能などといった利点がある。
FSS CODE(えふえすえすこーど 火災安全設備のための国際コード) SOLAS条約付属のコードで、国際陸上施設連結具、人員の保護、消火器、固定式ガス消火装置、固定式泡消火装置、固定式加圧水噴霧  及び水煙消火設備、自動スプリンクラ装置、固定式火災探知警報装置、試料抽出式煙探知装置、低位置証明装置、固定式非常用消火ポンプ、脱出設備の配置、固定式甲板泡装置、イナートガス装置の仕様を規定している。
FOB(えふおーびー 本船甲板渡し条件) Free On Boardの略。貿易における取引条件のひとつ。海上輸送または内陸水路輸送のみに使用され、 本船渡し、本船積込渡しなどとも訳される。FOBによる契約では、売主(輸出者)は、貨物を積み地の港で本船に積み込むまでの費用及びリスクを負担し、それ以降の費用(運賃、海上保険料、輸入関税、通関手数料等)及びリスクは買主(輸入者)が負担する。費用とリスクが移転する時点は、貨物が本船の舷側欄干(Ship’s rail)を越えたときである。インコタームズ(INCOTERMS)によれば、FOB契約においては、船腹予約及び海上保険の手配の義務は買主(輸入者)にある。輸入者にとっては、割引交渉のできる船会社を使えれば運賃が安くできること、貨物の到着スケジュールがコントロールできること、事故があった場合に自国の保険会社であれば手続きがスムーズにいきやすいことなど、FOB契約の方が有利な点が多い。一方、現地における船や保険の手配が自国からはできず、売主(輸出者)に任せたい場合は、インコタームズの例外であるから、契約書に書いておかなければならない。売主(輸出者)にとっては、貨物を船に積み込むまではリスクを負っているので、積み込みまでの間の保険をかけることがある(輸出FOB保険)。なお、インコタームズではなく改正アメリカ貿易定義による取引条件を用いる場合は、FOBは必ずしも本船渡しを意味しない場合があることに注意。(本船渡しを指示する場合は、FOB Vessel Tokyoなどと書く)【参考】CIF
Force Majeure Clause(ふぉーすまじゅーるくろーす フォース・マジュール条項) フォース・マジュール条項(ふぉーすまじゅーるじょうこう)」参照
FPT(Forepeak Tank ふぉあぴーくたんく 船首水槽(せんしゅすいそう)) フォアピークタンク」参照
Freeboard(ふりーぼーど 乾舷(かんげん)) 乾舷」(かんげん)参照」参照
Fresh Water(ふれっしゅうぉーたー フレッシュウォーター) フレッシュウォーター」参照
FTP CODE(えふてぃーぴーこーど 火災試験法の適用に関する国際コード) SOLASⅡ-2章で要求される防砂設備に対する火災試験を規定した「火災試験法の適用に関する国際コード)で1998-7-1以降に適用されている。試験機関、承認について規定し、附属書1に不燃性試験、煙及び毒性試験、防火仕切りの試験等の各種火災試験方法、附属書2に試験または承認がなくても船舶に装備できる製品について規定されている。
Fuel Oil(ふゅーえるおいる 燃料油) 燃料油」参照
Funnel Mark(ふぁんねるまーく ファンネルマーク) ファンネルマーク」参照

G

Gas Free(がすふりー ガスフリー) ガスフリー」参照
General Average(G/A)(じぇねらるあべれーじ 共同海損) 共同海損(きょうどうかいそん)」参照
General Average (G/A) expenditure(じぇねらるあべれーじえくすぺんでぃてゅー 共同海損費用) 共同海損費用(きょうどうかいそんひよう)」参照
General Average (G/A) sacrifice(じぇねらるあべれーじさくりふぃす 共同海損犠牲損害) 共同海損犠牲損害(きょうどうかいそんぎせいそんがい)」参照
Glare(ぐれぇあ) グレア」参照
GMDSS(じーえむでぃーえすえす) 「Global Maritime Distress and Safety System」の略。海上における遭難及び安全に関する世界的な制度。衛星通信技術やディジタル通信技術等を利用することで、船舶が世界中のどこを航行していても、遭難・安全通信をより迅速・確実に行うことができるシステムのこと。
Grease nipple(ぐりーすにっぷる グリスニップル) グリスニップル」参照
Green Flash(ぐりーんふらっしゅ グリーンフラッシュ) グリーンフラッシュ」参照
Gross Tonnage(ぐろすとなーじ グロストン) グロストン」参照
Gust(がすと ガスト) ガスト」参照
Gypsy Wheel(じぷしーほいーる ジプシーホイール) ジプシーホイール」参照

H

Harbor Due(はーばーでゅー 入港料) 入港料(にゅうこうりょう)」参照
Hard Port(はーどぽーと ハードポート) 船の操舵号令の一つで、舵を左に一杯切ること。(戦時中、日本では外国語の使用が禁じられていたため、旧名を取り舵と言う)
Hawser(ほーさー 係船索) 係船索(けいせんさく)」参照
Head up(ヘッドアップ ヘッドアップ) ヘッドアップ」参照
Heating Pipe(ひーてぃんぐ ぱいぷ 加熱管) 加熱管(かねつかん)」参照
High level alarm(はいれべるあらーむ 高位液面警報、ハイアラーム) 高位液面警報」参照
Hire Base(はいやーべーす ハイヤーベース) ハイヤーベース」参照
Hogging(ほぎんぐ ホギング) ホギング」参照
Housing(はうじんぐ 収錨) 収錨(しゅうびょう)」参照
Hand Rail(はんどれいる) 手摺(てすり)」参照
Heave to(ひーぶ とぅ) 踟躊(ちちゅう)」参照
High Water(はいうぉーたー 高潮) 高潮(こうちょう) 参照」参照

I

IALA(あいえーえるえー) International Association of Marine Aids to Navigation and Lighthouse Authoritiesの略。国際航路航路標識協会のこと。側面標識の違いによりA方式(左舷標識が赤)とB 方式(右舷標識が赤)に分かれる。B方式は日本、アメリカ、韓国、フィリピンなど。
IBC CODE(あいびーしーこーど) 1986年7月以降に建造されたケミカル船については、化学薬品の危険性(毒性、腐食性、引火性等)に応じ、船舶の構造及び設備条件が規定され、タイプⅠ(二重底+厚い二重の外板(側板)、タイプⅡ(二重底+二重外板(横板)、タイプⅢ(二重底のみ)、それ以外に分類されている。
IBS(あいびーえす 統合化船橋システム) 「Integrated Bridge System」の略。IBSとは、航海、機関、通信のほか荷役、保安、船内管理などの情報を総合的に集約し処理するシステムのことをいう。ヨーロッパではコクピットタイプの船橋設計に見られるように早くからIBSの開発が進められてきた。 システムのレイアウトはメーカごとにことなるが、基本的には飛行機のコックピットのような配置をイメージしており、一人当直をおこなうにあたり必要な情報を有効利用できるよう配置されている。
Idle Ship(あいどるしっぷ アイドル・シップ) アイドル・シップ」参照
IGC CODE(あいじーしーこーど) 液化ガスの撒積運送のための船舶構造および設備に関する国際規制。1986年以降に建造された全ての液化ガス運搬船に強制的に適用される。設計基準、構造配置、搭載設備、艤装品について詳細な要件が規定されている。
IGF Code(あいじーえふ こーど 国際ガス燃料船安全コード) 国際ガス燃料船安全コード(こくさいがすねんりょうせんあんぜんこーど)」参照
ILO(あいえるおー) International Labour Organizationの略。「国際労働機関(こくさいろうどうきかん)」参照
IMDG CODE(あいえむでぃーじーこーど) IMDG CODEは危険物海上運送国際規則でSOLAS第Ⅱ-2章第54規則「危険物を運送する船舶の特別要件」及び第Ⅶ章「危険物の運送」のA部「危険物の個品又はばら積み運送」にIMDG CODEが引用され、前者は1984-9-1、後者は1986-7-1以降に建造される船舶に適用される。
IMO船舶識別番号(あいえむおーせんぱくしきべつばんごう) IMOの3文字に7桁の数字によって構成。
国際海事機関(IMO)が個々の船舶、船舶所有者、船舶管理者に与えられる番号。海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS)によって海事上の安全、汚染防止及び海事上の詐欺行為の防止を促進させるため規定された。船舶に与えられたIMO番号は廃船になるまで変更されることがなく、所有者や船籍が変更されたとしても変更されない。
IMO(あいえむおー) International Maritime Organizationの略。「国際海事機関(こくさいかいじきかん)」参照
IMO number(あいえむおーなんばー) IMOナンバー」参照
Incident(いんしでんと インシデント) インシデント」参照
Index Error(いんでっくすえらー インデックスエラー) インデックスエラー」参照
Inert Gas(いなーとがす イナートガス) イナートガス」参照
Incoterms(いんこたーむず インコタームズ) インコタームズ」参照
INMARSAT(いんまるさっと インマルサット) 「International Maritime Satellite Organization」の略。「インマルサット」参照
INS(あいえぬえす インテグレイテッド・ブリッジ・システム) 「Integrated Navigation System」の略。「インテグレイテッド・ブリッジ・システム」参照
IS CODE(あいえすこーど) IMOで規定している非損傷時の復原性基準と復原性に関する新たな設計手法をコード化したもの。
ISGOTT(いすごっと) 「International Safety Guide for Oil Tankers and Terminals」の略。オイルタンカーとターミナルに関する国際安全指針。この指針は石油製品を取扱うタンカー及びタンカー受入れ基地における安全な輸送と、取扱いに関しタンカー乗組員及び基地作業員のために制定した作業手順等に関する勧告書。IMO等の審議においても常に参照される指針。日本の「危険物船舶輸送及び貯蔵規則」にも取り入れられている。
i-Shipping(あいしっぴんぐ 海事生産性革命) 海事生産性革命」参照
ISM CODE(あいえすえむこーど 国際安全管理コード(ISMコード)) 国際安全管理コード(こくさいあんぜんかんりこーど)」参照
ISO(国際標準化機構) International Organization for Standardizationの略「国際標準化機構(こくさいひょうじゅんかきこう)」参照
ISPS CODE(あいえすぴーえすこーど) SOLASⅪ-2章で要求される海事保安に関し、政府、関係業界等の枠組みを規定した「船舶及び港湾施設の保安のための国際コード」で、2004-7-1以降に適用されている。Part A強制要件とPart B ガイダンスとからなり、海事保安を高めるための対象を船舶、船社、港湾、船籍国とし、船舶の保安レベルを3段階に分け各状態での役割、要件等を規定している。なお、同コードは外航船が諸外国に入港するときに適用を受け、内航船は同コードの適用は受けない

J

Jyro compass(じゃいろこんぱす ジャイロ・コンパス) ジャイロ・コンパス」参照

K

Kedge Anchor(けっじあんかー ケッジアンカー) ケッジアンカー」参照
Kick(きっく キック) キック」参照
Kink(きんく) キンク」参照
Knot(のっと ノット) 1ノットは、1時間に1海里(1マイル…約1852m)進む速さ。10ノットでは時速約18km。Knotは、元々「結び目」という意で、昔、「結び目」をいくつも結んだロープを船から海に流し、ある一定の時間でどれだけ「結び目」が海に流れたか、時間を計ったことから、ノット(knot)と使われた。
KoshinVane(こーしんべーん コーシンベーン) コーシンベーン」参照
KY(けーわい ケーワイ) 危険(Kiken)予知(Yochi)又はその能力のこと。KYTは危険予知訓練のこと。日常、職場や作業状況の中で潜在的な危険を感じ取り、職場の集団で話し合い、作業行動を行う前に危険を予知し、安全な手段を採り、災害を未然に防止すること。
KYT(けーわいてぃー) 危険予知トレーニング」参照

L

La Niña(らにーにゃ ラニーニャ) ラニーニャ」参照
Lee side(りーさいど リーサイド) リーサイド」参照
Life Raft(らいふらふと 膨張式救命筏) 膨張式救命筏(ぼうちょうしききゅうめいいかだ)」参照
Lie to(らいとうぇいと 漂躊) 漂躊(ひょうちゅう)」参照
Light Weight(らいとうぇいと 軽荷重量) 軽荷重量(けいかじゅうりょう)」参照
Line Flushing(らいんふらっしんぐ、端切り、ライン・フラッシング) 端切り」(はなぎり)参照
Liquid Cargo(りきっどかーご リキッド・カーゴ) リキッド・カーゴ」参照
Liquid-Level Gauge(りきっどれべるげーじ 液面計、レベルゲージ) 液面計」参照
Look out(るっくあうと ルックアウト) ルックアウト」参照
LSA CODE(えるえすえーこーど 国際救命設備コード) SOLAS条約付属のコードで救命設備の一般要件、個人用救命設備、視覚信号、救命用の端艇及び筏、救命艇、進水装置及び乗艇装置 その他の救命設備の要件を規定している。
LLP(えるえるぴー 有限責任事業組合) 「Limited Liability Partnership」の略。有限責任事業組合(日本版LLP)のこと。事業を目的とする組合契約を基礎に形成された企業組織体で、すべてのパートナーについて、その責任が限定されている。新しい事業形態として、海外で活用されているイギリスのLLP制度を受けて、日本においても有限責任事業組合契約に関する法律を制定し2005年8月1日から施行、日本版LLPが解禁された。日本版LLPの主な特徴は次の3つである。
1)有限責任 : 出資者が出資額の範囲内で責任を負えばよい。
2)内部自治原則 : 出資額の多寡に囚われることなく、利益の配分や権限などを自由に決めてよい。
3)構成員課税 : LLPは非課税。利益配分があった場合は、その出資者に直接課税される。
LO(えるおー 潤滑油) Luburicating Oilの略称で潤滑油のこと。または英語で Lubricantとも言う。
LOA(えるおーえー 全長) Length over allの略。「全長」(ぜんちょう)参照。
Loading(ろーでぃんぐ 積み荷役) 積み荷役(つみにやく)」参照
Loading Manual(ろーでぃんぐまにゅある ローディングマニュアル) ローディングマニュアル」参照
Low Water(ろーうぉーたー 低潮) 低潮(ていちょう)」参照
LPP(えるぴーぴー 垂線間長) Length between perpendicularの略。「垂線間長」(すいせんかんちょう)参照
Lump-sum(らんぷさむ ランプサム契約) ランプサム契約(らんぷさむけいやく)」参照

M

Maximum continuous rating or output
(まきしまむこんちにゅあすれーてぃんぐおああうとぷっと 連続最大出力)
連続最大出力」(れんぞくさいだいしゅつりょく)参照
Magnetic Compass(まぐねてぃっくこんぱす マグネティック・コンパス) マグネティック・コンパス」参照
Main Anchor(めいんあんかー 主錨) 主錨(しゅびょう)」参照
Manifold(まにほーるど マニホールド) マニホールド」参照
Manning(まんにんぐ マンニング) マンニング」参照
Marine Accident Inquiry Agency
(まりーんあくしでんといんくわいありーえーじぇんしー マイアニュースレター)
マイアニュースレター」参照
Marine VHF Band(まりーんぶいえいちえふばんど 国際VHF) 国際VHF(こくさいぶいえいちえふ)」参照
MARPOL条約(まーぽーるじょうやく 海洋汚染防止条約) 船舶による汚染の防止のための国際条約(International Convention for the Prevention of Pollution from Ships)。「Marine Pollution」の頭文字をとって、MARPOL条約と称する。「海洋汚染防止条約」(かいようおせんぼうしじょうやく)参照
MARTIS(まーてぃす マーチス) マーチス」参照
Maru Ship(まるしっぷ) 日本では一般的に〇〇丸のように最後に丸をつける慣習がある。これは明治以降法律で船名に「丸」をつけるよう推奨されてきたことによる。そのため、かつて海外では日本船のことをMaru Shipと呼んでいた。
Mile(まいる マイル) 海里(かいり)」参照
Modal shift(もーだるしふと モーダルシフト) モーダルシフト」参照
Mooring Buoy(もーりんぐぶい) 係船浮標(けいせんぶい)」参照
MLC(えむえるしー) Maritime Labour Conventionの略。「海上労働条約(かいじょうろうどうじょうやく)」参照
MSDS(えむえすでぃーえす) 製品安全シート Material Safety Data Sheetの略。化学物質や化学物質が含まれる原材料などを安全に取り扱うために必要な情報(化学物質等及び製造企業の会社情報や組成、成分情報、有害性の要約、吸引時等の応急措置等)が記載されたもの。日本では、毒物及び劇物取締法、労働安全衛生法等で指定された製品を事業者間で譲渡・提供するときに、MSDSの提供が義務化されている。
M/T(めとりっくとん メトリックトン) Metric Tonの略。メートル法を使用している国(日・仏等)では、質量の単位として、キログラムを基準に定義されたメートルトン(metric ton)のことを指す。1M/Tは、1000kg。これに対し、ヤード・ポンド法を使っている米・英では、米トン(ショートトン)は、907.18474kg、英トン(ロングトン)は、1016.0469088kgとなっている。

N

Naphtha(なふさ ナフサ) ナフサ」参照
NAVTEX(なぶてっくす ナブテックス受信機) 「Navigation Telex」の略。「ナブテックス受信機」(なぶてっくすじゅしんき)参照
Net Tonnage(ねっととんねーじ 純トン数) 純トン数(じゅんとんすう)」参照
Nitrogen Oxides(にとろじぇん おきさいど 窒素酸化物) NOx」参照
Non-Follow Up(のんふぉろーあっぷ ノンフォロアップ) ノンフォロアップ」参照
North up(ノースアップ ノースアップ) ノースアップ」参照
NOx(のっくす 窒素酸化物) 「Nitrogen Oxides」の略。窒素酸化物。ボイラー、内燃機関の燃焼に際し空気中の窒素と酸素が化合して生成する窒素酸化物で、大気汚染の原因物質となる。
NOx Technical Code(のっくす てくにかるこーど 窒素酸化物に関する技術規則) 窒素酸化物に関する技術規則(ちっそさんかぶつにかんするぎじゅつきそく)」参照

O

OCIMF(おしもふ オシモフ) 「Oil Companies International Marine Forum」の略。石油会社国際海事評議会、原油および石油製品類の海上運送とターミナル運営に係わる石油会社による1970年4月8日に設立された自主的な組織。任意の民間団体として、メンバー会社間で原油及び石油精製品類の海上運送とターミナル運営及び海洋汚染や海上安全に至る事象に関し検討し、意見を取りまとめIMOや他の政府機関に具申する機能を有する。
Off Hire(おふはいやー オフ・ハイヤー) オフ・ハイヤー」参照
On Hire(おんはいやー オン・ハイヤー) オン・ハイヤー」参照
Operation Manuals(おぺれーしょんまにゅあるず オペレーションマニュアル) オペレーションマニュアル」参照
Operator(おぺれーたー オペレーター) オペレーター」参照
OPRC-HNS議定書(おーぴーあーるしーえいちえぬえすぎていしょ) OPRC は「International Convention on Oil Pollution Preparedness, Response and Cooperation」の略。HNSは「Hazardous and Noxious Substances」の略。2000年に成立、2007年発効の「海洋汚染等及び海上災害防止に関する法律(海防法)」OPRC条約は、1995年発効し、日本も1995年加盟。相次ぐ大規模油流出事故への対応のため「油による汚染に関わる準備、対応及び協力に関する国際条約」のこと。汚染事故時の通報等情報の交換、油汚染に対する緊急時計画の作成等が定められている。また、2000年には、対象物質の範囲を危険物質および有害物質(HNS)に広げ、それらが海上に排出された場合には、船舶所有者等に対して、重油等の黒物油と同様に防除措置義務が課されるとともに、東京湾等の特定の3海域を航行する船舶の所有者に対し、HNSの防除資機材と要因の確保が義務付けられることになった。
Owner(おーなー 船主) 船主(せんしゅ)」参照
Ozone(おぞん オゾン) オゾン」参照

P

Panting(ぱんちんぐ パンチング) パンチング」参照
Panting stringer(ぱんちんぐすとりんがー パンチングストリンガー) パンチングストリンガー」参照
Parcel Tanker(パーセルタンカー) パーセルタンカー」参照
Peep hole(ぴぃーぷほーる ピープホール) ピープホール」参照
Propeller(ぷろぺら プロペラ) プロペラ」参照
P&Aマニュアル(ぴーあんどえーまにゅある) P&AはProcedural Arrangementの略。ケミカルタンカーを運航する上での海洋汚染防止マニュアル。2004年のMARPOL(海洋汚染防止)条約の規則改正により、「有害液体物質の分類…X(海洋環境に対して最大の脅威を生じるもの)、Y、Z(最も少ないもの)及び無害のものの4分類」)が改正され、有害液体物質の海洋への排出を行う場合の「設備(構造規制)の操作手順と排出方法」が、分類毎が木目細かく規定された手引書を備えなければならなった。
PI(Protection and Indemnity)(ぴーあい PI保険) PI保険(ぴーあいほけん)」参照
Pilot(ぱいろっと 水先人) 水先人(みずさきにん)」参照
Pitching(ぴっちんぐ) 「ピッチング」」参照
Pitch Poling(ぴっちぽーりんぐ ピッチポーリング) ピッチポーリング」参照
Port(ぽーと 左舷・取り舵) 左舷(さげん)」・「取り舵(とりかじ)」参照
Port State Control(ぽーとすていとこんとろーる ポートステートコントロール) ポートステートコントロール」参照
PPM(ぴーぴーえむ) Part Per Millionの略。濃度を表す単位(100万分の1)。PPCは、パーセントのことで、100分の1。PPBは10億分の1、PPT(part per trillion)は1兆分の1。コンタミ時に問題になる。
Pooping Down(ぷーぴんぐだうん プープダウン) プープダウン」参照
Propeller cavitation(ぷろぺらきゃびてーしょん プロペラ・キャビテーション) プロペラ・キャビテーション」参照

R

Range of tide(れんじおぶたいど 潮差) 潮差(ちょうさ)」参照
Responsible Care(れすぽしぶるけあ レスポシブルケア) レスポシブルケア」参照
Repeater compass(りぴーたーこんぱす レピーターコンパス) レピーターコンパス」参照
RIM Fare(りむふぇあー RIM価格) RIM価格(りむかかく)」参照
Rise of tide(らいずおぶたいど 潮高) 潮高(ちょうこう)」参照
Rolling(ろーりんぐ) 「ローリング」」参照
Rose box(ろーずぼっくす ローズボックス) ローズボックス」参照

S

Sagging(ざぎんぐ ザギング) ザギング」参照
Sandlead(さんどれっど サンドレッド) サンドレッド」参照
SAR条約(えすえーあーるじょうやく サーチ・アンド・レスキュー条約) 「International Convention on Maritime Search and Rescue」の略語。海上における遭難者を速やかに効果的に救助するために、沿岸国が自国周辺の一定の海域について捜索救助の責任を分担し、適切な捜索救助業務を行うために、国内制度を確立するとともに、関係各国間で海難救助活動の調整などの協力を定めた条約。
SART(さーと レーダートランスポンダ) 「Search and Rescue Radar Transponder」の略。「レーダートランスポンダ」参照
Satellite Compass(さてらいとこんぱす サテライトコンパス) サテライトコンパス」参照
Scale Tape(すけーるてーぷ スケールテープ) スケールテープ」参照
Sea anchor(しーあんかー シーアンカー) シーアンカー」参照
Sea Trial(しーとらいある 海上試運転) 海上試運転(かいじょうしうんてん)」参照
Sea berth(しーばーす) シーバース」参照
Shank(しゃんく シャンク) シャンク」参照
Shoe piece(しゅーぴーす シューピース) シューピース」参照
Short Stay(しょーとすてい 近錨) 近錨(きんびょう)」参照
Sampan(さんぱん 通船) 通船(つうせん)」参照
Scaling Machine(すけーりんぐましーん スケーリングマシーン) スケーリングマシーン」参照
Scraper(すくれいぱー スクレイパー) スクレイパー」参照
Scupper(すかっぱー スカッパー) スカッパー」参照
Scudding(すかでぃんぐ) 順走(じゅんそう)」参照
Seizing(しーじんぐ シージング) シージング」参照
Sea Margin(しーまーじん シーマージン) シーマージン」参照
SES船(えすいーえすせん スーパーエコシップ) SESはSuper Eco Shipの略。環境と経済性に配慮した電気推進船。国交省、鉄道建設・運輸施設整備支援機構及び民間企業との技術協力により、進められている。
Shackle Mark(しゃっくるまーく シャックルマーク) シャックルマーク」参照
Shackle Pin(じゃっくるぴん シャックルピン) シャックルピン」参照
Shell plate(しぇるぷれーと 外板) 外板(がいはん)」参照
Ship to Ship(しっぷとぅしっぷ 瀬取り・瀬渡し) 瀬取り・瀬渡し(せとり・せわたし)」参照
Ship’s log(しっぷすろぐ 航海日誌) 航海日誌(こうかいにっし)」参照
Shoot Gun(しゅーとがん シュートガン) シュートガン」参照
Shroud(しゅらうど シュラウド) シュラウド」参照
Side stringer(さいどすとりんがー サイドストリンガー) サイドストリンガー」参照
Single bottom(しんぐるぼとむ シングルボットム) シングルボットム」参照
Single day tide(しんぐるでいたいど) 1日1回潮」参照
Single Hull(しんぐるはる シングルハル) シングルハル」参照
SIRE検船(さいやーけんせん) SIRE検船」参照
Slack(すらっく スラック) スラック」参照
Slag スラグ」参照
Slamming(すらみんぐ スラミング) スラミング」参照
Sling(すりんぐ スリング) スリング」参照
SMC(えすえむしー) Safety Management Certificateの略。任意ISMにおける「船舶安全管理認定書」のこと。運輸大臣(実際には地方運輸局長に委任される)による審査更新審査(5年毎)と中間審査(2年毎)がある。SMCは個々の船に対する審査になり、DOCは企業に対する審査となる。
SMPEP(えすえむぴーいーぴー 有害液体汚染防止緊急措置手引書) Shipboard Marine Pollution Emergency Plan for Noxious Liquid Substancesの略。「有害液体汚染防止緊急措置手引書」参照。
SOLAS条約(そーらすじょうやく) 「The International Convention for the Safety of Life at Sea」の略、1912年の豪華客船タイタニック号の沈没で犠牲者約1500人という海難事故を契機に1914年に結ばれた海上人命安全条約のことで、全員乗船可能な数の救命艇の増設や無線電信の設置等が決められ、現在(2004年発効)は、2001年米同時多発テロを契機に、国際テロの阻止を目的として、船舶自動識別装置(AIS)の早期導入や船舶識別番号の表示等が定められた。
SOPEP(えすおーぴーいーぴー 油濁防止緊急措置手引書) Shipboard Oil Pollution Emergency Planの略。「油濁防止緊急措置手引書」参照。
Sounding pipe(さうんでぃんぐぱいぷ サウンディングパイプ) サウンディングパイプ」参照。
SOx(そっくす 硫黄酸化物) 「Sulfur Oxides」の略。硫黄酸化物。ボイラー、内燃機関の燃焼に際し燃料中の硫黄分と空気中の酸素が化合し、生成される硫黄酸化物。大気汚染の原因物質となる。
Spill tank(すぴるたんく スピルタンク) スピルタンク」参照
SPM(えすぴーえむ 一点係留) 「Single point Mooring」の略語。「一点係留(いってんけいりゅう」参照
Spring rise(すぷふぃんぐらいず 大潮昇) 大潮昇(だいちょうしょう)」参照
Spring tide(すぷりんぐたいど 大潮) 大潮(だいちょう))」参照
Speed(すぴーど 速力) 速力(そくりょく)」参照
Stabilizer(すたびらいざー スタビライザー) スタビライザー」参照
Stand of tide(すたんどおぶたいど 停潮) 停潮(ていちょう)」参照
Starboard(すたーぼーど 面舵・右舷) 面舵(おもかじ)」・「右舷(うげん)」参照
STCW条約(えすてぃーしーだぶるじょうやく) 「The International Convention on Standards of Training, Certification and Watch keeping for Seafarers, 1978」の略。船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約のこと。1967年3月ドーバー海峡で発生したリベリア籍の巨大タンカー、トリーキャニオン号による海洋汚染事故をきっかけに、船員の船舶運航技術の未熟さに起因する海難事故を防止するため、技能・知識基準を国際的に設定したもの。参加国72ケ国が参加し3週間の討議の結果採択された。
Steady(すてでぃ 当舵) 当舵(あてかじ)」参照
Stem(すてむ 船首) 船首(せんしゅ)」参照
Stern(すたーん 船尾) 船尾(せんび)」参照
Stern Thruster(すたんすらすたー スタン・スラスター) スタン・スラスター」参照
Stern Thruster(すたんすらすたー スタン・スラスター) スタン・スラスター」参照
Stock(すとっく ストック) ストック」参照
Stockless Anchor(すとっくれすあんかー ストックレスアンカー) ストックレスアンカー」参照
Subrefraction(さぶりふらくしょん) サブリフラクション/a>」参照
Sulfur Oxides(さるふぁー おきさいど 硫黄酸化物) SOx」参照
Super Refraction(すーぱー りふらくしょん) スーパーリフラクション」参照
Strainer(すとれーなー ストレーナー) ストレーナー」参照
Suplly chain(さぷらいちぇーん サプライチェーン) サプライチェーン」参照
Surveyor(さーべやー 鑑定人) 貨物の積付検査、タンク(積込前)の状態検査、喫水検査等検査証明行為を行うもの。日本では、日本海事検定協会と新日本検定協会などがある。
Swell(すうぇる うねり) うねり」参照
Swibel(すうぃべる スイベル) スイベル」参照
SWL(えすだぶるえる) 「Safe Working Lord」の略。設備の安全な使用制限荷重のことをいう。船首尾のフェアリーダー、ボラード、油圧クレーン、機関室チェーンブロック等の荷重のかかる箇所にSWL〇〇KN(ton)などど標示される。

T

Tank Cleaning(たんくくりーにんぐ タンク・クリーニング) タンク・クリーニング」参照
Tank Cleaning Survey(たんくくりーにんぐさーべい タンク・クリーニング・サーベイ) タンク・クリーニング・サーベイ」参照
TBM(てぃーびーえむ) Tool Box Meetingの略。朝礼後や問題が起きた時等において、現場でチームの力を生かし、解決や改善を図ることが必要視され、TBMが重要と言われている。船長(機関長を中心にして、その日の作業の内容や方法・段取り・問題点について短時間で話し合ったり、指示伝達を行うもの。その際、工具箱(ツール・ボックス)に座って行うことがあることからこのような名称がついている。
Telegraph(てれぐらふ テレグラフ) テレグラフ」参照
Thermoplastic resin(さーもぷらすてぃっくれじん 熱可塑性樹脂) 熱可塑性樹脂(ねつかそせいじゅし)」参照
Thermosetting resin(さーもせてぃんぐれじん 熱硬化性樹脂) 「熱硬化性樹脂(ねつこうかせいじゅし)」参照
Top Heavy(とっぷへびー トップ・ヘビー) トップ・ヘビー」参照
Top Mark(とっぷまーく トップマーク) トップマーク」参照
TPC(てぃーぴーしー) Tonnage Per Centimeterの略。毎センチ排水トン数。船を1cm平行沈下させるのに必要な重量トン数。
Transfer(とらんすふぁー トランスファー) トランスファー」参照
Tranship(とらんしっぷ トランシップ) トランシップ」参照
Trip Charter(とりっぷちゃーたー 臨時投入船、トリップ船) 臨時投入船(りんじとうにゅうせん)」参照
Tug Boat(たぐぼーと 曳船) 曳船(えいせん)」参照
Turnbuckle(たーんばっくる) ターンバックル」参照
Turning(たーにんぐ ターニング) ターニング」参照

U

ULCC(英語:Urtra Large Crude Oil Carrier) 30万重量トン以上の超大型タンカーのこと。
Under Keel Clearance(UKC)(あんだーきーるくりあらんす 余裕水深) 余裕水深(よゆうすいしん)
Uplight(あっぷらいと) アップライト」参照

V

Vapour Pipe(べーぱーぱいぷ ベーパー配管) ベーパー配管」参照
Vapour Pipe(べーぱーぱいぷ ベーパー配管) ベーパー配管」参照
Variation(ばりえーしょん 偏差) 偏差(へんさ)」参照
VDR(ぶいでぃーあーる) 「Voyage Data Recorder」の略。飛行機では事故が起きるときにブラックボックスを回収して事故原因を究明するが、VDRは航海用のブラックボックスに相当するものである。VDRも海難が発生した場合に、これを回収し事故原因を究明するために使用される。記録されるデーターとしては機関関係のエンジンテレグラフの指令応答信号、機関室の機器や操舵機の警報、操舵の指令応答信号、レーダー画面、VHFの交信、船橋内の音声、各種航海計器の信号などで、常に最新の12時間分が保存されている。搭載義務は、国際航海に従事する旅客船、フェリー、3000G/T以上の貨物船である。
Ventilator(ヴぇんてぃレーター ベンチレーター) ベンチレーター」参照
Void space(ぼいどすぺーす) 船内空所。特定の目的に使用しない船内の区画をいう。①タンクが破損した場合に 積荷が船外への流出防止 ②衝突等により船体が損傷した場合のタンクへの損傷影響 の防止 ③海水温度がタンク(積荷)への伝達の低減により、積荷の温度変化、品質 変化、蒸発などの回避 ④バラスト水機能 ⑤危険物を収容するタンク内部への立ち入りなくボイドスペース(タンク外側)から、漏洩検査や修繕が可能等の機能がある。
VLCC(英語:Very Large Crude Oil Carrier) 超大型原油タンカーの略称。一般的に、10万~20万D/W前後までの大型タンカーの総称。

W

Walk back(うぉーくばっく ウォークバック) ウォークバック」参照
Warm core(うぉーむこあ ウォームコア、温暖核) ウォームコア」参照
Waste(うぇいすと ウェス) ウェス」参照
Watch(うぉっち ワッチ) ワッチ」参照
Weak link(うぃーくりんく ウィーク・リンク) ウィーク・リンク」参照
Weather side(うぇざーさいど ウェザーサイド) ウェザーサイド」参照
Webframe(うぇぶふれーむ ウェブフレーム) ウェブフレーム」参照
Wilden Pump(うぃるでんぽんぷ ウェルディングポンプ) ウェルディングポンプ」参照
Windlass(うぃんどらす 揚錨機) ウィンドラス」参照
Wing(うぃんぐ ウィング) ウィング」参照
WMO(だぶるむおー 世界気象機関) 「World Meteorological Organization」の略。「世界気象機関」参照

Y

Yawing(よーいんぐ) 「ヨーイング」」参照

Z

Zink Plate(じんくぷれーと 亜鉛版) 「亜鉛版」」参照