海運豆辞典
海の誕生と塩辛い理由
46億年前、生まれたばかりの地球では岩石が溶けたマグマの海が地表を覆い、また、蒸気・窒素・二酸化炭素などのガスでできた原始大気が空を覆っていました。やがて、地球の温度が急に下がり、原始大気の中にふくまれていた水蒸気が雨となり、地上に降り注ぐようになり、地球全体が大雨の時代となりました。
雨が地表を冷やし、地表が冷えると原始大気が冷えてさらに雨が降ったので、年間の雨量は10mを超えたと考えられています。この雨が1,000年近くも続き、現在の海となる原始の海が生まれました。原始の海は雨に溶けた塩酸などが流れ込み、当初は酸性でとても生物の住める環境ではなかったようです。酸性の海水はその後、地表のカルシウム・鉄・ナトリウムなどを徐々に溶かし、現在のような中性の海水になっていたと考えられています。
海水には様々な物質が溶け込んでいますが、それらの中でも食塩の素になるナトリウムイオンと塩素イオンが多く含まれているため、海水を舐めると塩辛いのです。海水は、1リットルあたり31~38gのいろいろな物質が溶け込んでおり、その約80%が、食塩の素になるナトリウムイオンと塩素イオンです。この2つの物質は水の中で化学反応や生物などの影響で無くなることはないため、海水はいつまでも塩辛いのです。

本文・画像出典:「公共財団法人 日本海事広報協会」
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