海上職
MEIWA KAIUN GROUP
明和タンカー
橘 浩
明督丸 機関長
明和タンカー株式会社
Interview 1
どんな仕事をしているのですか?
機械場の責任者でありながら、この規模の船ですから機械場だけでなく船全体を見て、船内を明るく事故のないように努めています。
特に、エンジンの音に関しては、毎日気を遣っています。それがどんなに小さなことでも、停泊中でも、航海中でも、その姿勢に変わりはありません。
どんなに小さい音でも、少し普段と違った音が出ると、敏感に反応して、それは少しおかしいかも知れないと思い心配になります。そういう時は、大体どこかに不具合が発生していることが多いのです。
機関長の責任は重大です。会社に対しても、乗組員に対しても責任感を持って接して行かなければなりません。特に、部下に対しては、良い影響を与えることができるよう心掛けています。
Interview 2
仕事への思い・やりがい等について教えてください。
それまで中々できなかったことが出来た時に達成感とやりがいを感じます。
物事は一生懸命に取り組まなければならない、やって初めて分かることがある、と考えています。頭からやらない、そんな事はできないと決めつけるのではなく、何事もまずはやってみる、それでダメなら仕方ない。それが、私の仕事に対する姿勢です。
機械場の責任者として、色々な場面で、最終的な判断や決断を私がしなければいけません。そういう時でも、何もかも自分が知っているから、または正しいから、自分に任せておけということではなく、部下の意見を聞いた上で自分の考えも伝え、色々と意見を交わしながら、最終的な判断や決断をするよう心掛けています。
また、基本的なことですが、挨拶はとても大事だと思っています。顔を合わせて挨拶があるのとないのとでは、全然違います。その後に出てくる言葉が違うし、出やすくなります。そこから会話が始まり、船内で色々な話や本音が言えるきっかけとして、お互いに挨拶をすることはとても大事です。
Interview 3
プライベートはどんなことをしていますか?
子供が小さかった時は、休日になり下船すると、ドライブに行ったり、よく家族で出かけて一緒に遊んでいました。
子供は一人娘なのですが、やはり女の子は可愛いもので、大人になったら一緒にお酒を飲みに行きたいとずっと思っていました。娘が大学生の時(もちろん20歳以上)、一度そのことを話し、一度だけ実現しました。今は2人の子供の母親になりましたが、とても良い思い出です。
子供も家から離れ、妻と二人になってからは、休みの日はドライブがてら車で妻のお買い物につきあったり、自分で自由な時間を過ごしています。60歳に近づくにつれ、妻とはお互い仲良くやっていきたいという思いが強くなりました。
思い返せば、私が船の免状(資格)と取ったのも、再び内航タンカーに乗るのを決めたのも、家族を持ち、守るべきものを持ったことがきっかけでした。
ある時、妻が易者に私のことを診てもらったことがあったそうです。暫くしてから、私はその事を知ったのですが、その時「あなたの旦那は良い職業に就いている。その職業が一番合っている。水に関する仕事、船乗りが向いている。」と言われたそうです。この歳になって、私も自分は船乗り以外にする仕事はなかったと、つくづく思うのです。