海運豆辞典
灯台のいろいろ
現代のようにレーダーやGPS等の十分な航行援助設備のない時代、月や星も出ていない漆黒の夜の海を航行中に一筋の灯台の灯りを見つけた時の船乗りのほっとした安堵の気持ちは計り知れません。
灯台は船乗りたちの行く先を照らすまさに一筋の光明だったことでしょう。
世界最古の灯台はエジプトのアレクサンドリア港の入り口にあったファロス島という小島にあったファロス灯台で紀元前3世紀に建造されました。
残念ながら8世紀に起こった地震で壊れてしまい現存はしていませんが、現存する世界最古の灯台は紀元前1世紀にたてられたスペインのラ・コルーニャのヘラクレスの塔で、こちらは何と現在も現役で使用されており、2009年にはユネスコの世界遺産に登録されています。
一方、日本最古の灯台は石川県志賀町にある旧福浦灯台といわれており1608年に地元の住民である日野長兵衛が船舶の安全のために篝火を炊いたのが始まりと言われています。
その後、元禄年間に燈明堂が建造され、明治時代に西洋式灯台に建て替えられています。
もっとも燈明堂や灯台という形にならなくても太古の昔から沖を行く船のために海岸や山の上で焚火をして目印にしていたという記録は古い文書にも残されてます。
現在では北は宗谷岬灯台から南は沖ノ鳥島灯台まで日本には3千基以上の灯台がありますが西洋式灯台の第一号は東京湾の入り口の観音崎に1869年に建造された観音崎灯台です。
鎖国を解いた日本が外国の船の航行の安全を確保するために日本の灯台の父といわれるR.H.ブラントンの設計した灯台の一つで、その後ブラントンの設計による25基の灯台が次々と日本各地に作られました。
灯台については当ホームページに掲載されている「船乗りたちの道しるべ」にも観音崎灯台や潮岬灯台等いくつかご紹介しておりますので是非ご一読下さい。

日本初の西洋式灯台の観音崎灯台

世界初の灯台と言われるファロス灯台(想像図)
(AIにて生成したイメージ)















