ハーネス | タンカーの航タンク内等担いで上がる時が困難な場合、人の体をしっかり支え吊上(下)げることが出来る救助用の物。 |
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ハイアラーム(High level alarm) | 「高位液面警報」参照 |
排ガスエコノマイザー(はいがすえこのまいざー) | タンカーの航海中には、燃料(C重油)の加熱用や、電気を発生させるタービン発電機の動力源として、蒸気が必要です。航海中に必要な蒸気は、主エンジンから出る排気ガスの熱を利用した『排ガスエコノマイザー』にて発生させています。『排ガスエコノマイザー』は主エンジンのターボチャージャーから出た排気ガス(約310℃)を、大気に排出する煙路に配置されたチューブ(内側にはボイラー水を通している)のことで、このチューブで蒸気を発生させます。チューブを通り抜け熱交換した排気ガスの温度は、150℃程度となっています。 |
バイ・ザ・スタン(By the Stem) | 「艫脚(ともあし)」参照 |
バイ・ザ・ヘッド(By the Head) | 「艏脚(おもてあし)」参照。(類)バウ・ダウン・トリム(Bow Down Trim) |
排水トン数(Displacement Tonnage はいすいとんすう) | 船が満載状態で浮かぶ時に排除する水の重さ(船の全重量)のことをいう。 |
バイスバロットの法則(ばいすばろっとのほうそく) | 高気圧から低気圧に風が流れる原理を利用して、風を背に受けて立つと高気圧を背にすることになり、その状態で左手を斜め前方(真横+30度)の方向に延ばした方向に低気圧があることから、風に対する経験則として、古くから航海者の間で用いられた法則のことをバイスバロットの法則という。 |
排他的経済水域(はいたてきけいざいすいいき) | 領海の基線からその外側200海里(約370km)の線までの海域(領海を除く。)並びにその海底及びその下です。 |
配船(はいせん) | 荷主の意向、積荷の内容、船舶の能力、桟橋の構造、船の現在地、天候の状況等総合的に勘案し、適当な船を手配すること。 |
ハイヤーベース(Hire Base) | 船舶を常に運航し得る状態に保持するための必要諸経費(船費~減価償却+修繕費+保険料+金利)を,1ヵ月(30日)・1重量トン当たりに換算表示したものをいい,次のような式で計算される。 年間船費÷(重量トン数×年間稼働日数×1/30)=H/B したがって,C/B(チャーター・ベース)がH/Bを超えるときは採算は黒字であり,C/BがH/Bを下回るときは赤字となる。 |
バウ・スラスター(Bow Thruster) | 船首水没部に左右舷に通じる通風孔を設け、この中央に推進機を取り付けて船首を左右に移動させる推進装置。狭水路の離着桟や方向転換に便利な装置。⇔(反)スタン・スラスター(Stern Thruster)。バウ・スラスター、スタン・スラスターとも船側にあることから、サイド・スラスター(Side Thruster)ともいう。 |
バウ・ダウン・トリム(Bow Down Trim) | 「バイ・ザ・ヘッド」参照 |
泊地(はくち Anchorage) | 港湾内で船舶が比較的安全に停泊することのできる水面をいい、一般に防波堤、護岸等の外郭施設や、岸壁等の係留施設によって囲まれている。 |
爆発限界(ばくはつげんかい) | 油面から蒸発する引火性ガスと空気が混合した時、何らかの原因で点火した場合、引火爆発する濃度(空気中の当該ガスの濃度(混合割合)範囲を指す。上限をUEL (Upper Explosive Limit)、下限をLEL(Lower Explosive Limit)と呼んでいる。例えば、アセトンの場合、UELが12.8%でLELが2.5%で、逆に言えばその範囲外であれば、爆発しないということになる。 |
暴露甲板(ばくろこうはん exposed deck) | 主に風雨に曝される甲板のこと。最上部にあることから露天甲板とも言う。多くの船舶などでは上甲板は通常、露天甲板であるが、自動車運搬船や大型客船などは上甲板の露天部分はほとんどない。 |
白油はくゆ(Clean Oil) | ガソリン、灯油、軽油等透明な軽質石油類の総称。⇔(反)黒油(こくゆ) |
はしけ(艀) | バージ。洋上荷役に使用される台船。動力を持たず、タグボートが曳航(押航)する。港則法では汽艇等(雑種船)になる。 |
バース(Berth) | 埠頭・桟橋の中で、船を係留する場所。 |
パーセルタンカー(Parcel Tanker) | 多品種・多目的の液体貨物バラ積み船。小区画のタンク構造となっており、通常、外航ケミカルタンカーのことをさす。 |
裸用船(はだかようせん Bare Boat Charter) | 船主が船員を配乗せずに、船舶を一定期間用船者に貸し渡す契約。 |
バタフライ弁(ばたふらいべん Butterfly valve) | ボールバルブと同様に弁軸を90度回転する事により開閉を行う。またゲートバルブと同様に開閉バルブとして使用される。「蝶形弁(ちょうけいべん)」ともいう。 |
バタワース・マシン(Butterworth Machine) | タンク内を洗浄するために清水を噴射する装置のこと。360℃回転し、タンクの内壁を隈なく、洗浄する。今は、固定式(タンク)になっている。 |
破断係数(はだんけいすう) | 破断係数とは、曲げ試験またはねじり試験で測定される極限強度のこと。 |
八十八夜の別れ霜(はちじゅうはちやのわかれじも) | 八十八夜(立春から88日目。陽暦の5月2日頃)の頃に降りる霜。この季節の最後の霜で、これ以後は降りないとされる。 |
鉢巻船(はちまきせん) | 一代限りの船。解撤権を購入していないので、この船を代替しようとしても次の新造が認められない船。一代限り船専用のマーキングとして白と赤の線を船体を巻くように左右の舷にペイントしていたので、このように呼ばれるようになったもの。現在はマーキング表記方法が若干変更となり、左右のそれぞれの舷の中央部に白・赤・白の長方形のマークが付けられている。 |
把駐力(はちゅうりょく) | アンカーが海底に船を繋ぐための力。底質が砂の時は小さく、岩等は大きくなる。 |
発火点(はっかてん) | ある物質において、他の火源がなくても、自ら継続的に燃焼を起こす温度のこと。ガソリンで246℃、水素は580~600℃程度。 |
パッキン | 回転や往復運動などのような運動部分の密封に用いられるもの。 |
発航前の検査(はっこうまえのけんさ) | 発航前に、船舶が航海に支障がないかどうか堪航能力の検査をするほか、航海に必要な準備が整っているかどうかについて検査すること。 |
ハッチ | 船の甲板にある艙口(そうこう)、船倉口、昇降口。昇降口の蓋、艙口の覆い。 |
鳩目(はとめ Eyelet) | 「アイレット」参照 |
端切り(はなぎり ライン・フラッシング Line Flushing) | タンカーから化成品などを荷揚げする際、配管の中に残存している前航の貨物あるいはタンク洗浄水などを事前に洗い流す作業を端切りという。ふつう本揚げに入る前、少量の貨物を別の小タンクに流して行う。使われた少量の貨物は、汚損貨物(Slop Cargo)としてスロップ・タンクやドラム缶などに収納される。 |
バラスト(Ballast) | 空船時、または、積荷が少ない時船体のバランスを取るため、船底に入れる水のこと。Ballast…船の底荷 |
バラスト状態(ばらすとじょうたい) | 貨物を搭載せずに喫水・トリムを調整するためにバラスト水を搭載し、船体重心を安定させた状態のことをいう。 |
バラスト水管理条約 | 船内のバラストタンクへの海水の注排水を行なう管をバラスト管という。バラスト水に含まれる海洋有害生物の移動を防止することを目的とした条約のこと。2004年2月IMO(国際海事機関)で採択されたが、批准国30以上かつ商船船腹量35%以上が発効要件対し、2012年10月現在の批准国は36で船腹量は29.07%と未発効のままである。 |
バラストの効果(ばらすとのこうか) | 船舶は、空船航海では海水をバラストタンクに漲水し喫水を深くして安全な航海を図らなければならないが、海水をバラストタンクに漲る目的は以下のとおりである。 ①風圧を少なくし、水圧抵抗の増加で圧流を防ぎ操縦性をよくする。 ②風浪による動揺を緩和する。 ③軽喫水または縦動による空転を防ぐ。 ④舵効をよくする。。 |
バラ積み(ばらづみ) | 荷物を梱包したり、コンテナ化せずに、直接船倉(タンク)に入れる積荷のこと。 |
馬力(ばりき) | 船のエンジンの出力は、馬力を単位にしている。1馬力とは、75Kgの重さを1秒間に1m持ち上げる仕事量のこと。 |
バルクケミカルコード(BCH Code) | 国際海事機関(IMO)において採択された「危険化学薬品のばら積みの運送のための船舶の構造及び設備に関する規則」をいい、1986年7月1日以前に建造された化学薬品タンカーに適用 されるコード。 |
バルクヘッド(Bulkhead) | 「隔壁」(かくへき)参照 |
バルバス・バウ(Bulbous Bow) | 球状船首。水面下でふくらんでおり、形が球根状で、波の抵抗によるエネルギーのロスを少しでも軽減する為に考案されたもの。実際の波とバルバス・バウの波と干渉し合って、波の発生を少なくすることが目的。魚雷形、円筒形、楕円形、水滴形、ラム(衝角)形等がある |
バンカー(Bunkering) | 船舶が燃料を補給すること。 |
バンカー・サーチャージ(Bunker Surcharge) | 割増料金。危険負担や燃料油などの急激な値上りのため、既に定められた通常の料金の適用が困難な場合に定める付加料金。燃料費の値上りに伴い運賃にその分算する場合、バンカーサーチャージという。Bunker…石炭船の時代の船の石炭庫。今は、船の燃料油。Surcharge…追加料金、(荷)の積み過ぎ、過重、不足税 |
バンカー条約(ばんかーじょうやく International Convention on Civil Liability for Bunker Oil Pollution Damage) | 「燃料油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約」のことをいう。船舶からの燃料油流出により生じる汚染損害について、船舶所有者等の厳格責任を負うこと、登録船主は責任制限額までの付保が義務付けられることなどを規定している。 |
盤木(ばんぎ) | 入渠及び建造中の船体を船底で支える固定台のことをいう。 |
パンチング(Panting) | 波に向かって進むとき、船首側面に波頭がぶつかって衝撃を与える現象をいう。小型軽量の船ではこの衝撃によって船体が波に運ばれることも起こる。 |
パンチング構造(ばんちんぐこうぞう) | 船が航行中、波浪の衝撃を受けて外板やフレームなどに損傷を生じるのを防ぐために船首部及び船尾部に特別の補強を行なうこと。 |
パンチングストリンガー(Panting stringer) | ブレストフックから左右に伸びて外板を支える骨材。 |
ハンドレッド | 鉛のおもりをつけ、1m間隔の目盛りのついたロープを海底に沈め、すばやく引き上げることにより水深を計測することが出来る。また、底部にワックスを塗ることにより、海底質を調べることも出来る。水深の深い場合や船の速力が大きい場合は、その使用に限界があった。現在は、音響測深儀の普及により使用することはほとんどない。 |
汎用船(はんようせん) | 航路や貨物は一定ではなく、それぞれの航路・貨物により1航海毎に運賃が決定する仕組み。月毎の繁閑により、月間の合計運賃も変動する。⇔(反)専航船 |
伴流(はんりゅう) | 船が航走する時に船体周りの流線の変化、摩擦、波などによって船体周囲に生じる流れのことをいう。 |
PI保険(ぴーあいほけん PI:Protection and Indemnity) | 船舶を所有・運航することによって生じる、船主又は運航者が負担すべき経済的損失を填補する保険。従来の船舶保険や貨物保険では、主に船体と貨物のみが付保の対象でしたが、P&I保険では、人(船員や旅客)や海洋汚染、港湾設備等への損傷等も填補され、また、荷主(又はその保険会社)から求償された貨物の損害も補填する仕組みとなっています。船主同士の互助組合(Protection Club)が発端で、その後積荷に対する損害を含めた補償(Indemnity)を取り入れたProtection & Indemnity Club(船主相互保険組合)が誕生しました。日本では、一部民間損害保険会社も、取り扱うようになりました。Protection…保護。他からの賠償請求をプロテクト(防御)するという意。Indemnity…補償…損害賠償の保証。 |
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ヒービングライン | 投げ綱。ヒーブライン、もやい索ともいう。着桟時に係船索を送るために使用する直径5㎜程度の細索。係船索の先端に取付けて、着桟の際に船上から岸壁に投げる。遠距離まで投げ易い用にその先端は重くなっている。 |
ピープホール(Peep hole) | カーゴタンクのハッチ上部に取り付けられている覗き窓のこと。カーゴタンク内のガス流出防止のため水密が施され、更に手動開閉式の蓋が取り付けられている。荷役中は、固定式液面計とピープホール双方による液面監視が行われる。 |
B接点(びーせってん Break Contact) | 電気回路において、スイッチ操作等により閉じていた回路が開き電気が流れなくなる接点構成のことをいう。(例)ポンプなどの機器の動作をスイッチを押して停止する場合 |
ビーム | ビームはフレーム(肋骨)を上部甲板で連結し横強力を保つ部材のこと。(関連語句:フレーム) |
引揚げ船台(ひきあげせんだい) | 傾斜した台車を水面上の船体下に卸し船体を機械力で引揚げ上架させて、船台車と共に所定の場所に引揚げ支柱で完全に定着させるもの。 |
ピグ押し(ぴぐおし) | 配管内にPIG(ピグ)と呼ばれる管内移動体(主にゴムや発泡ポリウレタン製)を入れて、窒素や水で押すことで配管内に残る残液をタンクに押し戻す、また配管内のクリーニングに用いること。 |
避険線(ひけんせん) | 海図上で水域を区画し航路上の安全の限界を示すような位置の線のこと。入出港時や狭水道航行時は、変針や他船・障害物等の避航の機会が多く、海図上で都度船位を確かめながら航行する余裕のないことも多い。そこで、1本の線で水域を危険域と安全域に区画できる避険線があれば、船位を測定しなくとも避険線を測定するだけで安全域であるか確かめられ、水域を有効に活用して弾力的な操船ができる |
避航船(ひこうせん) | 2隻の船の針路が交差し衝突の恐れがある場合を「横切り関係」といい、横切り関係になった場合は、「他船を右に見る船」に避航の義務があり、もう一方の船は速力を保持して航行しなければならない。この時に他船を右に見て避航しなければならない船を「避航船」という。 |
避航動作(ひこうどうさ) | 衝突の恐れがある相手船の針路を避けるために自船が取る動作をいう。避航動作は「十分余裕のある時期にためらわずに」、「相手船が容易に認めることができるように大幅に」、「安全な距離を保って通過できるように」行うこととされている。また「速力を減じ、または停止する」ことも避航動作である。 |
比重(ひじゅう) | その物質の質量とそれと同体積の水の質量との比(ある物質の質量÷水の質量)、通常、水の比重は1(摂氏4℃時)とされています。ケミカルタンカーの場合デッドウェイト(積める重さ)とタンクの容積との関係があり、例えば、パラキシレンの比重は約0.86なので、最高に積んでタンク容量(容積)×0.86分の重さしか運べません。(実際には安全のため、タンク容量の95%。逆に言うと、荷物の重量を0.86で割ったもの(=容積)が運べる計算(1/0.86=1.16倍積める計算)となりますが、タンク容積があるので、その制限を受けます。 |
B種船(びーしゅせん) | 船の長さが60m以下のタンカーで積み荷が引火点60℃を超える重油、潤滑油などの液体類しか積載できないタンカー。A種船に比べ構造設備は軽減されている。船舶検査証書には「ただし引火点60℃を超える油」と制限条項が記載されている。 |
非常用位置指示無線標識装置(ひじょうよう いちしじ むせんひょうしきそうち E-PIRB) | 船舶の遭難時に無線信号(遭難信号)を発信する装置のこと。 沈没など遭難時に 406MHzの電波を発射し、人工衛星(コンパス・サーキット)を 介して各国主管庁(日本では海上保安庁)に船名及び国籍を送信、連絡が届き次第、 捜査が行われることとなる。手動でスイッチを操作して救難電波を発射する方法と 沈没時におおむね4m以上に該当する水圧が加わると動作する水圧センサーにより 取り付け架台から自動離脱、浮上し電波を発射する方法がある。 |
非常脱出呼吸具(ひじょうだっしゅつこきゅうぐ) | 液体化学薬品ばら積船において、船体等を放棄する際、乗船者が貨物の蒸気を吸うことなく退避するために使用され、乗船者の数以上備えなければならない。この呼吸具は、消火及び荷役の目的に使用することは禁じられている。 |
非常停止(ひじょうていし) | 非常の際に、機関を手動でおこなう停止のことをいう。主機関及び補助機関は機関保護のために、また送風機及び燃料ポンプは火災の延焼の防止のために非常停止ボタンをそれらの機器に設置されている区画以外の場所(主に船橋、荷役監視場所)に設置する。 |
ピッチポーリング(Pitch Poling) | 小型軽量の船が高速で急峻な波の中を航走中、波の傾斜面を加速して降下するときに船首が次の波の背面に突っ込み、弾みでとんぼ返りする現象をいう。 |
ピッチング(Pitching) | 船舶が垂直方向前後に揺れること。波が通過するときに起こる縦揺れ。 |
ビット(Bitt) | 岸壁にある頭の丸い杭。係船ロープをひっかける為に使用される。この杭に船側から出た複数のロープを巻きつけ、船を繋ぎ止める。 |
避難港(ひなんこう) | 悪天候時に小型船が一時的に避難する港のこと。 |
非破壊検査(ひはかいけんさ) | 検査対象物を傷つけず、分離せず、破壊せずに材料・製品の性質、状態、内部構造などを知るための検査。 |
ヒヤリハット | 船舶または人が危険にさらされ、又は結果として船舶や構造物、環境への重大な危害が生じたかも知れない船舶の運用に起因、関連するできごと又は事象をいう。 |
118番 | 海上保安庁への緊急通報用の電話番号。海上における事件・事故が発生した場合は、この番号へ通報する。陸上の110番の海上版。 |
漂躊(ひょうちゅう Lie to) | 機関を停止して船を風浪下にそのまま漂流させ、風浪にさからわないようにする方法のことをいう。踟躊(ちちゅう)による船体姿勢が危険な場合にとられることがある。 |
平脚(ひらあし イーブンキール Even Keel) | 「イーブンキール」参照 |
ビルジ(びるじ Bilge) | ポンプ室及び機関室の底に溜まる油(荷物、潤滑油)や水等。 |
ビルジ管装置(びるじかんそうち) | 船内で自然発生的に溜まる汚水をビルジといい、ビルジを排出する管をビルジ管という。 |
ビルジ・ウエル | 船底の両舷の湾曲部にあり、船体でビルジが発生するとビルジ溜まりにいくよう設計されている。 ビルジ量の測定は、船体が正常な状態にあるかどうかを判定する最も有効な手段であり、ビルジウエルには必ず測深管を設けてあり、甲板上から測深管を通して測深棒を降し、その量を計測出来るようにしている。 |
ビルジキール | 船体の横揺れを減揺する設備の一つで、船首から船尾の船底湾曲部に沿って取付ける板のこと。「湾曲部竜骨」ともいう。 |
疲労強度(ひろうきょうど) | 船殻構造が時間とともに変化するいわゆる変動荷重を受けると、その最大応力が静的な破壊応力より小さい場合でも、ある繰返し数だけ続けると破壊する。このような破壊を疲労破壊と呼んでいる。 |
ファイヤーワイヤー(Fire Wire) | 引火性液体類・高圧ガスのばら積み輸送船において、接岸中に火災等の非常事態が発生した場合に、タグボート等を使用して岸壁から引き出すために船首・船尾にそれぞれ備えつけるワイヤーロープのことをいう。 |
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ファウルアンカー | 錨鎖が錨にからんで水面に揚がってきた状態をいう。 |
ファッションプレート | 満載喫水線上の鋼板に丸みをつけた船首材。船首材の上端部付近の広がった板。 |
ファンネルマーク(Funnel Mark Funnel) | 船舶の煙突の外側に描かれた社章。入港時の目印となる。明和海運株式会社の場合。 |
浮標(ぶい Buoy) | 船をつなぐために水上に浮かべたもので、チェーンなどで水底に固定してある。航路標識にも用いる。 |
部員(ぶいん) | 総トン数20トン以上の船舶に乗船する乗組員のうち、船舶の運航に関する国家資格を有していない乗組員(甲板員、操舵手、機関員等)を「部員」と呼ぶ。国家資格を有する乗組員(船長、機関長、航海士等)は「職員」。 |
封印(ふういん) | 積港から揚港まで船の貨物艙の艙口を開放厳禁にするために施す封緘。 |
風速(ふうそく) | 単位時間に空気の移動した距離。普通、地上10メートルにおけるある時刻の前10分間の平均風速をその時間の風速という。m/s やノットなどの単位で表すことが多い。 |
プープダウン(Pooping Down) | 追い波の状態で航走中、波が覆いかぶさるように船尾に海水が打ち込むことがある。船尾部は凌波性(船が波に乗り切り航海することが出来る能力)に劣るので、船尾の構造物や舵などの装備が破壊されるといった危険を伴う。 |
フェアリーダー | 本船の係船索出し入れ時に係船索の保護を目的として設置されるもの。 |
フォアピークタンク(Forepeak Tank) | 船首部の上甲板より下に位置する空間のタンクで、一般的に船内で使用する清水を備蓄するタンクとして使用されている。船首水槽ともいう。⇔(反)アフターピークタンク、船尾水槽(せんびすいそう) |
フォース・マジュール条項(ふぉーすまじゅーるじょうこう Force Majeure Clause) | 不可抗力条項のこと。当事者の一切の注意や防止努力にもかかわらず、外部から発生して当事者の義務遂行を阻害する事実により、義務が遂行できなかった場合は、義務不履行の責任を免れると解される。運送契約には一般にこのことを明示した不可抗力条項が書き込まれる。一般には次のような事態が含まれる。 1.地震、洪水、火災、嵐その他の天災、自然の災害 2.戦争、侵略、封鎖、その他の敵による武力行為 3.革命、反乱、騒乱 4.ストライキ 5.接収、徴発、禁止、規制などの政府の行為 6.伝染病 7.その他いずれの当事者も制御できない第三者の過失または不法行為 |
不稼動損失保険(ふかどうそんしつほけん) | 船舶が一定の海難事故等によって稼動不能の状態となった場合に得ることができなかった収入や支出せざるを得なかった費用等を填補することを目的とした損害保険会社による保険。 |
吹流し(ふきながし) | 吹流しとは、布などでできた筒を高所からぶら下げ、風向や風速を目視で確認するための設備。 |
復元性/復元力(ふくげんせい/ふくげんりょく) | 船は普通、真直ぐに安定して浮いているが、波や風など影響により船体が傾くと真直ぐな状態に戻ろうとする力が起こる性質がある。この性質を復元性といい、その復元する力を復元力という。 船がさらに傾いて、ある角度まで傾くと復元力がなくなり、引っくり返ってしまう。この状態の角度を復元力の限度といい、この限度の大きい船ほど転覆しにくいということになる。復元力の限度を大きくするには、船の重心を低くすることが必要だが、復元力の限度をあまり大きくすると、船はすこし傾いただけですぐ戻ろうとする力が働くことになり、乗り心地が悪くなるとともに、積荷の荷くずれの原因になる。 |
プッシュライン | 船舶に表示されるプッシュラインは、離着桟(岸)時にタグボートが押して もよい部分を表す。船の外板は非常に薄いため、押す位置を誤ると船体がへこんでしまう。プッシュラインの内側には、頑丈なフレームが通っているため、ここならば押しても変形しない。 |
藤田スケール(ふじたすけーる) | 竜巻の強さを測る指標でF0~F6までの7段階ある。当時シカゴ大学教授の藤田哲也が、アメリカの暴風雨予測センターの前身である国立暴風雨予報センターの局長だったアレン・ピアソンと共に提唱した指標で、藤田・ピアソン・スケールとも呼ばれる。 |
藤原効果(ふじわらこうか) | 戦前、当時の中央気象台長だった藤原咲平氏が提唱した効果で接近した2つの台風が本来の進路(上層の一般流)とは無関係に互いに干渉し、予期しない方向に進むこと。2つが反時計回りに動くこともある。 |
物理寿命(ぶつりじゅみょう) | 船体に疲労クラックが多発するとか腐食衰耗する等により使用に耐えなくなるまでの期間を指す。 |
不定期船(ふていきせん) | 荷主と運航業者間で長期の輸送契約を結ぶものの、必要な時に必要な場所に運ぶため、運賃は荷動きの増減を反映する。一般にバラ積船(鉄鉱石、石炭、穀物等)やタンカー(原油、石油製品、LNG等)、自動車運搬船など。⇔(反)定期船(ていきせん) |
船尺(ふなじゃく) | 船側のタンクを測定する方法のこと。積荷の時、荷主側で数量を測定し、船側でも確認のため、数量を測定する。船は海上にあり揺れるため、正確な数量を特定するのが難しいが、測定深度を液体で濡れている部分で測定する。近時は、甲板上にある液面計で測定する。 |
船荷証券(ふなにしょうけん) | 運送品の受け取りを証明するとともに、陸揚港で、その所持人に、これと引換にその運送品の引き渡しをすることを約する証書であり、同時に運送契約書の役割を果たすものである。 |
プラカード | 船舶で発生した廃棄物の海洋への排出に関して、船員などが遵守すべき事項等を記載した掲示板。船舶発生廃棄物汚染防止規程では、全長12m以上の船舶の船舶所有者は、船員等が船舶発生廃棄物の排出に関し遵守すべき事項等を船内の船員等に見やすいように掲示しなければならないとされている。 |
ブラスト法(Blasting ぶらすとほう) | 砂・鋼粒等を鋼材の表面に吹き付け、錆・汚れ等を取り除く表面処理のことをいう。 |
ブラックアウト | 船舶における船内電源の喪失するこという。ブラックアウトは、突発的に発生し、操舵装置等の重要機器が一瞬のうちに停止して操縦不能に陥る危険な状態となり、次いで衝突、座礁等を引き起こしかねないため、ブラックアウトした際は慌てず、冷静に判断して船舶の危険回避に努めなければならない。 |
フラッキング アウト(Flagging Out) | 船籍を変えること。結果、便宜置籍船となることが多い。 |
フラップラダー | 舵板の後端にフラップを付け、プロペラ排水流れを利用し通常の2倍の舵角(70度)を取ることができ、出入港の頻度が高い船の操縦性能を高めている。 |
フランジ(Flange) | 流体の配管でパイプや弁などの部品をつなぐ際に使われる、円盤部分同士をボルトなどで締結することで、パイプ同士を繋ぎ合わせる。配管の基本的接続部品のひとつ。 |
ブリザー弁(ぶりざーべん) | タンク内の圧力を一定範囲内に保つため、常に大気との間で自動的に呼吸作用を行う機能を持ったバルブ。この作用により、タンク内のベーパーによる膨張または収縮によるタンクの損傷を防止する。可燃性の液体に対しては、フレームアレスターと組み合わせて使用する場合が多い。 |
ブルワーク(Bulwark) | 「舷牆(げんしょう)」参照 |
ブレーキハンドル | ブレーキハンドルとは、甲板上にある、揚錨機又は係船機のドラムを固定するために使用するもの。 |
ブレストフック(Breasthook) | ファッションプレートを後部から支える三日月形の部材。 |
フレーム | フレームとは船体の前後方向に適当な間隔で設置され、外板が張られて縦方向の強度を確保するもの。人間の肋骨に相当する。(関連語句:ビーム) |
フレームアレスター(Flame arrestor) | 貨物タンクに取り付けてあるベント管などの開口部に設ける火炎侵入の防止装置。船舶の内外で起こった爆発の際に発生して伝ぱんすようとする火炎を消炎する。炎は平らな面はそのまま走るが、窪みの部分には集中的に侵入する。ベント管の開口部は炎の侵入口になりやすいので、これを防ぐため、円筒形に枠の中に金網とディスタンス・リングを数枚交互に入れたもの。 |
フレームナンバー(ふれーむなんばー Frame number) | 船舶の船尾垂線から船首垂線に至るまで各フレームに番号が振られる。このことをフレームナンバーという。フレームナンバーは船尾側をNO.0として船首方に行くに従って数字が大きくなる。499G/TのフレームナンバーはNO.0~NO.100が一般的である。 |
フレストバルブ | フレストバルブとは、シート面にテフロンパッキンを使用し弁体を2つ割りとした仕切弁のことで、タンカー等の多数の仕切りのある船倉にそれぞれ積載されているオイル等の流体を船外に搬送するためのバルブ |
フレッシュウォーター(Fresh Water) | 清水。洗浄用、洗濯・炊事・風呂用に用いられる。 |
振れ止め錨(ふれとめびょう) | 単錨泊時に船首の振れ回りを抑制するため投錨舷とは違う反対舷の錨を使用すること。 |
フレンドフィン | 船尾水面下のボス部周辺に取り付けられており、羽根に似た形状をしている。フレンドフィンを取り付けることにより、船尾の水流を制御し、出来るだけ少ない主機出力で プロペラがより大きな推力を出せる。現在、船舶の省エネ対策として注目されている。 |
ブローチング(Broaching) | うねりを船尾から受けて進むとき、船が波の傾斜前面に位置し、突然方向不安定な状態となってヨーイング(第29回海運豆知識:船体の動揺について参照)を起こし、一気に回頭し、船体が波の谷間に横たわる現象をいう。これは波速と船速がほぼ等しいときに起こりやすい。ブローチングを起こしたときに船体が傾斜しこれに横波を受けたりすると転覆の危険が生じる。 |
ブロック式建造法(ぶろっくけんぞうほう) | 船体をいくつかの塊(ブロック)に分けて船台以外の場所で作っておき、それぞれが完成してから船台に運んでつなぎ合わせて全体を作る方法である。 ブロックはどのような順番で作っても良く、ブロックを作る場所も船台以外のどこでも良いので、同時に数多くのブロックを作ることが可能となり、全体の工事期間を短縮することができる。さらに、この建造法では船台を占有する機関がブロックの繋ぎ合わせ作業の時間だけで済むので、船台期間が短くなり一つの船台でより多くの船を建造することができる。 |
フローティングドック(ふろーてぃんぐどっく) | 凹字型 をしていて、多数に仕切られた内部のタンクに注排水する事により、沈下、浮上出来る、浮きドックの事です。主に、ケーソン(コンクリート防波堤)製作等に使われることが多く、ケーソンドックとも言われます。その他、造船用に用いられたり、荷を載せ運搬等に使うことも出来ます。 |
フローティングルーフ・タンク(ふろーてぃんぐるーふたんく Floating-roof Tank) | 屋根が貯蔵物液面に浮いており、液面とともに上下するタンクのこと。和名では浮き屋根式タンクとも呼ばれる。原油・ガソリン等の蒸気による損失、また、蒸気相を無くし安全性が保たれることから揮発性石油類の貯蔵に用いられる。 |
プロペラ(Propeller) | 推進翼。エンジンの出力をプロペラ軸を通じての回転により推進力へと変換するための装置。 |
プロペラ・キャビテーション(Propeller cavitation) | 回転するプロペラの翼の先端付近で流速が速く、流速が速い分だけ圧力は低くなる。その圧力が蒸気圧に達すると水中で気泡が発生する。これがプロペラ・キャビテーションであり、いわば速い水流の中での沸騰現象とも言える。プロペラの翼の背面にキャビテーションが広がると推進力の減少、騒音・振動の発生、さらにキャビテーションで発生した気泡がプロペラ表面の近くで崩壊するとプロペラ表面を腐食することがある。 |
分解(ぶんかい) | ナフサを分解炉の中に水蒸気を送りこみ、800℃以上の温度にすると分解し、分子が細かく切れて(分解し)、もっと小さな分子(炭化水素~エチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)にさせること。 分解時は、高温のため気体で、混ざり合った状態だが、蒸留して分けて取り出す方法を取る。(分留(ぶんりゅう)) |
平均風速(へいきんふうそく) | 単位時間内に吹いた風の平均的な風速。気象庁では10分間の平均値を用いている。瞬間風速は平均風速の倍程度になることがある。通常、平均風速が毎秒10~15メートル以上の風を「強風」、毎秒20メートル以上の風を「暴風」と呼び、強風注意報、暴風警報などが発表される。 |
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閉止板(へいしばん) | 配管、ホース末端のフランジに取り付け、開口部を閉止する蓋。取付け不十分な状態で配管内に液を流すと漏液が発生するのでパッキンを挿入しボルトナットでしっかり取り付ける。 |
平水区域(へいすいくいき) | 港湾内、湖沼、河川等波の穏やかな水域。 |
ヘッドアップ(head up) | レーダー画面で、船首方向を上にして表示する方法。船橋から見える他船の状況と画面映像とが比較し易く、狭い港内や輻輳海域で使用する。変針中は周囲の映像がブレる。 |
べーパー配管(べーぱーはいかん Vapour Pipe) | タンカーにおける貨物油の気化ガス(Vapour)を外部に導く配管。 |
ペリカンフック | ペリカンの口ばしのように曲がった可動フック。救命艇のラッシングなどに使用し、緊急時、止め金具(リング)を叩いて外すと、簡単に口が開く。 |
ベルブック | 船長の主機関(テレグラフ)のオーダー、タグボート及びパイロットの名前等を記載しておくメモ帳のこと。 |
ベルマウス | ベルマウスとは、油(ケミカル)吸入管の先端についている吸入口のこと。放流量を増加させるため、吸入口の形状をラッパ状にしており、その形がベルに似ていることから、ベルマウスと呼ばれている。液体タンクに積む込み時にタンク底部5cm程度の位置に設け、空気の吸入を押さえて低液面まで吸引する役割を持っている。タンカーにおいて積荷時は、陸上配管から本船荷役配管を通り、ベルマウスよりタンクへ流し込まれる。揚荷時は、ベルマウスから貨物を吸引し甲板上の荷役配管を通って、陸上のタンクへと送油される。 |
便宜置籍船(べんぎちせきせん) | 会社が所在する国ではない外国に便宜上船籍をおいている船のこと。理由として日本は船籍にかかる税金が高く、外国に船籍をおいたほうがコストを軽減できるからである。 |
変針(へんしん) | 船の針路を変えること。 |
変針点(へんしんてん) | 船の針路を変える場所の事を変針点という。変針点目標は顕著な物標(灯台、山頂、岩、島)でなければならない。 |
偏差(へんさ Variation) | 地球自体が大きな磁気体であり、地理上の北極・南極の近くに磁北・磁南があるので、コンパスの磁針は、地理上の北極・南極を指すのではなく、磁北を指しズレが生じる。このズレを偏差と言う。 |
偏西風(へんせいふう Westerlies) | 北極・南極と赤道付近の温度差、地球の自転により、地球の周りを年間を通して西から東へ吹く風のことであり、地上ではなく上空で観測される。特に秋から春にかけて日本上空では強く吹く。 |
ベンチレーター(ventilator) | 船内に外気を取り込むための通風口。自然の風によるものと、機械で強制的に取り込むものがある。 |
ベント管(べんとかん Vent Line) | 空気管とも言う。ガス排出管。カーゴタンク内に発生したガスは、この管を使って、引火する恐れのない場所まで導いて排出させるパイプ。 |
防火構造(ぼうかこうぞう) | 居住区の防火構造については、SOLASによって火災発生時の延焼防止、脱出路の確保等の目的で、隔壁および甲板が保持すべき保全防熱性が規程され、使用する材料の防火性能についても詳細に規定されている。 |
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防舷材(ぼうげんざい) | 桟橋と船体が直接接触しないように、桟橋に取り付けられているゴム製のクッション材。 |
芳香族(ほうこうぞく Aromatic Compound) | ベンゼン環を含む化合物。主にベンゼン・トルエン・キシレンの総称。芳香をもつ化合物の共通構造であったことから「芳香族」とよばれるようになった。アロマ。BTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)。 |
防食亜鉛板(ぼうしょくあえんばん) | 船体周囲や配管は海水で満たされているので、鉄よりも先に亜鉛を腐食させることで、鉄の腐食を防ぐために取り付ける亜鉛板や亜鉛棒などを『防食亜鉛』という。 |
ボースンチェア(Boatswain’s chair) | ボースンチェアとは、マスト登りなどの海洋作業で用いられる吊るし型腰掛けのこと。 |
法定備品(ほうていびひん) | 日本船舶が船舶安全法、海上衝突予防法、船員法などによって設備を義務付けられる一定の備品または属具をいう。船舶設備規程による主要な法定属具には次のものがある。 号鐘・時計・双眼鏡・気圧計・手用測定具、手用測鉛・六分儀・コンパス・船灯・黒級・落下傘付き信号、火せん・国際信号旗・国際信号書等 |
ポートステートコントロール(Port State Control) | 入港国が行う船舶と乗組員の監督。旗国による監督(フラッグ・ステート・コントロール)だけでは国際的規則の遵守を確保することが不十分であるため、入港国による監督も行なわれること。日本国においては、本邦の港または沿岸係留施設にある外国船舶に対する立入検査や、それに基づく国際的規則の遵守命令が出され、一定の場合には航行の停止を命じることもある。 |
膨張式救命筏(ぼうちょうしききゅうめいいかだ Life Raft) | 膨張式救命筏の歴史は古く1913年第1時世界大戦において英空軍が膨張式救命筏を採用したのがはじまりと言われている。その後、1960年SOLAS条約で正式に採用となった。通常はカプセルに格納されており、船体放棄(総員退船)する際、海面へ投下すると自動で膨張し筏の形となる。筏の中には生き延びるために飲料水、乾パン、信号灯、海面着色剤、日光信号鏡(いわゆる鏡)、生存指導書、レーダー反射板、釣り針、釣り糸等が備えられている。 |
膨張トランク(ぼうちょうとらんく Expansion Trunk) | 膨張トランクとは、温度が上昇することによって高圧になる等の危険を防ぐために貨物タンクに設けられた場所のことをいう。 |
補機(ほき) | 主機以外の機関を指す。代表的な機関として発電機、各種ポンプ、通風装置、ボイラー、空気圧縮機、給水機、潤滑油ポンプ等。⇔(反)主機(しゅき) |
ホギング(Hogging) | 船体が長さ方向に対してやや凸の状態、すなわち中央が船首部・船尾部より上昇している状態(又は現象)のこと。(対語 サギング) |
保持船(ほじせん) | 2隻の船の針路が交差し衝突の恐れがある場合を「横切り関係」といい、横切り関係になった場合は、「他船を右に見る船」に避航の義務があり、もう一方の船は速力を保持して航行しなければならない。この時に針路速力を保持して航行しなければならない船を「保持船(針路速力保持船)」という。 |
保針(ほしん) | 風や波を受けないように船の針路を安定に保つこと。 |
ボースンストア(Boatswain’s store) | 甲板長倉庫。航海関係の索具、修理用工具、予備品等を格納するために使用する倉庫で船首揚錨機の下部に設けられている。 |
保税(ほぜい) | 輸入貨物が関税(輸入税)未納の状態にあること。輸入貨物は全て一旦保税地域、保税倉庫、保税タンクに納入され、関税を納めてから内貨品となる。 |
ボートダビット | 船舶に積載されている救命艇を水面に降下させる装置のこと。電力がなくてもボートの自重で自動的に降下する、重力型が一般的に採用されている。 |
ボラード(Bollard) | 係船柱。船を係留する際に係船ロープを巻きつけ、係止するため、甲板上または岸壁に設置した柱。2本1組のものがボラード。(1本のものがビット) |
本初子午線(ほんしょしごせん) | 本初子午線とは、経度0度0分0秒と定義された基準の子午線(経線)を指す。IERS基準子午線が策定される以前(1960〜70年代まで)の国際的な本初子午線としては、グリニッジ天文台を基準としたグリニッジ子午線が長く使われた。これはIERS基準子午線から西に5.3101秒、距離にして102.478 mの位置を通過している。二つの子午線は、全地球的には極めて近いことから、現在でも通俗的な説明としては「グリニッジ子午線」が「本初子午線」の意味で用いられることがある。なお、日本では、東経135度(明石市を通る子午線)の時刻を標準時にしている。 |
本船甲板渡し条件(ほんせんかんぱんわたしじょうけん FOB) | 「FOB」参照 |
ボンディング(Bonding) | 船体と桟橋間の電位差をなくして、各通信機器や電気機器や電気設備を火災や破壊やノイズの防止や動作の安定の為に行うもの。 |