アイウォール(eyewall) | 眼の壁雲。台風の眼を円形に囲い込む背の高い積乱雲群。雲頂は圏界面に達し、かなとこ状(頂上部分が拡がって平らになること)となる。眼の中は弱い下降気流のため、雲は少ない。 |
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アイドル・シップ(Idle Ship) | 老朽のため使用出来ない、あるいは採算上不利となったため、一時的に運航を休止して係船する船をいう。 |
IMOナンバー(あいえむおーなんばー IMO number) | 個々の船舶、船舶所有者、船舶管理会社に与えられる7桁の番号 |
合いドック(あいどっく) | 定期検査(通常5年に1回に国の船舶検査官が行う)と中間検査(2.5年に1回)の間に行う入渠(にゅうきょ)であって、任意に船舶所有者が行うもの(船舶安全法に基づかないもの)。合入渠(あいにゅうきょ)とも言う。 |
アクセスハッチ | 一般貨物船、バラ積貨物船、鉱石船などの貨物倉への交通用として設けられるハッチで、倉内梯子と組み合わせて使用される。 |
アイスプライス | ロープやワイヤーで、環の形にストランド(紐や縄など太さのある糸状のものを指す)を編み込んだもの。 |
アイレット(Eyelet) | 鳩目(ハトメ)ともいう。キャンパスカバーなどに装着する金属環のこと。 |
亜鉛板(あえんばん Zink Plate) | 保護亜鉛板。ジンクプレートともいわれる。電食防止の役目で、船体(鋼)とプロペラ(真鍮)のように異種金属が海水に入ると、船体側にイオン分離による腐食が発生する。これを亜鉛板に身代わりさせるもので、プロペラ付近に多く設置される |
青波(あおなみ) | 荒天時などに、船内に打ち込む波(海水)。しぶき(飛沫)とは区別する。 |
揚げ積み(あげつみ) | 揚げ荷役後に積み荷役を実施すること。ケミカル船の揚げ積みは、揚げ荷役後のタンク洗浄に時間がかかり同日では間に合わない場合がある。 |
上げ潮(あげしお Flood tide) | 海面が上昇しつつある状態 |
揚げ荷役(あげにやく) | 船体に積載したケミカル製品をカーゴポンプを使用し陸上側タンク内へ移送すること。 |
揚げ荷役(あげにやく) | 船体に積載したケミカル製品をカーゴポンプを使用し陸上側タンク内へ移送すること。 |
朝凪(あさなぎ) | 海陸風において、海側の気圧と陸側の気圧が等しくなり、風が一時的にやむことを凪といい、1日に2度生じる。朝凪は日出後の2~3時間発生する。 |
脚(あし) | 喫水のこと。または船速のことをいう。 |
葦船(あしぶね) | 葦(あし)とは、イネ科の植物のことをいい、葦を縄で束ねただけの船をいう。日本では、伊耶那岐命(イザナギノミコト)と伊耶那美命(イザナミノミコト)との間に生まれた最初の神様である蛭子命(ヒルコノミコト)が、葦舟に乗せられて海に流されたと「古事記」に記されている。 |
アースバー(除電棒) | 人体は、化学繊維製の衣服を脱ぐとき、ビニールカバーの椅子などから立ち上がる時、化学繊維のカーペット上を歩行するとき、それら摩擦によって人体帯電する。人体が1,000ボルト以上に帯電していると、その放電によって可燃性ガスに着火できる。タンカー船では、この静電気を少なくしスパークを防止するために船内各所に人体静電気をアースさせるためのアースバー(除電棒)を設置している。 |
当舵(あてかじ Steady) | 当舵とは、目標針路を超えて回頭しそうなときにそれを防ぐための操船をいう。当舵の大きさは、その船の舵効きや、喫水の状態によって変わるので、その状況に応じて調整する。 |
アップライト(Upright) | 船が傾斜していない状態。船体中央部両舷の喫水が同じであること。 |
アッペンダウンアンカー | 「UP AND DOWN(アップ アンド ダウン)」が短縮されて「アッペンダウン」となった。錨が立って錨鎖がホースパイプ直下に垂直となっている状態で、船の航行状態と停泊状態の境界となる。 |
アドバンス(Advance) | 舵を切ってから船体が 90 度回頭するまでに前方向に進んだ距離。操縦性能の1つ。 |
後船(あとぶね) | 着岸バースに、後に着く予定の船。(反)先船(さきぶね) |
亜熱帯高圧帯(あねったいこうあつたい) | 南北緯度30度付近で、偏西風帯と貿易風帯の間にある。気圧が高く下降気流となり、下層では発散している。 |
アネロイド気圧計(あねろいどきあつけい Aneroid barometer) | 一般に使用されている液体を使わない気圧計。アネロイドはギリシャ語で液体ではないの意。測器内部に真空盒(しんくうごう:真空タンク)を備え、気圧変化によるひずみを測定針に伝えている。 |
アバンダン宣言(あばんだんせんげん) | 貨物が全損になった可能性が高いにもかかわらず、全損が確定するまでに時間を要する場合に、確定まで保険求償が行えないとすると、迅速な損害回収という貨物保険本来の機能を被保険者が十分に享受できないことになる。このような場合に、被保険者が貨物の所有権を保険者に譲渡し、保険者に全損金の保険金請求を行うこと。 |
あびき | 春先に、気圧の微妙な変動や地形などの影響で起きる、海面の異常な昇降現象を「あびき(副振動)」と言う。数分から数十分の周期で急激に潮位が変動することが多く、数メートル近い潮位変化を伴う場合がある。 |
アフターピークタンク(After-peak Tank) | 船尾隔壁より船尾の方へ設けられた水槽で、バラストタンクまたは清水タンクに使用され、船尾喫水トリムの調整を必要とする時にも利用できる。船尾水槽(せんびすいそう)ともいう。⇔(反)フォアピークタンク(Fore-peak Tank)、船首水槽(せんしゅすいそう) |
油(あぶら) | 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律で定められている油とは原油、重油、潤滑油、軽油、灯油、揮発油、アスファルト及びこれら油以外の炭化水素油(石炭から抽出されるものを除く)であって、科学的に単一の有機化合物及び2以上の当該有機化合物を調合して得られる混合物以外のもの並びにこれらの油を含む油性混合物をいう。 |
油記録簿(あぶらきろくぼ) | ビルジ、油性残留物等の処理については作業後のその方法、処理量、処理海域の記録。また燃料補給については、その量を記録する記録簿のこと。なお、この記録簿は海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律で記録を義務付けられている。 |
油処理剤(あぶらしょりざい) | 船舶から油が海上流出した際に使用する。いずれも油を乳化、乳化分散させるもので油の量の20~30%を散布し海面を十分に撹拌して処理する。また、油を凝固させるゲル化剤も開発されており、回収後は焼却することが出来る。処理剤の使用に際しては、海洋環境や漁業への影響もありうるので、会社関係者、海上保安庁、漁業関係者と事前打合せが必要となる。 |
アブログ(Abstract log) | 船舶の運航上発生した記録したものが航海日誌と呼ばれ、特にその中で重要な諸点(航行距離、燃料消費量、入港地名、入出港時間、積載貨物名及び数量)を、一航海ごとに分けて記録した日誌のこと。 |
海人族(あまぞく) | 古代の日本においては、海人族と呼ばれる人々が各地の海で釣り漁や網漁、潜水漁、タコ壺漁などをして暮らしていた。彼らは得た魚介類を朝廷に献上するだけでなく天皇家を支える海上交通の担い手でもあった。古事記、日本書紀には274年に伊豆の国命じて作らせた船を使い、淡路島で湧く清水を天皇の御料水とするために海人たちに都まで運ばせたという記述がある。 |
アーミングホール(arming hole) | 手用測鉛の底にある穴。グリスを詰めて底質を調べる。小型内航船では手用測鉛はによる底質を調べることはほぼない。錨泊時は海図記載の底質を基に行っている。 |
アーム(あーむ Arm) | 腕のように伸び、海底の土をつかむ。 |
アメダス(Automated Meteorological Data Acquisition System) | 「Automated Meteorological Data Acquisition System」の和略。地域気象自動観測システム。全国約 1300 箇所で雨量を、840 箇所で風向風速、気温、日照時間も観測している。 |
歩み板(あゆみいた) | 船と桟橋の間を、人が行き来するために渡す板。干満の関係などによっては、船陸間でかなりの高低差が発生する場合があり、そのような場合は、板を渡し、板の上を人が歩行する。 |
アライアンス | 船社間協定の一形態で、世界規模での最適配船、コスト合理化を図るための戦略的船社間協定。1992年後半から1993年にかけて欧州航路や北米航路でアライアンスを模索する動きが始まった。 |
アルパー(自動衝突予防援助装置 Automatic Redar Plotting Aids(ARPA)) | 「ARPA」(えーあーるぴーえー)参照 |
アレージホール | アレージとは、タンク上面から貨物油面(液面)までの距離の事で、タンカーでは油量計測時、アレージ・ホールから巻尺に似たアレージ・テープを入れて計測する。 |
泡消火装置(あわしょうかそうち) | 一定の水量を給水できるポンプ、泡原液とその貯蔵タンク、泡原液と水を規定の容量濃度に混合させる混合装置、泡原液水溶液と空気を撹拌混合して泡を生成放出する泡放出口、および送液のための一連の配管ならびに関連制御装置から構成される。 |
アンカーアウェイ | アッペンダウンアンカーから更に少し錨鎖が巻き込まれ錨が起き、アンカークラウンが海底を 完全に離れようとする時をいう。 |
アンカーベッド(Anchor Bed) | ホースパイプのない船で錨を甲板上に固定するための台座。 |
暗礁(あんしょう) | 暗礁は、常に水面下にある岩礁のことを指す。岩石や珊瑚礁などでできており、船舶にとっては座礁の恐れがある危険な場所となっている。 |
安全荷重(あんぜんかじゅう) | 安全使用荷重または制限荷重。装置または構造物等を安全に使用できる最大荷重または制限荷重。 |
安全管理規定(あんぜんかんりきてい) | 平成18年9月に「運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律」により、運輸事業者に対して、絶えず輸送の安全性の向上に向けた取組を求めるとともに、安全最優先の方針の下、経営トップ主導による経営トップから現場まで一丸となった安全管理体制の適切な構築を図るため、運輸事業者に対して、安全管理規程の作成等が義務付けられたもので、海運会社も船舶の安全運航及び海洋環境保護に関し、有効かつ適切な安全管理システムを確立するため、当規定を定めている。 |
安全担当(あんぜんたんとうしゃ) | 作業⽤具や作業設備の点検整備。安全装置、検知器具、消⽕器具、保護具の点検整備。安全に関する教育と訓練。記録(安全担当者記録簿)の作成を担当する。 |
暗車(あんしゃ) | 船舶の船尾部にあるスクリュープロペラ(プロペラ)のことをいう。常に水面より下 (喫水線下)にあり見えないことから、暗車といわれる。 |
安全工具(あんぜんこうぐ) | タンカーでは、可燃性ガスに対する引火の危険防止のため衝撃や摩擦によって火花を発するおそれのない非鉄金属製(ニッケルアルミ銅合金等)の安全工具の使用が義務付けられている。 |
安全水域標識(あんぜんすいいきひょうしき) | 可航域や航路の中央に設置される。赤と白の縦縞。頭標は球形。 |
安全な速力(あんぜんなそくりょく) | 他の船舶との衝突を避けるための適切かつ有効な動作をとること又はその時の状況に適した距離で停止することができるように航行することをいう。 |
硫黄酸化物(いおうさんかぶつ SOx、Sulfur Oxides) | 「SOx」参照 |
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錨(いかり) | 1節25m×8節=200m(全長)、降ろすのは、通常5節程度。停泊できるのは、錨の爪によるものではなく、チェーン自体の重さ(はちゅう力)であり、抵抗力。 |
行会い船の航法(いきあいせんのこうほう) | 二隻の動力船が真向かい又はほとんど真向かいに行き会う場合において衝突するおそれがあるとき、これを「行会い船」といい、各動力船は、互いに他の動力船の左舷側を通過することができるようにそれぞれ針路を右に転じなければならないと定められている。(海上衝突予防法 第14条の行会い船) |
行き脚(いきあし) | 船舶等の前進速力に対し、それまでの勢いで走り続けること。 |
行き脚をなくす(いきあしをなくす) | 行き脚を無くすとは、前進速力が一定以下になることをいい、舵による操船が不能となることをいう。(ケミカルタンカー499G/Tでは2knot以下で操船不能となる)。 |
行先信号(いきさきしんごう) | 海上交通安全法に規定されており、航路付近の他船に対し、自船の動向を知らせる信号で、国際信号旗、汽笛、発光を用いる。 |
遺棄船(いきせん Derelict) | 損傷が大きいため見捨てられた船をいう。 |
委託船(いたくせん) | 貸渡業者(オーナー)が運送業者(オペレーター)に対し船舶の運航を全面的に委託すること。この契約は、定期用船とは異なり、貸渡業者の収入は一定ではなく、好況時など運賃が高く、稼働率が高いときは利益が上がるが、不況時には収入が下がり安定しないという面がある。 |
1日1回潮(いちにちいっかいちょう Single day tide) | 1日に通常2回ある満潮と干潮が、日潮不等のはなはだしいときに1日に1回の満潮と干潮しか起こらないこと |
位置の線(いちのせん) | 灯台からの方位線など、自船のいる場所を含んだ直線や曲線。この線を複数集め、交差させた点を船位とする。 |
一番船(いちばんせん) | 同じ桟橋で、一日に複数の荷役が予定されている場合、その中で最初に荷役を行う船のこと。二番目に荷役を行う船は「二番船」。 |
一体型建造法(いったいがたけんぞうほう) | 船台に、まず船体の最下部となるキール(竜骨)部分を据え、そこから下から上に順々に骨組みを作り、骨組みができたら外板を貼るという具合に船体を組み上げてゆく方法である。下部ができるまで上部の製作に取り掛かれないため進水までの建造期間は長く、生産性を高める為に第二次世界大戦以降の造船はブロック式建造法が主流となる。 |
一点係留(いってんけいりゅう SPM: Single point Mooring) | タンカーを沖合のブイに係留したまま荷役できるようにしたシステムの名称。このブイをSPMターミナルまたはターミナル・ブイという。このブイにはタンカーを係留する係船装置のほかに荷役のためのフローティング・ホースが装備されている。このホースは常時浮かばせておくパーマネント・フロート方式と使用時以外は海中に沈めておく浮沈ホース式とがある。 |
一般配置図(いっぱんはいちず) | 広く一般に適用される法規で、都合の悪い箇所には特別法が設けられる。海上衝突 予防法と海上交通安全法及び港則法はこの関係 |
一般風(いっぱんふう) | 等圧線に沿って吹く風。地衡風や傾度風を指す場合が多い。 |
一般法(いっぱんほう) | 貨物倉(貨物槽)、荷役装置、機関室、各タンク、ハッチカバー(貨物船のみ)、居住区の諸室、係船装置、扉等の配置を示した図面のこと。 |
緯度(いど) | 地球上のある地点の南北の位置を表す座標の一。赤道を零度として、それと平行に南北に地球を横に切る線の目盛り。南北おのおの90度まで測り、北へ測るのを北緯、南へ測るのを南緯という。 |
移動性高気圧(いどうせいこうきあつ) | 春・秋に出現する。中国大陸から高気圧が偏西風に流され、日本を通過する。高気圧の前面では北よりの風が吹き天気はよいが気温は低い。後面では南よりの風となり気温は上がるが天気は崩れやすい。 |
イーブン・キール(平脚(ひらあし)Even Keel) | イーブンキール(ヒラアシ)とは、船首と船尾の喫水が同じ状態をいう。利点、欠点ともにバイザヘッドとバイザスタンの中間である。水深の浅い港、河川、運河を航行する場合にイーブンキールとする場合がある。 |
イナートガス(Inert Gas) | イナートガスとは、N2(窒素)やCO2(二酸化炭素)などの不活性ガスのこと。危険物を積載する原油タンカー、LPGタンカー、LNGタンカーのタンク内に、イナートガスを注入することにより、タンク内の酸素量を抑制し引火爆発を未然に防ぐ役割をもっている。 |
居眠り防止装置(いねむりぼうしそうち) | 船橋での当直航海士の不在や居眠り・急病で生じる事故を未然に防ぐことを目的とした装置で、3分〜12分の任意の時間で設定されたタイマーが当直航海士によりリセットされなければ、船橋内で可視・可聴警報を発する装置。更に船員居住区に警報を転送する。 |
井上式三角定規(いのうえしきさんかくじょうぎ) | 三角定規の表面に方位目盛を入れたもので、コンパスローズがなくても方位線が引ける |
命綱(いのちづな) | 高所作業や舷外作業を行う者が転落を防止するために着用する。装着しやすいように加工したものが安全ベルト。 |
イマーションスーツ | 寒冷時の救助艇作業員の風浪暴露からの人体防護や、海中転落時の体温低下を防止するために着用する防護服。 |
イイモドコブイ | 大型タンカー用に送油管を備えた船首一点係留用の浮標。 |
入浜権(いりはまけん) | 海浜や海岸に自由に立ち入り,魚介類の採取や海水浴など自然の恩恵を享受できる権利。 |
入船(いりふね) | 入船とは、港の入口(港口)に船尾方向を向けた状態で着桟(岸)する方法である。出船と全くの逆を指す。実際の入港は長らく出船で行われてきたが、エンジンの騒音問題等を踏まえ、近年は入り船での入港が増えつつある。⇔(反)出船(でふね) |
移流霧(いりゅうぎり) | 海霧の多くがこれ。南からの暖湿気流が低温の海面に移流し、下層が飽和し、結露、これが霧となる。初夏、三陸沖のやませが有名。 |
引火点(いんかてん) | 液体の表面近くで引火(物が他の火・熱で発火すること)するのに十分な濃度の可燃性ガスが生じる最低の液温のこと。ガソリンでは-40℃、軽油は50~60℃。 |
インコタームズ(Incoterms) | 国際商業会議所 (International Chamber of Commerce: ICC) が策定した貿易条件の定義である。1936年以降策定されているが、改正を重ね、最新版 (Incoterms2010) は2011年1月1日から発効した。名称はInternationalの’In’、フランス語のCommerce(Trade)の’co’、それに’Terms’を組み合わせた略称。貿易取引における運賃、保険料、リスク(損失責任)負担等の条件に関する売主と買主の合意内容について、国によって用語の解釈に不一致があると貿易が円滑に行われないため、国際的に統一的な定義を取り決めたもの。 任意規則であるため、強制力はなく、貿易取引の契約書に「本契約で使用されている貿易条件は、インコタームズ2000によって解釈する」というような約款を入れることが一般的である。また、両当事者が合意すれば、例えば1990年度版に準拠することも自由にできる。インコタームズの本文(和英対訳)は、国際商業会議所日本委員会で入手することができる。 |
インジケータコック | 内燃機関でシリンダー内の圧力を測定するための指圧器を取り付けるコックのこと。 |
インシデント(Incident) | 船舶または人が危険にさらされ、又は結果として船舶や構造物、環境への重大な危害が生じたかもしれない船舶の運用に起因・関連するできごと、又は事象をいう。 |
インデックスエラー(Index Error) | 六分儀の器差。遠くの水平線や太陽の直径を測定し、天測暦データと比較することで得られる。 |
インテグレイテッド・ブリッジ・システム (Integrated Navigation System=INS) | ECDIS、ARPAレーダー、AIS、オートパイロットなどを組み合わせ、航路監視、衝突予防、航路計画および自動操船など航海機能を統合したシステム。 |
インマルサット(INMARSAT) | 「International Maritime Satellite Organization」の略。国際海事衛星機構の略称。1979年に発効した〈国際海事衛星機構に関する条約〉によって設立された国際機関のこと。海上における遭難・安全通信,海事公衆通信業務,無線測位などの海事通信を行うための衛星を打ち上げ、提供することを目的とし、総会、理事会および事務局により構成されている。 |
飲料水(いんりょうすい) | 「船内で飲める淡水。清水は真水のことで、保存タンクの状態により、飲用に適さない場合もある。清水の積込みには「専用のホース」を使う。 |
ウィーク・リンク(Weak link) | 船舶が沈没した場合に膨張式救命いかだを船体から離脱させるための索。一端は常時いかだの積付け架台に固縛されており、他端はいかだのもやい綱に結び付けられている。 |
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ウイング(Wing) | 船橋から左右に張り出した場所。操船や見張りに使用。船舶によってレピーターコンパスがある。 |
ウィンドラス(Windlass) | 揚錨機。船舶の投揚錨並びに係船装置を言う。アンカーチェーンあるいはロープの巻き取り、繰出装置、ブレーキ装置からなり、主として油圧あるいは電動モーターにより駆動される。 |
ウエザーサイド(Weather side) | 風上側のこという。(対義語=リーサイド) |
ウェブフレーム(Webframe) | 特設フレーム。通常のフレームだけでは強度に問題がある場合に大型のものが設置される。 |
ウェス(Waste) | ぼろ、ぼろきれ。機関・機械等油汚れの手入れに使用する古い布。油分で汚れたウェスは自然発火しやすいので、早期に陸揚げ、焼却等の処分が必要。 |
ウエルディングポンプ(Wilden pump) | 防爆、危険エリア等電気の使用が厳しいエリアでの使用に最適な圧縮エアーを駆動源としたダイアフラムポンプのこと。ケミカルタンカーではタンククリーニング終了後の残水処理等に使用している。 |
ウォークバック(Walk back) | 引火性危険物を積揚げする際、万一の危険防止のため本船と工場を仕切るため一列の噴水を出す装置のこと。 |
ウォーターカーテン | ウインドラス(揚錨機)を逆回転させ、錨を降ろすこと。 |
ウォームコア(Warm core) | 温暖核。台風の中心にある暖気核。これがなくなると温帯低気圧に変化する。 |
浮ドック(うきどっく) | 「フローティングドック」参照 |
右舷(うげん Starboard) | 船尾から見て、右側を指す。⇔(反)左舷(さげん) |
うず巻きポンプ(うずまきぽんぷ) | ポンプケーシング内に装備される羽根車の回転によって発生する水の遠心作用を利用して送水するポンプのこと。うず巻きポンプは構造が容易で小型であり一度に大容量のものが得られるが、ケーシング内に空気が混入する場合は揚水が困難であり、始動の際は呼び水装置が必要である。 |
うねり(Swell) | 観測場所からかなり離れた所で起きた波が伝わってきたもの。波長は大。例えば、南方洋上で発達した台風から「うねり」が風に先駆けて日本の太平洋岸に到達したものを土用波と言う。台風の襲来を告げる自然が放った伝令のようなもの。 |
うねり階級(うねりかいきゅう) | 波が進むスピードより風が強いと、波は風に押されて次第に三角波を形成する。このように、その海域で吹いている風によって生じる波を風浪と言うが、その風浪が発生域を離れるなどして、風の直接の影響を受けなくなった状態の波を言う。 そのうねりの大きさを階級別に合わせて説明した物をうねり階級と言う。 0 うねりがない 1 短くまたは中位の弱いうねり(波高2m未満) 2 長く弱いうねり(波高2m未満) 3 短くやや高いうねり(波高2m ~ 4m) 4 中位のやや高いうねり(波高2m ~ 4m) 5 長くやや高いうねり(波高2m ~ 4m) 6 短く高いうねり(波高4m以上) 7 中位の高いうねり(波高4m以上) 8 長く高いうねり(波高4m以上) 9 2方向以上からうねりがきて海上が混乱している場合 |
海風(うみかぜ) | 海は温まりにくく冷めにくい性質を持ち、昼夜、日射によって温められると、海面より地面の方が加熱しやすいので、陸上側で(気圧が低くなる)上昇気流が起こり、それを補うために海上から風が吹く。これを海風という。 |
運転不自由船(うんてん‐ふじゆうせん) | 船舶の操縦性能を制限する故障や異常な事態が生じているため、他の船舶の進路を避けることができない 船舶のことをいう。 なお当該船の灯火及び形象物は、次のとおりです。(全長12m以下の船舶は適用外) ①灯火 夜間:最も見えやすい場所に紅色の全周灯2個を垂直線上に掲げること。 対水速力を有する場合:舷灯1対(長さ20メートル未満の運転不自由船にあっては、舷灯1対又は両色灯1個)を掲げ、かつ、できる限り船尾近くに船尾灯1個を掲げる。 ②形象物 昼間:最も見えやすい場所(例:船首マスト等)に球形の形象物 2個又はこれに類似した形象物2個を垂直線上に掲げる。 |
運賃・保険料込み条件(うんちんほけんりょうはらいこみじょうけん CIF) | 「CIF」参照 |
雲量(うんりょう) | 全天を占める雲の割合。日本では10分量を用い、国際的には8分量を用いている。霧で見えない場合は、雲とみなし10とする。 |
エア押し(えあおし) | 積込終了時に陸上配管内に残っている液状貨物を本船に押し込む。逆に、荷揚する場合、本船の配管内に残っている貨物を陸上側に押し上げる。この時エアで押すことを「エア押し」、窒素を使う場合「N2押し」と言う。 |
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エアークラッチ(えあーくらっち Air Clutch) | エアーチューブを空気圧で膨張収縮させることにより摩擦力を制御して、エンジンの回転力をポンプ等の駆動力として伝達する仕組みのことをいう。 |
エアードラフト | 水面から船体構造物最先端までの高さをいう。 |
エアーハッチ | デッキ上にある円筒形のベント管立ち上がり接続部分。オイルタイトハッチより小径。 |
エアーラン | 機関起動前及び機関停止後に圧縮空気を使用して機関を回転させることであり、機関起動前にはシリンダー内に燃料・潤滑油・冷却清水の漏れがないことを確認し、機関停止後にはシリンダー内の燃焼ガス・煤の排出を目的とする。 |
AF塗料(えーえふとりょう Anti-Fouling paint) | 船体喫水線下の外板に塗装され、海洋生物付着を防止する塗料のことをいう。 |
AC塗料(えーしーとりょう Anti-Corrosion paint) | 船体喫水線下の外板に塗装されるさび止め塗料のことをいう。 |
A接点(えーせってん Arbeit Contact) | 電気回路において、スイッチ操作等により開いていた回路が閉じて電気が流れる接点構成のことをいう。(例)ポンプなどの機器の動作をスイッチを押して開始する場合 |
曳航(えいこう) | 船舶が物件や他の船舶を引きながら航行すること。操縦性能が制限されると船長が判断すれば、操縦性能制限船となる。 |
A種船(えいしゅせん) | 船の長さが60m以下のタンカーで積み荷が引火点60℃以下の引火性液体類を積載できるタンカーをいう。主にガソリンや灯油を積載する小型油タンカー。特別な安全構造(船の長さが60mを超えるタンカーと同程度)を必要としている。 |
衛星画像(えいせいがぞう) | 気象衛星により定時的に送られてくる画像。可視画像、赤外画像、水蒸気画像がある。雲の広がりや高さ、水蒸気の多寡などが判別できる。 |
衛星航法(えいせいこうほう) | 電波航法の一種であり、人工衛星に搭載された電波送信機までの距離を測定して船位を求める方法。 |
曳船(えいせん Tug Boat) | 他船を曳いたり押したりするための船舶。外洋で故障を起こし航行不能になった船舶を曳航したり、港内に出入港する船舶の操船の補助として使用される。「引船」、「ひきふね」とも呼ぶ。 |
液体化学薬品 (えきたいかがくやくひん) | ばら積液体危険物の一種類で、摂氏37.8度で0.28メガパスカル以下のガス圧を持つ液体であって腐しょく性、人体に対する毒性、引火性、自然発火性及び危険な反応性を持つ物質をいう。液体化学薬品ばら積船での主要運送品目はベンゼン、トルエン、キシレン等である。また、当該物質を運送する液体化学薬品ばら積船は、安全運送を確保するために、危規則に運送基準、運送船舶の貨物格納設備及び構造等が規定されているほか、海洋汚染防止の観点から、海防法に排出等の規制が規定されている。これらの規定は「海上における人命の安全のための国際条約」(SOLAS条約)及び「海洋汚染防止条約」(MALPOL条約)の両条約を根拠とする強制コード「液体化学薬品ばら積船の構造及び設備に関する国際規則」(IBCコード)を取り入れたものであり、当該コードに満足しない限り当該物質を運送することができないこととなっている。 |
液面計 (えきめんけい Liquid-Level Gauge) | 閉鎖・密閉状態のカーゴタンク内の油面高を測定し表示する装置。ガイドパイプ内にセンサーを一定間隔で配列し、そのガイドパイプに沿ってフロートが上下する。フロート内部には磁石が内蔵されており、この磁石によりセンサーのON・OFFを検知して液位を計測する。(電磁フロート式液面計) |
エコーサウンダー (Echo Sounder) | 「音響測深儀」(おんきょうそくしんぎ)参照 |
A重油(えーじゅうゆ) | 動粘度が低く、常温でも使用可能。硫黄含有率の低い重油。 |
エスケープトランク | 非常時、軸路又は機関室から開放甲板上に直接脱出できるように形成された通路。 |
SWL(えすだぶるえる) | 「Safe Working Lord」の略。設備の安全な使用制限荷重のことをいう。船首尾のフェアリーダー、ボラード、油圧クレーン、機関室チェーンブロック等の荷重のかかる箇所にSWL〇〇KN(ton)などど標示される。 |
エダクター | エダクターは船倉内のビルジ吸引用や、貨物油、海水バラストなどのストリッピング吸引用に常用される。 |
NK船(えぬけーせん) | 一般財団法人日本海事協会の検査を受け船級の登録をした船舶の一般的呼称。8条船舶あるいは船級船ともいう。 |
FOC船(えふおーしーせん Flag of Convenience Ship) | 運航コストを下げるため、⽇本の船社が所有する⼜は⽤船する海外船籍(パナマ、リベリア)の船舶。便宜置籍船。 |
エプロン | コンテナ荷役をおこなうためのバースにあり、コンテナの積み卸しを行なうガントリークレーンが設置されている箇所をいう。 |
エマルジョン化(えまるじょんか) | 「乳化」ともいう。互いに混ざり合わない液体の一方を微粒子にして他方に分散させること。撹伴(かくはん)などの方法を用い、保存するためにふつう乳化剤を加える。 |
エムゼロ | 機関室の当直無しで、主機を24時間運転できる設備を備えた船をMゼロ(えむぜろ)船と呼ぶ。「Mゼロ」とは(財)日本海事協会が定めた船級を示す符号で「Machinery Space Zero Person」の略。船橋からの主機遠隔コントロールが可能でかつ機関室の異常を知らせる警報装置、異常時に自動的に主機を減速する装置など、無人運転のための多くの規定を満たした船を意味する。 |
エルニーニョ(El Niño) | ペルー沖の海面温度が異常に高くなった場合に世界各地で生じる異常な気象現象の総称。地元の漁師が現地の言葉(スペイン語)でこう呼んでいたのが、世界中に広まった。日本では冷夏・少雨梅雨などの異常気象をもたらす。 |
LPG船(えるぴーじーせん) | Liquefied Petroleum Gasの略。液化石油ガスのこと。具体的には、液化プロパンや液化ブタンのこと。常温・常圧では気体だが、加圧又は低温にすることにより、液化された貨物を運ぶ船。 |
エロージョン(Erosion) | エロージョンとは、キャビテーションによって生じた気泡が急激に潰れることで非常に高い圧力が発生し、プロペラの表面を浸食してぼろぼろにしてしまう腐食作用のことをいう。 |
沿海区域(えんかいくいき Coasting Area) | 船舶安全法施行規則で定められた沿岸から20海里以内の区域。 |
沿海資格(えんかいしかく Coasting Qualification) | 船舶の航行区域により与えられる資格のひとつ。この資格は北海道、本州、四国、九州およびこれらに附属する特定の島から20海里以内を航行できる資格をいう。 |
遠隔制御(えんかくせいぎょ) | 原動機、補機(ポンプ・空気圧縮機)等をその設置されている場所から離れた場所で運転・制御を行うことをいう。 |
沿岸航法(えんがんこうほう) | 岬、山頂、灯台など地上の物標あるいは測深を利用する方法。 |
沿岸波浪図(えんがんはろうず) | 日本周辺の海上模様を表す。等波高線、卓越波向、風向風速などが記載。 |
縁切(えんぎり) | 同一船で二品目の積み合わせ荷役を行う際、貨物同士のコンタミネーションを防ぐため 船の配管を、それぞれの品目毎に完全に独立させること。一般的なケミカル船は、二系列に独立している配管を一か所でつないで一系列運用して おり、このつなぎ部分の短管ごと取り外し切り離してしまう。 |
縁材(えんざい) | 「コーミング」参照 |
エンジンテレグラフ(Engine telegraph) | エンジンテレグラフは、船橋からエンジンの指示を行う指示器のこと。近代化船では装置の電子化により、船橋から離れていてもエンジンを遠隔操作することが出来るようになった。 |
煙霧(えんむ) | 大気中に微粒子が視程障害を引き起こすくらい多量に漂う気象現象のこと。 |
遠洋区域(えんようくいき) | 平水区域・沿海区域・近海区域を除く一切の海面を含む航行区域。 |
追い越し船の航法(おいこしぶねのこうほう) | 海上衝突予防法第 13 条。あらゆる船舶に適用し、追越す側に避航義務を課す。追越しと横切りの境目は正横後2点。どちらかを判断できない場合は、追越し船と判断する。 |
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オイルタイトハッチ | デッキ上にある円筒形のカーゴタンクへの出入り口。カーゴタンク内へ降りるためのはしごが設置してある。 |
オイルフェンス | 海上で、タンカー などから油漏れが生じたとき、広がらないようにするため一時的に設置する柵のこと。オイルフェンスは、①波高2mで有効であること。②風速10~15m、潮流1ノットで使用できること。③取扱簡便で格納に場所を取らないこと。④結合が容易であること。等の条件を満たさなければならない。 |
沖修理(おきしゅうり) | 船舶関係の修理を沖で行うこと。船舶関係の修理は、可能な限り着岸中(仮バース若しくは造船所)に行うが、航海の途中で修理することもある。沖修理の場合、修理業者は通船ボートで移動し本船に乗船し修理する。 |
沖荷役(おきにやく) | 沖に停泊している外航船と内航船間で、海上でカーゴの受渡しを行うこと。日本港湾施設(バース)が小さい場合、大きな外航船等が桟橋等に着桟することが物理的に無理の場合のみ許可される。国内で許可されるのは横浜港と神戸港のみ。 |
オゾン(Ozone) | 気体の一種。成層圏に多く存在し、紫外線を吸収する作用を持つ。酸素分子が紫外線により光解離し、他の酸素分子と結合してできる。 |
乙仲(おつなか) | 海運貨物取扱業者。船会社と荷主の間に立って海運カーゴの港湾における運搬、受け渡し、それらに伴う業務を代行する業者。戦時中に、船舶の売買などを仲立をする甲種海運仲立業に対して、乙種海運仲立業と称したことばの残ったもの。 |
オートテンションウインチ(Constant tension winch) | 係留索の張り具合を自動的に調節してくれる甲板機械。日々の潮汐や積荷の上げ下しに自動で対応できる。 |
オーバーフロー管(おーばーふろーかん) | ディ―プタンク内に過圧が生じるおそれがある場合に、タンク内の過圧を防止するために設けるパイプ。 オーバーフロー菅の合計断面積は、注入管の合計面積の1.25倍以上であること。十分な容器のオーバーフロータンク又はあふれ出た液体を十分に処理できる容量を有する他のタンクに導かれたものであることなどの規則の要求に適合するものでなければならない。 |
オーバーリッチ | オーバーリッチとは、カーゴタンク内のガス濃度を爆発上限界以上の濃度に保つことをいう。爆発を防止するためには、可燃性ガス又は空気のいずれか一方をなくすか、少なくする必要があり、可燃性ガスを無くすことが最も安全であるがタンカーでは特別な場合を除いて不可能であるため、上記方法により、爆発範囲から外す方法が取られる。 |
オーバル型流量計(おーばるけいりゅうりょうけい) | 配管内を流れる液体の流量(流速)を計って液量を算出する。流体がメーターを通過する時、オーバルと呼ばれる2個の楕円形をした歯車状の回転子が噛み合って回転する。このとき1回転で送り出されるケーシング内の容積と回転数によって流量を積算し、指示する装置。 |
帯状高気圧(おびじょうこうきあつ) | 春秋の代表的な形。いくつかの移動性高気圧が東西(南北もある)に並んで帯状に連なる。低気圧が発達せず、晴天が長続きする。 |
オフセットベント | 管系の一部に曲がりを設け変形を吸収できるようにした配管のことをいう。 |
オフ・ハイヤー(Off Hire) | 賃借料の対象とならない部分(船が使用できない日数分(例えばドック入り等)荷主側が払わない賃借料のこと、本来、船主側が負担すべきもの)⇔(反)オン・ハイヤー(On Hire) |
オペレーションマニュアル(Operation Manuals) | 油等の可燃性液体、危険物船舶運送及び貯蔵規則並びにIMOケミカルコードに定める液体化学薬品のばら積輸送に従事する船舶に対して、航行中及び入港中の作業の安全性を向上させる上で、船舶及び対象貨物に関する、最善の実務に関する情報を記載した冊子。全ての積載予定貨物の積載計画に必要な情報、貨物移送、タンク洗浄、ガスフリー及びバラスト作業に関する注意事項が記載されている。 |
オペレーター(Operator) | 所有船又は傭船(借り船)をもって、種々の積荷のオーダーを適切に配船する運航業者。 |
オホーツク海気団(おほーつくかいきだん) | オホーツク海上にできる寒冷・湿潤な気団。春・秋に小笠原気団との間に停滞前線を作り、東日本に持続した降雨をもたらす。また、やませの原因ともなる。 |
面舵(おもかじ Starboard) | 右に舵をとり、船を右旋回させること。⇔(反)取り舵(とりかじ Port) |
艏(おもて Bow) | 「船首」参照。⇔(反)艫(とも) |
艏脚(おもてあし By the Head バイザヘッド) | バイザヘッド(オモテアシ)とは、船首のほうが船尾より喫水が大きくなっている状態をいう。船首部の見張りがよくできる利点が上げられるが、速力低下、舵効不良、波浪が浸入しやすい等の欠点がある。⇔(反)艫脚(ともあし By the Stem) |
親潮(おやしお) | 千島列島の東側から三陸沖を南西方に流れる寒流。流速は 0.3~1ノット。正式名は千島海流。 |
音響測深儀(おんきょうそくしんぎ Echo Sounder) | 船の位置の水深を測定する航海計器。「エコーサウンダー」ともいう。船底に音波の送受波器を設けて音波を受信し、その所用時間を計り、その2分の1に音波が水中を伝わる速さ、(毎秒約1,500m)を乗じて水深を求めて連続的に表示する。 |
温暖核(おんだんかく Warm core) | 「ウォームコア」参照 |
温度換算係数(おんどかんざんけいすう) | 積み荷の数量は15℃を基準とした数量でオーダーされ、液体類は温度の変化により体積も変わってくる。実際に出荷される温度により、体積が微増するので補正するために使用する係数。15℃で払い出される貨物に対しては、温度換算係数は1となる。 |
温度傾度(おんどけいど) | 単位距離あたりの温度差。前線部分ではこれが大きく、天気図上では等温線が密集している。 |
温度風(おんどふう) | 中緯度において高度とともに地衡風は風速を増すが、その理由は上層ほど南北の温度傾度が大きいためで、これを温度風の関係という。北半球では高温部を右に見て吹く。温度風という風があるわけではない。 |
音波(おんぱ) | 空気中よりも水中で良く伝わる。周波数を高くすると、反射性と指向性が増す。エコーサウンダーやドップラーログに使用。速度は、空気中 340m/s、水中 1500m/s。 |
オン・ハイヤー(On Hire) | 用船開始。または用船契約算入期間。⇔(反)オフ・ハイヤー(Off Hire) |