明和徒然日記

第25回 ありがとう

ちょうど一年前の出来事である。
当社の社長の新年挨拶まわりに随行して地方の工場を訪問していた際に、ある石油化学メーカーの子会社の社長さんのお話を伺う機会があった。
その方は現在の会社の社長に就任する前は親会社の工場に所属していて、その当時は工場内で製品を製造する際に必要な電気や蒸気を供給する仕事を担当していたという。

「工場で電気や蒸気が止まると操業が出来ない大変な事態に陥ってしまう。」
「それなのに、みんな電気や蒸気が使えるのは当たり前だと思っている。」
「でも本当は当たり前なんかじゃなく、365日これを管理している部署のスタッフが働いているから無事に電気や蒸気が使えているのだ。」
という趣旨の事をおっしゃっていた。
だから、その方は現在の会社に社長として着任した際に「当たり前」の反対の「ありがとう」を会社のスローガンにしたという。

確かに「ありがとう」とは漢字で書くと「有難う」、つまり「有ることが難しい」という意味から派生している。
有ることが難しい事をしていただくから「有難う」と言って感謝の気持ちを表す言葉になったのだ。
そう考えると我々の周りは「当たり前」と思われているが実は「有難う」な事だらけである。
スイッチを入れれば瞬時に明かりがつくし、蛇口をひねれば水が出る、ガスコンロのボタンを押せばパッと火が付く。
スーパーに行けば様々な物が買えるし、病気や怪我をして119番に電話すれば救急車が来てくれる。
そもそも電話が繋がること自体が「有難い」。
全部、誰かが見えないところで大切な役割を担ってくれているから出来ることのだ。

世の中には「俺が、俺が!」と自分が一番偉いと勘違いしているような人が大勢いる。
でも本当は誰もが皆、いろいろな人たちのおかげで暮らしていけるのだ。
「ありがとう」、何て素敵で美しい言葉ではないか。
これからも多くの人に「ありがとう」を伝えていこうと思う。

筆者 佐藤兼好

生成AIで作成した書

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