乗船研修レポート

第3回

乗船研修レポート 「Vol.3 瀬戸大橋」

明和海運では、陸上社員の入社後研修の一環として、1~2週間程度の乗船研修を実施しています。海上業務や船舶環境への理解を深め、海上社員と陸上社員の円滑なコミュニケーションの実現を図る上で、新入社員教育の中でも重要な研修と位置付けています。
今回は、平成23年7月に入社した永田部員が経験した乗船研修のレポートを4回に分けてご紹介します。

【乗船研修者】 ・所属:営業部 ・氏名:永田 雅也乗船前 乗船中Vol.1 乗船・バンカーVol.2 潮岬Vol.3 瀬戸大橋Vol.4 船内設備保守・下船
Vol.3瀬戸大橋

~瀬戸大橋~

今回ご紹介するのは、瀬戸大橋です。岡山県 倉敷市(くらしきし)と香川県 坂出市  (さかいでし)を結ぶ10本の橋の総称です。

瀬戸大橋6橋と呼ばれる、長大橋梁郡
日本地図上ではこのあたりです

入社前、瀬戸大橋に関しては、四国と本州を繋ぐ吊り橋程度の
認識しかありませんでした。しかし、今回の乗船研修を通じて、
その立地に関しても知識を深めることができました。

瀬戸大橋は、1978年の着工から9年6ヶ月を経て、1988年4月10日供用開始されたそうです。総事業費は、約1兆1338億円であるとのこと。金額だけ聞いても、想像できないくらいに高額ですね。
 また、建設工事において、世界で初めて「海底無線発破」「設置ケーソン工法」が実用化されたとのことで、少し調べてみるだけで、壮大な計画であったことが理解できます。実際に真下から見上げてみると、遠目に見た橋の印象とは大きく違いました。

船上からの眺めはこんな感じです!!

船上からの眺め

 瀬戸大橋付近では、航路が狭い上に、底引き網漁船などが操業しており、航行にはとても注意しなければならないと感じました。また、水島港も近く、様々な航路が交わる海上交通の要所でもあります。
瀬戸大橋の立地は、東側を備讃瀬戸東航路、西側を備讃瀬戸北航路・備讃瀬戸南航路に挟まれ、水島港へ向かう水島航路も近くにあります。瀬戸大橋付近は、多数の船舶が航行する、航路の交差点です。

※備讃瀬戸海上交通センターHP引用。

乗船研修を終えた今、瀬戸大橋という言葉を聞くと、「吊り橋」のイメージだけでなく、「航路の交差点」というイメージも浮かんできます。

瀬戸大橋に接近し、見上げてみるとこんな感じです!!

(電車が通過しています!!) 下から見上げてみると、遠目に見た時とは違い、瀬戸大橋の壮大さを感じることが出来ました。

私自身、真下から瀬戸大橋を見上げたのは、初めての体験となりました。乗船中の明芳丸が瀬戸大橋の下を通過する際、偶然にも電車が瀬戸大橋を通過し、その時には大変驚きました。
それと同時に、遠目で見る瀬戸大橋の印象と、間近で見る瀬戸大橋の印象との違いに大変驚きました。プラスチック模型の様な華奢なイメージから、頑丈な鉄の塊へと、橋のイメージが一変した瞬間でした。
 また、橋の下を通過した際には、橋が作った日陰の大きさにも驚きました。海面から65m程にある橋桁ですが、とても大きく力強く感じました。
 瀬戸大橋を訪れる機会があれば、瀬戸大橋自体の「吊り橋としての魅力」はもちろんのこと、今回ご紹介させて頂いた、様々な航路が交わる「航路の交差点」という観点で、橋上から海を見渡していただけると、とても面白いと思います。

次回第4回は、船内設備保守作業をご紹介致します。