明和徒然日記

第26回 真冬のひまわり

以前の明和徒然日記第4回「君たちの肩に」や第18回「引越し!」でも述べているように明和海運の本社所在地は東京都港区芝公園である。
芝公園というのは、あくまで住所表示上のことであり公園の中に会社があるわけではなく実際は芝公園から徒歩数分の場所に位置している。
小生は通勤時にウォーキングを兼ねて駅からいろいろな経路を歩くようにしているのだが、あえて遠回りして芝公園の中を歩くことが多い。
公園と言っても住宅街の中にあるような小さな児童公園のようなものとは違い広大な敷地の内に日本庭園があったり、広い芝生があったり、小高い山(芝丸山古墳)があったりと芝公園の中だけでもその日の気分次第でいろいろとルートを変えて歩く事ができる。

ある真冬の朝、いつものように公園内を歩いていると冬枯れの景色の中に驚くべきものを見つけた。
一本のひまわりが花を咲かせていたのだ。
周囲は枯葉や枯枝だらけなのに、ただ一本だけで早朝の冷たい空気にも負けずに立っている。
もちろん真夏の大輪のひまわりとは違って花は少し小振りで、葉の色も鮮やかな濃い緑色ではなく若干薄いような気もするが間違いなくひまわりである。

地球温暖化の影響かと危惧したり、ただの狂い咲きと片づけてしまう人もいるだろう。
しかし、うまく言えないが小生はこのひまわりに何か勇気のようなものをもらったような気がしている。
たとえ咲くべき時期を間違えたとしても、たとえ仲間がいなくて一人ぼっちでも一年で一番厳しいこの季節に与えられた命をただひたすらに懸命に輝かせて咲いている。 その姿に感動を覚えたのだ。

翻って人間はどうだろう。
自分の境遇に絶望して自ら命を断ったり、自暴自棄になって後先考えずに行動して周囲に迷惑をかけるような人がいる。
小生自身もそこまで極端ではなくても、この歳になっても自分と他人を比べて落ち込んだり心が折れそうになることがある。
でも、そのような時にはこの凜として立っている真冬のひまわりを思い出して乗り越える力を持たなければ思う。

筆者 佐藤兼好

真冬の芝公園にて

真冬の芝公園にて