明和海運株式会社

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海運豆知識

第142回

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律 その2

「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」その2では、ビルジ、水バラスト等の排出基準の詳細についてご説明いたします。

(1)ビルジその他の油の排出基準
タンカー及び100トン以上の全ての船舶においては、希釈しない場合の油分濃度が15ppm未満で、その排出方法はビルジなど排出防止設備を作動させ、航行中に排出することになっています。地中海、バルティック海、黒海、北西ヨーロッパ海域ではより基準が厳しく決められ、南極海においては排出禁止となっています。

(2)水バラストなどの排出基準
タンカーからの貨物油 を含む水バラストなどの排出基準は、油分の総量、油分の瞬間排出率当該油の排出が均等になされた場合の一海里あたりの油分の排出量などに関して次のように決まっています。
①油分の総排出量が直前の航海において積載された貨物油の3万分の1以下であるこ
②油分の瞬間排出率が1海里あたり30リットル以下であること。
③南極の基線から50海里の線を越える海域一般海域に限るにおいて排出すること。
④航行中であること。
⑤海面より上の位置から排すること ただし、スロップタンク以外のタンクで油水分離したものを油水境界面検出器により満水が海域に排出されないことを確認した上で重力排出する場合は、海面下に排出することができる
⑥水バラストなど排出防止設備のうち一定の装置を作動させていること。

(3)クリーンバラストの排出基準
クリーンバラストには次に示すように厳密な定義があります。
晴天の日に停止中のタンカーから清浄かつ平穏な海中に排出した場合において、視認することのできる油膜を海面などに生じないよう洗浄され、かつ油性残留物または乳濁液の埋積海面下などが生じないよう洗浄されており、排出された場合、油分濃度が15ppmを超えるものが排出されなかったことが、バラスト用油排出監視制御装置の記録に明らかとなるよう洗浄された貨物船に積載されている水バラスト 」
このクリーンバラストの排出基準は次のとおりです。
「海面より上の位置から排出すること。ただし、排出直前に当該水バラストが油により汚染されていないことを確認した場合は、満面下に排出することができます。また、港および沿岸の係留施設以外で排出する場合は重力排出に限ります。」