明和海運株式会社

60th anniversary

海運豆知識

第141回

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律

(1)沿革と目的
20 世紀中頃、海難による船舶からの油の流出を契機として、船舶から油などの排出を国際的統一基準によって規制しようする動きが活発になりました。
日本では、1967年(昭和42年)に「船舶の油による海水の汚濁の防止に関する法律」 (海水汚濁防止法)を制定することにより、「1954年の油による海水の汚濁のための国際条約」に批准しました。この国際条約の改正に伴い、1970年(昭和45年)に「海洋汚染防止法」に改めました。その後も改正を重ね、1983年(昭和58年)に海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律を制定して、最新のMARPOL73/78条約を批准しました。
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律、第1条には「この法律は船舶、海洋施 設及び航空機から海洋に油、有害液体物質等及び廃棄物を排出すること、船舶から海洋に有害水バラストを排出すること、海底の下に油、有害液体物質等及び廃棄物を廃棄すること、船舶から大気中に排出ガスを放出すること並びに船舶及び海洋施設において油、有害液体物質等及び廃棄物を焼却することを規制し、廃油の適正な処理を確保するとともに、排出された油、有害液体物質等、廃棄物その他の物の防除並びに海上火災の発生 及び拡大の防止並びに海上火災等に伴う船舶交通の危険の防止のための措置を講ずることにより、海洋汚染等及び海上災害を防止し、あわせて海洋汚染等及び海上災害の防止 に関する国際約束の適確な実施を確保し、もつて海洋環境の保全等並びに人の生命及び 身体並びに財産の保護に資することを目的とする。」としております。

(2)船舶からの油の排出規制
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第4条では原則として船舶から海洋に油を排出することは禁止されています。ただし、次の場合は例外的に排出が認められています。
①緊急避難または不可抗力的な場合(同法4条)
・船舶の安全確保または人命救助のための油の排出
・船舶またはその設備の損傷に起因する排出
②一定の条件に従って排出する場合(同法4条2項)
・ビルジその他の油で排出基準に適合する排出で「ビルジその他の油」とは貨物油を含まない油のうち、タンカーの水バラスト(船の重しとして積まれた海水)、貨物艙の洗浄水及びビルジ(溜まった汚水)で具体的には機関室ビルジ、燃料油タンクの洗浄水、燃料油タンクに積載した水バラスト、機関室で生じた廃油などをいいます。

※ビルジ、水バラスト等の排出基準の詳細については次号(2023年1月)でご説明いたします。