明和海運株式会社

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海運豆知識

第136回

船体を作る材料

船といっても様々な種類があり、建造する船舶によって材料が異なります。理論上は、水が内部に入らないようにできて強度が保てるのであれば、どんな材料でも船を作ることは可能です。船の登録簿にはその船の主要な材料を記すことになっています。
その材料を分類すると次のようになります。

金属 現在ではほとんど使われない(含有炭素量0.02%未満)
鋼(はがね) 現在もっとも普通に使われる(含有炭素量0.02%~2%)
アルミニウム 高速船、漁船、水先船など
金属以外 ヨットや小型船など
FRP 高速船、プレジャーボート、旅客船など
ゴム ゴムボート
コンクリート 鉄が不足していた戦時中に建造実績有り。現在は展示又は一部は防波堤として設置されている。

1818年にイギリスで建造されたバルカン号が最初の鉄船で、それまでの木船に比べて強度が大きく、大型船や複雑な形の船もつくることができて寿命も長いなどの長所がありましたが、鉄船に次いで19世紀後半から鋼船が出現し、20世紀に入って完全に鋼船の時代となりました。鋼材の使用によって木船よりはるかに大型化が可能になり、しかも、船全体の重量に対する貨物重量の割合が増し、また船の寿命も延びました。
鉄も鋼も鉄鉱石を主成分として、両方共に炭素を組合せ製造されますが、鉄は炭素含有量の低さから酸化しやすく柔軟性に乏しい一方で、鋼は鉄よりも炭素含有量が多く、鉄と比較して酸化しにくく、柔軟性があり加工しやすいため現在では鋼が一般的に使用されています。
強度と重さと材料価格のバランスが取れたもの、ということになると現実的な船の材料は自ずと限られてきます。鋼の船が最もポピュラーなのは、このバランスが非常によいことと、廃船になった後のリサイクルが容易であるためです。
現代の先進国では木造船は材料も加工費も非常に高くつくため、ヨット、プレジャーボート、カッター(端艇)、磁気を嫌う掃海艇(機雷を除去する船)など特殊な船に限られるようになりましたが、発展途上国ではまだまだ建造されています。