明和海運株式会社

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海運豆知識

第135回

船の浮き沈みについて

船に重い荷物を積めば、船は深く沈み喫水も深くなります。しかし、荷物の積み降ろしを全くしないでも、浮いたり沈んだり喫水が変化することがあります。
浮かんでいる船は、船の重量と船が押しのけた水の重さ(浮力)が釣り合っています。
この状態から、船に荷物を積み増してゆくと増えた荷物の重さだけ船の重さが大きくなります。すると最初の状態の浮力よりも船の重さが大きくなっているので、それ だけ船は沈んでいき、水面下で押しのけた水の重さが船の重さと等しくなるところで止まります。
船の水深を喫水と呼びますが、船が重くなると喫水は深く、軽くなると喫水は浅くなります。
一方で荷物の積み降ろしをしないで船の重量が変わらないのに、喫水が変わることがあります。
排水容積が同じでも水の比重が変わると、押しのけられている水の重さが変わります。そのため水の比重が変わると喫水が変わるのです。
海水の比重は大体1.025前後です。川は真水ですからほぼ1.0。そのため、川に面した港のようなところでは真水が混じって海水の比重が1.0近くになります。従いまして、船はその分深く沈み喫水が大きくなります。
世界中どこでも海水の比重は1.025前後とは限りません。例えばヨーロッパ大陸と スカンディナビア半島に囲まれたバルト海は外洋への出口がノルウェー・デンマーク間のエーレスンド海峡だけで、流入する川が多い割に気温が低くて蒸発量が少ないため塩分濃度が低く、場合によっては比重1.01程になることもあるようです。実際バルト海では海水を舐めてもあまりしょっぱくなく、磯の香りもあまりしないそうです。