明和海運株式会社

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海運豆知識

第133回

船員法について

(1)沿革と目的
船員法は、陸上労働者の保護立法より以前の1899年に制定されましたが、当初は船員の保護規定よりも取締り規定の方が多く1947年に全面改正され、近代的な労働保護法として整備されました。
その後、数次の改正を経て、1982年にSTCW条約(1978年の船員の訓練および資格証明ならびに当直の基準に関する国際条約)の国内実施及び船員制度の近代化のための改正などを経て現在に至っております。
船員法は、船員の給料・労働時間その他の労働条件の基準、船長の職務権限、船内規 律などに関する法律であり、その構成は総則、船長の職務及び権限、紀律、雇入契約など、給料その他の報酬、労働時間、休日及び定員、有給休暇、食料並びに安全及び衛生、 年少船員、女子船員、災害補償、就業規則、監督などとなっています。

(2)船員法の基本原則
海上労働の特殊性に鑑み、船員に対しては、船員の労働基準法ともいうべき船員法が適用されますが、船員も労働者として、その本質においては、陸上の一般労働者と変わりません。そこで船員法は、労働基準法中の生活の保障、労働の自由と平等などの保障、公民権行使の保障などに関する労働憲章的規定は、船員についても適用するものとし、船員法の基本原則としています。
1 労働条件の原則
労働条件は、船員が人たるに値する生活を営むための必要をみたすことができるものでなければなりません。船員法は、船舶所有者が船員を雇用する場合の労働条件の最低基準を定めたものでありますから、船舶所有者は、この船員法の基 準を理由として、船員法の基準まで引き下げてはならないことはもちろん、常にその向上を図るように努めなければなりません。
2 労働条件の決定
労働条件の決定に際しては、船員と船舶所有者とが対等の立場であること。また、労働組合と船舶所有者との間に結ばれる労働協約や船舶所有者の定めた就業 規則、船舶所有者と船員との間に結ばれた労働契約をお互いに尊重しなければな りません。
3 均等待遇、男女同一賃金の原則
船舶所有者は、船員の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金・労働時間その他の労働条件について、差別的取扱いをしてはならず、船員が女子である ことを理由とし、賃金について、男子と差別的取扱いをしてはならないとされております。
4 強制労働の禁止
船舶所有者は、暴行、監禁その他精神的身体的な不当拘束によって、船員の意志に反して労働を強制してはならないとされております。
5 中間搾取の排除
労働ブローカーの存在を否定し、また、船員の就業後船員に渡される報酬が第三者により中間詐取されることを禁止としております。
6 公民権行使の保障
船舶所有者は、船員が労働時間中に、国民に保障されている公民としての権利 を行使し、又は国会議員、地方議員などの職務、証人としての裁判所への出頭など公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合に、拒んではならないと されております。