明和海運株式会社

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海運豆知識

第131回

航海計画について第2部

第 2 部では、危険物の離隔距離~潮汐の影響の強い水域における航海計画についてご紹介します。

1. 危険物の離隔距離
航路付近に散在する暗礁(岩)などの危険物が存在する海域では、これらとの離隔距離を決定する場合、とくに次の場合は離隔距離を大きく計画しなければならないとしております。
(1) 陸標による船位測定が困難なとき
(2) 夜間、霧など視界の悪い場合や海潮流の強い場所
(3) 使用海図が精密でない場合(電子海図含む)

2. 狭水道における航海計画
関係水路誌、海図、灯台表、潮汐表などによって、潮流、航路、航路標識をあらかじめ十分調査したうえで、次の計画をします。
(1) 通過時機として、憩流時(けいりゅうじ)またはその前後の潮流が微弱な時期を選ぶが、さらに地方の気象上の条件や交通量なども合せて考慮し計画する。
(2) 航路計画に当たっては、右側通航の原則から、水道中流の右側を航行するよう、他船を 避航する水域を考慮して計画しますが、できるだけ流れを横から受けないように計画する。
(3) 安全通航のため、航進目標を選んでおくことが必要です。大角度変針を避け小刻みに変針するよう計画する。

3. 浅い水域における航海計画
水域の航行幅や深さが制限された水域では、一般に水深が喫水の 10 倍以下になると船体抵抗は増え、1.2 以下になるとさらに速力の減少が目立つようになります。また浅水では船体全体が沈み、船首トリムが大きくなり、船尾沈下が起こります。その為、水深が喫水の 1.1 倍以下の浅さになれば底触する恐れがあります。これを浅水影響といい、これらを考慮した航海計画を立てる必要があります。

4. 狭視界時における航海計画
航行中に視界が悪くなった場合の航海は、次に事項を状況に応じて適切に励行するように計 画する必要があります。
(1) 安全な速力とし、霧中信号を励行し、法定灯火を表示する。
(2) レーダーを適切に使用し、船橋見張り員を増強し、適切な見張りを行う。
(3) 機関用意、投錨用意する。
(4) 陸上や他船からの信号に注意する。
(5) 航海に不安のある場合、または航海基準等を目安に避泊・停泊・入出港を見合わせる。

5. 潮汐の影響の強い水域における航海計画
潮汐の流れは操船や航海に次のような重大な影響があり、次のことを考慮して航海計画を立てなければなりません。
(1) 潮汐の流れは船全体を潮下に圧流する。
(2) 潮汐の流れを船首に受けると、対地速力は減少するが、舵効きはよくなる。また、潮汐の流れを船尾から受けると対地速力は増すが、舵効きは悪くなって保針が困難となる。
(3) 狭水道などで本流とその反対に流れる反流(わい潮)がある場合を考慮する。