明和海運株式会社

60th anniversary

海運豆知識

第125回

気象と海象

かつて日本各地には日和山と呼ばれる山があり、そこで観天望気を行って天候の変化を予測し、港の船に出航を促したり、止めたりしておりました。江戸時代の弁才船による航海では、陸上の目印を目当てに航海する地乗り(沿岸航海)だけでなく、松前から佐渡沖、隠岐沖を通って一気に下関へ向かうといった沖乗りも多く行われていましたので、天候の予測は非常に重要でありました。
今日でも航海に際して天候や海潮流の状況を予想することは、船の安全を図るために欠かせないことで、そのための気象・海象知識は航海士にとって必須のものです。ですが、実はそれだけでなく、船は動く気象観測所でもあり、航海士には気象観測に関する国際的な規則などについての知識が求められます。
地球表面の70%を占める海での気象観測データーは気象解析や天気予報のために欠かすことができませんが、それを気象観測船からのデーターだけで充足することはできません。そこで気象業務法ではWMO(世界気象機関)の合意に基づき①遠洋、近海または沿海区域(100トン未満は除く)を航行する旅客船、②遠洋、近海または沿海区域を航行する総トン数300トン以上の船舶、③総トン数100トン以上の漁船は、気象観測機器を備えることと、グリニッジ標準時における3時間ごとの気象・海象を観測して気象庁に報告することが義務付けられています。
船上での気象・海象観測の仕事をリーサイド(Lee Side)と称しますが、その本来の意味は「風下側」です。これは、航海中に安全に観測を行うには風上舷側よりも風下舷側の方が適しているためです。船が航海中に行わねばならない気象・海象観測の項目については、次回9月度の海運豆知識でご紹介致します。