明和海運株式会社

60th anniversary

海運豆知識

第90回

タイタニックとSOLAS

タイタニック号の海難事故(1912年4月14日深夜、北大西洋上で氷山に接触、翌日未明にかけて沈没)では多くの人命が失われ、船が大型・高速化してゆく歴史の中で大きな衝撃を社会に与えました。
 この事故の根本原因は気象通報を無視して氷山の浮かぶ水域を高速で航行したことですが、救命設備が十分でなかったことや無線による救難信号がうまく伝達されなかったことなどが被害を大きくしました。これを契機として、1914年に船の安全を守るための国際条約として「海上における人命の安全のための国際条約」(International Convention for the Safety of Life at Sea)略称「SOLAS(ソーラス)」が結ばれました。
 SOLASには、衝突しても沈没・転覆しないための区画構造、救命設備、消火設備、防火構造、航海設備、通信機器などについて規定されており、常に見直し作業が続けられている他、大きな事故が起きる度に改正・追加されてきています。
 このような国際的な取り組みは、国連の下部機構としての国際海事機関(International Maritime Organization)略称「IMO(アイエムオー)」が行っています。貨物の積みすぎによる海難を防ぐ「満載喫水線に関する国際条約」(LL条約)、船からの油流出などによる環境汚染に対応するための「船舶による汚染の防止のための国際条約」(MARPOL条約)、乗組員に対する基準を定めた「船員の訓練および資格照明並びに当直の基準に関する国際条約」(STCW条約)というような重要な条約や、国際条約の基準を満たさないサブスタンダード船を取り締まるためのポート・ステート・コントロール(入港する港の国が外航船の安全設備を検査できる制度)に関する手続きなどが定められています。

【SOLAS条約の構成と附属書】

〇構成
・条約本文 締約国の義務・適用範囲(1条・2条)
・不可抗力の及んでいる場合および非常事態における人の避難に関する適用除外(4条・5条)
・1960年条約の廃止(6条)
・改正手続(8条) – 附属書(第1章を除く)の改正については、採択後一定期間内に一定以上の締約国から異議の通知がなされない限り自動的に発効する方式を採用。
・発効要件 など

〇附属書
第1章 一般規定
第2-1章 構造(区画及び復原性並びに機関及び電気設備)
第2-2章 構造(防火並びに火災探知及び消火)
第3章 救命設備
第4章 無線通信
第5章 航行の安全
第6章 貨物の運送
第7章 危険物の運送
第8章 原子力船
第9章 船舶の安全運航の管理
第10章 高速船の安全措置
第11-1章 海上の安全性を高めるための特別措置
第11章 海上の保安を高めるための特別措置
第12章 ばら積み貨物船の追加的な安全措置