明和海運株式会社

60th anniversary

海運豆知識

第112回

船の特徴は水の性質による

ゆっくりであっても安価に大量の荷物を運ぶことができる船は、他の輸送システムに 比べて優れた経済性を備えています。そして環境にも優しい輸送システムです。このよう な船の特徴は、船を支える「水」の性質によるものです。
普段は意識することがあまりないと思いますが、水は非常に重いのです。たった、1m 角の立方体の容積でも重さは 1,000 kgもあるのです。水は、それ自体が重いことで大きな 浮力を発生しており、重い荷物や大きな構造物を軽々と浮かせることができるのです。
水の摩擦力が地面に比べて非常に小さいことは、例えばサーフボードを水から砂浜に 引きずり上げることをイメージして下さい。サーフボードは水に浮いてるときに指 1 本 で動かせたものが、砂浜に上がった瞬間から力を入れないと動かせないほど重くなります。
鉄道や自動車など陸上の輸送システムでは、地面との間に大きな摩擦力が働きます。 そのため何らかの摩擦減少策がないと重量物の移動は不可能で、自動車や鉄道は車輪に よって滑り摩擦を転がり摩擦に代えて摩擦力を減少させています。
車輪は自然界には存在しない人類の大発明で、紀元前 1500 年頃にメソポタミアで考案 されたと言われています。車輪が無ければ地上でも輸送システムはほとんど成立しなか ったに違いありません。
しかし、船は、地球に水がありその摩擦力が小さいおかげで、車輪が発明されるずっと 前から輸送の手段として存在していたのです。
また水は粘り気が高いという性質も備えています。これは水の摩擦が小さいことと矛 盾しているように思いますが、手で大きく水をかき回してみれば、どれほど粘り気がある か実感できます。
つまり、水と物体との間の摩擦は小さいが、水そのものが動かされるような大きく早い 動きに対しては、水は粘り気のある物体なのです。この粘り気のため、船が高速で走ろう とすると非常に大きな力が必要になり、船が早く走る障害となります。
以上のことから、水は1重い、2摩擦が小さい、3粘り気が高いと纏めることが出来ます。

得意な巨大化と苦手なスピード