明和海運株式会社

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海運豆知識

第109回

軸封装置(シャフトシール)は今でも船の泣き所

主機関の動力を使って船を推進するのが推進器(プロペラ)、そのプロペラに主機関の動力を伝えるのが推進軸(プロペラシャフト)です。推進軸が船外に出る部分が船尾管(スタンチューブ)で推進軸と船尾管などをまとめて軸系と呼びます。
推進軸は軸受けによって支えられ、プロペラが回り続けている間は摩擦が生じるため、小型船では海水で、大型船では潤滑油で軸受けを冷却しています。
プロペラは水面下にあり漏水防止のために軸受けと軸が通る船尾管の前後に特殊なゴムでできたリング(シールリング)で漏水を止める軸封装置(シャフトシール)が船外側と船内側にあります。
大型船の場合、船外側のシールリングが損傷して、潤滑油が外部に漏れだすと環境汚染となり罰せられますし、外から水が入って潤滑油に混ざると最悪の場合は軸受けが焼き付く可能性もあります。小型船では海水冷却のため、潤滑油が外部に漏れる心配はありません。とはいえ、シールリングは特殊なゴムで出来ており、軸に接する面は摩擦が生じ熱くなり、海水や潤滑油で冷却されるとは言え、ゴムという材質で長時間水漏れや油漏れをせずに摩擦に耐えるのは大変難しく、またロープや漁網など異物を噛みこんで損傷することもあり、現在でも軸封装置(シャフトシール)は船の泣き所といえます。

軸封装置(シャフトシール)は今でも船の泣き所