明和海運株式会社

60th anniversary

海運豆知識

第104回

航海速力1.5ノットの違い

「足の速い船」、「遅い船」と我々は言いますが、内航ケミカル船では積載状態で公称平均速力9.5ノット遅い船、11ノット速い船と言っています。僅か1.5ノット(時速2.8Km/h)の差で速い、遅いと言っていますが、このわずかな差が、揚地・積地に間に合うかで重要になってきます。

船は大量の貨物を長い時間を掛けて目的地へ運びます。例えば、京浜地区から新潟へ貨物を運ぶときは、777マイルもの距離を航海します。陸路は新幹線で2時間弱ですが、船は東京湾を出て北上し津軽海峡を横断して新潟へ向かいます。同じ時間に京浜地区を「よーいドン!」で出港し新潟へ向かったとします。気象海象が同条件の場合、速い船は約70時間30分(2日と22時間30分)で到着します。12時に京浜港を出港したとすると、3日後の10時30分に新潟に到着します。ところが遅い9.5ノットの船で行くと約82時間(3日と10時間)かかります。12時に京浜港を出港したら3日後の22時の到着になってしまいます。同時刻に出港して新潟へ着く頃は11時間30分も差がついています。危険物を積載したタンカーは工場のルールにもよりますが、基本的に日没までに荷役を開始しなければなりません。これでは一日余計に日数がかかってしまいます。

実際は長い航海の場合、向かい風や逆潮(その逆も有り)の影響で平均速力が1ノット程度増減することも多々あります。「思っていたより早く到着した」なんてこともよくあります。

航海距離表
航海距離表

もちろん、千葉から川崎など距離の短い航路も有りますが、その場合はあまり速い船、遅い船の差はなくなります。運航会社の配船担当者は日々これら船の様々なスペックを考慮しながら、運航スケジュールを組み立て、最適な船を選択し配船しています。