明和海運株式会社

60th anniversary

海運豆知識

第103回

ターボチャージャー(過給機)について

ちょっと車が好きな人は「ターボ」と言う言葉をよく耳にするかと思います。「ターボ」とは「ターボチャージャー」の略語で、日本語訳すると「過給機」と言います。高級な乗用車やスポーツカーなどに採用され、速い車の代名詞となっています。このターボチャージャーはほとんどの船舶の主機にも搭載されています。ターボチャージャーとはエンジンのシリンダーに強制的に空気を送り込む機構のことで、そのエンジンの排気量以上のパワーを生み出すことができます。それでは少し詳しく原理を見ていきましょう。

まず、海運豆知識「第15回主機としてのディーゼル機関の原理」のおさらいとして、ディーゼル機関は1.吸気弁、2.排気弁、3.燃料噴射弁、4.シリンダー、5.ピストン、6.連接棒(コンロッド)、7.クランク等で構成されており、シリンダー内に圧縮空気を送り込んでシリンダー内部を高温・高圧にした状態で燃料(A重油・C重油)を噴射し自己着火させています。ディーゼル機関の行程は、(1)吸気⇒ (2)圧縮⇒ (3)着火・膨張⇒ (4)排気⇒ (5)吸気を繰り返しています。とあります。

ターボチャージャーの構造は単純で、下図のように排気ガスの排出される勢いを使って(上述(4)の行程)排気側タービンを回します。その回る力を使って排気側タービンと連結された吸気側タービンを回し、新鮮な空気を圧縮して大量にシリンダーの中に取り入れる(上述(1)の行程)ことによります。

過給機概略図
過給機概略図
過給機概略図
取り外したタービン
排気側はススで汚れてます
過給機概略図

エンジンのシリンダー内では一定の燃料と、一定の空気によって効率よく燃焼します。限られたシリンダーの中に燃料を多く噴射しても空気が足りなければ、燃焼(パワー)の増大は見込めません。過給器とは、「より多くの空気をシリンダーに導入し、より多くの燃料を噴射し、燃焼力を増大させること」を目的とした装置で排気量を上げずに、パワーを一気に引き上げることができる画期的なシステムです。
現在のディーゼル機関では、排気エネルギーを効率的に利用し、機関の小型化に貢献し、過給機付きが過給機なしの場合に比べて50%近い出力増が得られるため、ほとんどの機関に過給機が装備されています。