明和海運株式会社

60th anniversary

クローズアップ明和

第65回

石油化学製品のイロハ

石油化学製品は、もともとは石油や天然ガスから幾重もの生産工程を経て、自動車の部品や、衣服の生地、薬品やお惣菜のトレーなど私たちの生活に必要な最終製品へと姿を変えていきます。
このシリーズではそのような石油化学製品について、コテコテの文系頭の筆者が難しい化学式や計算式などは省いて、分かる範囲で少しだけご紹介していきます。

第2回エチレングリコール(ペットボトルにもなります)

前回でご紹介いたしました「石油化学製品のご先祖様」であるナフサを更に高熱で分解精製するとエチレン(29%)、プロピレン(19%)、BB(ブタン・ブチレン)留分(11%)、分解油(20%)、分解重油(21%)の5種類の基礎製品に分解されます。
最も比率の高いエチレンを原料として製造されるのものには、ポリバケツやレジ袋などでお馴染みのポリエチレンなど多数ありますが、そのうちの一つが今回ご紹介するエチレングリコールです。

エチレングリコールは、まずエチレンを触媒で酸化させたエチレンオキサイド(酸化エチレン)という気体を合成し、更にそのエチレンオキサイドと水と反応させて生成します。
そのようにしてつくられたエチレングリコールは無色透明で少し粘り気のある液体です。
飲むと甘味があるらしいのですが、人体に悪影響があるため飲んではいけません。以前はワインの添加物としてドイツや日本でも使用されていた時期もあったそうですが現在では禁止されています。

このエチレングリコールは融点がマイナス12.6℃と比較的低く、寒冷地でも凍りにくいという特性を活かして自動車のラジエーターの不凍液の原料として利用されています。
また、同じくケミカル中間製品であるパラキシレンと反応させて出来る高純度テレフタル酸(PTA)を経由してポリエステル繊維となり、私たちの衣服の生地の原料などに使用されています。
ちなみに筆者が着ているスーツも実はポリエステル100%です。

その他にはペットボトルの原料としても使われています。
ペットボトルはガラス製のビンに比べて軽く、なおかつキャップをすることができて気軽に持ち歩くには大変便利なので、現在ではコンビニやスーパーなどで売っている飲料の容器の殆どはガラスビンではなくペットボトルになっています。

ペットボトルという名称はまるで犬や猫などのペットのように可愛らしいイメージがありますが、このペットという名称はポリエチレンテレフタレート(olythylene erephthalate)の頭文字から取ったものであり、実はエチレン由来であることを明確に主張しているネーミングなのです。
余談ですが、ペットボトルというのは和製英語に近い言い方で、アメリカやイギリスでは、通じないことはないのですが、あまり馴染みのない言い方のようです。
実際にアメリカでは大雑把にプラスチックボトル、またイギリスでは単にPET(読み方はピーイーティー)と呼んでいるそうです。

  • ペットボトル

最後に、ペットボトルは私たちの口に直接入る飲み物を入れる容器なので、品質管理が重要なポイントとなります。
当然、その原料となるエチレングリコールの品質に関しても然りです。
当社のケミカルタンカーでエチレングリコールの輸送を行う際には、その一つ前の航海でタンクに積む製品の種類を厳しく制限(前荷制限)したり、搭載前には他の貨物を搭載する時よりも更に入念なタンククリーニングをおこなったりと品質に関しては細心の注意を払って搭載をしています。